日刊IWJガイド・番組表「『戦闘ではなく武力衝突』!?稲田防衛相の『詭弁』/東京五輪『裏金問題』、フランス検察の要請で東京地検特捜部がJOC会長を事情聴取!/やっぱり怖い共謀罪!当たり前に行われる市民運動への弾圧!」2017.2.9号~No.1609号~


■■■ 日刊IWJガイド・番組表「『戦闘ではなく武力衝突』!?稲田防衛相の『詭弁』/東京五輪『裏金問題』、フランス検察の要請で東京地検特捜部がJOC会長を事情聴取!/やっぱり怖い共謀罪!当たり前に行われる市民運動への弾圧!」2017.2.9号~No.1609号~ ■■■
(2017.2.9 8時00分)

 ★本日の日刊IWJガイドは以下の内容でお届けします!

┏━━【目次】━━━━━━━━━━━━
┠■<はじめに>稲田防衛相が「戦闘ではなく武力衝突」と「詭弁」!/フランス検察の要請で東京地検特捜部がJOC会長を事情聴取/市民運動の弾圧!?捜査当局の不当捜査からみる「共謀罪」の恐怖(原佑介)
┠■【中継番組表】
┠■<トランプ最新情報>トランプ政権誕生で「米中衝突」の懸念!インディペンデントとガーディアンが報じる!(原佑介)
┠■<ニュース・フラッシュ!>
┠――【1】東京五輪「裏金問題」、フランス検察の要請で東京地検特捜部がJOC竹田会長に事情聴取!(原佑介)
┠――【2】国会軽視の金田法相に民進党が辞任要求も、与党側は「緊張感持つ」で幕引き!?(原佑介)
┠――【3】やっぱり怖い共謀罪!当たり前に行われる市民運動への弾圧!(原佑介)
■憲法9条上問題になるから「戦闘」という言葉は使わない!?〜防衛省が「廃棄した」と説明していた日報が統合幕僚監部で見つかる!文書には「戦闘」の文字!(ぎぎまき)
■<★インタビュー告知★>明日10日は、急展開を迎える築地市場移転問題!岩上さんが宇都宮健児弁護士×水谷和子氏×中澤誠氏にインタビュー!~都議会が石原元都知事を参考人招致へ!(城石エマ)
┠■わとはぷ~What happened today?〜今日は漫画家・手塚治虫さんの命日、作品で「緊急事態条項」の危険性に警鐘も(原佑介)
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■<はじめに>稲田防衛相が「戦闘ではなく武力衝突」と「詭弁」!/フランス検察の要請で東京地検特捜部がJOC会長を事情聴取/市民運動の弾圧!?捜査当局の不当捜査からみる「共謀罪」の恐怖

 おはようございます。IWJ記者の原佑介です。

 僕個人としては、今年に入ってTOKYO MX「ニュース女子」が1月2日に垂れ流した沖縄ヘイトデマ問題を担当してから、この問題にかかりっきりで、なかなか他の重要ニュースを詳しく追えておらず、忸怩たる思いもあります。

 この問題が長期化しているのは、放送内容だけでなく、放送後、批判を受けても、わびるどころかかえって開き直るような関係者の態度が火に油を注いでいるからです。製作元のDHCシアターは、「米軍基地反対派の言い分は聴く必要がない」と開きなおり、司会を務める東京・中日新聞の論説副主幹・長谷川幸洋氏が東京新聞は、謝罪記事を出したことに対して「言論の自由の侵害だ」などと逆ギレし、問題が収束に向かうどころか、関係者の確信犯的な故意がかえってむき出しになってきており、ここは粘るしかありません。

 IWJは「ニュース女子」をめぐる一連の問題について「特集」ページを設け、今回のヘイトデマと徹底抗戦を続けています。現在12弾まで関連記事をアップしていますので、ぜひご一読ください。

※【特集】公共放送で垂れ流された「沖縄ヘイトデマ」〜TOKYO MX「ニュース女子」問題を徹底検証!
http://iwj.co.jp/wj/open/dhc

 また、ぜひともここ一番というときには、超極小戦力ながら踏んばり続けるIWJを、応援してください!どうぞよろしくお願いいたします!

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 「ニュース女子」の問題に目を光らせつつも、日刊IWJガイドのデスク担当日はその日のニュース全般をひと通り掘り下げるのですが、やはりどのニュースを調べてみても、「うわぁ…」「マジか…」「ひくわぁ…」「アホか…」と驚きと落胆の連続です。「ポスト・トゥルース(真実なき時代)」どころか、「ポスト常識」「ポストまとも」「ポスト正常」「ポスト善良」と、「ポストポジティブなこと」だらけの泥沼のような時代に入ってしまったのではないか、と、身もだえしています。

 IWJとしてはもっと体制を強化し、まっとうな神経と正常な感覚を保ちつつ、どんどん新たな、そしてまともなスタンスからのニュースを放っていかなければいけないな、と焦るばかりです。

 昨日、稲田朋美防衛相は衆院予算委員会で、南スーダンPKOに派遣された陸上自衛隊部隊が首都ジュバの状況について、昨年7月の日報に「戦闘」が発生していると記載していたことについて、「法的な戦闘行為ではない。武力衝突だ」との見解を示し、PKO5原則は守られていると強調。さらに、「憲法9条上の問題になる言葉は使うべきではないことから『武力衝突』という言葉を使っている」などと、まったく倒錯した答弁を展開しました。詳しくはぎぎまき記者が後段でご紹介します。

 築地市場移転をめぐっては、石原慎太郎元東京都知事が都議会の特別委員会に参考人として招致されることが決定。都のヒアリング調査で、ろくろく質問に答えなかった石原氏ですが、今回は「喜んで応じる。絶好の機会だから知っていることを全部話す」と前向き。一体、何を語るのでしょう?このニュースについては、城石エマ記者が後ほど詳しく触れます。

 昨日は、久しぶりに東京五輪・パラリンピックをめぐる日本オリンピック委員会(JOC)の「裏金問題」の続報も。東京地検特捜部がフランス検察当局の求めに応じ、JOCの竹田恒和会長を任意で事情聴取していたことが発覚。竹田会長は改めて違法性を否定したということです。

 埼玉県では、市民運動に対する「弾圧」としか受け止められない不当な捜査も発生。市民らは起訴猶予処分となりましたが、県警によって「中核派」とのレッテルを貼られ、著しく名誉を毀損されてしまいました。捜査当局による恣意的な捜査がまかり通る現状で、共謀罪などを新設すればますます権力が暴走することは確実。改めて今国会の目玉法案と呼ばれる共謀罪法案の危険性に警鐘を鳴らさなければならないと、誓いを新たにしました。

 冒頭でも「IWJとしてはもっと体制を強化したい」と書きましたが、本当に取り上げなければならないニュースが溢れかえっています。

 リニアの建設着工問題も、IWJは樫田さんの特別寄稿でお伝えしていますが、大手メディアはこの問題を全く取りあげません。

※【特別寄稿】マスコミが決して報じない「リニア」建設着工の裏側!「住民が理解したかどうかは事業者が判断する」!「東京ドーム50杯分」の残土処分地も未定!樫田秀樹氏寄稿(前編) 2017.2.2
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/360946

※【特別寄稿】「何かの力が動いている」――「リニア」建設の裏側に迫る!3兆円もの財政投融資が「無担保」!?不可能だったJR東海への融資を可能にした安倍政権の手口!樫田秀樹氏寄稿(後編) 2017.2.6
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/361625

 圧力に弱いだけでなく、スポンサーにも弱い、既存のマス・メディアでは、正直頼りになりません。こんな時はやはり、IWJのような独立メディアが奮闘しなくてはなりません。

 しかし、現実問題としてIWJは、現状維持で精一杯。会員数は伸び悩み、ご寄付も今季赤字にならないラインまでには、まだまだ到達していない状況で、日々の中継本数などを泣く泣く減らしながら節約してきましたが、そろそろ現状の規模も保てなくなりつつあります…。

 どうかIWJがもっと勢いよく取材・中継活動に取り組めるよう、ご支援をよろしくお願いします。皆さんからいただく会費がIWJの安定的な経営には欠かせません。どうかまだ会員登録がおすみでない皆さんは、ぜひ会員としてIWJをお支えください。よろしくお願い致します。

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 また、IWJでは現在、「会員事務」を担当するスタッフなどを募集しております。「経営難なのに新たに人を雇ってどうする!」と叱られそうですが、IWJを運営するうえで、必要最小限のスタッフは確保しなければなりません。この春までに数名の事務スタッフの退職が決まっており、どうしても後任の方が必要です。IWJの内部でIWJを支えようと思ってくださる方は、どうか奮ってご応募ください!他の職種も空きがありますので、まずはご応募ください!

 詳細については、ぜひ、下記の「募集フォーム」内の説明をお読みの上、ご応募ください!「募集フォーム」送信後、別途、履歴書のご送付も、お手数ですがよろしくお願いいたします。

【応募フォームはこちらです】
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■<トランプ最新情報>トランプ政権誕生で「米中衝突」の懸念!インディペンデントとガーディアンが報じる!

 米国のトランプ政権は中国に対し、輸入品に45%もの関税をかけるぞと脅すなど、強硬な経済対策をかかげていますが、中国最大級のオンライン・マーケットである阿里巴巴集団(アリババグループ)のジャック・マー会長が、「誰もが貿易摩擦について懸念しています。もし貿易が停止すれば戦争が始まります」と懸念を表明していると英インディペンデント紙が明らかにしました。

・’If trade stops, war starts’ Alibaba founder who visited Donald Trump warns (The Independent)
http://www.independent.co.uk/news/business/news/jack-ma-alibaba-donald-trump-trade-war-jobs-a7564021.html

 トランプ大統領とジャック・マー会長は今年1月9日、ニューヨークで会談したばかり。その際、マー会長は同社のサービスを通じて5年間のうちに米国で100万規模の雇用を生み出す計画を発表し、トランプ氏は「素晴らしい会談だった」とご満悦だったのですが…。

 また、英ガーディアン紙も米中について、2つの核武装国家間の関係は経済的、または軍事的な対立に悪化する可能性があるとする専門家の意見を取り上げています。

・Donald Trump and China on dangerous collision course, say experts(The Guardian)
https://www.theguardian.com/us-news/2017/feb/07/donald-trump-and-china-military-confrontation-dangerous-collision-course-experts?CMP=share_btn_tw

 米国と中国は、今や経済的に切っても切れない深い関係にあります。経済的に相互依存関係にある場合、「戦争は起きない」と思われがちですが、過去の歴史をふり返ると必ずしもそうではありません。関係が深まると、こじれた時には一大事になります。

 トランプ政権の誕生で二国間の均衡に変化が生じてしまうのか、両国の間に挟まれ、政治的・経済的にも米中両国と深い関係にある日本は、他人事ではすまされません。米中両国が対決する時は、間違いなく戦争に巻き込まれます。真剣に見守らなければなりません。

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◆中継番組表◆

**2017.2.9 Thu.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【Ch8】12:00〜「TPPも日米二国間交渉も許さない!官邸前アクション」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=8
※「TPPを発効させない!全国共同行動」主催で開催される抗議行動を中継します。

【Ch4】13:00~「二階俊博 自民党幹事長 特別講演会『激動する世界、日本はどう生き抜くか!』」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4
※「躍進日本!春風の会」主催による二階俊博 自民党幹事長講演会を中継します。

【Ch5】14:00~「記者会見 東京新聞の良心を応援中! 『ニュース女子』問題 長谷川幸洋論説副主幹は謝罪を」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5
※「沖縄への偏見をあおる放送を許さない市民有志」主催の記者会見を中継します。発言は、川名真理氏(雑誌編集者)、川原栄一氏(のりこえねっと事務局長)、香山リカ氏(精神科医)、西谷修氏(立教大学教授)、野平晋作氏(ピースボート共同代表)。

【Ch2】17:00~「東京電力 定例会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=2
※東京電力による定例会見を中継します。

【シリーズ緊急特集6. 緊急事態条項がいよいよ国会へ!・Ch6】18:00~「自民党が憲法改正で盛り込む『国家緊急権』はナチス以上!? 大震災の被災地で動いた弁護士らが全権委任法も含まれた国家緊急権の『正体』に迫る!」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=6
※2015年5月収録の、「災害対策を理由とする『国家緊急権』(緊急事態条項)の創設に反対する被災地弁護士会による共同記者会見」を再配信します。
[記事URL] http://iwj.co.jp/wj/open/archives/244316

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◆中継番組表◆

**2017.2.10 Fri.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ_YouTube Live】15:30~「岩上安身による宇都宮健児弁護士、中澤誠氏(築地市場仲卸業者、東京中央市場労働組合執行委員長)、水谷和子氏(一級建築士)インタビュー」
YouTube視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501
ツイキャス視聴URL: http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi
※宇都宮健児弁護士、中澤誠氏、水谷和子氏に、岩上安身がインタビューします。

▲▽▲▽官邸前抗議関連 ▽▲▽▲

【Ch5】18:30~「再稼働反対!首相官邸前抗議」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

先の大戦の反省から生まれた「軍事目的のための科学研究を行なわない声明」を堅持するのか否か!?――日本学術会議主催学術フォーラム「安全保障と学術の関係:日本学術会議の立場」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/361248

【特集】公共放送で垂れ流された「沖縄ヘイトデマ」〜TOKYO MX「ニュース女子」問題を徹底検証!
http://iwj.co.jp/wj/open/dhc

~昨日テキストアップした記事はこちら~

「戦争体験者の中にはPTSDがある。これは沖縄県民にとって『常識』だ」〜海外派遣自衛官と家族の健康をサポートする民間団体が発足!!高遠菜穂子氏、蟻塚亮二氏らが設立会見
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/361036

沖縄を侮辱する「無知」を許してはならない!「ニュース女子」出演者らが知ろうともしない沖縄の歴史!蟻塚亮二著『沖縄戦と心の傷~トラウマ診療の現場から』を読む!(前編・第12弾)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/362018

「幕張新都心は空き地ばかり」!? 維新公認で千葉1区から出馬表明の長谷川豊氏、熊谷俊人・千葉市長にさっそく噛み付く! 「炎上」体質は政治家になっても変わらない?
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/361934

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■憲法9条上問題になるから「戦闘」という言葉は使わない!?〜防衛省が「廃棄した」と説明していた日報が統合幕僚監部で見つかる!文書には「戦闘」の文字!

 おはようございます。IWJのぎぎまきです。

 昨日の衆院予算委員会は「日報」問題に注目が集まりました。

 南スーダン・ジュバに派遣されていた自衛隊部隊が作成した日報の情報開示請求に対し、「廃棄した」と説明していた防衛省は一転、自衛隊の統合幕僚監部が日報の電子データを保管していたとして、一部黒塗りの状態で公開。なんと、その日報によって、自衛隊部隊が、「戦闘が生起した」、「市内での突発的な戦闘への巻き込まれに注意が必要」と報告していたことが明らかになったのです。

 当該日報は2016年7月7日から12日のジュバ現地の様子を報告したもので、7月5日から11日には、南スーダン政府軍と反政府軍との間で大規模な戦闘が発生しており、当時、NGO団体の話として、戦闘による死者は1000人にものぼったと伝えられていました。

 しかし、PKO5原則は「紛争当事者間で停戦合意が成立していること」を求めているため、日本政府としては紛争が勃発していることを認めたくありません。稲田朋美防衛大臣は同年10月の参院予算委員会で「ジュバの中の状況は落ち着いている」と答弁し、積極的な武器使用が認められる新任務を付与した自衛隊部隊を翌月11月、南スーダンのジュバに送り込んだのです。

※「奥さんは耐え切れずにハンカチで涙を拭き、家族3人が抱き合った」ついに自衛隊が「駆けつけ警護」の新任務を負って南スーダンへ 隊員たちの生命は守られるのか――!? 2016.11.20
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/346720

※「イラク戦争と同じではないのか」民進党・後藤祐一議員「駆け付け警護ありきで情報が歪められている」と政府の“机上の空論”を批判〜防衛省は真っ黒な“海苔弁”資料を提出! 2016.11.15
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/345588

 しかし今回、日報が公開されたことで政府の矛盾が明らかに。昨日8日の衆院予算委員会では民進党の小山展弘議員が稲田大臣を追及。稲田大臣は「日報に書かれているのは一般的な意味での『戦闘』であって、法的な意味での『戦闘行為』ではない」などと詭弁としか言いようがない答弁をおこない、頑なに「戦闘行為があった」という事実を認めず、PKO5原則にも違反しないと説明しました。

 さらには、「事実行為としては、武器を使って人を殺傷したり物を壊す行為はあったが」と認めながら、「国会答弁するうえでは、憲法9条上問題となる言葉を使うべきではない」とも述べ、憲法9条に違反するから「戦闘」という言葉は使わないとも強弁。

 2月7日、国連の事務総長特別顧問は政府軍と反政府軍の戦闘が続く南スーダンから、隣国のウガンダに1月だけで5万2000人余りが逃れたと発表し、止まない戦闘によって「大量虐殺が生み出される恐れがある」とも警告しています。稲田大臣の「戦闘ではない」という答弁は、法に抵触しないために、実態を無視した言葉に言いかえた「オルタナティブ・ファクト」にほかならないのです。これが通用するなら、殺人犯が「俺がやったのは法的な意味の殺人行為ではない。崇高なポアだ」と言い張ったとしても許されることになってしまいます。

・南スーダン、1か月で5.2万人が国外退避 国連「大量虐殺」を警告
http://www.afpbb.com/articles/-/3117019

 しかし、今回、防衛省が「廃棄していた」日報がなぜ、統合幕僚監部で急に見つかったのか、腑に落ちない点もあります。行政文書の運用ルールは部署によって異なるのか。そもそも、文書を廃棄する権限はどこにあるかなど、IWJは防衛省に取材を続けていますので、続報をお待ちください!

■<★インタビュー告知★>明日10日は、急展開を迎える築地市場移転問題!岩上さんが宇都宮健児弁護士×水谷和子氏×中澤誠氏にインタビュー!~都議会が石原元都知事を参考人招致へ!

 おはようございます、IWJ記者の城石エマと申します。

 盛り土なし、地下水モニタリングで環境基準超えの猛毒検出――もはや移転計画の中止もやむを得ないところまできた、築地市場の豊洲移転計画。都議会はついに、移転を決定した張本人である石原慎太郎元都知事を、特別委員会の参考人として招致することを決定しました。

 石原元都知事に対しては、小池都知事がすでに都のヒアリング調査の中で質問状を送っているものの、その回答について小池都知事は、「具体的な回答はなかった。自分は聞いていない、記憶にない、わからない、覚えていない、といったような内容だった」と評価しています。

※「聞いていない・記憶にない・分からない・覚えていない」――石原慎太郎氏のあまりの無責任ぶりに小池都知事もア然! 豊洲新市場問題で石原氏からの「回答」が届くも、具体的内容は一切ナシ! 2016.10.14
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/338576

 一方これに対し、2月5日、石原元都知事が突如、4年ぶりにツイートをし、「世の中では今もなお、小池知事による豊洲問題に関する質問状に対し、私が具体的な回答をしていないということであるらしいが、それは間違いです。私は全ての質問に対し、ひとつひとつ記憶を遡りながら誠意をもって回答した」と反論。

・石原元都知事のツイート(2017年2月4日)
https://twitter.com/i_shintaro/status/828143072093499392

 しかし、公開された実際の質問状とそれに対する石原氏の回答を読むと、「移転先を豊洲と決めたのはなぜか?」「専門家会議がまとめた盛り土を提言する報告書は読んだのか?」などほとんどの質問に対しては、「自分が知事になる前にすでに決まっていた」「記憶にない」など、はぐらかすような回答ばかりであり、「一連の問題に対し、当時の知事としての道義的責任は感じるか?」との質問には、「本件のように専門的な知識・判断が必要とされる問題については、私自身に専門的知見はないことから、担当職員の判断結果を信頼した」と、自身の責任を丸投げにしました。

・豊洲問題 小池知事の質問・全文 / 石原氏の回答・全文(毎日新聞、2016年10月25日)
http://mainichi.jp/articles/20161026/k00/00m/040/105000c

 無責任な姿勢を晒した石原元都知事が小池都知事に反論をする直前の1月20日、小池知事が記者会見で、住民が東京都に、石原元都知事に土地購入費の約578億円を損害賠償請求するよう求めた住民訴訟について、「石原氏の損害賠償責任はない」としてきた従来の都の姿勢を覆し、「石原氏に責任があるのか、明確にする」と断言しました。

※「石原元都知事の責任の有無を明確にする」小池都知事が豊洲移転問題でついに石原元都知事の法的責任を追及!?――住民訴訟「都は石原元都知事に対し約578億円を請求せよ」 2017.1.20
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/357871

 そもそも、築地市場の移転問題がここまで大きな都政の課題になった背景には、昨年7月の都知事選挙で、立候補を断念した宇都宮健児弁護士が、断念を表明する前に、移転問題を政策に大きく掲げていたことが、大きな要因となりました。宇都宮氏の立候補断念を受け、結果的に主要な候補者はみな、築地移転問題を争点にせざるを得なくなりました。

 2010年よりこの問題を追ってきた岩上さんは、明日、2月10日、『築地移転の闇を開く』(大月書店)の共著者である、宇都宮弁護士、東京都中央卸売市場労働組合委員長の中澤誠氏、一級建築士の水谷和子氏にインタビューを行い、土壌汚染の問題から、石原元都知事の責任問題にまで、鋭く切り込みます。15時30分からの配信を、どうぞお見逃しなく!

 また、『築地移転の闇を開く』書籍化の元になった3人の講演については、IWJも取材をして記事にしていますので、ぜひ、こちらもあわせてご視聴ください。

※「現実には、この移転計画はほぼ中止に向かっている」――築地市場の豊洲移転問題を考える緊急フォーラム「築地から東京が変わる」が開催!東京中央市場労働組合の中澤誠執行委員長が今後の見通しを示す 2016.10.9
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/337449

 それでは今日も1日、よろしくお願いします!

※日刊IWJガイドのフルバージョンは下記URLより御覧ください。
http://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20170209

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