日刊IWJガイド「国内外で借金まみれになり多重債務者状態の日本! 財政は敗戦直前並み! #ヤバすぎる緊急事態条項 !! 」2018.12.1日号~No.2270号~(2018.12.1 8時00分)


┏━━【目次】━━━━━━━━━━━━
┠■はじめに~ 多重債務者状態の日本国が戦争準備!? すでに日本の財政は敗戦直前並み! 国内外で借金まみれになった日本は第2の真珠湾攻撃と戦後のハイパーインフレで再び借金踏み倒しを図る!? / #ヤバすぎる緊急事態条項 本日午後8時より、岩上安身による永井幸寿弁護士インタビュー後編を再配信します!
┠■【中継番組表】
┠■<ニュース・フラッシュ>
┠―【1】NHKが周防大島の断水被害に乗じて水道民営化を宣伝!? 政府は万博開催の費用を周防大島の復旧に充てるべきではないのか!
┠―【2】「ネトウヨ」の身勝手な期待は潰えた!? 秋篠宮殿下が日本国憲法の政教分離原則にのっとって政府方針を批判!
┠■<お知らせ>
┠―■<ファンドレイジング・イベントに関するお知らせ> ファンドレイジング・イベントの開催は、一進一退の状態が続いている岩上さんの体調を考慮した上で、12月下旬以降に延期することにいたしました。当初の予定よりも遅れることになり申し訳ございません。ですが、開催に向けて準備は進めていますので、ぜひ続報をお待ちください!
┠―■今期がスタートした8月1日から11月29日までのご寄付・カンパの目標達成率は76.2%。目標の4分の3のご寄付は寄せられました。ありがとうございます。ですがまだまだ目標額を下回っており、気が抜けません。引き続きのご支援をどうぞよろしくお願いします!
┠―■新シリーズ「岩上安身のIWJインタビューDVDシリーズ」第一弾として、関良基氏と前川喜平氏へのインタビューDVDを製作中です!予約受付を開始しました!数量限定の製作のため、ぜひお早めの予約申し込みを!
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■はじめに~ 多重債務者状態の日本国が戦争準備!? すでに日本の財政は敗戦直前並み! 国内外で借金まみれになった日本は第2の真珠湾攻撃と戦後のハイパーインフレで再び借金踏み倒しを図る!? / #ヤバすぎる緊急事態条項 本日午後8時より、岩上安身による永井幸寿弁護士インタビュー後編を再配信します!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 東京新聞によると、防衛省が国内防衛企業62社に対して、武器支払いの2~4年の延期を要請したことがわかりました。高額な米国製兵器の輸入拡大で「後年度負担」と呼ばれる兵器ローンの支払いが急増したことが原因です。

※米兵器ローン急増 来年度予算圧迫 防衛省、支払い延期要請(東京新聞、2018年11月29日)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018112990070007.html

 この記事の中で、防衛省会計課が「支払いを後ろに伸ばすのは、いろいろな契約の方法の一つで、歳出化経費の先送りではない」と述べていると書かれています。

 記事に書かれていることはここまでですが、IWJが防衛予算の仕組みを改めて調べ直してみると、この記事の中の防衛省の談話は真っ赤な嘘であることが判明しました。

 憲法86条は「単年度予算主義」を定めていますが、「財政法」で、「予算を5年までであれば分割してもよい」という特例が設けられています。防衛省はこの特例を最大限活用してきました。これが「後年度負担」と呼ばれているものです。

 ところが、米国製の輸入兵器の高額化により、5年の分割払いでも債務を返済できなくなり、2015年の国会で、防衛費に限定した特別措置法「防衛調達長期契約法」を成立させました。この法律によって、分割払い期間は2倍の10年まで許されることになったのです。

 さっそく分割払い期間を延ばすことにしたのですが、分割払い期間を5年から10年に延ばしても、たったの3年で債務返済計画が破綻して、国内防衛産業への支払いをさらに2~4年も先延ばしするという事態に立ち至ったということなのです。これは「超法規的措置」というべきではないでしょうか!?

 危機的な状況は、防衛予算に留まりません。2018年度末の日本の公債残高は、883兆円に上り、対GDP比では156%となることが予測されています。

※日本の財政関係資料(財務省、2018年3月、PDFの5頁‐6頁)
https://www.mof.go.jp/budget/fiscal_condition/related_data/201803_00.pdf

 現在の公債残高の対GDP比の156%という数字は、昭和16年の太平洋戦争開始から敗戦まで100%を超え敗戦時には200%を超えた戦時経済と同じ規模であることがわかります。

※戦後の我が国財政の変遷と今後の課題
(財務省、PDFの6頁)
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia270930/01.pdf

 現在の国家財政は、戦時体制と変わらない非常事態にあると言っても過言ではありません。まさに、国内外からの多重債務者状態にある現在の日本で、防衛予算だけは「防衛調達長期契約法」という抜け道を作り、軍拡志向だけ突出しているのです。それでも、まだ足りないので、先述した通り、国内防衛産業への支払いを「超法規的」に延期すると防衛省は要請しています。支払いの方法論の問題などではありません。

 その上、さらに移動できる攻撃基地である空母を保有し、新たにステルス戦闘機F35を100機(1兆円超)購入しようというのです。軍拡志向の果てにあるのは「戦争」しかありません。

 エコノミストの田代秀敏氏は、岩上さんのインタビューの中で「国の実力を超えた軍事力を維持しようとして破綻した国家の代表的な例は旧ソ連」と述べながら、命がけで軍事費を抑えようとした高橋是清の例をよく考えてみるべきだと次のように指摘してます。

 「高橋是清は陸海軍の軍事費を抑えようとした。それはとんでもない金食い虫であることを知っていたからである。なんとかして国際協調路線を取ってみんなで軍事費を減らさないと、資本主義が持たない。そういうまともなことを主張した。その高橋是清を殺して財政は破綻状態になってしまった。現状はとっくに高橋是清が殺されたような時代である」

※失敗したアベノミクス・異次元金融緩和の副作用!? 人口減少にも関わらずバブル化する不動産市場・サブリース契約の地獄!~日銀が発表した英語論文の謎に迫る!岩上安身が田代秀敏氏に7.1インタビュー第2弾! 2018.7.1
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/426176

 現在の多重債務と軍拡志向によく似た時代に、日露戦争から太平洋戦争に至る時期があります。米英に対する外債で戦費を賄った日露戦争の後に、韓国を併合した日本は、言論統制を強化しながら、国際的な軍拡競争に邁進してゆきました。そして、外債の償還がきつくなると、米英という債権国相手に戦争を始めたのです。当然ながら、借金は踏み倒しです。

 この日露戦争の時代について、明治大学の山田朗教授に岩上さんがインタビューを行った際、山田教授は、「日露戦争で賠償金が得られず、当時8億円の外債は借金のまま残った。その後の返済はまた外債を発行して返すという多重債務状態に陥った」と述べています。

 そして、日本は、その借金をした英米を相手に戦争に突入してゆきます。山田教授は「1943年に借金を踏み倒す宣言をしたが、戦争に負けて1986年まで返済は続いた」と述べています。

※弾薬不足の責任は問われず「弾がなくても勝てる」と開き直り!? 日露戦争の「成功」体験と暴力的な朝鮮統治が人命の極端な軽視と虐殺の正当化までする民族差別の温床に!!~9.26岩上安身による明治大学・山田朗教授インタビュー第3弾 2018.9.26
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/432356

 山田朗教授は、現在の危機を日露戦争からの歴史的な文脈の中で捉え返し、危機の本質をより良く理解する上で非常に重要な講演を行っています。IWJでは、この講演の録画と文字起こしを行っています。ぜひ、ご覧ください。

※「脱亜入欧」のスローガンのもとでの朝鮮侵略と植民地支配が朝鮮人虐殺を生み出した! 山田朗 明治大学教授が 「明治150年」の歴史認識を問う! 〜 6.16講演「明治150年」と関東大震災 2018.6.16
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/424796

 また、現在の危機に鑑み、岩上安身による山田朗教授インタビューを、明日2日から再配信する予定です! ぜひご覧ください!

 この多重債務と戦争の関係を岩上さんはアイロニカルに次のようにツイートしています。

 「兵器の購入時点でもうすでに多重債務者状態の日本国。これで戦争を本当に始めたら、かかる金は桁違いに。始めたらそう簡単には終われないのが戦争。日露戦争の時と同様に外債に頼るしかない。日本の戦時国債を引き受けられるような金のある国は?仮想敵国である中国ぐらいしかない、という悲喜劇」

※岩上安身のツイート(2018年11月30日)
https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/1068157967969607686

 財政危機という点でも、軍拡という点でも、集団的自衛権や秘密保護法、共謀罪といった戦争法体系の確立といった点でも、当時と今は戦争の条件として極めて似ています。あとは、改憲によって緊急事態条項さえ規定できれば、一気に、戦争への坂を転げ落ちてゆくでしょう。引き金に指は掛かっているのです。しかも、緊急事態条項が発動する緊急事態には地理的限定はないのです。その意味で、集団的自衛権と緊急事態条項とは相互補完的な関係にあります。

 この非常に危険な緊急事態条項について、本日午後8時より、岩上安身による永井弁護士インタビュー後編を再配信します。ぜひ、以下のURLよりご覧ください。

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【タイムリー再配信 294・IWJ_Youtube Live】20:00~「いつでも独裁が可能!? いつまでも独裁が可能!? 憲法で堂々と独裁を肯定!? より危険性が高まった自民党新改憲の緊急事態条項!~5.21岩上安身による永井幸寿弁護士インタビュー(後編)」
YouTube視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501
ツイキャス視聴URL: http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi
[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/421982
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 また昨日は、まぐまぐで「岩上安身のIWJ特報!」の405号(その10)を発行しました。11月のIWJ特報は、本日午後8時より再配信する岩上安身による永井幸寿弁護士インタビューのフルテキストに詳しい注釈をほどこしたものです。この機会にぜひ、まぐまぐのご登録もご検討ください!

※「岩上安身のIWJ特報!」ご購読はこちらから(月額864円、初月無料)
http://www.mag2.com/m/0001334810.html

 IWJでは、岩上さんが梓澤和幸弁護士、澤藤統一郎弁護士と鼎談形式で2012年に発表された自民党改憲草案を逐条的に読み解いた『【増補改訂版】前夜 日本国憲法と自民党改憲案を読み解く』を販売しています。 #ヤバすぎる緊急事態条項 を徹底的に批判した貴重な書籍ですので、ぜひ、以下のURLよりお買い求めください。

※【増補改訂版・岩上安身サイン入り】前夜 日本国憲法と自民党改憲案を読み解く
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=171

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◆中継番組表◆

**2018.12.1 Sat.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・エリアCh1・愛知】14:00~「『第18回リベラル政治懇話会』山尾しおりさんおおいに語る」
視聴URL: http://twitcasting.tv/iwj_areach1

 立憲民主党・衆議院議員の山尾志桜里氏を迎えて開催される「第18回リベラル政治懇話会」の模様を中継します。これまでIWJが報じてきた山尾志桜里議員関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E5%B1%B1%E5%B0%BE%E5%BF%97%E6%A1%9C%E9%87%8C
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【IWJ・Ch4】18:30~「#国会パブリックビューイング『第2話 働き方改革―ご飯論法編』完成記念試写会」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch4

 「国会パブリックビューイング」主催。働き方改革関連法案の国会審議から加藤勝信厚生労働大臣(当時)と安倍総理の新たな答弁をとり上げた約30分の番組「第2話 働き方改革―ご飯論法編」の完成記念試写会を中継します。上映に加え、第1話「高プロ危険編」に潜んでいた「ご飯論法」、さらに入管法改正案審議に潜んでいる「ご飯論法」についての解説もあります。

 8月3日に収録した「国会パブリックビューイング」の第一回シンポジウム、11月3日に収録した「第1話 働き方改革 ―高プロ危険編―」13分ダイジェスト版上映の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E5%9B%BD%E4%BC%9A%E3%83%91%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B0
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【タイムリー再配信 294・IWJ_Youtube Live】20:00~「いつでも独裁が可能!? いつまでも独裁が可能!? 憲法で堂々と独裁を肯定!? より危険性が高まった自民党新改憲の緊急事態条項!~5.21岩上安身による永井幸寿弁護士インタビュー(後編)」
YouTube視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501
ツイキャス視聴URL: http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi

 5月21日に収録した、岩上安身による永井幸寿弁護士インタビューの後編を、公共性に鑑みフルオープンで再配信します。これまでIWJが報じてきた永井幸寿弁護士関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E6%B0%B8%E4%BA%95%E5%B9%B8%E5%AF%BF

[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/421982

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◆中継番組表◆

**2018.12.2 Sun.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・エリアCh3・京都】14:30~「言語道断!辺野古埋め立て 土砂投入をみんなで止めよう! ~辺野古土砂搬出反対全国連絡協議会・阿部悦子氏講演」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_areach3

 「Stop!辺野古新基地建設!大阪アクション」主催により開催される、阿部悦子氏(辺野古土砂搬出反対全国連絡協議会)講演を中継します。これまでIWJが報じてきた阿部悦子氏関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E9%98%BF%E9%83%A8%E6%82%A6%E5%AD%90
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【録画配信・IWJ_Youtube Live】18:00~「東大教授・安冨歩氏、音楽家・片岡祐介氏 主催イベント『純セレブスピーカーをしゃぶり尽くそう!』」
YouTube視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501

 安冨歩氏・片岡祐介氏の主催により、11月25日に東京大学で開催されたイベントの模様を録画配信します。これまでIWJが報じてきた安冨歩氏関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E5%AE%89%E5%86%A8%E6%AD%A9
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【国会成立直前!ホントにいいのか水道民営化!シリーズ特集再配信 3・IWJ_Youtube Live】20:00~「民営化vs公営!? 2分化した議論より『蛇口の向こう』に関心を!市民参加で再公営化に成功したパリ市水道の実態をアン・ル・ストラ前パリ市副市長が講演 ~水情報センター主催『みらいの水と公共サービス』(前編)」
YouTube視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501

 2月18日に収録した、「水情報センター」主催によるイベントを再配信します。内容は、アン・ル・ストラ氏(前パリ市副市長)、沖大幹氏(東京大学生産技術研究所教授)による講演と、アン・ル・ストラ氏、沖大幹氏、森山浩行議員(立憲民主党)3名によるトークセッションなど。これまでIWJが報じてきた水道民営化関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E6%B0%B4%E9%81%93%E6%B0%91%E5%96%B6%E5%8C%96

[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/412522

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■<ニュース・フラッシュ>
【1】NHKが周防大島の断水被害に乗じて水道民営化を宣伝!? 政府は万博開催の費用を周防大島の復旧に充てるべきではないのか!

 山口県柳井市と瀬戸内海の西に浮かぶ同県の周防大島(周防大島町)とを結ぶ大島大橋に貨物船が衝突した事故により、周防大島で断水が発生していましたが、11月28日に約2400世帯で水道が復旧しました。断水は、ドイツの海運会社の貨物船が大島大橋に衝突して送水管が切断された10月22日から続いており、周防大島のほぼ全域の9000世帯以上に及んでいます。

※1か月以上大規模断水の山口 周防大島町 2400世帯で水道復旧(NHK NEWS WEB、2018年11月29日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181129/k10011727301000.html

※大島大橋に巨大貨物船が衝突 船舶関係者らを唖然とさせた前代未聞の事故(長周新聞、2018年10月24日)
https://www.chosyu-journal.jp/yamaguchi/9687

 事故による損害額は、橋や送水管の復旧費だけで28億円にのぼるとの見通しですが、船舶事故で船主が負担する賠償額には船主責任制限法で上限が設定されています。船主責任制限法が適用されると、貨物船を所有するドイツの海運会社の賠償額の上限は約24億円となり、損害額を下回ります。

※水道復旧費、店の休業…誰が賠償? 頭抱える周防大島(朝日新聞、2018年11月23日)
https://www.asahi.com/articles/ASLCN43QNLCNTZNB009.html

 こうした周防大島町の苦境について、NHKの「ニュースウォッチ9」は11月29日、ツイッターの公式アカウントで以下のように伝えています。

 「大規模な断水が続いていた山口県 #周防大島町 。1か月ぶりに蛇口から #水 が出ました。私たちの生活に欠かせない水道事業。実は各地で厳しい経営が続いています。そこでいま議論されているのが民間との連携強化。料金やサービスへの影響など、議論のポイントを詳しくお伝えします」

※NHK ニュースウォッチ9 ツイート(2018年11月29日)
https://twitter.com/nhk_nw9/status/1068104040075091969/video/1

 周防大島町の人々が断水で苦しむ中、NHKはこれを奇貨としてあからさまに水道民営化を宣伝しているのです。

 「厳しい経営」が続く水道事業の処方箋として水道民営化の議論を持ち出すNHKの報道は、世論を水道民営化賛成に誘導しようとしているといわざるをえません。こうしたNHKの報道について、岩上さんは11月29日、次のように批判しました。

 「周防大島の断水は、橋に船が衝突した事故によって引き起こされたもの。水道事業が、公営か民営かに全く関係ない話。毎日が外資のためのプロパガンダ日和のNHK」

※岩上安身ツイート(2018年11月29日)
https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/1068159084304642049

 岩上さんによるインタビューでもおなじみの関良基・拓殖大学教授は、共著書『社会的共通資本としての水』(関良基、まさのあつこ、梶原健嗣共著、花伝社、2015年 https://amzn.to/2FOB0db)で、諸外国の失敗例を挙げつつ水道民営化を批判しています。

 同書によると、イギリスはサッチャー政権下の1989年、イングランドとウェールズの全域で水道民営化を実施しましたが、25年間で水道料金は実質の値上げ率で50%上昇。水道料金の高騰にもかかわらず、水道施設の老朽化への対応はまともに行われず、ロンドン市の水道事業を担うテムズ・ウォーター社は事業収益をタックス・ヘイヴンにある子会社に逃がしていました。

 また、今まさに日本の水道事業に進出しているフランスのヴェオリア社は1984年、パリ市とコンセッション契約を結び、水道事業を手がけることとなりました。1985年から2009年までのフランスのインフレ率は70.5%でしたが、水道料金はなんと265%も値上がりしました。結局、パリの水道事業は2010年に再公営化されました。

 2000年から2014年の間に水道事業が再公営化された件数は、少なくとも180件の35ヶ国に及びます。日本政府は、こうした世界の流れに逆行して水道法改正による水道民営化を狙っていますが、イギリスやフランスの事例からわかるように、水道民営化が水道料金の高騰をはじめとする水道事業の劣化をもたらすことは明らかです。

 周防大島の一部地域の給水再開には1ヶ月以上かかりました。水の確保は命に直結する問題であり、その供給が途絶えてしまった場合は政府による迅速な対応が求められます。

 しかし、周防大島で断水が続く中、世耕弘成経済産業相は11月24日(日本時間)、大阪万博の開催に向けて「約100ヶ国に2億1800万ドル(約240億円)を支援する」と訴えました。大阪万博では少なくとも3040億円の経費が見積もられていますが、当然、その経費には国民の税金や大阪府民・市民の税金が投入されます。

※240億円ばらまく大阪万博 経費は1兆2000億円まで膨張か(日刊ゲンダイ、2018年11月28日)
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/242500

 水道民営化の危険性については、岩上さんが2017年4月に行った関良基准教授(当時)インタビューをご覧ください。

※食い物にされる水道民営化・ダム・治水――国富を売り渡す安倍政権の水政策の裏を暴く!岩上安身による関良基氏インタビュー 2017.4.25
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/375521

 また、安倍政権におもねるNHKの問題については、ぜひ、下記の岩上さんによるインタビューをご覧ください。

※「みんなのNHK」から「安倍政権のNHK」へメディアへの政治権力の介入〜元NHKプロデューサー・永田浩三氏に岩上安身が聞く 2014.10.22
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/188812

※「お前勘ぐれ(察しろよ)」と、またいつもの安倍氏独特のおかしな日本語で「忖度」するよう要求!? NHK番組改変事件でかいま見た、安倍晋三という政治家の本質 元NHKプロデューサー永田浩三氏に岩上安身が再びインタビュー(後編) 2014.11.12
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/205343

※「見識なき会長」「サラリーマン化した記者」…大本営発表から再出発を誓ったはずのNHKの“リアル” 〜内部事情を実名告発! NHK現役プロデューサーに岩上安身が訊く! 2015.4.29
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/244020

※上層部からの圧力か!? 森友問題でスクープを連発した元NHK記者の「考査室への異動」の真相に迫る! 岩上安身による大阪日日新聞論説委員・相澤冬樹氏インタビュー 2018.10.2
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/432870

【2】「ネトウヨ」の身勝手な期待は潰えた!? 秋篠宮殿下が日本国憲法の政教分離原則にのっとって政府方針を批判!

 昨日11月30日に53歳の誕生日を迎えられた秋篠宮殿下は、先立って11月22日に記者会見を行い、天皇の代替わりに行われる皇室行事「大嘗祭(だいじょうさい)」について、「(天皇家の私的生活費である)内廷会計で行うべきだと思う」と述べました。政府は公費である宮廷費で大嘗祭を行う方針ですが、秋篠宮殿下は政府の方針にはっきりと異論を唱えました。

※秋篠宮さま、大嘗祭支出に疑義「宮内庁、聞く耳持たず」(朝日新聞、2018年11月30日)
https://digital.asahi.com/articles/ASLCQ44BQLCQUTIL01F.html

※皇室 秋篠宮さま 大嘗祭「宗教色強い」公費に否定的見解(毎日新聞、2018年11月30日)
https://mainichi.jp/articles/20181130/k00/00m/040/144000c

 大嘗祭は、新天皇の即位後に初めて行う「新嘗祭(しんじょうさい)」のことを指し、天照大神(あまてらすおおみかみ)などの神々に新穀を供え、天皇自身も新穀を食し、五穀豊穣(ほうじょう)や国家安寧を祈る儀式です。要するに大嘗祭は神道の儀式なのですが、秋篠宮殿下は、「宗教色が強いもので、国費で賄うことが適当かどうか」と、政教分離原則を踏まえた見解を示したのです。

 また、秋篠宮殿下は、「身の丈に合った儀式にすれば、皇室の行事として本来の姿ではないか」と述べ、大嘗祭にかかる費用についても案じました。平成の大嘗祭の総額費用は約22億5000万円にのぼり、憲法違反だとして訴訟が提起されました。違憲判決こそ出なかったものの、大阪高裁は「憲法違反の疑いは一概に否定できない」としています。

※平成の大嘗祭、総費用22億円余り=高裁判決で「違憲の疑い」指摘も(時事通信、2018年11月30日)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018113000043&g=ryl

 秋篠宮殿下は宮内庁の山本信一郎長官に自身の見解を伝えたところ、「話を聞く耳を持たなかった」と語っています。一方、山本長官は、「(秋篠宮殿下の)持論は承知しているが、宮内庁の立場を説明してきた。決定事項への考えを述べられたのだろう」との認識を示し、結局のところ「話を聞く耳」を持っていないようです。

 いわゆる「ネトウヨ(ネット右翼)」や「ネトウヨ的文化人」は、「ヘイトスピーチ」ともいえる皇室バッシングを続けてきました。

 皇太子殿下は2015年に55歳の誕生日を迎えられたときに、「戦争の記憶が薄れようとしている今日、謙虚に過去を振り返るとともに、戦争を体験した世代から戦争を知らない世代に、悲惨な体験や日本がたどった歴史が正しく伝えられていくことが大切であると考えています」「我が国は、戦争の惨禍を経て、戦後、日本国憲法を基礎として築き上げられ、平和と繁栄を享受しています」と語りました。

 日本の歴史と真摯に向き合い平和を重んじる皇太子殿下の姿勢に対して、「ネトウヨ」が集まることで知られるまとめブログ「保守速報」では、「こんなのが即位したら。日本は終わります」「頼む!秋篠宮と代わってくれ!」などといった誹謗中傷が次々と書き込まれていました。

※【岩上安身のニュースのトリセツ】天皇陛下が「お気持ち」を表明、改憲で天皇の「元首」化を目指す安倍政権への牽制か~良識的な歴史認識を示す皇太子殿下に「ヘイトスピーチ」を向ける「ネトウヨ」たち(第1回) 2016.8.9
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/324294

 また、宗教学者の山折哲雄氏は、『新潮45』2013年3月号に掲載された「皇太子殿下、ご退位なさいませ」という、タイトルからして失礼きわまりない寄稿で、「皇太子・同妃殿下のご家庭においては、その両者の調和の関係に揺れが生じ、したがって均衡点も定まらないような状況が、さきにも述べた通り、ときにきわ立つようになっている。そこに『天皇家の危機』が静かにしのびよっているのではないか」と述べ、皇太子殿下に退位を迫っています。

 このように皇太子殿下を誹謗中傷している「ネトウヨ」や「ネトウヨ的文化人」について、岩上さんは、「日本による侵略の歴史や日本国憲法についてこれまでは踏み込んだ発言を控えてきた秋篠宮殿下なら、現行憲法に縛られないスタンスを取るのではないか、という身勝手な期待をしているのではないか」と指摘しています。しかし、秋篠宮殿下が日本国憲法の規定にのっとって政府の方針を批判したことは、ネトウヨやネトウヨ的文化人の身勝手な期待を打ち砕くことになるでしょう。

■<お知らせ>
■<ファンドレイジング・イベントに関するお知らせ> ファンドレイジング・イベントの開催は、一進一退の状態が続いている岩上さんの体調を考慮した上で、12月下旬以降に延期することにいたしました。当初の予定よりも遅れることになり申し訳ございません。ですが、開催に向けて準備は進めていますので、ぜひ続報をお待ちください!

 現在IWJでは、活動運営資金を集めるためのファンドレイジング・イベントの開催を予定しております。

 当初は、11月下旬から12月上旬の間をめどにファンドレイジング・イベントの開催を考えていました。しかし、岩上さんは10月30日に軽い心臓発作に見舞われてから発熱や下痢などの症状が続いており、11月下旬から12月上旬の開催は困難な状態です。

 岩上さんの体調を考慮した上で、イベント開催は12月下旬以降に延期することにいたしました。ファンドレイジング・イベントを心待ちにしていた皆様にはご迷惑をおかけし、大変申し訳ございません。

 当初の予定より遅れてしまいましたが、イベントを開催したいという強い思いを持っている岩上さんは、早く仕事に戻りたいという気持ちを抑えて、今は療養に専念しています。岩上さんの留守を預かるスタッフも、イベントの開催に向けて準備を進めております。もし年内の開催ができなかった場合でも、来年にニューイヤーイベントとしてファンドレイジング・イベントを開催することを検討してもいます。

 イベントの形式や日程、ゲストの先生方などはまだ確定していませんが、準備が進み次第お知らせいたしますので、ぜひ続報をお待ちください!

 また、ファンドレイジング・イベントに関するアンケートはまだまだ受け付けていますので、ぜひ、皆様のご希望、ご要望をお聞かせください!ご回答は「IWJファンドレイジング・イベントに関するアンケート2018Autumn」よりお願いいたします。

※アンケートはこちらからお願いします。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSc1Pw-BQUaRe7WIuRV8lc-vKe0LZ4njOgLPhr4ipD8aqVp_8w/viewform

 11月16日までに皆様からご回答いただいたアンケート結果の一部は、中間報告としてお知らせしております。

 今回のファンドレイジング・イベントの形式については、一つのテーマに絞った上で、そのテーマに詳しい識者を3名から4名ほどお呼びする「シンポジウム形式」をご希望した方が19名、これまでのように多様なテーマでバラエティ豊かなイベント形式である「従来の形式」をご希望した方が1名となっております。

 まだ確定ではありませんが、ほとんどの方がテーマをしぼった「シンポジウム形式」をご希望されていることを踏まえ、「シンポジウム形式」で準備を進めていきます。「従来の形式」ご希望の方には大変恐縮ですが、なにとぞ、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

 アンケートにご回答いただいた方のご希望のテーマは様々ですが、やはり最も多いのは憲法改正問題です。また、改憲問題に関連して、緊急事態条項や、日米関係・在日米軍基地・沖縄問題などもご希望のテーマとして挙がっています。こうしたテーマについては、21世紀最大のテーマである米中覇権交代を抜きにして語ることはできないでしょう。

 ファンドレイジング・イベントの参加費は、ご寄付分が上乗せされているので、やや高めで設定させていただくことになりますが、イベントの参加費は、すべてIWJの活動費にあてます。ファンドレイジング・イベント参加お申込みのご案内は改めて告知いたしますので、どうぞ、奮ってご応募ください。

 今後とも、なにとぞ、IWJをよろしくお願い申し上げます。

■今期がスタートした8月1日から11月29日までのご寄付・カンパの目標達成率は76.2%。目標の4分の3のご寄付は寄せられました。ありがとうございます。ですがまだまだ目標額を下回っており、気が抜けません。引き続きのご支援をどうぞよろしくお願いします!

 いつもIWJをご支援いただき、本当にありがとうございます。11月1日から29日までのご寄付・カンパは218件、525万0200円となっています。11月は今期に入って初めて1か月分の目標額を達成することができました!私たちのご支援の呼びかけに応じてくださった皆様、本当にありがとうございます。

 ですが、まだまだ油断はできません。今期がスタートした8月1日から11月29日までのトータルのご寄付・カンパの目標達成率は、まだ76.2%にとどまっております! ようやく4分の3までたどりついた、というに過ぎません。現状ではまだまだマイナスです。

 IWJでは年間を通じて、ご寄付・カンパが目標額に到達することを前提に予算計画を立てており、収入が見込みよりも落ち込むと人件費を含む支出が大赤字となり、IWJが存続できなくなる可能性があります。日本の民主主義の危機、そしてIWJ存続の危機を乗り越えられるよう、どうかご支援のほどよろしくお願いいたします!

※ご寄付・カンパのご支援はこちらからよろしくお願いいたします。
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

 頂戴いたしました会費やご寄付は、IWJの活動費として大切に使わせていただきます。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

 今までIWJのコンテンツを無料でご利用なさっていた方へ、ぜひ、この機会に有料会員へのご登録をご検討ください!

 一般会員にご登録していただくと、中継で見逃してしまったIWJの動画コンテンツを一ヶ月間、アーカイブでお好きな時にご覧いただけます! 入会金は無料。会費は月々1,000円ですが、1年分まとめてお支払いいただければ1万円と2ヶ月分お得になっています!

※会員へのご登録はこちらからお願いいたします。
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

 また、一度会員に登録されて以降現在お休みになっている方は、ぜひもう一度会員登録の再開をご検討いただきたいと存じます!会費の支払いをつい忘れがちという方は、クレジットカードでのお支払いが大変便利ですので、ぜひご検討ください。クレジットカードをお持ちでない方は、自動引き落としサービスもご用意していますので、こちらのページをご覧ください!

※クレジットカード・自動引き落としでのお支払いへの変更はこちらから(※ログインが必要です)
https://iwj.co.jp/ec/mypage/login.php

※よくある質問と回答 年会費をクレジットで支払いたい
https://iwj.co.jp/info/faq.html#idx-18

 そして、現在一般会員でいらっしゃる方はぜひサポート会員へのお切り替えをご検討ください! サポート会員の方は、過去のインタビューも含めすべてのIWJのコンテンツをいつでもご覧いただけます。

 サポート会員へ移行してくださる方が増えれば、IWJの活動は今よりもずっと安定したものになります。サポート会員の人数が4,000名に達すれば、それだけでご寄付やカンパをいただかなくても、活動資金をまかなえることになります。

 どうか、ぜひサポート会員になってIWJの活動をお支えいただけますよう、ご検討ください。

※サポート会員へのご登録はこちらからお願いいたします。
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(会員登録いただいたメールアドレスとパスワードでログインの上、MYページの「会員登録内容変更」をクリックし「会員登録内容変更(入力ページ)」へ移動してください。そこに「会員種別の変更はこちら」とございまして、青字になっている「こちら」をクリックすると「会員種別変更申請」のページが表示されます。その画面で「サポート会員への変更を申請します」の前にあるチェック欄をクリックし、申請ボタンを押してください。)

■新シリーズ「岩上安身のIWJインタビューDVDシリーズ」第一弾として、関良基氏と前川喜平氏へのインタビューDVDを製作中です!予約受付を開始しました!数量限定の製作のため、ぜひお早めの予約申し込みを!

 「DVD化のためのIWJ総選挙」の結果を受け、このたび第一弾として、『赤松小三郎ともう一つの明治維新――テロに葬られた立憲主義の夢』(作品社、https://amzn.to/2NwCHL8)の著者である関良基氏へのインタビュー全3巻と、元文部科学省事務次官の前川喜平氏へのインタビュー全3巻を製作中です。いずれも12月上旬発売予定です。

 DVDの詳細な内容は下記URLからご覧いただけます。こちらは数量限定となります。ただいまご予約を受付中です。DVDのパッケージデザインも完成しましたので、ぜひ、以下のURLからご確認ください! ご購入のご検討、どうぞよろしくお願いいたします!

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 それでは本日も1日、よろしくお願いいたします!

IWJ編集部(岩上安身、尾内達也、川上正晃)

IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
岩上安身サポーターズクラブ事務局
公式サイト 【 https://iwj.co.jp/