■■■　日刊IWJガイド・番組表「『（もっとも怒りを覚えるのは）大阪府知事』『（設置認可基準の緩和で頼んだのは）東徹議員』、安倍昭恵夫人、稲田朋美大臣……『森友学園』をめぐる政治家たちの関与が続々！籠池泰典氏が国会で証人喚問／『種子廃止法案』が衆議院農林水産委員会で可決～規制緩和で遺伝子組み換え作物が日本に流入!?」2017.3.24日号～No.1652号～　■■■
（2017.3.24 8時00分）

★本日の日刊IWJガイドは以下の内容でお届けします！

┏━━【目次】━━━━━━━━━━━━
┠■＜はじめに＞「（もっとも怒りを覚えるのは）大阪府知事」「（設置認可基準の緩和で頼んだのは）東徹議員」、安倍昭恵夫人、稲田朋美大臣……「森友学園」をめぐる政治家たちの関与が続々！ 籠池泰典氏証人喚問！（IWJ編集部）
┠■【中継番組表】
┠■＜ニュース・フラッシュ！＞
┠―【1】ロンドンでテロ。英国会議事堂とその周辺で警官1人と通行人3人が犠牲になり40人が重軽傷（IWJ編集部）
┠―【2】スノーデン氏がまた新証言「諜報機関が選挙に関わるのはよくあること。アメリカもこの100年で81回ほどかかわっている」（IWJ編集部）
┠―【3】水道民営化だけじゃない！ 種子廃止法案が衆議院農林水産委員会で可決――規制緩和で遺伝子組み換え作物が日本に流入!?（平山茂樹）
┠―【4】石原慎太郎氏三男・宏高氏にも「政治とカネ」疑惑　週刊文春が少額領収書を入手し調査（IWJ編集部）
┠■＜★昨日の取材報告★＞「松井知事にはしごを外された」――籠池氏の発言に松井知事が逆ギレ!? 私学審・梶田会長は松井知事からの働きかけについて「なかった」と断言　このまま松井知事の責任をうやむやにしてはいけない！（城石エマ）
┠■＜IWJ書店からのお知らせ＞「沖縄戦と心の傷―トラウマ診療の現場から」（IWJ編集部）
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＜はじめに＞「（もっとも怒りを覚えるのは）大阪府知事」「設置認可基準の緩和で頼んだのは？」「東徹議員」、安倍昭恵夫人、稲田朋美大臣……「森友学園」をめぐる政治家たちの関与が続々と証言！　籠池泰典氏証人喚問！
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　おはようございます、IWJ編集部です。

　昨日3月23日（木）、国会で森友学園理事長・籠池泰典氏の証人喚問が行われました。NHK番組表では当初、該当の時間帯に「変更あり」とは書かれていたものの、中継予定の記載がありませんでした。ネット上で多くの人たちから「なぜ中継しないのか！」と批判の声が上がり、NHKは22日午後に番組編成を変更し、中継することを発表。23日当日は参議院で9：55から、衆議院で午後2時30分から、中継がされました。

・【森友学園】籠池理事長の証人喚問、中継を求めNHKに抗議の声→放送されるけれど……（BUZZFEED　2017年3月22日）
https://www.buzzfeed.com/kotahatachi/what-is-mizuhonokuni22?utm_term=.do1aYPZXg#.ccaENW9p1

　IWJでは中継開始から実況ツイートを開始。ツイートのまとめ記事もアップしておりますので、ぜひご覧ください。

※【参議院】証人喚問で森友学園・籠池泰典氏「二人きりの状態で昭恵夫人から100万の寄付」 一番、怒りを覚えるのは「松井一郎府知事」、新たな現職国会議員の名も浮上！～「極右学校法人の闇」第51弾
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/370180

※【衆議院】昭恵夫人側、定期借地の期間延長めぐり財務省に照会――夫人付き政府職員から籠池氏にFAX、「籠池爆弾」に委員会室は騒然～「極右学校法人の闇」第52弾
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/370277

　昭恵夫人から受け取ったとされる100万円の寄付金について籠池氏は、「昭恵夫人は覚えていないとおっしゃっているが、私たちには大変名誉な話なので鮮明に覚えている」と証言。昭恵夫人が2015年9月5日に塚本幼稚園に講演に訪れた際、周りの人を退室させて２人きりになり、「安倍晋三からです」と言って封筒に入った100万円を差しだしたと主張しました。

　さらに午後、民進党・枝野幸男議員との質疑において籠池氏は、この100万円について「黙っていてほしい」と昭恵夫人から電話で言われたとも証言しています。

　さらに昭恵夫人と籠池氏の妻・諄子氏は頻繁にメールのやりとりをする仲であり、「2月中に22回、3月は15～16回メールしている」とも証言。今後、メールを公開する用意があることも明らかにしました。

　昭恵夫人との関係および国有地をめぐる大幅な「値引き」については、午後の質疑でさらなる「爆弾証言」が飛びました。

　国有地の借地契約延長をめぐり、籠池氏は昭恵夫人の留守番電話にメッセージを残したといいます。するとその後、夫人付きの政府職員（谷査恵子氏）から「現状では希望に沿うことができないが引き続き見守ってまいりたい。本件は昭恵夫人にもすでに報告している」という内容が書かれたFAXが送られていたというのです。

　籠池氏によってその現物が公開されたそのFAXの、1枚目には挨拶文と、「小学校敷地に関する国有地の売買予約付定期借地契約に関して、財務省本省に問い合わせたが、希望にそえない」との回答。2枚目には、「１０年の定借の是非」「５０年定借への変更の可能性」「土壌汚染や埋設物の撤去期間に関する資料の扱い」「工事費の立て替え払いの予算化」といった、籠池氏の様々なプランニングにもとづいて出されたと思われる要望と、それに対する回答が順番に書かれていました。

　これらを見れば、どのような回答がされたかにかかわらず、籠池氏と昭恵夫人のかかわりは明白と思われます。が、不思議なことに、2枚のFAXの内、どういうわけか2枚目について言及するメディアが非常に少ないようです。一部メディアからは「官邸サイドがメディアに（ゼロ回答を示す）1枚目だけを強調し、2枚目をネグレクトするよう仕向けている」とも言われています。

　ただ、繰り返しますが、1枚目のFAXの後半には、次のような一文が記されています。

　「～引き続き、当方としても見守ってまいりたいと思いますので、何かございましたらご教示ください。なお、本件は昭恵夫人にもすでに報告させていただいております。内閣総理大臣夫人付　谷査恵子」

　また2枚目については、工事費の立て替え払いの予算化について、次のような回答文もあります。

　「平成27年度の予算での措置ができなかったため、平成28年度での予算措置を行う方向で調整中」

　これを見て、皆さまはどのように感じられるでしょうか？下にリンクを記しましたので、ぜひご確認下さい。

・公開された2枚のFAX

http://iwj.co.jp/wj/open/wp-content/uploads/2017/03/370079_fax.pdf

　さて、証人喚問中「もっとも腹が立つ政治家は？」との問いに、「松井一郎府知事」と繰り返し述べた籠池氏は、同時に「私はもともと安倍総理に敬愛の念を抱いていた。2月23日、安倍総理が国会で『しつこい人だ』と。事件勃発後に手のひらを返して学校をつぶそうとしている」とも述べ、安倍総理に「裏切られた」という無念の思いもあらわにしています。

　懇意にしていた政治家・有力者たちに手のひらを返された結果、「17～8億円の負債」を抱えることになりそうだという籠池氏。昨日、国会でこうも述べています。

　「私はもともと保守の考え方を持っている。私が支持していた保守の政党の方も、私に何かしてくれたかという問題ではなくて、このままでいくと憲法改正も当然できないだろうし、国民がだまされているのではないかと、国民の一人である私がもしかしたらだまされていたのではないかという風な思いに至った」

　今日の国会は、議員席のみならず記者席も立ち見でいっぱいになり、関心の高さがうかがわれました。午後6時過ぎから行われた日本外国特派員協会での記者会見も同様で、各国人ジャーナリストから次々に質問が飛びました。恐らく、海外でも大きく報道されるのではないかと思われます。

※「財務省の官僚の方々が忖度」「維新の会が動いた」――証人喚問を終えた森友学園・籠池泰典理事長が外国特派員協会で会見、「本来は安倍首相が好き。心が痛い」と心中を吐露する場面も
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/370079

　この証人喚問で、国有地が破格値で払い下げられたいきさつが、すべて明らかになったわけではありません。また、籠池氏の説明がすべて事実かどうか、これから検証が必要です。

　さらなる疑惑の解明が待たれます。そして「国民をだましてきた人」たちにしかるべき責任が追及されなくてはなりません。

　IWJでは、この「森友学園問題」を当初から追いかけてきました。3月31には、この疑惑を最初に白日のもとにさらした豊中市の木村真市議に岩上さんがインタビューを行うことも決定しています。

　また、IWJは森友問題だけを追っているのではありません。日本中のメディアが森友問題に集中する、その裏では、驚くような事態が次々と進んでいます。こちらについては、岩上さんの3月23日未明から朝までのつぶやきをまとめました。ぜひ、以下をご一読下さい！

※【岩上安身のツイ録】森友学園問題の狂騒の脇をすりぬけ、水道民営化が、種子法廃案が、改憲論議が匍匐前進のように密かに進んでいく――政府とメディアの「黙示的共謀」―― 2017.3.24
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/370196

　市民の皆様に、メディアが報道しない情報を届けていくため日夜奔走しているIWJですが、現状まだまだ運営費が足らず四苦八苦しています。どうかご寄付・カンパでIWJの取材活動をご支援ください！どうぞよろしくお願いいたします。

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◆中継番組表◆

＊＊2017.3.24 Fri.＊＊

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【Ch4】13：00～「東京都に自主避難者への住宅支援の強化を求める緊急アピール行動」
視聴URL： http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4
※「避難の協同センター」、「キビタキの会」、「希望のまち東京をつくる会東京」、「原発事故避難者の住宅確保を支援する江東の会」が主催するアピール行動を中継します。

【緊急特集！共謀罪（テロ等準備罪）法案シリーズ 10・IWJ_YouTube Live】18：00～「『未必の故意による黙示的共謀』って何!?　共謀罪成立前にしてこの法の濫用！ 共謀罪後はどうなる!?　岩上安身による 平岡秀夫・元法務大臣 市民の党・斎藤まさし代表 インタビュー！（前編）」
YouTube視聴URL： https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501
ツイキャス視聴URL： http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi
※1月30日収録の、岩上安身による 平岡秀夫・元法務大臣、市民の党・斎藤まさし代表インタビュー（前編）を再配信します。
[記事URL] http://iwj.co.jp/wj/open/archives/360211

【ツイキャス・IWJエリアCh1・大阪】19：00～「安倍政権の退陣を求める緊急行動＠京橋」
視聴URL： http://twitcasting.tv/iwj_areach1
※大阪から安倍政権の退陣を求めるアクションを中継します。

【Ch6】19：30～「『未来のための公共』国会前集会」
視聴URL： http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=6
※「未来のための公共」主催の国会前抗議集会を中継します。

▲▽▲▽官邸前抗議関連 ▽▲▽▲

【Ch5】18：30～「再稼働反対！首相官邸前抗議」
視聴URL： http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5

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◆中継番組表◆

＊＊2017.3.25 Sat.＊＊

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【ツイキャス・IWJエリアCh1・大阪】13：30～「カジノあかん3・25大阪集会」
視聴URL： http://twitcasting.tv/iwj_areach1
※「カジノあかん3・25大阪集会実行委員会」主催の集会を中継します。

【Ch未定】17：00～「『東アジア共同体・沖縄（琉球）研究会』主催 第5回公開シンポジウム『沖縄問題とは何か』」
※「東アジア共同体・沖縄(琉球)研究会」主催のシンポジウムを中継します。

【緊急特集！共謀罪（テロ等準備罪）法案シリーズ 11・IWJ_YouTube Live】18：00～「『未必の故意による黙示的共謀』って何？ 共謀罪成立前にしてこの濫用！ ～岩上安身による平岡秀夫弁護士（元法務大臣）、斎藤まさし氏（市民の党代表）インタビュー（中編）」
YouTube視聴URL： https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501
ツイキャス視聴URL： http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi
※2月18日収録の、岩上安身による平岡秀夫弁護士（元法務大臣）、斎藤まさし氏（市民の党代表）インタビューを再配信します。
[記事URL] http://iwj.co.jp/wj/open/archives/364113

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

1号機原子炉格納容器内にロボット投入し、画像データ・線量データ得られたものの東電「現段階では評価できず」後日データを整理し評価予定――東京電力会見
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/369952

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＜★昨日の取材報告★＞「松井知事にはしごを外された」――籠池氏の発言に松井知事が逆ギレ!? 私学審・梶田会長は松井知事からの働きかけについて「なかった」と断言　このまま松井知事の責任をうやむやにしてはいけない！
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　おはようございます、IWJ記者の城石エマと申します。

　冒頭でお伝えしたように、昨日の証人喚問で籠池氏は、安倍総理に対し不信感を高めていった胸の内を明かしました。しかし、籠池氏が不信感を露わにした相手は、安倍総理だけではありません。大阪府の松井知事に対してもまた、「はしごを外された」と断言したのです。

　一方の松井知事は籠池氏の発言に対し、「僕にはしごを外されたと恨んでいるようですが、申請書類に虚偽記載濃厚となれば、手続きを見直すのは当然です。逆恨みはやめていただきたいものです」「松井とは、会ったこともない。はしごは自分でかけた。かけたはしごは虚偽だらけ、でも、そのはしごを外した松井を恨んでる。何故、恨まれなければならないのか？意味不明です」などとツイッターで反論を表明。

※【参議院】証人喚問で森友学園・籠池泰典氏「二人きりの状態で昭恵夫人から100万の寄付」 一番、怒りを覚えるのは「松井一郎府知事」、新たな現職国会議員の名も浮上！ ～「極右学校法人の闇」第51弾！ 2017.3.23
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/370180

・松井大阪府知事の反論ツイッター
https://twitter.com/gogoichiro/status/844767878339444737

　大阪府の私学参入を積極的に進め、規制を緩和し、認可適当の判断を下した自らの責任については全く何もないかのごとく、です。

　実際、大阪では、松井知事の責任などないかのような流れができつつあるのが、気になるところです。

　昨日、私学審議会の梶田叡一会長は府議会に参考人招致され、小学校の設置「認可適当」判断にあたって、松井知事や橋下前知事などからの働きかけは「一切なかった」と述べました。また、定例審議会後の記者会見でも、知事の意向や審議を急がせるような圧力は「なかった」と繰り返しました。

　また、規制緩和が審議に与えた影響については、橋本正司私学監が「幼稚園法人が小学校開設できるようにしただけで、実体的な基準は変わっていない」として、「審議に影響はなかった」と述べました。

　審議過程では、森友学園の財政状況や教育内容に委員らからさんざん懸念が示されてきたのに、なぜ「認可適当」という判断に至ったのかについては明らかにされることなく、けっきょく私学審は、異例続きとなった森友学園に「条件つき認可適当」の判断を下したことについて、問題はなかったとしつつ、判断基準をより厳しいものにすべきだという議論に落ち着くことに。これでは、「僕が知事をやっていたときに規制緩和と審査体制強化をワンセットでやらなければなりませんでした。ここは僕の失態です」とツイートした橋下前知事の発言をなぞっただけです。

　元維新の上西小百合議員は、私学の新規参入をどんどん認めることで、維新が「教育利権」に群がっていると指摘しています。この根本的な問題が解決されないまま、うやむやにさせるわけにはいきません。

※「森友学園」問題で「非難する側」にシフトチェンジを始めた松井一郎府知事の責任を問う！ 上西小百合議員はIWJの取材に「維新の『教育利権』がある」と指摘！～「極右学校法人の闇」第33弾！ 2017.3.8
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/367080

　安倍昭恵夫人、迫田英典前理財局長に並び、松井知事に関しても、必ず国会への証人喚問を実現させたいところです。

　IWJは、昨日の私学審の審議会とその後の記者会見を中継しました。アップ次第、お知らせいたします。

　森友学園問題が新たな局面を迎えたところですが、IWJは昨日、大阪から淡路島へと移動。森友学園とは桁違いの金額が優遇されている可能性の高い、安倍総理とつながりの深い加計学園グループの岡山理科大獣医学部問題や、吉備国際大学問題を追って、淡路島、岡山、今治を回り取材をします。淡路島では、どこを見てもパソナだらけであるという情報もありますので、ぜひ、確かめてきたいと思います！

　この2月から3月にかけて、IWJでは関西出張が重なっています。財政難のIWJが、取材を続けるためには、みなさまからのご寄付・カンパでのお支えが欠かせません。どうか、これからもIWJが今のような規模で活動を続けることができるよう、ご寄付・カンパをよろしくお願いします！

※ご寄付・カンパのご支援はこちらから。
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＜IWJ書店よりお知らせ＞蟻塚亮二著『沖縄戦と心の傷―トラウマ診療の現場から』をぜひお買い求めください
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　「脳の中の記憶は風化しない」――。そんな一文で始まる蟻塚亮二著『沖縄戦と心の傷―トラウマ診療の現場から』は、戦争体験者の多くが鬼籍に入り、歴史の修正と捏造がますますはなはだしくなる昨今だからこそ、読んでいただきたい一冊です。

　2012年、沖縄県は、首里城にある旧32軍壕跡地の説明板から「従軍慰安婦」「住民虐殺」の一文を削除しました。またそれに先立つ2007年、日本会議国会議員懇談会は総会で、「『軍命令による沖縄住民に対する自決の強制』が教科書記述となることは許されない」とする決議を採択しました。これを受け、現在、ほとんどの教科書は「自決の強要」の一文を省いています。

　しかし歴史を否定したい人たちがどんなに否定しても、脳の中の記憶は風化しない。それどころか、一見、「風化」したようにすら思えていた記憶が、ある日突然、表面化し心身を蝕み苦しめたりする。沖縄で精神科医として働く中で、このような症例に数多く出会ってきた蟻塚氏は、これを「晩発性PTSD」と呼び、独自の調査を開始しました。蟻塚氏らのグループは、沖縄戦を経験した高齢者のほぼ4割に、深刻な晩発性PTSD発症の可能性があると結論しています。

※2017/02/28 「夜になると死体の匂いがする」――今も「戦争トラウマ」に苦しみ続ける沖縄県民たち――岩上安身による精神科医・蟻塚亮二氏インタビュー1日目（沖縄編）
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/365663

※2017/03/01 3.11と「心の災害」――震災と原発事故、そして避難が福島県民にもたらしたストレス症候群〜岩上安身による精神科医・蟻塚亮二氏インタビュー２日目（福島編）
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/365763

　この4割というのは、とても大きな数字です。ベトナム帰還兵のPTSD発症予備群ですら2割程度だからです。蟻塚氏が、ご自身でも語られているとおり、「精神科医が書いた戦争の本は珍しい」のであり、その意味でも大変貴重な一冊です。

　IWJ書店では、蟻塚氏の直筆サイン入りでご本を用意させていただいております。残りわずかですので、ご興味のある方はお早めにお求め下さい。

※【蟻塚亮二さんサイン入り】『沖縄戦と心の傷―トラウマ診療の現場から』
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=304

　なお、蟻塚氏は、自衛隊の海外派遣に対し、兵隊のPTSDという見地から講演しています。こちらもIWJは取材していますので、ぜひ下記URLより動画アーカイブをご覧ください。

※海外派遣による隊員のストレスを調べているのに出そうとしないのは自衛隊の能力がわかってしまうから!?～海外派遣自衛官と家族の健康を考えるシンポジウム 2017.2.19
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/364417

　それでは今日も1日、よろしくお願いします！

※日刊IWJガイドのフルバージョンは下記URLより御覧ください。
http://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20170324

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岩上安身サポーターズクラブ事務局
公式サイト 【 http://iwj.co.jp/ 】