■■■ 日刊IWJガイド「読んでない」けど沖縄2紙は反日か!? 自民党若手勉強会に出席した議員たちの呆れた言説 ~「イメージ」で戦争に進む安倍政権と「現実」で戦争法案に反対する若者たち 2015.6.29日号~No.1020号~ ■■■
(2015.6.29 8時00分)
おはようございます! IWJの「愛国保守」「右翼」担当の佐々木隼也と申します。最近、本当に蒸し蒸しして不快指数が上がる日々ですね。梅雨のせいではありません、保守とは到底呼べないネトウヨが、初めてネットで「あいつはキムチが好きだと言ったから反日だ!」レベルの言説に触れて影響を受けてしまった中学2年生のごとき痛い自説を、政治の場で堂々と披露して、あまつさえ保守・愛国などと自称しているという歪みが、気持ちの悪い湿気となって日本に充満してきたような気がするからです。
昨日のガイド挨拶文でも原記者が触れていますが、自民党の若手議員たちが百田尚樹氏を呼んで行った勉強会で、彼らが発したネトウヨ発言が波紋を呼んでいます。
「沖縄2紙を潰せ」「経団連に働きかけて報道に圧力を」などという(自分たちの仕事にも関わる)言論圧殺発言の数々に、さすがの大手メディアのお尻にも火がついたのか、精力的に続報を打っています。あの読売新聞でさえ社説で「報道機関を抑えつけるかのような、独善的な言動は看過できない」などと書いています。
数ある続報のなかで、一番ビックリしたのは、参加議員の一人、鬼木誠氏(福岡2区)の、勉強会を振り返っての発言です。
「沖縄の2紙がひどいとは思う」「実際に読んで検証していないので、あくまでもイメージですよ」
…え!? 読んでない!?
イメージだけで「ひどい」と罵られ、百田氏の「潰せ」発言が許容される。まさに伝聞や怪情報や真偽不明の情報をもとに、勝手に「反日だ!」とレッテルを貼るネトウヨそのものですね。安倍総理の周辺からは、たびたびこうした「あれは反日だ」発言が飛び出しますが、みなさん「イメージ」だけで語っていたのでしょうか。
※この問題については、国会の安保法制審議でも追及が続くとみられます。みなさま、本日まもなく9時からの国会中継に、ぜひご注目を!
【国会審議は以下のネット中継からご覧になれます。本日は安保法制国会の1本のみです!】
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php
■若い女性がアフガニスタンで見た「戦争の現実」をハチ公前集会で訴え ~ネットを中心に反響ひろがる
続報で気になる話はまだまだあります。ですが、朝の貴重な時間にこうした呆れた面々の、呆れたメンタリティを連続して紹介するのは気分が悪くなること請け合いですので、その前に、ぜひ紹介したい「言葉」があります。
一昨日の27日(日)、渋谷ハチ公前で、10代、20代前半の学生らで構成される「SEALDs(シールズ)」が主催した、「戦争立法」反対集会が行われました。凄まじい熱気に負けじと、IWJも現地で取材にあたり、そのまま夜なべで記事とハイライト動画をアップしました。
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【記事はこちら】
・“ジャック”された渋谷ハチ公前、若者らが戦争立法に「No!」――「なんで『法律を守れ』なんて渋谷のど真ん中で言わなきゃいけないんだよ!」民主、維新、共産、社民、生活の野党議員も集結!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/250840
【ハイライト動画はこちら】
・戦争法案反対を訴える若者が渋谷をジャック!「SEALDs主催 戦争法案に反対するハチ公前アピール街宣」(10分間)
https://www.youtube.com/watch?v=hAJA9l8H0Uc
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このなかで、特に胸に突き刺さったのが、ミキさんという女性のスピーチです。紛争で傷ついたアフガニスタンで数ヶ月過ごし、安倍総理や「戦争法案」を進めている側近たちの知らない「戦争の現場」を知る、このミキさんの言葉はネット上でも注目を集めています。IWJも、急ぎこのミキさんのスピーチ部分を動画で抽出し、全文文字起こしをつけて記事を緊急アップしました。
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・【スピーチ全文掲載】「友人やそのまた友人が、戦地で傷つくことに私は耐えられません」渋谷ハチ公前の戦争立法反対集会で若い女性が訴え
アフガニスタンで目の当たりにした「戦争の現実」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/251003
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以下、そのスピーチからいくつか、紹介したいと思います。「イメージ」だけでこの国を動かそうとしている人たちと違い、戦争の現実と、日本の現実とその未来をしっかりと見据えた、地に足のついた言葉です。
「今の(平和な)日本があるのは、別に日本人という種族が優秀だったわけではない。私たちの持つ人を憎んだり、恨んだり、そういう負の感情を放っておくと簡単に争いが起こるから、何百年もかけて世界の人々は、暴力的な感情との付き合い方や折り合いのつけ方を、繰り返し反省し、話し合って、ようやくいくつかの約束事として形にしてきたのではないでしょうか。その積み重ねの最たるものの一つが、日本国憲法です」
「アフガニスタンには大切な小さな友人たちがいます。彼らやその家族を日本人が、日本人の作った武器が、傷つけることに私は耐えられません。この国の平和と国民の命を守るために、友人やそのまた友人が戦地で傷つくことに私は耐えられません」
「今、実は反対しているのに、声を上げていない人が私の周りにはたくさんいます。そういう人たちに聞いてもらいたい。犠牲者が出てからでは遅いんです。福島の原発事故で、そのことを痛い程私たちは突きつけられました。法案が通って、人が亡くなった時、『だからそうだと思っていたんだ』と、『僕の、私の思っていた通りになった』と、優越感に浸るんですか。反原発を長年訴えてきた先生は、原発事故以降、間に合わなかったと肩を落としていました。そんなことを、また繰り返すんですか。声を上げるなら今です」
「SNSで『いいね!』が増えても安倍さんに危機感を持たせることはできないでしょう。彼は彼の人生における大きな使命を今全うしようとしているのですから。私たちも、それに見合うだけのエネルギーを注がなくてはいけません。国会前に集まってください。デモで一緒に歩いてください。想像力の乏しい首相には、実態で反対の姿勢を見せなくては私たちの意志は伝わりません。忙しいのにわざわざ来るからこそ意味があるのです。疲れてるけれど、行かなくてはと思うそのエネルギーに驚くのです」
これは彼女のスピーチの、ほんの一部です。本当はすべてを掲載したいのですが、さすがに一回で送れるメールの限界を超えてしまうので、省きます。全文は、そして彼女のスピーチの模様は、ぜひ先ほど紹介した動画記事でご覧ください!
IWJは「声なき声」、だけでなく、こうして勇気を振り絞って声をあげた一人ひとりの姿を、大事に可視化していきたいと思っています。そのための費用も、人員も、手間も時間も、すべてが足りません。それでも食らいついて取材を続けるために、費用も人員も手間も時間も、限界を超えて投入しています。
安倍政権は安保法制の審議を、96日間延長しました。であれば、僕らもあと3カ月、潰れるわけにはいきません。どうかみなさま、IWJの有料会員となり、またご寄付やカンパによって、IWJの安定的な取材をお支えください。何卒、よろしくお願い致します!
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(…後半へ続く)
みなさまのご支援・ご声援のおかげで、僕らは今日も現場に立つことができます。以下、今日のIWJの取材番組表です!!
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◆中継番組表◆
本日のIWJの中継番組表をお送りします。
あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。
**2015.6.29 Mon.**
【Ch4】9:00~「2015 ACCJウィメン・イン・ビジネス・サミット」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4
※「2015 ACCJウィメン・イン・ビジネス・サミット」の模様を中継。
キャロライン・ケネディ駐日大使、安倍晋三内閣総理大臣らのスピーチ、女性役員パネルディスカッション他が予定されている。
【Ch6】12:30~「『戦争をさせない全国署名<2015年版>』第1次提出にあたっての記者会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=6
※「戦争をさせない1000人委員会」主催の記者会見を中継する予定です。
出席者は、ルポライターの鎌田慧氏、評論家の佐高信氏、他。
【Ch5】13:00~「川内原発審査及び防災に関する政府交渉」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5
※参議院議員会館で行われる、「川内原発(火山監視/老朽化/防災)について政府交渉」の模様を中継する予定です。
【Ch4】15:00~「日本外国特派員協会主催 百地章・日本大学教授 西修・駒沢大学名誉教授記者会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4
※「日本外国特派員協会」主催の、日本大学教授の百地章氏・駒沢大学名誉教授の西修氏記者会見を中継する予定です。
【Ch2】17:30~「東京電力 定例会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=2
※東京電力による定例会見の模様を中継します。
【Ch6】18:30~「法律家は安保法制を許さない6.29院内集会」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=6
※「改憲問題対策法律家6団体連絡会」主催の院内集会を中継。
法律家6団体連絡会からの報告・憲法研究者の声明の報告・研究者/研究団体共同アピールの報告・安全保障関連法案に反対する学者の会からの連帯挨拶・日弁連からの連帯挨拶・国会議員の報告・市民からの発言などが予定されている。
~関連記事はこちら~
・2015/06/02 「日本が攻められてもいないのに戦争していく」――歯止めがない「戦争法案」は「違憲」、法律家6団体が即時廃案を求め声明
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/247550
【Ch5】19:00~「柳澤協二氏×菅直人氏 緊急シンポジウム『違憲でも突き進む安保法制の狙いはこれだ!!』」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5
※「衆議院議員 菅直人事務所」主催の緊急シンポジウムの模様を中継します。
元内閣官房副長官補の柳澤協二氏、衆議院議員の菅直人元総理大臣らが登壇予定。
【再配信・Ch1】20:00~「吉良よし子・日本共産党議員×笹山尚人弁護士×岩上安身による労働法制鼎談 第二部」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
※2015年6月26日に中継した、「吉良よし子・日本共産党議員×笹山尚人弁護士×岩上安身による労働法制鼎談 第二部」を再配信します。
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(前半の続き…)
■「読んでいない」けど「イメージ」で沖縄2紙を批判する自民党若手議員
「沖縄2紙はひどい」と断じ、「読んでないけど」と堂々言ってのけた鬼木誠氏(福岡2区)。しかし鬼木氏が「イメージ」だけで反日認定しているのは、琉球新報と沖縄タイムスだけではありませんでした。
鬼木氏はこの2年間、NHKバッシングを続けていた議員の急先鋒であり、籾井会長の強力な応援団長としても知られています。直近では、今年の3月24日の国会でこんなことを訴えていました。
「マスメディアは、表現の自由を濫用し、虚偽、歪曲、捏造、印象操作、極めて偏向した恣意的な放送を垂れ流しております」
「国民のお金で運営される公共の電波を通じて全世界に中国、韓国を利するような反日、自虐放送を垂れ流すことに、多くの日本国民が嫌気が差しております」
さらに昨年4月12日の国会では、ネトウヨの常套句「反日」を繰り返していました。
「(NHKは)国民の自尊心を傷つける自虐的、反日的番組を多数放送している」
「NHKで自虐的な報道、反日的な番組というのを連発されますと、日本国民の歴史認識までもゆがんでくる」
「(8月には)やはり反戦番組、自虐番組、そして反日的な放送のダイジェスト版がずっと流れていたわけです」
直訳すると、「安倍政権に批判的な内容」はもとより、8月に過去の戦争を振り返る番組もすべて「反日番組」であり、表現の自由を逸脱している、というわけです。「だから表現の自由もいっそのこと制限すべきだ」という心の声が聞こえてくるようです。
この発言に出てくる「多数放送している反日的番組」「中国、韓国を利するような」というのも、もちろん鬼木議員の「イメージ」でしかありませんね。いや多分、鬼木議員としては、どのような点が「反日」であり「中国、韓国を利する」のか、という具体的な例が頭のなかに明確にあるのでしょう。「従軍慰安婦」に関する報道や、過去の日本の侵略を振り返ったり、軍部の独走を省みたり、戦争の惨禍を訴えたり、キムチの特集を組んだり…そうした物が鬼木議員にとっては「反日」で、人はそれを「イメージ」と呼びますね。
■「あの時は冗談だったけど、今は本気で潰れたほうがいい」!? 百田氏の呆れた開き直りビジネス
今や安倍政権からも(表面上は)迷惑がられている百田尚樹氏ですが、昨日28日に行った泉大津青年会議所主催の講演では、「沖縄2紙を潰せ」発言について、「その時は冗談口調だったが、今はもう本気でつぶれたらいいと思う」と開き直りました。
さらに講演では、発言が報じられて炎上し、腹が立ったためTwitterに「私が本当につぶれてほしいと思っているのは、朝日新聞と毎日新聞と東京新聞」と投稿したとも話したということです。
もうここまでくると、百田氏を応援するのは元フジテレビアナウンサーの長谷川豊氏くらいのものです。ちなみに百田氏は、こうした炎上と開き直りの延長線上で、「続きはこちらで」と有料メルマガを宣伝しています。炎上+開き直りビジネスか…? と「イメージ」だけで疑ってしまうのは良くないですが、とにかく、百田氏はただのヘイトスピーカーとして、ほっとければどんなに楽かと思います。
しかし、彼の問題を取り上げなければならないのは、彼が安倍総理の「お友達」であり、対談本を出すほどの仲であり、総理が「お友達人事」によって彼をNHKの経営委員に据えたという政治的背景があるからです。民主党の岡田代表も27日、こう語っています。
「青年局長の首を切れば済む話ではない。(加藤勝信)官房副長官も(萩生田光一)総裁特別補佐も(会に)出ている」
そうです。この勉強会には、安倍総理の側近が堂々参加し、百田氏の呆れた言説に賛同し、さらには同様の言論封殺発言を行った議員もいる、ということに問題の根深さがあります。安倍総理は決して無関係ではないのです。岡田氏は、今後の国会でさらに追及していく考えを示しました。
そういう意味でも、本日9時からの安保法制国会は、要注目です!!
【国会審議は以下のネット中継からご覧になれます。本日は安保法制国会の1本のみです!】
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php
■メルマガ「岩上安身のIWJ特報!」まもなく発行!! ヘイトスピーカーたちの「元祖」を辿る、超注目の内容です!!!
「朝鮮人は死ね」「殺せ」「ソウルを火の海にしろ」などの在特会のコールに代表されるヘイトスピーチですが、実は、近年になって叫ばれ始めたものではありません。それは明治時代にさかのぼります。あの福沢諭吉こそが、「元祖」ヘイトスピーカーだったのです。
…というと、みなさん「まさか」と思われるでしょうが、そのまさかです。主張するのは、名古屋大学名誉教授・安川寿之輔さんです。岩上さんは安川さんに超ロングインタビューを行い、福沢諭吉の発言の数々や、そこに至る時代背景などに迫りました。
そしてこのインタビューの模様を、メルマガ「岩上安身のIWJ特報!」として、先々月から継続的に発行しています。今月も、月末を迎えて編集作業が佳境を迎えています。
まもなく発行予定の「知られざる福沢諭吉侵略の肯定、そしてヘイトスピーチ~名古屋大学名誉教授・安川寿之輔氏インタビュー」の完結編では、そのまとめとして、福沢と対極の思想を持っていた植木枝盛や中江兆民にスポットをあてています。安川氏によれば、この2人は「個人の人権こそが目的であり、国家はそのための手段だ」という思想、すなわち立憲主義の思想を明確に持っていたといいます。その意味でこのインタビューは、歴史的でありかつ極めて今日的な問題を扱っていると言えます。必読の内容ですので、ぜひ、メルマガ「岩上安身のIWJ特報!」をご購読ください!
さらに今月は、これに加えて、同じく歴史認識の問題を扱った「ノンフィクション作家・保阪正康氏インタビュー」をお届けする予定です。このインタビューのメインテーマは、ずばり「ナショナリズム」です。
ヘイトスピーチや排外差別デモが横行するなど、歪んだナショナリズムが高揚する現在を、どう捉えればよいのか。昭和史、特に日本が軍国主義化していった歴史を知り尽くす保阪氏は、ナショナリズムを3つに腑分けして論じます。まさに、現代日本に対する処方箋といった内容で、こちらも必読です!
ぜひ、ご購読ください!
ヘイトスピーチの先には、他国の人への弾圧と虐殺、そして自国民の虐殺とも言える「戦争」がありました。安倍政権はその歴史を繰り返すのでしょうか。どうやら繰り返す気が満々のようです。
「IWJ特報」は、本をめくる感覚でメルマガが読める電子書籍フォーマット「ePub(イーパブ)」にも完全対応!
動画の配信を見ながら、テキストで確認すると、より理解が深まります。ぜひ、メルマガ「岩上安身のIWJ特報!」をご購読ください!
※メルマガ「岩上安身のIWJ特報!」
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それでは今日も一日、よろしくお願い致します!!!!
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