┏━━【目次】━━━━━━━━━━━━━
┠■はじめに~<本日の取材報告>3.11.原発事故被害の完全賠償を求める「2.19原発訴訟千葉一陣」が東京高裁で勝訴! 国が地震津波対策を東電に求めなかったのは「許されない不作為」だと、東京高裁が初めて国の責任を認める画期的な判決!
┠■変異株に対するmRNAワクチンの有望な兆候! mRNAワクチンは英国変異株には有効! 南アフリカ変異株には、その有効性が低減するものの、幾何平均抗体価(抗体有効性を示す指標)は290倍! しかし、なお継続的なウイルス・サーベイランスと新しい変異株に対するワクチンの有効性評価が重要!
┠■【中継番組表】
┠■東京都の検査数が激減! 新規感染者が減ったように見せかける現実の隠蔽ではないのか!? IWJが検証の結果、偽装とまでは言えないまでも、まだまだ検査数が足りないことは明らか!
┠■「武漢では2019年12月の時点ですでに12種類以上の新型コロナ変異株が存在」! 「1000人以上が感染していた可能性」! WHO調査チームがメディアのインタビューで公表! 発生源は海鮮市場での南方の動物の違法売買!?
┠■「国は『赤木ファイル』の存否さえ明らかにしてくれない」国会で麻生財務大臣が「訴訟外でお答えすることは差し控える」と回答を拒否! 赤木雅子氏損害賠償裁判第3回口頭弁論後の記者会見 2021.02.17
┠■<本日の再配信>本日午後8時より「性暴力はメディア業界にはびこっている!! 記者クラブメディアの『病んだ労働環境』が性暴力を生む!! ~岩上安身によるインタビュー第993回 ゲスト 同僚からの性暴力被害者・元大手新聞女性記者Aさん」を再配信します!
┠■コロナ禍でIWJは存続できるかどうかの危機に直面!! 会員数がついに4000人未満に! さらに2月19日までのご寄付・カンパは目標額の14%にとどまっています! IWJは会費とご寄付・カンパの減少が拡大しており、このままでは2月末に累積の不足額が1300万円を超えてしまいます! 会員登録とご寄付でのご支援をどうぞよろしくお願いします!
┠■【編集雑記 第51回 2月20日 塩澤由子】自民党清和会の権力が蔓延る日本社会!「無責任の体系」とよばれる社会構造の中で犠牲になる私たち
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■はじめに〜<本日の取材報告>3.11.原発事故被害の完全賠償を求める「2.19原発訴訟千葉一陣」が東京高裁で勝訴! 国が地震津波対策を東電に求めなかったのは「許されない不作為」だと、東京高裁が初めて国の責任を認める画期的な判決!
おはようございます。IWJ編集部です。
あの3.11から10年の節目となる2021年、東京高等裁判所が画期的な判決を2月19日にだしました。東京電力・福島第一原子力発電所の事故で千葉県に避難を余儀なくされた住民が、国と東京電力を相手取って約18億8千万円の損害賠償を求めた訴訟で、国の法的責任を認め、国と東電双方に賠償を命じました。
一審の千葉地裁判決では、津波の予見可能性は認めたものの、有効な対策を取ることは難しかったとして、国に法的責任はないとしていましたので、住民側にとっては逆転勝訴となります。
IWJは、東京高裁前の集会と、判決後の報告集会を中継取材しましたので、ぜひ近日中に公開する取材動画を御覧ください。
判決後の報告集会で弁護団は、この逆転勝訴を「今後の関連裁判にも大きな影響を与える判決」だと高く評価しています。
2020年9月30日には、仙台高等裁判所で、安全対策に関する規制権限の行使を怠ったとして国の損害賠償責任を認める判決が出されており、仙台高裁、東京高裁と続けて国の責任を認める判決が出たことで、今後の裁判にも影響をもたらす可能性が出てきました。
実は、東京高裁は、先月、1月21日には、東京電力・福島第一原子力発電所の事故で群馬県に避難を余儀なくされた住民の訴訟に対し、東電の責任は認めたものの、一審の前橋地方裁判所の判決を覆し、国の敗訴を取り消す判決を下していました。同じ東京高裁でわずか1ヶ月後に正反対の判決が下されたことになります。
※原発事故巡る損害賠償訴訟、国の敗訴取り消す判決…控訴審(読売新聞、2021年1月21日)
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210121-OYT1T50167/
判決後に、千葉原発訴訟原告と家族の会・弁護団・支援する会が主催した報告集会「3.11.原発事故被害の完全賠償を 2.19原発訴訟千葉一陣 東京高裁判決報告集会」では、弁護団から判決の要点について報告がありました。
弁護団「今日の判決のポイント、まだ詳しい分析が済んでいないので、大雑把なことしか言えないと思いますけれども。白井裁判長は、はっきり言いました。高裁判決は国の賠償責任を認める。その理由として何点かあげました。まず、『長期評価』については、明確にその信頼性を認めました。『長期評価』、その内容、その作成過程、作成主体が信頼性があると十分言えると、明言しました」
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■変異株に対するmRNAワクチンの有望な兆候! mRNAワクチンは英国変異株には有効! 南アフリカ変異株には、その有効性が低減するものの、幾何平均抗体価(抗体有効性を示す指標)は290倍! しかし、なお継続的なウイルス・サーベイランスと新しい変異株に対するワクチンの有効性評価が重要!
おはようございます。IWJ編集部です。
連日、英国変異株や南アフリカ変異株など、変異株に対するワクチンの有効性への懸念(とくに、南アフリカ変異株に対して)とワクチン接種体制の問題点をお伝えしていますが、有望な兆候も出てきています。
CNNは、17日に、ファイザー/ビオンテック社のワクチンがB.1.351と呼ばれる南アフリカ変異株を含む変異株に対して有効性を示す研究が発表されたと報道しました。
※Lab studies suggest Pfizer, Moderna vaccines can protect against coronavirus variant(CNN、2021年2月17日)
https://edition.cnn.com/2021/02/17/health/pfizer-vaccine-south-africa-variant/index.html?utm_medium=social&utm_source=fbCNN&utm_content=2021-02-18T02%3A28%3A05&utm_term=link&fbclid=IwAR3wlRczjMc4CkyNDH3ooahsYf2hP8FAAgT5OU9RDMGRCL5lp1g8fmLDRAQ
この研究は、マサチューセッツ内科外科学会によって発行される査読制の医学雑誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』のウェブ版に2月17日に公開されました。
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◆中継番組表◆
**2021.2.20 Sat.**
あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。
【タイムリー再配信 869・IWJ_YouTube Live】20:00~「性暴力はメディア業界にはびこっている!! 記者クラブメディアの『病んだ労働環境』が性暴力を生む!! ~岩上安身によるインタビュー第993回 ゲスト 同僚からの性暴力被害者・元大手新聞女性記者Aさん」
視聴URL(冒頭以降は会員限定): https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867
2020年収録の、岩上安身が元大手新聞女性記者Aさんに行った匿名インタビューを再配信します。これまでIWJが報じてきた性的暴力関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e6%80%a7%e7%9a%84%e6%9a%b4%e5%8a%9b
[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/465919
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◆中継番組表◆
**2021.2.21 Sun.**
あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。
【タイムリー再配信 870・IWJ_YouTube Live】20:00~「メディア業界団体および加盟社への女性登用要請に関する記者会見 ―出席:岸田花子氏(日本民間放送労働組合連合会女性協議会副議長)ほか」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured
2月9日に収録した、「民放労連」、「新聞労連」、「出版労連」、「メディアで働く女性ネットワーク(WiMN)」による記者会見を再配信します。これまでIWJが報じてきた女性の人権関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e5%a5%b3%e6%80%a7%e3%81%ae%e4%ba%ba%e6%a8%a9
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◆昨日アップした記事はこちらです◆
「ワクチンの安全・有効性、副反応などのリスクについて国内外のデータを迅速かつ徹底的に明らかに」!志位委員長、ワクチンの接種開始にあたり4つの立場を表明!~2.18日本共産党 志位和夫委員長 記者会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/488890
◆昨日再アップした記事はこちらです◆
(再掲載)戦国時代の日本では合戦よりも老若男女の生け捕りが横行、奴隷として国内外に売っていた!! 戦争賛美の「官軍教育」から抜け落ちた真実に迫る!~岩上安身によるインタビュー 第887回 ゲスト 作家・歴史評論家原田伊織氏 第2弾
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/427062
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■東京都の検査数が激減! 新規感染者が減ったように見せかける現実の隠蔽ではないのか!? IWJが検証の結果、偽装とまでは言えないまでも、まだまだ検査数が足りないことは明らか!
全国の新規陽性者数は1537人(2月18日)と、2週間前の2917人(2月3日)、今冬最大の7949人(1月8日)に比べると、低減されてきました。ある時点の新規感染者数の増減は、おおむね2週間前の感染状況を反映しているとすれば、1月8日ごろはクリスマスシーズンの人出を受けての大幅増加、1月中旬に年末年始の移動が反映され、現在はピークアウトしたといえそうです。
これに対し、検査抑制によって検出数を意図的に減らしているのではないかという疑惑が一部で上がっています。
※国内の感染者数(NHK、2021年2月19日閲覧)
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data-widget/
そもそも、1日あたりの検査数は曜日によって変動するので、休日など極端に少ない日を取り上げて議論をすると大勢を見誤ってしまいます。7日間移動平均値を用いて、現在の感染者数低減が検査の抑制のよってもたらされたものであるかどうかを検証する必要があります。
東京都ホームページによると、「新規陽性者数」は2月18日時点で355.1人(7日間移動平均)と、今冬最大の1861.1人(1月11日、7日間移動平均、1日あたりは1月7日2520人)の5分の1程度にまで低減されてきました。全国とほぼ同様の傾向にあるといっていいでしょう。
「検査数」は2月17日時点で6757人(7日間移動平均)、今冬最大の12201.3人(1月10日)から見ると、たしかに半減しています。
しかし、「陽性率」は2月17日時点で4.2%(7日間移動平均)、今冬最大の14.5%(1月7日)から見ると、約3分の1に低減しています。つまり、1月7日よりは検査数は感染者数に対しておよそ3倍に増えているともいえるのです。
陽性率は少なくとも1%程度に抑えるべきという説もあり、4.2%はまだまだ高い数字ですが、低減しており、以前よりは「まし」になってきているといえます。
「#7119における発熱等相談件数」は2月17日現在、63.1件(7日間移動平均)と、1月4日の112件から見るとおよそ2分の1です。しかし、2020年12月中下旬の値60〜63件前後と比べてさほど変わっていません。
発熱等相談件数は自覚症状のある人、自分はコロナに感染したのではないかと懸念する人がどのくらいいるか、という数字ですから、自覚できるほどの症状が出た人の数をある程度反映していると考えられます。
そういう意味では、新規感染者数が連日500人を超えて1000人に向けて増えていた時期と相談件数はあまり変わっていない(12月15日519.3人、12月31日889.4人)のだから、本当は2倍近くの新規感染者がいるのではないかという推測も成り立ちます。
ただし、相談件数は2020年3月頃から50件を割り込む日はそれほど多くはないのです。概ね感染拡大期と相談件数の増加期は一致しますが、感染者数が10人前後だった6、7月にも一定数(50件程度)は体調不良を懸念して相談する人がいました。
つまり、新規感染者数と発熱相談件数にはある程度の相関関係が見られるが、50件はいわば基礎数として見なすべきであり、その周辺の相談件数は相関性が失われ、参考値として有効ではありません。
「東京都発熱相談センターにおける相談件数」も、「#7119における発熱等相談件数」とほぼ同じ動向を示しています。最大は1月4日の2676件(7日間移動平均)で、2月17日は1035件であるから、3分の1には及ばないが、半分以下に低減しています。
※都内の最新感染動向(東京都、最終更新2021年2月18日 18:30)
https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp
以上から、現在の感染者数の低減傾向は、検査数の過小による偽装とまでは言えず、おおむね是認できる傾向です。
ただし、東京都のモニタリング指標を見る限り、現時点で陽性率4.2%は高すぎます。4月から5月の緊急事態宣言時には最終的に0.8%(5月20日、7日間移動平均)まで陽性率を下げました。今回の緊急事態宣言で、1〜2ヶ月程度で0.8%まで持って行くのは難しいと思われます。限定的な抑制政策は限定的な効果しか生んでいないというべきでしょう。
ちなみに、感染抑制に成功している中国では、1000万人規模の全市民PCR検査を2〜3日で実施して、数十人の無症状感染者を検出しています。仮に感染者が100名いたとして、その陽性率は1万分1、0.01%。桁違いに低いのです。これだけの検査体制を用意できる国であれば、感染を抑えながら五輪を開催できるかもしれません。
10月1日、政府が「GoToトラベル」に東京も加えた時の陽性率は3.6%でした。その後の展開はすでに見てきた通りです。
陽性率が高いまま、緊急事態宣言を解除し、1兆円積み上げた「GoTo」予算の消化を図れば、岩上安身による上昌広医師のインタビューにもあるように、夏の、まさにオリンピック時期に、感染爆発のピークがやってくる可能性があります。PCR検査を抑制し、不特定多数の無症状者への検査と隔離・療養を拒否し続ける日本政府は、東京五輪の開催を強行しようと、その前に緊急事態宣言を解除して、「GoToキャンペーン」を再開しようと、その結果について責任を負うつもりがないようにしか思えません。
緊急事態宣言がずるずると延長されている現状は、安倍・菅政権のコロナ政策の当然の帰結です。従前よりIWJが指摘しているように、新型コロナウイルスの感染抑制には無症状者の検出と隔離が不可欠です。2月の感染者の減少傾向は、大勢としては嘘偽りではなく、事実として受け入れるべきものですが、陽性率を下げ、感染拡大を大幅に抑え込むにはまったく足りない検査数だといわざるをえません。
「感染拡大を抑制することが証明された唯一の方法が検査強化」と話す、上昌広医師への岩上安身のインタビューをぜひ御覧ください。
※世界累計感染者1億人超! もはや検査抑制・ワクチン頼みの菅政権は対処不能!? 抗体回避し再感染力持つ恐れあるコロナ変異株が世界で続々発生! 『第2次パンデミック』到来! ~岩上安身によるインタビュー 第1029回 ゲスト 医療ガバナンス研究所理事長・上昌広医師 2021.1.27
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/488854
■「武漢では2019年12月の時点ですでに12種類以上の新型コロナ変異株が存在」! 「1000人以上が感染していた可能性」! WHO調査チームがメディアのインタビューで公表! 発生源は海鮮市場での南方の動物の違法売買!?
新型コロナウイルスの発生源調査のため、中国湖北省武漢を現地調査したWHO(世界保健機関)の調査チームのリーダーをつとめたピーター・ベン・エンバレク氏が、米CNNと日本のNHKの単独インタビューに相次いで答えました。
WHOの調査チームは、今年1月から2月にかけて武漢で多くの患者が確認された海鮮市場を視察し、医療関係者に聞き取りを行った結果、2019年12月の時点で、これまで考えられていたよりはるかに広範に感染が広がっていた兆候があったとのことです。
※武漢の新型コロナ感染拡大、より大規模だった可能性 WHO調査団 CNN EXCLUSIVE(CNN、2021年2月15日)
https://www.cnn.co.jp/world/35166483.html
※WHO 武漢調査チームリーダー「初期にはすでに感染拡大の兆候」(NHK、2021年2月16日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210216/k10012871101000.html
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■「国は『赤木ファイル』の存否さえ明らかにしてくれない」国会で麻生財務大臣が「訴訟外でお答えすることは差し控える」と回答を拒否! 赤木雅子氏損害賠償裁判第3回口頭弁論後の記者会見 2021.02.17
森友学園問題で自ら命を絶った元財務省近畿財務局職員の赤木俊夫さん(享年54)の妻・雅子さんが2021年2月17日、 損害賠償裁判第3回口頭弁論後に、大阪市北区内で会見を行ないました。
赤木雅子氏は、夫の故赤木俊夫氏が改竄記録を書き留めたとされる「赤木ファイル」の存在を主張し、大阪地裁に対し、国にファイルの提出を求め「文書提出命令」を出すよう申し立てました。
席上、赤木雅子氏は、国側が「赤木ファイル」の存在について「ファイルがあるかないかも言ってくれない。国の態度がまったく理解できない」と批判し、故赤木俊夫氏が「自分のやった犯罪行為はすべて書いて残してある」と述べ、「赤木ファイル」が明らかになることは、今後、国家公務員の再発防止のためにも重要だと強調しました。
赤木雅子氏が記者会見中に、口頭弁論時に述べた意見陳述を再度読み上げました。ここにその陳述の全文を掲載します。
「今日のちょうど4年前である平成29年2月17日。安倍元首相は国会で、『私や妻がこの認可あるいは国有地払い下げにもちろん事務所も含めて一切関わっていない。もし関わっていたのであれば、総理大臣も国会議員も辞める』と述べました。
あれから4年経過したのにそして、この訴訟を提起してもうすぐ1年なのに、夫がなぜ自殺に追い込まれてしまったのか、その本当の理由を私は知ることができないままでいます。
国は、この訴訟が始まってから9ヶ月も経った後に、やっと公務災害認定に関する資料を提出しました。しかしこの資料には、改ざんに関する記載が一切存在しません。またこの訴訟では、今回の文書提出命令の対象となった赤木ファイルの提出を、訴状の段階から求めていました。
しかし国は争点と関係がないからという理由で、赤木ファイルが存在するか否かさえ答えてくれません。
一昨日、麻生財務大臣は国会で今井議員から赤木ファイルについて『存否ぐらいは教えていただけないでしょうか』という質問を受けた際、『訴訟に関わることは、訴訟外でお答えすることは差し控えております』と回答しました。
このように国は訴訟では争点と関係がないと言い、国会では訴訟のことは一切話せないと言っています。一体どういうことなんでしょうか?私には赤木ファイルの存否すら明らかにしようとしない国の態度が全く理解できません。
でも赤木ファイルの存在は、私と夫の生前の会話から明らかだと思います。夫は平成29年7月20日にうつ病で病休に入る前から私に対し、深刻な顔をして
「大変なことをさせられた」
「内閣が吹っ飛ぶようなことを命じられた」
「自分は犯罪者なんだ」と話すようになりましたが、その一方で
「自分がやってしまったことを、こと細かく書いて残してある」
「自分のやってしまった犯罪行為が全て書いて残してある」
「上司から言われたことや、上司の犯罪行為の全部書いて残してある」「ドッチファイル(※パイプ式の綴じ具が付属したファイル)に綴じてるんだ」と話していました。
病休に入ってあとも、夫は検察からの取調べが気になるのか、
「犯罪行為を細かく書いて残したから、自分は検察から取り調べを受けるんだ」
「検察は僕を取り調べて犯人にするつもりなんだ」
「大阪地検というところは怖いところなんだ」
「村木厚子さんのように、全て僕のやったことにされる」
「本省からの指示やったのに財務局、自分がやったことにされる」と何度も何度も繰り返し話していました。
(ここから先は、IWJ ホームページの記事を御覧ください。以下のURLからお入りください。)
※「国は『赤木ファイル』の存否さえ明らかにしてくれない」国会で麻生財務大臣が「訴訟外でお答えすることは差し控える」と回答を拒否! 赤木雅子氏損害賠償裁判第3回口頭弁論後の記者会見 2021.2.17
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/488922
■<本日の再配信>本日午後8時より「性暴力はメディア業界にはびこっている!! 記者クラブメディアの『病んだ労働環境』が性暴力を生む!! ~岩上安身によるインタビュー第993回 ゲスト 同僚からの性暴力被害者・元大手新聞女性記者Aさん」を再配信します!
岩上安身は、元大手新聞記者の女性Aさんにインタビューを行っています。
Aさんはおよそ10年前に7大新聞のうちの1つ、いわゆる「右寄り」の新聞社に入社。地方支局に配属された後、わずか5か月後に支局の同僚の男性から性的暴行を受けました。
男性はAさんよりおよそ7歳年上で既婚者。しかし、Aさんは男性から2人きりでの食事やデートに誘われたり、夜中に急に家に訪ねて来られたりしたといいます。Aさんは支局長やデスクに相談したものの、その後も全く対応がとられなかったといいます。
事件が起こったのは、Aさんが支局に深夜1人で当直として待機していた時でした。支局の仮眠部屋には簡易な鍵しかなく、しかも男女兼用。男性はそれまでにもAさんが当直をしている時に仮眠部屋に侵入してきたことがありました。
Aさんはその後うつ病になりました。しかし、地方局長や本社の人事部からは「どうせなら性的な関係になってしまえ」、「性暴力は『飲みこめ』、『騒ぐな』、『消化しろ』」という意味のことを伝えられたといいます。Aさんは「そちらの方がもっとつらかった。セカンドレイプされたようなものだった」と述懐します。
Aさんは性暴力の背景に、記者クラブ制度が根本的な問題として存在していると指摘します。
大手の記者クラブメディアにおいて、記者たちは裁量労働制のもと、超長時間労働を強いられています。この労働環境が、男性職員のメンタルヘルスを壊し、弱い立場にある女性にそのはけ口が向かうと、Aさんは指摘しました。「パワハラとセクハラの構造は同じ」とAさんは語ります。
Aさんのいた会社では、過労死が頻繁に起こっていたといいます。実際、男女を問わず、1カ月に2回は訃報が届き、30代や40代の記者が心不全や心筋梗塞で亡くなったとのこと。Aさんと同時期に入社した女性も、高速道路を車で走行中にガードレールに衝突して即死しました。全く睡眠時間を取れていなかったことが原因で、入社してわずか半年後の出来事だったといいます。
詳しくはぜひ、本日の再配信をご視聴ください。
インタビューは冒頭のみオープンで、その後はIWJ会員の方限定での配信となります。まだIWJ会員でない方は、この機会にぜひ、会員へのご登録をお願いします。
※会員へのご登録はこちらからお願いいたします。
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【タイムリー再配信869・IWJ_YouTube Live】20:00~
性暴力はメディア業界にはびこっている!! 記者クラブメディアの「病んだ労働環境」が性暴力を生む!! ~岩上安身によるインタビュー第993回 ゲスト 同僚からの性暴力被害者・元大手新聞女性記者Aさん
視聴URL(冒頭以降は会員限定): https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867
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■コロナ禍でIWJは存続できるかどうかの危機に直面!! 会員数がついに4000人未満に! さらに2月19日までのご寄付・カンパは目標額の14%にとどまっています! IWJは会費とご寄付・カンパの減少が拡大しており、このままでは2月末に累積の不足額が1300万円を超えてしまいます! 会員登録とご寄付でのご支援をどうぞよろしくお願いします!
いつもIWJをご支援いただき、ありがとうございます。
コロナ不況の中、IWJにご支援をお寄せくださった皆様には、岩上安身とスタッフ一同、心より感謝申し上げます。本当にありがとうございます。
しかしながら、2月も残り1週間あまりとなりましたが、2月19日までのご寄付・カンパは58件で61万4300円、目標額の14%の達成率にとどまっています。
IWJはかねてより、活動費の半分を会員の皆様からの会費で、もう半分を皆様からのご寄付・カンパによって支えられて活動しています。
今期も、事業規模を縮小して必要最低限の予算を組んでおり、皆様からのご寄付・カンパは、毎月、月額450万円あれば収支のバランスが取れる見通しです。
しかし、安倍政権、菅政権の失政によるコロナ不況により、会費とご寄付・カンパの減少が拡大しています。IWJの今期第11期は、期のスタートの昨年8月から1月末までの6ヶ月間で期の半分が終わりちょうど折り返し地点となりましたが、ご寄付・カンパは目標額2700万円に対して、毎月の累積不足分が約978万円にも積み上がっています! 2月も前述のような状況で、このままでは累積不足分は2月末には1300万円を超えてしまう見通しです!
IWJは1月に、当座の資金として岩上安身個人から追加で400万円借りざるをえなくなりました! IWJはこれまでにも、資金が不足するたびに岩上安身個人の蓄えからの借り入れを繰り返しており、その総額は993万5000円にまで累積しています。もうすぐ1000万円を越えてしまいます。富裕層でも株長者でも、もちろん「上級国民」でもない岩上安身の貯金は、もう底を尽きかけています。
これ以上は、岩上安身個人ではIWJを経済に支えることが難しく、柱となるインタビューや、記者会見・シンポジウムなどの公共コンテンツの中継配信の縮小、日刊やテキスト記事の本数の大幅な縮小などをせざるをえず、現状のレベルの活動は困難な状況です。
我々のさらなる支出削減の努力にも限界があります。IWJを支えてくださる市民の皆様のご支援、ご協力が、どうしても必要です!
IWJは政治権力におもねらず、大資本にも組み伏せられない、独立した自由な市民のためのインターネット報道メディアとして、その使命を果たしていきたいと考えています。
特定のスポンサーに頼らない独立市民メディアであるIWJが、「上級国民」のふるう権力と御用マスコミの監視をする「ウォッチドッグ」としての活動を継続していくためには、市民の皆様の会費とご寄付・カンパによるご支援が欠かせません!
ジャーナリズムが権力となれあわない「ウォッチドッグ」であり続ける理由は、権力の失政によって、我々国民が「殺されない」ために他なりません。コロナ失政によって菅政権に殺されないために、「ウォッチドッグ」の活動は必要です!
我々も皆さんも生き延びられるように、死に物狂いで我々も頑張りますので、皆さんも、ぜひ、ご支援、応援をよろしくお願いします!
どうか、IWJの生き残りをかけた取り組みにご理解をいただき、ご支援をよろしくお願いいたします!
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※ご寄付・カンパは「note」のページからでも可能です。「note」内でお読みになりたい記事をクリックしますと、「記事を購入する」欄の下部に「気に入ったらサポート」という緑のアイコンがありますので、そちらをクリックしますと、ご寄付・カンパ欄が表示されますのでそちらからお願いいたします。
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支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル
城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル
ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル カンリブ
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■【編集雑記 第51回 2月20日 塩澤由子】自民党清和会の権力が蔓延る日本社会!「無責任の体系」とよばれる社会構造の中で犠牲になる私たち
こんにちは、IWJスタッフの塩澤と申します。
編集雑記を書くのは、久しぶりです。
今回は森喜朗氏の蔑視発言に始まる五輪組織委員会の会長交替劇を取材し続けてきて、止まらない怒りの念をここに記させていただきたいと思います。失言をした森氏が退き、女性議員が後任に就いたことで、ジェンダーバランスも整い、めでたしめでたしですむ話ではない、と思うからです。
森氏は女性蔑視発言について会見を開き、発言を撤回・謝罪しましたが、一時は辞任する気はないと強気な姿勢を示していました。しかし、五輪スポンサーを務めるトヨタ自動車が10日に「トヨタが大切にしてきた価値観と異なり、誠に遺憾だ」とのコメントを発表すると、森氏はころっと態度を変え辞任を表明、そして蔑視発言の火消しへ舵切りをした、、、かのように思えました。
昨日、後任の橋本聖子会長より就任挨拶がありましたが、それは「火消し」どころか「女性活躍」という名目の元に繰り広げられた自民党清和会の既得権益継承のお披露目会でした。橋本氏は旧森派・清和買いに所属する議員であり、森氏を「政治の師として仰いでいる」と公言しています。
他方、橋下氏が組織委会長に就任するため、辞任した五輪担当大臣のポストには、丸山珠代氏が就任しましたが、この丸山氏も、清和会の所属議員です。清和会は、かつての派閥の「ボス」の失言に際して、身をすくめて委縮し、反省するどころか「身内」で組織委会長のポストと五輪担当大臣のポストの両方を占めて、「焼け太り」したのでした。
私は2月12日、森氏が辞任表明をした評議員会・理事会合同懇談会終了後の記者会見に参加しました。立憲民主党の尾辻かな子議員が「本日は衆議院本会議に白い服、白いバラをつけ、森会長発言に抗議の意思を示しました。白い服は、女性参政権運動のシンボルとして使われているものです。 声をあげましょう」とツイートしているのを見て、同じ様に白を基調とした洋服、胸元に白い花のブローチをつけ、それに合わせた白い花のイヤリング、白の花柄の靴下を身に着けて出席しました。
※尾辻かな子氏ツイッター(2021年2月9日)
https://twitter.com/otsujikanako/status/1359098541746966533
当日の会見では、川淵氏との「密会人事」が大きく報道されたこともあり、御手洗冨士夫氏を委員長に会長の候補者検討委員会を設立し、「透明性のあるプロセス」で次期会長を選任、そして「説明責任」を果たしていくと述べました。しかし、御手洗氏の選任プロセスについて質問しても、回答はありませんでした。果たすべき説明責任とは何なのか、疑問は今でも解けていません。
※<IWJ取材報告1.>森氏の後任は誰になるのか!? 「構造的な課題」を解決するためには選任に「透明性のあるプロセス」が必要であると認識しておきながら、選考委員会委員長の選任理由の説明責任を果たさず!!
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/48287#idx-4
問題は、組織委員会や選考をする会の過去の「不透明性」や、清和会の厚かましさだけではありません。このコロナ禍でどうやって五輪開催をするというのでしょうか?河野大臣は五輪開催までにワクチン接種が完了することはない、と遠回しに発言しています。
※「6月までにワクチン確保をめざす」が、五輪前に希望する国民全員に接種を行うことはすでに前提にない!? 2.16ワクチン接種に関する河野太郎新型コロナワクチン接種推進担当大臣の記者会見
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/48309#idx-7
先日、五輪開催をすることは国民の命を危険に晒すのだと改めて思い直すことがありました。
それは、福島県沖で最大深度6強の地震があり、深夜に事務所へ出勤、気象庁の記者会見中継の手配、速報、日刊の加筆などの対応に朝まで当たっていた時のことです。ふと、医療従事者の方々が日々、直面しているであろう困難について、思い浮かびました。
コロナ禍が「津波」のように、「第1の波」から「第3波」が到来し続けた際、エッセンシャルワーカーとして働く人々はどんなに大変だっただろうか、と。
病床が足りなくなり、医療現場が逼迫しても、コロナ感染者は増加し続けます。止まらない患者の対応を、お腹が空いていても、眠くても、疲れても、働き続けなければならない時があったのではないか、と想像を巡らせます。しかも、働いている自分自身や同僚たちにも、院内感染のリスクがあったはずです。
そんな緊張を強いられる状態で全力を尽くしても、助け叶わず亡くなられる方が続出している国は世界に多くあります。私たちはその事実を知っています。
私の地震発生時の深夜出勤体験と医療従事者の方々の困難とを同列に並べて大変恐縮ですが、東京五輪の開催が強行され、「第4波」が到来する可能性を想像すると、既得権益のためだけに五輪を決行しようとする与党政府、わけても自民党を20年にわたって牛耳ってきた旧森派こと清和会の面々の気がしれません。
最近、斎藤雅俊著の『自己責任という暴力~コロナ禍にみる日本という国の怖さ』という本を読みました。この本に、政府はオリンピック開催期のコロナ感染を国民の「自己責任」にさせようとしているのではないか、と疑わせる記述があります。
日本の権力構造を、斎藤氏は政治学者の丸山眞男氏を引用して『無責任の体系』と呼び、そこには「既成事実への屈服」と「権力への逃避」が存在するといいます。
「東条内閣の外相を務めた東郷茂徳は、裁判で三国同盟について賛成だったか反対だったかを問われこう答えている。
『私の個人的意見は反対でありましたが、すべて物事にはなり行きがあります。・・・・・すなわち前に決まった政策が一旦既成事実になった以上は、これを変えることは甚だ簡単ではありません』
(中略)
小磯国昭陸軍大将『われわれ日本人の行き方として、自分の意見は意見、議論は議論といたしまして、国策がいやしくも決定せられました以上、われわれは国策に従って努力するというのがわれわれに課された従来の習慣であり、また尊重せらるる行き方であります』
こうした戦争被告人たちの発言には、驚くことに政策遂行者として自分たちの決定がこの実現を導いたという責任意識よりも、なりゆきでこうなった、作り出されてしまったという受身的な、むしろ自分たちも犠牲者なのだという意識が滲み出ている。」
つまり、太平洋戦争当時の閣僚、外交官、軍事高官ら、戦争指導者たちは、戦争を望んでいなかった。そこには、すでに「なり行き」によって戦争に行くという「既成事実」があり、それに「屈服」するしかなく、あげくの果てに「権力への逃避」に走った、というのです。
昨日、橋本氏は、東京2020大会組織委の就任挨拶を行いました。橋本氏は「組織委員会の会長を受けさせていただく決意をしました」と話した上で、次のように述べています。
「私はオリンピアンであり、この東京大会をなんとしてでも成功させなければいけない、その想い一心で、担当大臣として、組織委員会と東京都そしてIOC、IPC、すべてのアスリートのみなさんのサポートに徹しさせていただきました。
(中略)
今何をすべきか、ということを考えた時に、立場は変わってもこの東京大会を、国民のみなさま方に信頼をして、そして安心して東京大会をやってよかったと、思ってもらえるような大会にすること、それが私にとっての務めであるとすれば、大臣を辞してでも意味と価値のあるものだと決意をいたしまして、この東京大会組織委員会の会長に就任をさせていただいたところであります」
就任挨拶の間、橋本氏は終始声を震わせながら、感情を抑えるようにスピーチをしていました。今まさに「なり行き」任せの、「既成事実への屈服」と「権力への逃避」を見ているのか、と思わずにはいられませんでした。それは上述の内容からも聞いて取れます。
「この東京大会を、国民のみなさま方に信頼をして、そして安心して東京大会をやってよかったと、思ってもらえるような大会にする」という言葉には、橋本会長は「コロナ禍のもとで五輪を強行すべきでない」という世論があることを認識していたことがわかります。多くの人々が「不安」を抱いているからこそ、「安心」という言葉が出てくるのであり、そうでなければ、このような言葉を用いる必要性はありません。
にもかかわらず、「この東京大会をなんとしてでも成功させなければいけない」と使命感を表すのは誰に対してでしょうか?
「それが私にとっての務めであるとすれば、大臣を辞してでも意味と価値のあるものだ」と続けます。この「務め」とは、誰から与えられたものなのでしょうか? 橋本氏は、自らに「務め」を課した者の名を口にしません。文脈からそれが、東京五輪開催を推進してきた森氏ら「先輩」たちから託された「使命」であること、国民世論に「不安」があろうが「反対」があろうが、コロナ禍がどうなろうが、「なり行き」で森氏からバトンを引き継いだからには、ここまで開催に向けて推進してきた「既成事実」を引き受け、ブレーキを踏まずにアクセルペダルを踏みこむことに「意味と価値」を見出している、という表明に他なりません。ここにある「既成事実」は国民が望むものではありません。そしてその意を代弁できる立場にあると理解していながら主張できないのは「屈服」以外の何ものでありません。
2月はじめに組織委員会はコロナ感染対策を記したプレイブックの初稿を発表しましたが、「第4波」が到来し、医療崩壊が起きた時にはプレイブックに従わなかった国民の「自己責任」にされてしまうのではないでしょうか。国民に「自己責任」を押し付けるのは、権力の「無責任」裏返しでもあります。旧森派=清和会の源流をたどると、東条内閣の閣僚だった「A級戦犯」の岸信介氏の存在に行き着きます。戦争遂行の責任追及を逃げ切ると、自分を救い出した米国に「忠誠」を誓うように、日米安保を改定し継続します。生涯を「なり行き」にまかせ、「既成事実に屈服」して、無節操に「権力に逃避」し続けてきた「無責任の体現」の見本のような人物です。岸氏が、清和会の「看板」である安倍晋三氏の祖父であることは、よく知られた事実です。
森氏の蔑視発言を機に明るみに出た自民党清和会の政治的支配力に比べると、白を基調とした洋服を着て、記者として許される範囲内で精いっぱいの抵抗モードで記者会見に臨んだ私(一国民)など、彼らの眼中にも入らなかったことでしょう。
私個人ができることは限られていますが、IWJという独立メディアをメガフォンとし、自民党清和会に牛耳られた日本社会の不条理を、これからもお伝えしていけたらと思います。
それでは、本日も1日よろしくお願いします。
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IWJ編集部(岩上安身、塩澤由子、尾内達也、六反田千恵、千浦僚、城石裕幸、中村尚貴)
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