日刊IWJガイド「株価続落!改憲目指す安倍政権は、経済的パニックでも緊急事態条項を発動か!?国会では、安倍総理が蓮池透さんの著書に逆上!」2016.1.13日号~No.1217号~


■■■日刊IWJガイド「株価続落!改憲目指す安倍政権は、経済的パニックでも緊急事態条項を発動か!?国会では、安倍総理が蓮池透さんの著書に逆上!」2016.1.13日号~No.1217号~■■■

(2016.1.13 8時00分)

 おはようございます。太田美智子です。

 昨日は東京と横浜で初雪が観測されたということで、いよいよ本格的な冬らしさがやってきました。温暖な和歌山で生まれ育った私は、寒さには弱いのですが、防寒対策さえしっかりできていれば、冬の冷たい空気も気持ちがいいし、東京で「大雪」と呼ばれる程度の雪ならば、かえって心が弾みます!

 少しぐらい気温が下がるのはいいのですが、年が明けて以降、株価の下落が止まりません。株式市場の方は、「冷え込み」などと生ぬるい表現では追いつかないほどの落ち込み方で、ほとんど急速冷凍モードです。

 本日は、この株価続落が緊急事態条項につながる危険、おおさか維新を含めて改憲を目指すと明言した安部総理の発言、「拉致を使ってのし上がった」と批判した蓮池透さんの著書にキレた安倍総理の国会答弁、昨日アップした記事紹介など、記者4人でお伝えします。

 その前に、まずはIWJの経理の柱になってくださる方の緊急大募集のお知らせです。

■経理の柱になってくださる方、緊急大募集!

 年明け早々、これまでIWJの財布を管理していたベテランの経理担当者が体調不良のため、急遽IWJを離れることになりました。ですから、今、会社の心臓ともいうべき経理担当者がいない! という窮地に陥っています。

 IWJの報道をしっかりと支える柱になってくださる経理スタッフを大募集します!

 経理・総務としての実務経験をお持ちの方、簿記などの資格をお持ちの方、できれば決算まで手がけたことのあるベテランの方に、IWJの経理責任者をぜひ、お引き受けいただきたく、大募集中です! よろしくお願いいたします!

◆応募条件

※「経理・総務スタッフ」をご覧下さい。
http://bit.ly/1ALJypQ

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■続落する株式市場。年明けからすでに1,800円超の下落!7月の参院選後、改憲が実現すれば、緊急事態条項創設で、経済的なパニックでも発動の恐れも!?

12日、東京株式市場で日経平均の終値は1万7,218円で前日比479円安、一時は500円超も下げました。東証1部では、1,890銘柄が値下がり、値上がりはわずか33銘柄だったそうです。2015年末は1万9,033円で終わりましたから、すでに1,800円超も下げています。

 昨日も、ぎぎまき記者が書きましたが、株式市場にはGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)を通じて私たちの年金積立金がつぎ込まれていますから、この問題は株式投資をしている人だけが一喜一憂して済む話ではありません!

 岩上さんが昨年1月にインタビューした元三菱UFJモルガン・スタンレー証券チーフエコノミストで日本大学国際関係学部教授の水野和夫さんは、「ウォール街の株式市場では、ナノ秒(10億分の1秒)で売買する」、それに太刀打ちできるのは、やはりナノ秒で売買できる「システム開発に巨費を投じられる巨大金融機関やヘッジファンドだけ」と指摘しています。

・2015/01/28 機能不全に陥った資本主義 「フロンティア」なき時代、私達はどのような社会を作るべきか ~岩上安身による日本大学国際関係学部教授・水野和夫氏インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/fellow/archives/8755

厚労省は昨年12月に社会保障審議会年金部会で、現在は信託銀行や投資顧問会社に委託している年金積立金の株式運用を、GPIFが直接行う検討を始めました。厚労省は「委託手数料の削減」などをメリットに挙げているのですが、そんなことで大丈夫なのでしょうか?それとも、やはり別の意図があるのでしょうか?

・2015/12/10 国民の年金が安倍政権の人気取りと企業支配に利用される!? 厚労省がGPIFによる株式への直接投資「解禁」に向け、検討開始
http://iwj.co.jp/wj/member/archives/43087

 日銀が強烈な金融引き締め政策をしていた1990年のバブル崩壊時とは真逆で、今は超金融緩和スタンスのため、「超絶暴落相場になる可能性は低い」とする解説もあります。

・2016年の株式市場が1990年のような超絶暴落相場になる可能性はあるのか?
下落が続く相場の中で今後の投資も考えてみた
http://diamond.jp/articles/-/84497

 それでも、この記事の結論は、「とにかく致命的なダメージを被らないこと。これを最重要課題にして、『命大事に』相場に臨んでください」となっています。

 当然ですよね。株式投資は元本保証がないのですから、「家計にダメージを与えない、余剰資金で投資する」のは、常識です。ところが、国は、私たちの年金に国内株式と外国株式にあわせて50%も投じているのですから、おそろしい限りです。

 まして、安倍政権は年が明けて以降、今夏に予定されている参院選後の改憲の意思をあからさまに強めています。岩上さんは、もしバブル崩壊を上回るような事態になれば、年金崩壊による将来不安も重なって、経済的なパニックが起きるかもしれない。そのような最中に、緊急事態条項が入れられてしまえば、大災害やテロが起きなくても、国家緊急権が発動されるのではないか、と話しています。

 身も凍るような「恐怖の負のスパイラル」ですね。追い討ちをかけるようですが、最近、安倍総理は「改憲勢力の結集」について言及しましたので、平山記者に伝えていただきます。

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■安倍総理が「改憲勢力」結集の枠組み提示! いよいよ本気で3分の2を取りにいく構え! その一方で野党はいまだ共闘ならず~民主党は何をやっているのか?

 おはようございます。IWJでテキスト関連の業務を担当している平山と申します。

 安倍総理は1月10日(日)に放送されたNHK「日曜討論」の中で、今年夏に行われる参院選について、「自民、公明以外にも、おおさか維新もそうだが改憲に前向きな党もある」と述べ、自民・公明両党だけでなく、おおさか維新の会など一部野党も含めて憲法改正の発議に必要な3分の2議席を確保する考えを示しました。

 安倍総理は1月4日の年頭の記者会見で、参院選で憲法改正を訴えると発言していましたが、どのような枠組みで3分の2議席を確保するかということに言及したのは、これが初めてのことです。

 自公両党は、衆議院ではすでに3分の2以上を獲得していますが、参議院(242議席)の3分の2(162議席)には達していません。自公両党だけで非改選議員を含め3分の2を超えるには、改選数121議席のうち86議席の獲得が必要となります。ここに、おおさか維新の会や日本のこころを大切にする党(旧・次世代の党)などの改憲勢力を加えれば、ハードルはさらに下がることになります。これをIWJでは去年のうちから、繰り返し指摘してきました。

 このように、いよいよ安倍総理が憲法改正を、それも緊急事態条項の創設を正面から争点に掲げ、それを達成するための枠組みを明確に示している一方、野党は、腰の定まらない対応が続いています。

 安倍政権の「暴走」に危機感を覚えた市民が、安保法制の廃止と立憲主義の回復を掲げた有志の市民団体「市民連合」を立ち上げ、熱心に野党共闘を呼びかけているにも関わらず、最大野党である民主党の反応は鈍いままです。

 はっきり言って、野党共闘の成否は共産党と他の野党が共闘できるか、この一点につきます。それ以外の野党の組み合わせ、たとえば民主党と維新の連携など、ほとんど大勢に影響を与えません。ところが、SEALDsの抗議デモでたびたびスピーチして、喝采を博した民主党の福山哲郎議員までもが、京都市長選に関して「共産党と徹底的に戦う」などと発言して、民主党と共産党の共闘はもはや絶望的な状況です。岡田克也代表は、党名変更の可能性に言及するなど、有権者にとってはどうでもいいことばかり熱心で、今、何をすべきか分からなくなっているような状態であり、民主党はもはやガタガタです。

 私は、安道幹記者、阿部洋地カメラマンとともに、1月5日(火)に新宿駅西口で行われた「市民連合」の街宣を取材しましたが、マイクを握った民主党の蓮舫代表代行の口からは、「野党共闘」のメッセージが発せられることはついぞありませんでした。他に壇上に上がった小林節・慶應義塾大学名誉教授や中野晃一・上智大学教授らから、一様に「野党共闘」の声があがったにも関わらず、です。

※2016/01/05 「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」大街頭宣伝
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/281180

※【スピーチ全文掲載】「野党は四の五の言わずまとまるべき!」~「市民連合」大規模街宣で小林節・慶應義塾大学名誉教授が野党共闘の必要性を訴え「参院選で勝てば暴走は止まる!」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/281323

※【スピーチ全文掲載】「参院選に向けて、気合を入れろ!」SEALDs・本間信和氏が「市民連合」街宣で訴え――「今、求められているのは、立憲民主主義を回復させること」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/281324

 安保法制、TPP、原発の再稼働、そして「明文改憲」による緊急事態条項の創設……。安倍政権の「暴走」にストップをかけるには、参院選で共産党を含めて野党が一丸とならなければなりません。現在のように共産党を排除し、野党がバラバラのままでは、自民・公明が大勝し、おおさか維新を含めた改憲勢力が参議院で3分の2を確保することは目に見えています。もう、本当に改憲まで瀬戸際のところまできているのです。民主党には、一刻も早く目を覚ましてほしいと思いますが、残念ながら望み薄のようです。

市民は、もはや民主党抜きでも、ありとあらゆる手立てで、「非改憲」勢力を結集して、安倍総理の野望を打ち砕くべきでしょう。その意味では市民連合も、他の勝手連的な運動も、もう見切りをつける時がきたといわざるをえません。

…(後半へ続く)

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◆中継番組表◆
本日のIWJの中継番組表をお送りします。
あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

**2016.1.13 Wed.**

【Ch4】13:40~「民主党 枝野幸男幹事長 定例会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4
※民主党 枝野幸男幹事長による定例会見を中継します。

【Ch3】14:30~「原子力規制委員会 田中俊一委員長 定例会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=3
※原子力規制委員会 田中俊一委員長による定例会見を中継します。

【録画配信・IWJ_KANAGAWA1】16:00~「『憲法の危機 ~私たちにできること』小林節さん(慶應義塾大学名誉教授・弁護士)鎌倉講演会」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-kanagawa1
※2016年1月9日(土)に鎌倉市で開催された、小林節氏(慶應義塾大学名誉教授・弁護士)の講演会の模様を録画配信します。

【録画配信・Ch4】18:00~「公開シンポジウム『自衛隊って「戦場」に行くの? ~問われる国民合意と報道~』」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4
※2016年1月11日に行われた「毎日新聞労働組合」主催のシンポジウムを録画配信します。パネリストは、元陸上幕僚長の冨澤暉(ひかる)氏、前海上自衛隊呉地方総監の伊藤俊幸氏、東京外国語大大学院教授の伊勢崎賢治氏、東京大大学院教授の井上達夫氏ら。コーディネーターは毎日新聞東京社会部編集委員の滝野隆浩氏。

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◆明日の中継番組表◆
あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

**2016.1.14 Thu.**

【Ch2】17:30~「東京電力 定例会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=2
※東京電力による定例会見を中継します。

【IWJ_KYOTO1】19:00~「山本太郎トークライブin京都GNOME(ノーム)」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-kyoto1
※京都で行われる山本太郎議員のトークライブの模様を中継します。

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(前半の続き)…

 続いて、昨日の国会で、「拉致を使ってのし上がったのか?」と問われた安倍総理の答弁といきさつについて、安記者からお伝えします!

■国会で蓮池透さんの著書について質問され、安倍総理が逆上!! 著書について「どういう思惑があるのか分かりませんよ」と、まるで陰謀論!? 昨年12月21日に日本外国特派員協会で行われた蓮池透さんの記者会見の記事もアップしました!

 おはようございます。IWJの安(あん)です。

 昨日の衆院予算委員会でのことです。「拉致被害者家族連絡会」元事務局長、蓮池透さんの著書『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』(講談社)の内容をめぐって、民主党の緒方林太郎議員が安倍総理に質問しました。

 蓮池透さんは著書の中で「拉致問題はこれでもかというほど政治利用されてきた。その典型例は、実は安倍総理だ」と指摘しています。これについて認識を問われた安倍総理は「その本を私はまだ読んでおりませんが、いちいちコメントする必要はございません。家族会の中にも、その本に対して強い批判があるということもご紹介させていただきたい」と反論しました。

 安倍総理はどのように拉致問題を政治利用してきたのか?蓮池さんは、2002年の小泉総理(当時)による訪朝で拉致被害者5人が日本に一時帰国したときのことを書いています。この時、拉致被害者を北朝鮮へ戻さなかったのは、当時の安倍官房副長官が強硬に反対したためだと世間的には喧伝され、その後の安倍氏の人気を高める「武勇伝」ともなりましたが、この点について蓮池さんは明確に否定しているのです。

「安倍氏や中山内閣官房参与を含め、日本政府は弟たちを止めることなどしない。(略)弟たちの、北朝鮮には戻らない、日本に留まるという路線が覆らないと知って渋々方針を転換した。あえて強調したい。安倍、中山両氏は、弟たちを一度たりとも止めようとしなかった。止めたのは私なのだ」。

 緒方議員がこれについて質問すると、安倍総理は「私はこの問題について利用したこともウソをついたこともございません。当時は5人の被害者を北朝鮮に戻すということが流れだった。だが私は断固として反対をしました。私が言っていることが真実だとバッジをかけて言う」と反論しています。

 これに対してさっそく蓮池透さんも、ツイッターで「私は決して嘘は書いていません」と反論されています。
https://twitter.com/1955toru

 また蓮池さんは著書の中で、2014年の衆院選で激戦区だった新潟2区で、安倍総理が拉致被害者である蓮池薫さんの両親を選挙活動に利用したと指摘しています。

 安倍総理は自民党候補者の応援のために薫さんの地元である柏崎で演説会を開いた際に、演説会の出席を薫さんに求めましたが、薫さんは多忙を理由に固辞。その代わりに両親が駆り出されたのだそうです。会場では、安倍総理と候補者が「拉致被害者、蓮池薫さんのご両親も来ておられます」と紹介し、蓮池さんの母親が後で「結局、安倍さんのダシにされただけだね」と嘆いていたとのことです。

 緒方議員が「これは政治利用ではないか」と問いただすと、安倍総理は「本の引用だけで独自の取材を全くせず、私の名誉を傷つけようとしている。極めて不愉快だ。一生懸命やってきた問題ですから、選挙でお話することはありますよ」と反論。

 逆に、緒方議員に対して「あなたが批判することが北朝鮮の思うつぼですよ。そういう工作が今までもずっとあった。常にマスコミを二分し、国論を二分して、この問題で戦う力を落とそうとしてきたのが今までの歴史だ」と逆上し、蓮池さんの著書についても「どういう思惑があるかわかりませんよ」などと答弁していました。

「どういう思惑があるかわかりませんよ」って……その言い方は何なのでしょう? 拉致被害者家族である蓮池透さんを、どこかの国や組織の回し者だとでも思っているのでしょうか? 自分を批判する人間に対して妙な「陰謀論」と結びつけて反論するこうしたやり方にも、薄気味悪さを感じます。しかも、国会答弁を見ていて、安倍さんは“本当にそう思っている”と感じましたので、なおさら怖いです……。

 蓮池さんは今回の著書で、この20年にわたる家族会の運動や政府による対北政策を総括され、今後「具体的に結果を出すために何が必要なのか」を提言されています。何かの「陰謀論」で出版されたわけではありません。この著書について、安倍総理は今一度、真摯に向き合う必要があるのではないでしょうか?

 IWJでは、昨年12月21日(月)に日本外国特派協会で行われた蓮池透さんの記者会見の記事もアップしましたので、どうぞそちらもご一読ください!

※「安倍さんは拉致問題を政治利用して総理大臣にまでなった」――拉致被害者家族・蓮池透氏が会見で「真相」を暴露!~安倍総理は国会で「誹謗中傷」「北朝鮮の思うつぼ」と“逆ギレ”!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/279851

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 安さん、ありがとうございます! 蓮池透さんは、昨年12月20日に行われた饗宴VIにもお越しになり、パーティではマイクを握り、安倍政権への憤りを強く訴えていました。近いうち、岩上さんがインタビューをお願いする予定です。ぜひご期待ください!

 続いて、昨日アップした記事2本について、原記者に紹介していただきます!

■「病歴、学歴、職歴も集約され、権力側にチェックされる。恐ろしい社会が待っている」 ~マイナンバー違憲訴訟。東京新聞・田原牧氏「一番の対策は恨まれないこと、敵をつくらないこと」と警告!

 おはようございます! 原です。

 さきほど安記者が紹介した蓮池さんの会見記事以外にも、昨日は2本、新たなテキスト記事をアップしましたのでお知らせします!ひとつは「マイナンバー」に関する記事です。

 2016年の年明けとともに運用がはじまったマイナンバー制度。まだマイナンバーの通知カードを受け取っていないという世帯も多々あり、本格運用までは時間がかかりそうです。

「国家が個人情報を握ったことで、国民の間に萎縮効果を生む。それは、民主主義社会の前提を崩しかねない」――。

 2015年12月1日、東京都千代田区の司法記者クラブで、「マイナンバー違憲訴訟」に関する記者会見が行われました。マイナンバー制度は、番号による名寄せや、情報漏えいの危険性が指摘されていますが、この日、「マイナンバー制度は、憲法13条のプライバシー権や人格権を侵害する」として、地方議会議員や自治体職員、医師、税理士、自営業者、性同一性障害を持つ人たちなど約150人が原告となり、国を相手どって、東京、仙台、新潟、金沢、大阪の5地裁に一斉に提訴を行ったのです。

 マイナンバー違憲訴訟東京弁護団の水永誠二弁護士は、「マイナンバー制度によって、性同一性障害者の(戸籍上の)性別が強制的に開示されることになり、生存権とアイデンティティの侵害になる」と強く異議を唱え、1億3000万人弱の個人データを扱う巨大なインフラがいったん動き出したら修正するのは不可能だ、と指摘。「実施を差し止めることで、もう一度、プライバシー保護の観点から見直しをさせたい」と訴訟の必要性を訴えました。

・2015/12/01 「病歴、学歴、職歴も集約され、権力側にチェックされる。恐ろしい社会が待っている」~マイナンバー違憲訴訟「プライバシー権や人格権の侵害だ」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/277017

 もうひとつのアップ記事は、昨年岡山で行われた、安保法制に関する重要記事です。

「安保法制の成立は、粛々と進められてきた米軍の傭兵になる計画の通過点にすぎない。今の政府与党や防衛省は歴史感覚が欠如し、非常に近視眼的だ」。

 2015年12月6日、岡山県倉敷市のマービーふれあいセンターで、東京新聞特別報道部記者の田原牧氏による講演会「中東におけるイスラム社会とテロ(IS)、そして安全保障関連法の成立と集団的自衛権が私たちに迫る課題」が行われました。

 田原氏は、フリーのジャーナリスト活動を経て中日新聞社に入社。1995年から1996年までエジプトのカイロ・アメリカン大学(AUC)に留学。1997年から2000年まで中日新聞のカイロ特派員。現在は東京新聞『こちら特報部』デスクを務めています。

 田原氏は、IS(イスラム国)の台頭について、彼らが属するスンニ派サラフィー主義、カリフ制の復活、初期の厳格なイスラム教を取り戻すという思想について説明。「イスラム系の過激派は、過去にもたくさんいたが、フセインやカダフィなどの独裁者が排除されたことで活発化した」と言い、「延々と続くイデオロギーがあるので、彼らを思想的に根絶することは不可能だ」と言明しました。

・2015/12/06 【岡山】「アラビア語わからない」―― 文書流出で明らかになった公安の的外れで呆れた「テロ対策」に東京新聞・田原牧氏「一番の対策は恨まれないこと、敵をつくらないこと」と警告!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/277903

 明日以降も重要記事を連続でアップしていきますので、IWJサイトを常にチェックしちゃってください! よろしくお願いします!

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 原記者、ありがとうございました! 次は、「饗宴VI」DVDのお知らせです!

■「饗宴VI」DVD、ただいま鋭意製作中です!

 皆さま、昨年12月20日に開催した「饗宴VI」のDVD(ただいま鋭意製作中!)は、もうご予約くださいましたか? 発売は1月15日頃を予定していますが、事前に予約をすれば特典も付いてきます!

 300人以上の方にお越しいただき盛会に終わった「饗宴VI」では、16人のパネラーの方々が、きたる参院選を見据え、さまざまな見地から激論を交わしました。特に、「緊急事態条項」の怖さを理解していただくには、とてもよくまとまっていますので、当日、会場に来られなかったという方、参加したけれどもう一度観たいという方、まだその怖さを知らない周りの方に勧めたい!という方、ぜひ、お買い求めください!

価格は4,200円。「饗宴VI」シンポジウムの参加費が一般会員の方で6000円でしたので、1800円もお安く、自宅で自分のペースで観ながら参加気分を味わえてしまうDVDは大変お買い得です!

事前に予約していただいた方には、特典もございます!事前予約は、下記のフォームで受け付けておりますので、皆さま、ふるってお申し込みください!

※【予約特典付き・岩上安身サイン入り】DVD「饗宴VI」
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=187

※【予約特典付き】DVD「饗宴VI」
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=188

◆饗宴VI~国民非常事態宣言! 露わになった「ナチスの手口」/国家緊急権を阻止せよ!

●テーマ1:米国の経済覇権の終わり?~AIIBの衝撃とTPP「砲艦外交」の正体

岩月浩二氏(TPP阻止国民会議世話人/TPP交渉差止・違憲訴訟弁護団共同代表)
植草一秀氏(政治経済学者)
田中宇氏(国際情勢解説者)
富岡幸雄氏(中央大学名誉教授)
矢吹晋氏(横浜市立大学名誉教授)
内田聖子氏(特定非営利活動法人アジア太平洋資料センター事務局長)

●テーマ2:違憲の「戦争法」強行可決から「明文改憲」による緊急事態条項導入へ~属国のファシズムを阻み、立憲民主主義を救い出せるか

青井未帆氏(学習院大学大学院法務研究科教授)
伊波洋一氏(元宜野湾市長)
奥田愛基氏(大学生/「SEALDs」創設メンバー/「ReDEMOS」代表理事)
水上貴央氏(弁護士/青山学院大学法務研究科助教)
永井幸寿氏(弁護士)
升永英俊氏(弁護士/弁理士/「一人一票実現国民会議」発起人)

●テーマ3:「戦争」の過去・現在・未来~安倍政権の目指す「戦争遂行国家化」その帰結は!?

井筒高雄氏(元陸上自衛隊レンジャー隊員)
志葉玲氏(ジャーナリスト)
柳澤協二氏(元内閣官房副長官補/NPO法人国際地政学研究所理事長)
孫崎享氏(元外務省国際情報局長)

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■経理だけではありません! 他のセクションもスタッフ募集中です!!

 IWJで私たちと一緒に働きませんか? 冒頭で経理スタッフの募集をさせていただきましたが、募集する職種は、経理・総務スタッフにはじまり、Webスタッフ、テキストスタッフ、中継・動画編集スタッフ、一般事務です。

 IWJの仕事スタイルは、一人のスタッフが部署を超えて業務を担う、「トータルフットボールシステム」。自分はこれだけをやっていれば良い、という「タテワリ官僚組織」とは異なります。それは見事に協力しあっていますが、最初からすべてをこなしてほしいと求められるわけではありません!

 できるところからで大丈夫ですので、ぜひIWJで一緒に仕事をする仲間になって下さい!

※IWJスタッフへの応募はこちらから
http://bit.ly/1ALJypQ

■良書のお買い物は「IWJ書店」をご利用ください!

 IWJでは、岩上さんがインタビューした有識者の方々の書籍を、著者のサイン入りで販売するサービスを行っています。その名も「IWJ書店」。サービス開始以来、大変なご好評をいただいています。

 現在、「IWJ書店」では、下記のラインナップを販売中です。ぜひ、お買い求めください!

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・【伊勢崎賢治さんサイン入り】『新国防論 9条もアメリカも日本も守れない』
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・【浅野健一さんサイン入り】『安倍政権・言論弾圧の犯罪』
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=155

・【井筒高雄さんサイン入り】『日本と日本人を危うくする安保法制の落とし穴』
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=151

・【山口二郎さんサイン入り】『徹底討論 日本の政治を変える―これまでとこれから』
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=150

・【山口二郎さんサイン入り】『いまを生きるための政治学』
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=149

・【森まゆみさんサイン入り】『異議あり! 新国立競技場――立競技場年オリンピックを市民の手に』
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=125

・【笹山尚人さんサイン入り】『パワハラに負けない!~労働安全衛生法指南』
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=134

・【伊勢崎賢治さんサイン入り】『本当の戦争の話をしよう』
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・『百人百話 第一集』
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・『百人百話 第二集』
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=53

※『前夜・増補改訂版』は、おかげさまで、大変ご好評をいただき、品切れとなっております…が!版元から重版がほぼ決定との連絡が入りました! 近日中に、再入荷のお知らせをできると思います。いましばらくお待ちください!

 IWJ書店のサイン入り本は、会員登録をしていただいた方のみ、ご購入いただけます。みなさま、ぜひこの機会に、IWJ会員にご登録いただき、IWJをご支援ください!

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■わとはぷ~What happened today?

 1943年1月13日、英米の音楽は「敵性音楽」として、演奏などが禁止されたそうです。同年2月3日号の雑誌『写真週報』には、「米英色を一掃しよう」という特集が組まれ、「米英レコードをたたき出そう」という見出しとともに、レコードに銃剣を突きつけるイラストなどが掲載されています。

http://写真週報.com/number257-s18-2-3/

 クラシックからフォスター民謡集、ブルース、不思議の国のアリスなど、1,000曲余りが敵性音楽として、生演奏はもちろんレコードをかけることも禁止されたそうです。

 ナチスはワグナーの音楽を政治利用しましたし、もちろん日本でも軍歌で戦意高揚がはかられました。ですから、禁止された音楽の中には、日本を敵視するようなものもあったのかもしれません。

 しかし、むしろ、美しい音楽や楽しい音楽が生み出す心の豊かさは、「鬼畜米英」と憎しみの気持ちを高め、戦争に没入させるうえで不都合だったからこそ、禁止されたのでしょう。

「敵性音楽」がなくなった戦後も、歌詞の内容によってはテレビなどで放送されないものもあります。それでも、音楽の「国籍」が理由で禁止されることのない、今の当たり前の自由と幸せを守っていかなければと、安倍総理らの言動を追っていると、日々、思わずにはいられません。

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