日刊IWJガイド「スクープ! IWJにクルーズ船『ダイヤモンド・プリンセス』クルーから助けを求めるコンタクトが! 『16日間隔離され続けています』!『先が見えない、助けて!』「発狂しそう!』」2020.2.26日号~No.2722号


┏━━【目次】━━━━━━━━━━━━━
┠■はじめに〜スクープ! IWJにクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」クルーから助けを求めるコンタクトが! 「16日間隔離され続けています」!「先が見えない、助けて!」「発狂しそう!」
┠■【中継番組表】
┠■新型コロナウイルス感染症の専門家会議の「見解」と対策本部の「基本方針」のあまりの中身のなさに仰天! 検査対象や専門病床の拡大を一切行わず、地域・企業・個人に責任を丸投げ! 政府の責任はどこへいった!?
┠■「予備費」だけがベースの「コロナ対策基本方針」発表!! 「検疫官2名が感染」なのに検疫の実施はこれから検討という人命軽視!! 加藤厚生労働大臣の2回の記者会見でIWJ記者が質問!!
┠■【岩上安身のツイ録】岩上安身が予約していた歯科医で、通院していた患者が発症し、コロナ肺炎の感染の疑いが濃厚なるもPCR検査を受けられず! 歯科医は判断がつかないまま、大事をとって自主休業!
┠■種苗法改定案が今国会に上程! 自家増殖(採種)一律禁止になり、違反すると10年以下の懲役1000万以下の罰金共謀罪の対象!?  日本の農業政策の未来にあるのは強欲アグリビジネスの支配体制!
┠■ウィンドウズ7のサポート終了と、OSの更新に伴い、IWJの創業時から使い続けてきたPCが一度に6台使用不可能に! 買いかえが必要となりました! IWJの財政は大ピンチです! 2月1日から19日までのご寄付・カンパの実績は114万9178円で、すでに2月の下旬に入ろうとしながら、月間目標額の21%にとどまっています! コロナ危機と戦い、NHKが決して報じない安倍政権の腐敗ぶりについての真実の情報をお届けするIWJがこの財政危機を乗り越えられますよう、皆様からの緊急のご支援をよろしくお願い致します!
┠■【スタッフ募集・テキスト班】「岩上安身によるインタビュー」のパワポ作成に責任を持って関わって頂ける方:時給1500円~にアップしました!/日刊IWJガイドや記事の執筆、編集業務他:時給1300円~
┠■【スタッフ募集・動画班】YouTube用動画編集の経験者優遇! 時給1300円~にアップしました!
┠■【スタッフ募集・取材カメラマン・記者】動画未経験者:時給1100円~/記事執筆できる方:時給1200円~
┠■【スタッフ募集・事務ハドル班】時給1150円~/特に秘書・マネージャー業種の経験のある方は時給1200円~
┠■【スタッフ募集・その他条件】週休2日、深夜割増あり、契約社員・正社員制度有り、社保あり、退職金制度有り、交通費・経費は別途支給、PCやカメラ、中継機材はIWJが用意します!
┠■【スタッフ募集・在宅テレワーク】IWJでは在宅テレワークのスタッフも募集します!
地方にお住いの方、東京近郊で週のうち何日かは出勤、残りは在宅で、という働き方も可能です。ぜひご応募ください!
┠■【スタッフ募集・インターン】IWJでは現在大学院生や大学生のインターンも活躍しています!
報道メディアに興味ある学生の方はぜひご応募ください! 就職の相談にも乗りますし、もちろんペイワークです!
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■はじめに〜スクープ! IWJにクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」クルーから助けを求めるコンタクトが! 「16日間隔離され続けています」!「先が見えない、助けて!」「発狂しそう!」

 おはようございます。IWJ編集部です。

 昨日25日、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」のクルーを名乗る方からIWJに「船内で重大な人権侵害が起きています」「助けてください」と、以下のようなメールでコンタクトがありました。

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知って頂きたいことがあります。

私はダイヤモンドプリンセスで働いている◯◯◯◯といいます。

重大な人権侵害が船内で起きています。話を聞いてくださいますか?

現場では陰性か陽性か知らされることなく窓のない部屋で16日間隔離されております。いつ下船できるか分からず、下船後のスケジュールも知らされておりません。私は不安と恐怖で発狂しそうです。早く下船したい。それだけです。(陽性反応がある場合は下船する通知が来ますので私は2回のテストの結果も陰性だということです)

御社のことは、マスメディアの事情に詳しい方に「信頼のおける数少ない日本のメディア」だと聞きました。

私はマスメディアの対応に慣れていませんのでご了承下さい。

————————————————————

 このメールに岩上安身が次のように返信しました。

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私は岩上安身と申します。このIWJというインターネット報道メディアの代表をしている、ジャーナリストです。貴重な情報提供、そしてご連絡、ありがとうございます。

実名で、このSOSを外に出していいですか?(我々のサイトに記事として出していいですか?)

何か、具体的に訴えることは、他にありますか?

順を追って、中がどう悪化したか、具体的に伝えることができますか?現状、船内はどんな様子でしょうか

必ず、本物の乗客か?偽物では?と疑う人が出てくるはずなので、船内の写真、船窓からの外の光景など、証拠となる写真を送ってもらえますか?

映像、動画があって、中の様子がわかればいいんですが、撮るのが難しい場合、この船の責任者なり、厚労省職員に話して、いつ降りられるのか、なぜ、検査もしないで、いつまでも閉じ込めておくのか、気が狂いそうだと訴えるなり、質問するなりしてください。(中略)

できるだけのことを、やりましょう。

もし可能ならば、顔を隠してでもいいので、船内とわかる状況で、助けてほしい、ここから出してほしい、と訴える動画を撮っていただきたいと思うのですが、可能ですか?(中略)

大変でしょうが、気を確かにもって、頑張りましょう。

よろしくお願いします。

岩上安身

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 すると夜、この方から編集部に電話がありました。この方の話によると、部屋からデッキに出られるのは1日に夜の2時間だけ。電波の関係で電話で連絡を取れるのも、この時間に限られるとのことです。

 このクルーの方は、仕事への影響や下船後の差別を恐れて、名前や顔、詳しい担当業務などは出したくないとのことですので、「Oさん」とさせていただきます。

 長期の隔離で「発狂しそう」と訴えるこのOさんのお話を、記事にしました。本日中にIWJのサイトにアップする予定ですので、お待ちください。

 なお、昨日の日刊IWJガイドでは、IWJが取材した、新型コロナウイルス検査を拒否された方の体験談を掲載しています。

※新型コロナウイルス検査拒否の各地の実態!! IWJが取材した兵庫県の妊娠中の女性は救急車を呼んでも検査してもらえず、容体が急変!!
https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20200225#more-78052

 ぜひ皆様の、新型コロナウイルスの検査が受けられず困ったという体験談を、IWJの下記アドレス宛にお寄せください。プライバシーに十分配慮した上でご紹介させていただきます。

office@iwj.co.jp

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◆中継番組表◆

**2020.2.26 Wed.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・Ch6】12:30~「判決後初めての記者会見 ― 籠池泰典氏(森友学園元理事長)、籠池諄子氏(森友学園元副理事長)」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch6

 籠池泰典氏、籠池諄子氏、「籠池支援ネット」による記者会見を中継します。これまでIWJが報じてきた森友学園関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e6%a3%ae%e5%8f%8b%e5%ad%a6%e5%9c%92
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【IWJ・Ch5】15:00~「日本外国特派員協会主催 森友学園元理事長・籠池泰典氏、森友学園元副理事長・籠池諄子氏 記者会見 ―内容:森友学園補助金詐欺事件裁判における有罪判決後の抗議」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch5

 「日本外国特派員協会」主催の記者会見を中継します。これまでIWJが報じてきた籠池泰典氏関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E7%B1%A0%E6%B1%A0%E6%B3%B0%E5%85%B8
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【IWJ・Ch7】15:11頃~「立憲民主党 枝野幸男 代表 予算委員会集中審議質疑終了後の囲み取材」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch7

 立憲民主党 枝野幸男 代表の囲み取材を中継します。これまでIWJが報じてきた枝野幸男氏関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E6%9E%9D%E9%87%8E%E5%B9%B8%E7%94%B7
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【タイムリー再配信 549・IWJ_Youtube Live】20:00~「『食料は武器、標的は日本』TPP11、日米FTA、日欧EPAで日本農業は壊滅!安倍政権に貿易政策は任せられない!岩上安身による東京大学大学院農学生命科学研究科 鈴木宣弘教授インタビュー」
YouTube視聴URL(冒頭以降は会員限定): https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867
ツイキャス視聴URL(冒頭のみ): http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi

 2018年6月に収録した、岩上安身による鈴木宣弘教授インタビューを再配信します。これまでIWJが報じてきた鈴木宣弘氏関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E9%88%B4%E6%9C%A8%E5%AE%A3%E5%BC%98

[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/424311

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◆中継番組表◆

**2020.2.27 Thu.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・Ch3】17:45~「福島第一原子力発電所『中長期ロードマップの進捗状況』に関する記者会見」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch3

 東京電力による記者会見を中継します。「中長期ロードマップの進捗状況」の記者会見は、毎月1回開催されています。これまでIWJが報じてきた「中長期ロードマップの進捗状況」に関する記事は以下のURLからご覧ください。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/medium-to-long-term-road-map

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

【シリーズ・崩壊する安倍総理の国会答弁07】「桜を見る会」前夜祭で会場を 提供したANAホテルが政権に「忖度ゼロ」の回答!安倍総理の虚偽答弁の可能性が濃厚になり自民党はホテル側に「圧力」をか けるも、市民のリテラシーが冷静に状況分析!
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/468317

東京五輪は新型コロナウイルス対策基本方針と矛盾する!! 五輪開催は返上すべきではないか?加藤厚労大臣「私どもは現在の話をしている。五輪は7月。それを今とやかく言わない」!?~2.25 加藤勝信 厚労大臣記者会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/468366

「感染者数の地域間のばらつきは、検査体制の整っていないところがたまたま少ないだけなのでは?検査体制をしっかりして欲しい」立憲民主党逢坂誠二 衆議院議員~2.25 共同会派 第4回「新型コロナウイルス合同対策本部会議」
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/468369

門川京都市長の「京都市掃除に学ぶ便きょう会」は、新型コロナウイルスがヒトの糞便から発見され危険!との記者の指摘に「活動自身は批判、否定するものではない」~2.25立憲民主党 福山哲郎 幹事長 定例会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/468373

「対策の基本方針」発表しても、「検疫官2名が感染」なのに検疫はこれから検討という人命軽視!!~2.25 加藤勝信 厚労大臣記者会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/468398

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■新型コロナウイルス感染症の専門家会議の「見解」と対策本部の「基本方針」のあまりの中身のなさに仰天! 検査対象や専門病床の拡大を一切行わず、地域・企業・個人に責任を丸投げ! 政府の責任はどこへいった!?

 新型コロナウイルス感染症対策のため政府の招集を受けた専門家会議は24日、「基本方針の具体化に向けた見解」を発表しました。

※厚生労働省HP「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針の具体化に向けた見解」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/newpage_00006.html

 まず最初に「このウイルスの特徴上、一人一人の感染を完全に防止することは不可能です」とした上で、現状を「これから1~2週間が急速な拡大に進むか、収束できるかの瀬戸際」と評価し、今後の対策における最大の目標が「感染の拡大のスピードを抑制し、可能な限り重症者の発生と死亡数を減らすこと」と述べられました。

 つまり今後1~2週間のうちに対応を誤ると、感染が抑制できずに拡大し、重症化する患者も大幅に増える恐れがあると見込んでいるわけです。

 そのような逼迫した状況にあると認識を示している一方で、検査対象の拡大については、「設備や人員の制約のため、全ての人にPCR検査をすることはできません」「迅速診断キットの開発も、現在、鋭意、進められています」とあるだけです今までよりもプラスアルファがあるかといえば何もありません。

 迅速診断キットの開発と言ってもいつまでかかるのか見通しも不明で、1~2週間が瀬戸際といっておきながら、おそろしく「のんきな」印象すら受けます。

 また、多くの人が感染を心配して医療機関に訪れることに懸念を示し、その根拠として「感染症病床は、ダイヤモンド・プリンセス号の状況を受けて、既に利用されている状況にあります。感染を心配した多くの人々が医療機関に殺到すると、医療提供体制がさらに混乱する恐れがあります。また、医療機関が感染を急速に拡大させる場所になりかねません」と弁明しています。

 何を言っているのか、と言いたくなります。

 十分な検疫を行わず、ウイルス感染のおそれがある箇所とそうでない箇所とのゾーニングもできないままいたずらに感染者を増やし、しまいには下船後公共交通機関で帰宅させて、さらに感染の機会を増やすなど、政府側があらゆる側面でミスを連発した結果でもあるのに、この言い草です。

 「医療機関が感染を急速に拡大させる場所になりかねません」というのは、ある意味では事実であるとしても、軽症者は病院に「殺到」するな、とはどういう意味でしょうか。

 病院に感染者がいなければ、確かに病院は安全で清潔に保たれるでしょう。しかし、感染が疑われる軽症者は、病院以外のどこへ行け、というのでしょうか? 自宅で引きこもれと? そこには家族がいます。家族全員が重症化するまで病院に来るのは待て、ということでしょうか?

 検査によって明確に陽性とわかれば、誰でも本気で職場や学校へいくのを控えようと腹をくくるでしょうが、そうでない限り、人は、咳こみながら、熱があっても解熱剤を飲みながら、仕事に出かけ、学校へ行き、買い物をするなど、動き回るものです。会社が休業補償をしようにも、検査の結果にもとづく診断書がなければ、できません。検査の結果は、医学的にだけでなく、社会生活を営む上でも必須なのです。「専門家」なる方々は、それがわかっているのでしょうか?

 最後には「みなさまにお願いしたいこと」と称して、風邪や発熱などの軽い症状が出た場合には自宅で療養することを勧め、発熱が数日間続いたり倦怠感や呼吸困難の症状が出ている場合は、病院に行くのではなく「帰国者・接触者相談センター」に行くように、と勧めています。これには呆れ果てます。そのセンターは、診察や検査や治療を施してくれるのでしょうか?

 すでに国内で「市中感染」があちこちで始まっているのです。1か月前ならば、「帰国者」のくくりは意味があったかもしれませんが、今、何の意味があるのでしょう? この期に及んでも検査対象を「中国への渡航経験」の有無などで制限しようというのでしょうか? 表向きの感染者数の数を少なく見せたいという政府の思惑が見え隠れするようです。「専門家」と称する人間の集まる会議において、これから政府が取るべき具体的な対策を何も提示せず、「我々市民がそれぞれできることを実践していかねばなりません」と、個々人に「責任転嫁」するありさまです。話になりません。

 昨日25日には、政府の対策本部が決定した「基本方針」が発表されました。しかしこの基本方針の文言も、「政府として」行うことの具体的な事項はほとんど何ひとつ示されていません。

※「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」(2020年2月25日)
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/novel_coronavirus/th_siryou/kihonhousin.pdf

 この「基本方針」の「重要事項」とされているのは、国民・企業・地域などに対する「情報提供」や、国内の感染状況を把握するための「発生動向調査」など、感染の直接的な予防にはつながらないことばかりです。

 そして、これまで日刊IWJガイドでもお伝えしているように、コロナに感染したと思われる症状が出ているにもかかわらず、検査を拒否され、患者が病院を「たらい回し」にされる事態が多数生じていることについて、まるでなかったかのようにスルーされています。恐るべき内容です。

 ※新型コロナウイルス検査拒否の各地の実態!! IWJが取材した兵庫県の妊娠中の女性は救急車を呼んでも検査してもらえず、容体が急変!!
https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20200225#more-78052

 「感染拡大防止策」といった項目は設けているものの、その中身はといえば、患者の増加している地域や企業・学校に外出自粛や臨時の休業・休校を「要請」するといった「現場への丸投げ」のみです。

 「医療提供体制」に関しては、前日の専門家会議の見解同様に、PCR検査などの提供拡大に対しては消極的で、専門病床を拡大する方針も出されていません。中国が武漢に1000床の病棟を10日間で作り上げたのとは、対照的です。「院内感染」についても、その防止策や、起きた時の対策について、具体的な指示があるわけでもなく、個々の医療機関に任せる形になっています。

 コロナウイルスの増殖ぶりもバイオハザードのようなパニック映画の中の出来事のようですが、安倍政権の無能ぶりと冷酷さとが加わると、心が凍りつくようなディストピアSFの世界に入り込んだ気分に陥ります。

 既に企業や教育機関などでは、政府のあまりにも遅く、かつ中身のあまりにも薄い「基本方針」を待つまでもなく、当面の対応について独自で方針を出しているところも少なくありません。

 サッカーJリーグでは本日26日に予定されていた7試合全てを中止することとし、その後の公式戦についても開催を延期する検討を始めました。

※サッカー、ルヴァン杯中止 Jリーグ公式戦延期を検討(東京新聞、2020年2月25日)
https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2020022501001845.html

 一方、プロ野球では、巨人が29日と3月1日に東京ドームで行うヤクルトとのオープン戦を無観客試合にすることを決め、その後の日本ハム、オリックス、阪神とのオープン戦も無観客試合にできないか協議していると報じられました。

※巨人がオープン戦2試合を無観客試合へ(NHK、2020年2月25日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200225/k10012301191000.html

 イベントを中止すれば当然観客へのチケット代の払い戻しや、キャンセルできない施設や機材の使用料、出演者への違約金支払いなど様々なコストがかかります。イベントの主催者が倒産する事態もありえるでしょう。Jリーグやプロ野球の球団が倒産する可能性だって、ないとは言いきれません。

 イベントの中止だけでなく、企業活動についても早い段階で休業を検討すべきだという声が日に日に高まっています。

 企業で操業がストップしても、従業員への「休業手当」を支払う必要が生じます。資金力のある大企業であれば、中止・休業の判断も比較的容易に行えますが、それほどの資金がない中小企業の場合、その判断は非常に難しく、立ち止まった時点で倒産するという自転車操業の企業は決して少なくありません。昨年10月の消費税増税によって、消費は冷え込み、GDPはリーマンショック並みのマイナス成長が予想され、それに加えてのこの「コロナショック」です。立ち止まり、倒れる中小企業は決して少なくないでしょう。

 東京在住の能楽師の槻宅聡氏が、この点を指摘し、次のようにツイートしています。

 「能・狂言を主催する側としては、一律の自粛は求めないのに、開催の必要性を検討してほしい、というのは判断を丸投げされたに等しい。中止すればチケットは払い戻し、会場へは使用料を、出演者には違約金を払わなければならない。この損害に耐えられる主催者でなければ開催するしか選択肢がない」

※能楽師・槻宅聡氏のツイート(2020年2月24日)
https://twitter.com/tsukitacus/status/1231938055470075904?s=20

 「一律の自粛を求めずとも、何らかの基準を示して欲しい。屋内・屋外の別、人数、時間の長さ、観客参加(声出し、接触)の有無とか。業界団体も行政側の指針がなければ判断はできない」

※能楽師・槻宅聡氏のツイート(2020年2月24日)
https://twitter.com/tsukitacus/status/1231940295803076610

 行政の側がある程度の「強制力」をもってイベントや操業を中止させないと、結局ズルズルと開催が強行されてしまい、結果的に感染を拡大させることにもなりかねないのです。

 安倍政権が、こういう時に限っては「強行的な」態度に出ないのは、とにかくその結果の「責任をとりたくない」と考えているからでしょう。政府は、とにかく何もしない。不作為で押し通す。その結果、国民が何人死のうと、中小企業がいくつつぶれようと、自分達の責任ではない、というわけです。

 自分たちの不正行為を隠すためには法律解釈もねじ曲げる一方で、本当に危機が迫っている時に迅速かつ的確な対応が何ひとつできない今の内閣に、保身以外の危機管理能力があるのかどうか、考えてみれば明らかなことかもしれません。

■「予備費」だけがベースの「コロナ対策基本方針」発表!! 「検疫官2名が感染」なのに検疫の実施はこれから検討という人命軽視!! 加藤厚生労働大臣の2回の記者会見でIWJ記者が質問!!

 昨日2月25日午前10時過ぎと午後3時半の2回、加藤勝信厚生労働大臣が記者会見を行い、IWJはこれを取材しました。

 午前の会見をIWJは生中継して、記者が大臣と以下の質疑応答を行いました。

 IWJ記者「午後決定される『対策基本方針』に関して、重症者を重視することは軽症者の軽視となり、『早期発見して隔離する』という感染拡大を防ぐ唯一の道を閉ざす。また、『感染しやすい環境に行くな』、というなら、野球やサッカーなど、大人数の集まるスポーツ競技の会場は全てダメではないか? まして、政府が税金を使って、世界から選手と観客を呼んで東京五輪なんてありえない。『東京五輪は開催する』というなら、国民に「人混みに行くな」という基本方針のメッセージと矛盾する。東京五輪開催は自主的に返上すべきではないか」

 加藤厚労相「基本方針はまだ出てないので回答できない。東京五輪は7月なので、今とやかく言うことではない。我々は現在の話をしており、今こうして欲しいということを今日の方針で示したい」

 加藤厚労相は、1問目の「軽症者の警視は、かえって早期発見と隔離を難しくし、感染拡大を止められなくするのでは?」という質問には、まったく答えませんでした。2問目の「人込みに行くな」と「五輪開催」の矛盾については、以前の大臣会見と同様に、既に5か月後に五輪開幕が迫っているというのに、「今の問題ではない」として、大臣は改めてIWJの質問に回答を拒否しました。

※加藤厚生労働大臣にIWJが矢継ぎ早に質問!! 大臣は5か月後の東京五輪を「まだ先の話」! 下船者から感染拡大の「恐れはない」と言いきるのに「いろんな可能性は否定できない」とも回答! どういう意味なのか!? ~2.21加藤勝信 厚生労働大臣 定例記者会見 ~2.21加藤勝信 厚生労働大臣 定例記者会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/468142

 IWJ記者「今週中に衆議院を通過させると、自民党の森山裕国対委員長が明言している予算案には、ほとんどコロナ対策費が盛られていない。予算案の組み換えが必要ではないか?」

 加藤厚労大臣「当面の措置については、先般、予備費でも手当をしていただいた。行政面の執行に加えて、同時に迅速に判断できる簡易キットの開発等に対する支援も盛り込んでいく。こうした予算をベースに対応していきたい」

 日本のコロナ対策費は他の国に比べてきわめて少ないという批判が出ているなかでの、大臣の回答です。この件に関して、23日の日刊IWJガイドに掲載した、岩上安身のツイッターを改めてご紹介します。

 「そうなると、国会も政府も総崩れですね。こんな状態で、コロナウイルスの対策費を積んでいない予算案を今月末に衆院で通してしまうと自民党の森山裕国対委員長は言っているんですが、いいんですか、そんなことで。景気対策も何も、ここから先の景気はコロナ次第ですよ」(2月22日)

※岩上安身のツイート(2月22日)
https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/1231227526187368448

 同じく昨日の午後3時半から加藤厚労相は記者会見を行い、同日、政府対策本部が決定した「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」を発表しました。IWJはこの会見を録画し、昨日午後7時から配信しました。

※新型コロナウイルス感染症対策の基本方針(厚生労働省ホームページ、2020年2月25日)
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000599698.pdf

 加藤大臣は感染症の現状を、「感染経路が明らかでない患者が散発」し、「小規模な患者の集団」が把握されているとして、「今が今後の国内での健康被害を最小限に抑えるために、極めて重要な時期」と規定しました。今や「極めて重要な時期」という認識には賛成です。しかし、その認識から導き出される対策は、到底、理解できません。

 まず、国民に対し、「適切な相談を行わずに、医療機関を受診することを避ける」ようにといいます。「適切な相談」とは「帰国者・接触者相談センター」への相談です。そこへ「相談」しない限り、医療機関を受診するな、と言っているわけです。

 咳や熱がある人はその理由が風邪なのか、インフルエンザなのか、胸に痛みがある人が、自分が何の病気なのか、見当がつく人はいないでしょう。診察を受け、検査を受けて、はじめて自分の身に何が起きているのかを知るのです。

 軽症のうちに受診するな、と受診の抑制を呼びかけることで、「院内感染」の多発は食い止められるかもしれません。しかし、軽症者を受診させず、自分がコロナに感染しているのかどうかわからない状態で、仕事や学生生活を送らせれば、確実に感染は拡大していってしまいます。どうして政府は、こんな簡単なことがわからないのでしょうか!?

 次に「感染しやすい環境にいくことを避ける」「咳・手洗いエチケット」「風邪の症状があれば外出を控え、やむを得ず外出の際はマスク着用」「休暇取得や時差出勤、テレワーク」をお願いするとしました。ここにも、目新しい、目前の状況を好転させるような策はありません。さらに「患者の集団が確認された地域では、関係施設の休業やイベント自粛」の依頼も検討と明言。「本日、北海道知事の要請で、感染症の専門家のチームを派遣」したと述べました。

 午後の会見をIWJは録画し、記者が加藤大臣と以下の質疑応答を行いました。

 IWJ記者「熊本と北海道で、コロナウイルスに感染した20代の女性が、それぞれ重症化している。重症化し、死に至るのは基礎疾患のある高齢者で、若く健康な人は、重症化しないと言われてきたが、認識を改めるべきではないか」

 加藤厚労相「どういう世代でも『重症化しない』と言うのではなくて、高齢者や基礎疾患のある人は『重症化しやすい』とずっと言ってきた。『しやすい』方には注意を払うべきだとして、一般の人と重症化しやすい高齢者等を分けて説明してきた」

 記者「ダイヤモンド・プリンセス号の船内に入った検疫官からは2人の感染者が出ているが、厚労省は検疫官や医療従事者について、今後も下船時に検査を行わず下船した検疫官も追加検査を行う予定はないとしている。同じ生身の人間なのに、なぜ、乗船した医療従事者と検疫官には検査を行わないのか?」

 加藤厚労相「(彼らは感染を避ける)『訓練』をされているから、検疫の必要はないと当初は判断した。しかし今回2件続けて検疫官の感染が発覚したので、どういう経緯で感染したのか分析して、判断していきたい。実際に検疫を行うかは分析の後で判断する」

 これらのやりとりから浮かび上がるのは、加藤厚労大臣と厚労省の危機意識の薄弱さです。

 今、必要なことは、「どういう世代でも『重症化しない』と言うのではなくて、高齢者や基礎疾患のある人は『重症化しやすい』と言ってきた」などと弁明することではなく、「20代の若い人でも、重症化することがわかりました! どの世代の皆さんも、油断せず、若い人も含めて、気をつけてください!」と大臣自ら呼びかけることではないでしょうか?

 検疫官に関しては、実際に感染者が出ているのですから、悠長に「分析して判断する」などというのは言語道断です。検疫官や医療従事者個々人と、その周囲の方々、およびそのご家族の方々の生命と人権を軽視していると言わざるをえません。

 こうした政府の無能な対応を目のあたりにすれば、海外から警戒されるのも当然です。このままダラダラと無為無策を続け、日本国内でコロナの感染が拡大してゆけば、東京五輪が遠ざかるのは当然であり、日本が外資から見て投資に不適格なグローバルビジネスの場ではないと判断される日もそう遠くないように思われます。

 この2回の記者会見の動画は、以下でご覧いただくことができます。

※東京五輪は新型コロナウイルス対策基本方針と矛盾する!! 五輪開催は返上すべきではないか?加藤厚労大臣「私どもは現在の話をしている。五輪は7月。それを今とやかく言わない」!?~2.25 加藤勝信 厚労大臣記者会見 2020.2.25
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/468366

※「対策の基本方針」発表しても、「検疫官2名が感染」なのに検疫はこれから検討という人命軽視!!~2.25 加藤勝信 厚労大臣記者会見 2020.2.25
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/468398

■【岩上安身のツイ録】岩上安身が予約していた歯科医で、通院していた患者が発症し、コロナ肺炎の感染の疑いが濃厚なるもPCR検査を受けられず! 歯科医は判断がつかないまま、大事をとって自主休業!

 岩上安身は昨日、新型コロナウイルスの市中感染の拡大を受け、自身の身近に迫る感染の可能性について、以下のように連投ツイートしました。

 「コロナ感染症の脅威が、身近に迫ってきた。今日は、歯科医の予約を入れていた。奥歯も前歯もガタガタになってきてしまい、奥歯の欠けているところにインプラントを入れる決断をしたのだ。怖い、お金がかかりすぎる、その後のケアが大変などの理由で後回しにしてきたのだが、そうもいかなくなった」

※岩上安身のツイート(2020年2月25日)
https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/1232263293441458176

 「2.ところが、そのインプラントの歯科の先生から電話があり、今日の診察ができなくなった、という。患者さんの中に高い発熱を示し、重症化した方がおり、コロナ肺炎が疑われるので、万が一のことがあってはいけないので、今日からしばらく休業するのだという」

※岩上安身のツイート(2020年2月25日)
https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/1232263816953487361

 「3.『その重症患者の方は、コロナ肺炎と確定診断されたのか?』と聞くと、『されていない』という。『検査をしてもらえない。国が止めているらしい。ひどい話です。私もその患者や病院側だけでなく、保健所とも連絡して相談したんです。症状からしてコロナ肺炎の疑いが強い。なのに検査をさせない』」

※岩上安身のツイート(2020年2月25日)
https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/1232264915575959552

 「4.インプラントの歯科医は、理由はどうあれろくに検査をさせない国のやり方に憤慨していた。その上でこう続けた。『しかし、確定診断できていなくても、その患者さんは、コロナの疑いがある。私どものところに通院もされていた。私や看護師らには全然症状はありませんが、接触はしていたわけです』」

※岩上安身のツイート(2020年2月25日)
https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/1232266286261919749

 「5.『万が一、この患者さんが本当にコロナ肺炎だった場合、私たちもすでに感染していて、これから来院される患者さんに感染させてしまう可能性がある。それは絶対にできないので、しばらく休んで様子をみます。再開できるような目処が立ったら、またご連絡します』。電話を切ったあとからゾッとした」

※岩上安身のツイート(2020年2月25日)
https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/1232266788261359617

 「6.もしも、この重症化した患者さんが、本当にコロナ肺炎に感染していたら。。歯科医が言ったように、歯科医も感染していた可能性は高いだろう。歯科医という職業柄、患者の飛沫や血を浴びたり、呼気を吸い込んだりしていた可能性は高いのだから。もし、感染していて、彼が自主休業していなかったら。。」

※岩上安身のツイート(2020年2月25日)
https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/1232268215083921409

 「7.僕は、今日、予定通りに初診を受けにこのクリニックへ行き、レントゲンを取り、2メートル以内の距離で、この歯科医から懇切丁寧なインフォームドコンセントを受けて、『濃厚接触』し、もしかしたら感染者になっていたかもしれない。そう思うと、間一髪過ぎてゾッとする」

※岩上安身のツイート(2020年2月25日)
https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/1232308855180103681

 「8.国は、行政検査の縛りを外し、民間の力を最大限借りて、国民が全員、速やかにこのコロナ検査を受けられるようにすべきだ。一度陰性が出ても、そのあと陽性になる人が続出している。感染の機会は日常のいたるところに転がっているのだから、国民が複数回受検できるようにするのは当然だ」

※岩上安身のツイート(2020年2月25日)
https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/1232270609624621061

 「9.国は大規模な予算措置を講ずべきだ。もちろん、コストはかかる。しかし、感染の有無をす早く確認し、感染者を隔離し、という作業を大規模に全国で繰り返し行わない限り、このコロナウィルスのパンデミックは鎮められないし、他国への流出も防げないし、日本経済と社会への大打撃は避けられない」

※岩上安身のツイート(2020年2月25日)
https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/1232271945552367617

■種苗法改定案が今国会に上程! 自家増殖(採種)一律禁止になり、違反すると10年以下の懲役1000万以下の罰金共謀罪の対象!?  日本の農業政策の未来にあるのは強欲アグリビジネスの支配体制!

 3月上旬(農水省によれば、具体的日程は未定)に今国会(第201国会(令和2年常会))への上程が予定されている種苗法改定案に注目が集まっています。

※種苗法改定案を了承 農家負担減で指摘 自民農林合同会議(日本農業新聞、2月19日)
https://www.agrinews.co.jp/p50066.html 

 種苗法改定案の条文は、まだ、農水省のHPにアップされていませんが、昨年11月に農水省が公表した「優良品種の持続的な利用を可能とする植物新品種の保護に関する検討会」の資料から、いくつかの深刻な問題点が浮かび上がってきました。

 この種苗法改定の目的は、海外への種苗の流出防止にあるとして、この目的を達成するために、現行の種苗法をおもに3つの点で見直すとしています。

※優良品種の持続的な利用を可能とする植物新品種の保護に関する検討会とりまとめ(案)(農林水産省、2019年11月15日)
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/tizai/brand/attach/pdf/6siryou-4.pdf

 第1に、育成者の意図に反した海外流出を防止するために、登録品種(注)の販売にあたって、国内利用限定や栽培地域限定の条件を育成権者が付す場合には、これに反する行為に育成者権を行使できるようにする。

(注)農産物の品種には種苗法で登録された登録品種と一般品種がある。

 第2に、登録品種の増殖は、自家増殖を含め、育成権者の許諾にもとづくようにする。

 第3に、海外流出した場合等の権利侵害の立証手続きを改善する。このため、品種登録時の植物自体との比較(現物主義)ではなく、特性表を用いて登録品種の育成権者の侵害を審査する。

 ここで言われている「育成権者」とは具体的に誰なのでしょうか。農林水産省食料産業局知財課に問い合わせたところ、現在の比率は、種苗会社(このうち海外企業はほとんどないが、その95%が花の種苗)が50%、都道府県が15%、国が8%、個人(海外も含む)が20%ということでした。食料の種苗については、稲、麦の育成権者は都道府県と国で現在80%を占め、野菜や果実を含めても50%が都道府県と国とのことです。

 ただ、これは現在の割合です。2018年4月に国は種子法を廃止しました。それによって、これまで都道府県が米・麦・大豆などの主要農産物の種子の開発・増殖に責任を持ってきた体制が終了し、代わって、三井化学や住友化学、日本モンサントなど、大企業による品種寡占のレールが敷かれたのです。

※IWJの種子法や種苗法等に関するコンテンツ
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E7%A8%AE%E5%AD%90%E6%B3%95

 さらに、2017年5月に農業競争力強化支援法が制定され、公的な試験機関に対して、種子生産に関する知見を民間企業へ提供することが義務付けられました。これによって、種子の開発・生産・普及に関する事業は、公的機関から民間企業へという流れが決定的になりました。

※農業競争力強化支援法(第8条の4)
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/nougyo_kyousou_ryoku/sienhou/attach/pdf/sien_prov.pdf

 この2つの先行法令によって、育成権者として大企業の比率が今後大きくなるのは、時間の問題です。この文脈に、今回の種苗法改定の問題点を位置づけるとどうなるでしょうか。

 元農林水産大臣で弁護士の山田正彦氏は、オフィシャル・ブログで、種苗法改定案の問題点を次のように述べています。

「種苗法が改定されると、農業者は登録された品種の育種権利者から自家増殖(採種)の対価を払い許諾を得るか、許諾が得られなければ全ての苗を新しく購入するしかなくなります。ですから、登録品種は自家増殖(採種)一律禁止になり、違反すると10年以下の懲役1000万以下の罰金共謀罪の対象になります」

「政府は農業者を守るのではなく企業の利益を守るために種苗法を改定しようとしていることは明らかです」

「ゲノム編集の種子が、今年から安全審査の手続きもなされないまま、表示もなく、飼料用米などで作付が始まる恐れがあります」

※これから大変なことが今の国会で決められようとしています。(山田正彦オフィシャル・ブログ、2020年2月14日)
https://ameblo.jp/yamada-masahiko/entry-12575782319.html

 岩上安身は山田正彦氏へのインタビューをこれまでに何回も行っています。ここでは2018年以降のインタビューを以下にご紹介します。

※米国モンサント裁判で除草剤ラウンドアップの発がん性が認められ世界中が規制!日本だけが主成分グリホサートの残留基準を緩和し、今や中国の150倍!? 岩上安身による元農林水産相・山田正彦氏インタビュー 2019.3.18
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/444994

※種子法廃止の次は自家採種も禁止!? 長年にわたる農家の蓄積と知見をグローバル企業にただ同然で譲り渡すのか!~岩上安身によるインタビュー 第878回 ゲスト 「日本の種子を守る会」元農水大臣・山田正彦氏! 2018.7.3
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/426327

 また、埼玉県議会に「種苗法の改定に関する意見書を国へ提出することを求める請願書」を提出した「子どもたちのために食の安全を考える会・埼玉」(代表・川村準氏)は、請願書の中で、農業競争力強化支援法、種子法廃止とあわせて、種苗法改定案の問題点を次のように指摘しています。

「こうした政策は、公的機関による種子の保全、育成及び供給を困難にし、種子開発生産の民間企業支配と独占に道を開くことになりかねず、農家の経済的負担が増大することや、農家による種苗の自家採種・増殖の権利を奪う可能性もあり、育成者権者からの権利侵害を理由とした訴えなどを懸念して営農意欲をそがれ、後継者不足も重なって、伝統的な日本の農業のさらなる衰退をもたらす恐れがあります。ひいては、食料の安全保障、種の多様性、環境の保全、地域の存続、といった持続可能な経済社会の確立にとって大きなマイナス要因ともなりかねないことが危惧されます。」

 IWJでは主要農作物種子法の廃止による問題点を追及する特集ページを設けています。この機会に是非、あわせてご覧ください。

※【特集】種子法廃止で日本が「遺伝子組換え作物」の氾濫国へ!「食料主権」を売り渡す安倍政権の売国政策を検証!
https://iwj.co.jp/wj/open/%E7%A8%AE%E5%AD%90%E6%B3%95

 また、こうした日本の農業政策が招き寄せているのは、農薬と添加物、遺伝子技術を使用し国家規制機関さえ取り込んだ大規模なアグリビジネス体制です。これは原発体制と瓜二つです。岩上安身は昨年11月1日、ラウンドアップやGMOs、ゲノム編集作物を用いたモンサントなどのアグリビジネスの驚くべき強欲さ・悪質さを告発した、フランスカーン大学のエリック・セラリーニ教授にインタビューを行いました。

 このインタビューは、セラリーニ教授のコメントの翻訳と字幕付け作業で大変お待たせいたしましたが、近日中に配信できることになりました。詳細な日時は決まりしだいお知らせいたします。ぜひご覧ください。

■ウインドウズ7のサポート終了と、OSの更新に伴い、IWJの創業時から使い続けてきたPCが一度に6台使用不可能に! 買いかえが必要となりました! IWJの財政は大ピンチです! 2月1日から20日までのご寄付・カンパの実績は126万9178円で、すでに2月の下旬に入りながら、月間目標額の23%にとどまっています! コロナ危機と戦い、NHKが決して報じない安倍政権の腐敗ぶりについての真実の情報をお届けするIWJがこの財政危機を乗り越えられますよう、皆様からの緊急のご支援をよろしくお願い致します!

 いつもIWJをご支援いただき、ありがとうございます。岩上安身とIWJスタッフ一同、心から感謝申し上げます。本日は、IWJの財政状況とともにIWJの創業時から使い続けてきたパソコンの寿命が尽きかけており、機材の状況もピンチであることをお伝えさせていただきたいと思います。

 皆様から頂いた大切なご寄付・カンパによって活動しているIWJでは、できる限り経費を節約するために、2010年12月の創業時にまとめて買い入れたパソコン(PC)をずっと大切に使い続けてきました。

 ところがこれらの古いPCに搭載されている基本ソフト(OS)のウィンドウズ7のサポートが、今年1月に終了となりました。サポートが終了すると、ウイルス対策のためのアップデートがされなくなります。セキュリティー上、非常に危険になるので、そのまま古いOSでPCを使い続けるわけにはいかなくなります。

 会員の皆様の個人情報も多数扱うIWJでは、セキュリティー重視の観点から、先日、専門家の手によってこれら古いPCのOSを最新のウィンドウズ10に更新しました。

 ところがウィンドウズ10をインストールした直後から、起動や使用中の安定性などに不具合の起きるPCが続出。6台のPCは専門家から寿命と判断され、早急に買い換えなければいけなくなってしまいました。

 現在、社内で問題なく使えるPCの数が限られてしまい、通常業務にも大きな支障が起きています。

 また、「岩上安身によるインタビュー」を社外で行う場合、パワーポイントを映し出すためのモニターを持ち出しているのですが、視聴者の方から「画面が小さく、文字が読みにくい」というご意見をいただき、先日、画面の大きなモニターを1台、新たに購入いたしました。

 第10期の後半に入り、特に1月、2月に入ってからの、IWJの財政はますます厳しくなっています。そのような中で、今回のPC機材の新規購入は、セキュリティー確保のために、絶対に必要な設備投資なのですが、財政上は大きな負担となっています。

 どうか、皆様からの温かいご支援をよろしくお願い致します!

※ご寄付・カンパのご支援はこちらからよろしくお願いいたします!
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

 なお、先日ある会員様より、ご寄付を下さるにあたり、IWJの収支決算報告はあるのかというご質問をいただきました。

 IWJでは毎期、決算報告を日刊IWJガイド、および会員向けメールでもご報告させていただいております。また、ホームページ上にも公開しており、過去の分とあわせていつでもご覧いただけます。

 IWJホームページの上端のメニューバーにある「ガイド・お知らせ▼」をクリックしていただき、プルダウンメニューから「IWJ決算報告」をご覧ください。

https://iwj.co.jp/join/about.html#overview

 今期第10期となるIWJは、昨期第9期に引き続き、あらゆる支出を見直し、岩上安身の報酬もそれまでの50%に削減した上で、1年間のご寄付・カンパの目標額を5400万円に設定しています。

 この5400万円を12か月で割ると、1か月あたりは450万円となります。期首の8月1日から1月31日までの6か月間のご寄付・カンパの目標額は、2700万円ですが、この間のご寄付・カンパは2065万8919円にとどまり、約634万1081円の不足となっています。

 このため、2月1日以降の今期第10期の残り6か月間で、3334万1081円が集まらなければ、今期の目標額は達成できません。これは、1か月あたりの平均にすると、555万6847円となります。2月からのご寄付・カンパの目標額は、毎月約556万円となります。

 2月1日から20日まで20日間のご寄付・カンパの実績(暫定)は126万9178円で、すでに2月の下旬に入っていますが、月間目標額の23%どまりです。これは大ピンチであると言わざるをえません。期首の8月1日から2月20日までの総額で見ても2192万8097円と、この期間の目標額の72%の達成率にとどまっています。

 特定のスポンサーをもたないことで、真の報道の自由を目指してきた独立メディアであるIWJは、活動経費の半分を皆様からのご寄付・カンパで、残りの半分を会員の皆様の会費で賄っています。2月18日現在の会員数は4758名様です。会員の人数が増えれば、IWJの経営はそれだけ安定します。早く5000名様に再到達したいと願っています。

 IWJの一般会員へご登録いただければ、岩上安身によるインタビューなどのIWJオリジナルコンテンツを1か月間何度でもご覧いただけます。まだIWJ会員へのご登録がお済みでない方はぜひ、この機会に会員登録をお願いいたします!

 現在一般会員の方は、ぜひサポート会員へのお切り替えをご検討ください!

 サポート会員にご登録いただくと、全てのIWJのコンテンツをいつでもお好きな時に何度でもご覧いただけます。また、サポート会員の比率が高まれば、その分だけIWJの経営は安定します!

 また現在、会費未納等でいったん休眠会員となられている方は、ぜひこの機会に再開をご検討ください!会員番号はすべて保存してありますので、会費をご納付いただければ、着金が確認され次第、いつでも再開できます!

 会費の支払いをつい忘れがちという方は、クレジットカードでのお支払いが大変便利ですので、ぜひご検討ください。クレジットカードをお持ちでない方は、自動引き落としサービスもご用意していますので、こちらのページをご覧ください!

※クレジットカード・自動引き落としでのお支払いへの変更はこちらから(※ログインが必要です)
https://iwj.co.jp/ec/mypage/login.php

※よくある質問と回答 年会費をクレジットで支払いたい
https://iwj.co.jp/info/faq.html#idx-18

 IWJの有料会員制度は1ヶ月1000円、支払いをまとめてお得な1年1万円の一般会員と、1ヶ月3000円、まとめてお得な年3万円からのサポート会員の2種類です(全て消費税別)。会費は、クレジットカード、銀行振込(ゆうちょ銀行を含む)でお支払いいただけます。

※会員へのご登録はこちらからお願いいたします。ぜひ、新規の会員となって、あるいは、サポート会員にお切替えいただいて、あるいはかつて会員だった方は再開して、ご支援ください!
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

■【スタッフ募集・テキスト班】「岩上安身によるインタビュー」のパワポ作成に責任を持って関わって頂ける方:時給1500円~にアップしました!/日刊IWJガイドや記事の執筆、編集業務他:時給1300円~

 テキスト班で「岩上安身によるインタビュー」のためのパワーポイント作成に責任を持って携わっていただける方の時給は、これまで1350円からのスタートとしていましたが、新年より1500円からのスタートと、大幅にアップすることにいたしました!

 パワポ作成には書物や資料を読み砕いていく読解力やリサーチ能力が必要なため、基礎的な学力や広範な教養・知識力が必要です。優れた人員を募集しています。

 日刊IWJガイドや記事の執筆、編集などの作業は、パワポ作成の担当にかかわらず、すべてのテキスト班スタッフの共通の仕事となります。パワポ作成には関われないが、他のテキスト班の業務は可能という方は、時給1300円からのスタートになります。

■【スタッフ募集・動画班】YouTube用動画編集の経験者優遇! 時給1300円~にアップしました!

 動画班ではYouTubeにアップする動画の編集経験者を募集しています。取材内容を把握し、必要なカットを無駄なくつなぐ編集センス、視聴者の目を引く効果的なサムネイルデザイン、発言者のセリフを伝える字幕、場面を盛り上げる効果的な音楽などでIWJのYouTubeアカウントを盛り上げてください!

 経験・技術のある方はこれまで時給1200円からのスタートでしたが、新年から時給1300円からのスタートにアップしました!

■【スタッフ募集・取材カメラマン・記者】動画未経験者:時給1100円~/記事執筆できる方:時給1200円~

 IWJではカメラを持って現場へ行き、中継と取材を行う記者を募集しています。機動力が求められますので、運転免許をお持ちの方、特に運転に慣れている方は大歓迎です。体力のある方であれば、男女は問いません。

 動画未経験の方は時給1100円からのスタートになります。また、取材した動画に添える記事も書ける方は、時給1200円からのスタートとなります。

■【スタッフ募集・事務ハドル班】時給1150円~/特に秘書・マネージャー業種の経験のある方は時給1200円~

 事務班は電話やメールでの外部の方との連絡、岩上安身のスケジュールを把握してのインタビューのアポイント調整や、イベント開催の準備など、IWJの中核となる岩上安身のスケジュール管理という、まさに屋台骨となる重要なお仕事です。

 ハドル班は岩上安身以外の記者・カメラマンの中継のアポ取りや取材の手配をしたり、再配信や録画配信の予定を立てるのが主なお仕事です。こちらのお仕事の希望者も募集しています。IWJのヘビーユーザーで過去のコンテンツをよく知っているという人には有利な職種です。

 時給1150円からのスタートですが、特にスケジューリングの実務経験のある方、企業の秘書・マネージャー業種の経験のある方は、時給1200円以上からのスタートと、さらに優遇します!是非ご応募ください!

■【スタッフ募集・その他条件】週休2日、深夜割増あり、契約社員・正社員制度有り、社保あり、退職金制度有り、交通費・経費は別途支給、PCやカメラ、中継機材はIWJが用意します!

 すべての班に共通して、スタート時はアルバイトとなりますが、実績次第で契約社員、正社員への昇格が可能です。正社員の定年は65歳で退職金も会社として積み立てています。

 また、通勤交通費や業務中に移動した交通費、および仕事上必要になった経費やカメラ・PCなど必要な備品も会社が別途支給します!

 なおIWJでは、全職種で、残業が発生した場合は法令にのっとり、きちんと残業代をお支払いし、22時以降は深夜割増も加算されます。

 メディア業界はどこも、「裁量労働制」(注)をとっているところがほとんどですが、この裁量労働制は過労死に至るほどの長時間労働の根源です。NHKや電通でも長時間労働の果てに過労死・過労自殺などの痛ましい事件が起こっていることは、みなさんご承知の通りです。

 IWJでは、記者職・編集職であっても、裁量労働制はとっていません。長時間残業はさせず、6時間ごとの休息もとらせ、週2回の休みも必ずとらせています。IWJでは「サビ残」や「残業代不払い」などはありません!

(注)「裁量労働制」は何時間働いても一定時間の労働と「みなす」制度です。専門職など労働者の裁量で時間管理するとされますが、経営側に都合の良い「定額働かせ放題」になりがちなのが実態です。「みなし残業」も、何時間残業しても一定時間の残業と「みなす」制度です。要するに労働者を長時間「働かせホーダイ」にし、その賃金を支払わずにすませるトンデモない制度なのです。

 裁量労働制の問題については、岩上安身による明石順平弁護士へのインタビューをご覧ください。

※「低賃金・長時間労働」その結果としての「過労死」の元凶は「残業代不払い」!! ~「裁量労働制」が労働者を殺す!~岩上安身によるインタビュー 第979回ゲスト『人間使い捨て国家』著者・明石順平弁護士 前編
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/465264

■【スタッフ募集・在宅テレワーク】IWJでは在宅テレワークのスタッフも募集します! 地方にお住いの方、東京近郊で週のうち何日かは出勤、残りは在宅で、という働き方も可能です。ぜひご応募ください!

 IWJではテキスト班、動画班、事務ハドル班などの一部で在宅テレワークでの働き方を進めています。

 テキスト班はリサーチや記事執筆、岩上安身のインタビューのパワーポイント作成や、この日刊IWJガイドの執筆などをお願いします。

 動画班は、お住いの地域での中継スタッフをお願いします。動画編集が得意な方であれば、YouTubeのIWJアカウント「Movie Iwj」用の動画編集をお願いいたします。

 事務ハドル班は、岩上安身のインタビューのアポイントやIWJの日々の中継の手配、取材交渉などをお願いいたします。

 首都圏近郊にお住まいであれば、週のうち何日かは事務所に出勤、残りは在宅テレワークという働き方も可能です。地方にお住いの方でも、また、首都圏でも都心までは遠距離で毎日通うのは大変、という方でも、ぜひご応募ください!

 詳しくはぜひ、以下のスタッフ応募フォームよりご応募ください! お待ちしております。

■【スタッフ募集・インターン】IWJでは現在大学院生や大学生のインターンも活躍しています!
報道メディアに興味ある学生の方はぜひご応募ください! 就職の相談にも乗りますし、もちろんペイワークです!

 IWJでは現在大学院生や大学生のインターンも活躍しています! ポストドクターの方も含めて、報道に興味ある学生の方は、上記応募フォームより、ぜひご応募ください!

※スタッフ応募フォーム
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfXmrohCgSv4wxA-iWUk227Ber03r14GPhDoJgu4xyFyxKiCA/viewform

 それでは、本日も1日よろしくお願いします。

IWJ編集部(岩上安身、磯貝哲男、西谷 恵、永田由美、尾内達也、城石裕幸、木原匡康)

IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
岩上安身サポーターズクラブ事務局
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