■■■ 日刊IWJガイド 2014.11.28日号 ~No.807号~ ■■■
(2014.11.28 8時00分)
おはようございます。IWJで会員事務を担当しております内藤と申します。
11月も残り僅かとなりました。もうすぐ12月です。12月2日には衆議院議員選挙が公示、14日には投開票が行われます。
投開票が行われる14日の約1年前、2013年12月13日には、特定秘密保護法が公布されました。施行期日は来月12月10日です。政府提出の特定秘密保護法案に対する廃止案や延期案も衆議院に提出されていますが、解散直前なので、国会も解散された状態で、やはりこのまま、選挙の陰にかくれたような形で施行されてしまうのかなと思うと、とても不安な気持ちになります。
選挙まで、もう半月程度です。なんだか、実感がわきません。野党から内閣不信任案もつきつけられていないのに、解散総選挙が行われる状況もさっぱり理解できません。
ただ、この選挙の結果次第で、さまざまな危険な政策に、アクセルを踏まれる可能性が高いかもしれないと思うと、なんだか、背筋の凍る思いでいる今日このごろです。
集団的自衛権の行使容認が今年の7月1日、閣議決定され、解釈改憲がごり押しされた状態が続いていますが、こんなことは自民党は前回の選挙で公約に掲げていなかったわけで、当然、有権者は解釈改憲を選挙を通じて支持したわけではありません。今回、選挙が行われるなら、「信を問う」のは当然のことではないかと思います。
岩上さんも出席した11月18日の官邸での安倍総理の記者会見。解散を表明した総理は、集団的自衛権について記者に問われ、「選挙公約にきっちり書き込んで、選挙戦を堂々と戦ってゆく」と胸を張りました。
ということは、集団的自衛権の行使容認や、特定秘密保護法について、安倍総理は自ら争点化し、正面から国民に「信を問う」姿勢である、と公に表明したわけです。驚きました。と同時に、心の中で、安倍総理を少し見直しました。
ところが、後日、発表された自民党の選挙公約には、「きっちり書き込む」と言っていた「集団的自衛権」という言葉がありません。秘密保護法についても、言及していません。どちらも争点から外され、隠されています。
記者会見で、あんなに堂々とおっしゃっていたことは何だったのでしょう。安倍総理を心の中で見直した自分を恥じました。
政府のNo.2である菅官房長官は、すでに19日の会見で、「集団的自衛権も秘密保護法も、選挙の争点にはならない」と発言しています。争点に「ならない」ではなく、「させない」ということなのかな、と聞いていて思いました。「何で信を問うかは政権が決める。安倍総理はアベノミクスが一番大事な問題だと判断した」とまで、菅官房長官はおっしゃいましたが、何が一番大事かを決めるのは、政権なのでしょうか? 国民が決めることではないでしょうか?
安倍総理は、朝日新聞のインタビューに答えて、「自民党は(憲法改正の)全体像を、改正全文をお示ししている。その中で3分の2の多数派を形成できるものから行っていくという、アプローチが私は一番現実的ではないかと思っている」と答えています。
http://www.asahi.com/articles/DA3S11476862.html
自民党が圧勝したら、「信を得た」として、解釈だけでなく、実際の改憲に向かって、アクセルをますます強気で踏み込んでゆく気なのだと、これではっきりわかりました。
岩上さんは、「王手飛車取り選挙」と呼びました。消費税再増税を先送りすることを目先にぶら下げられ、首を締めるのを一時的に緩められただけなのに、そちらに気を取られているうちに、憲法改正という王手までかけられてしまうかもしれない、と、ノンフィクション作家の保阪正康さんへのインタビューの中で言っていました。
安倍総理が、「改正全文は示している」と言う通り、自民党が政権をとった場合の日本の姿は、自民党改憲草案にあらわれています。これを、自民党は本気で実行しようとしているわけです。私たち国民も、本気でこの改憲草案を読まなくてはいけません。そして、馴染み深い現行の日本国憲法と何がどう違うのか、私たちはよくよく知る必要があります。
自民党の改憲草案の内容については、書籍『前夜』で、現在の日本国憲法と比較しながら丁寧に読み解かれています。梓澤先生、澤藤先生と岩上さんによる共著『前夜』は、下記ページよりお求めいただきます。まだお手にとられていない方は、解散総選挙を目前に控えた今、ぜひお読みください。もうもう、本当に他人事ではありませんし、本当に時間が限られてきています。
【前夜のお求めはこちらから】
→ http://iwj.co.jp/wj/open/%E5%89%8D%E5%A4%9C
さて、本日は13時から、岩上さんが慶応大学名誉教授の小林節氏へのインタビューを行います。小林氏は保守派の「改憲」論者でありながら、安倍政権の憲法改正には反対の立場を貫いている憲法学者です。ぜひご覧ください!
また、IWJでは、『【大義なき解散総選挙】2014年衆議院議員選挙』と題して、特集ページを開設しております!
新しい記事や関連したインタビューだけでなく、いま選挙前に、改めて見ていただきたいアーカイブもこちらのページに集めています。ぜひご注目下さい!
→ http://iwj.co.jp/feature/senkyo/shugiin2014
…(後半へ続く)
◆中継番組表◆
本日のIWJの中継番組表を送ります。
あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もありますのでご了承ください。
**2014.11.28 Fri.**
【Ch1】13:00~「 【大義なき解散総選挙12】岩上安身による小林節・慶応大学名誉教授インタビュー」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
※慶應大学名誉教授の小林節氏へ岩上安身がインタビュー。小林節氏は、憲法学者や安全保障の専門家などで構成される「国民安保法制懇」のメンバー
~関連記事~
・2014/07/27 【愛知】国民安保法制懇 緊急集会 集団的自衛権行使を容認する閣議決定を徹底検証!(動画)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/158000
【Ch6】13:30~「 【大義なき解散総選挙】日本共産党・小池晃副委員長 記者会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=6
※日本共産党・小池晃参議院議員が記者会見。総選挙政策・分野別政策及び、ネット選挙について発言予定
【Ch3】14:30~「原子力規制庁 定例ブリーフィング」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=3
※米谷総務課長による定例ブリーフィング
【Ch4】17:30~「【大義なき解散総選挙】自由民主党・安倍晋三総裁 街頭演説」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4
※新宿駅西口前で行なわれる自民党・安倍晋三総裁街頭演説を中継します
【IWJ_OSAKA1】17:30~「【大義なき解散総選挙】時局講演会 『徹底討論・政治を変えるにはどうすべきか』 ―森田実氏ほか」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-osaka1
※平智之氏、服部良一氏、辻恵氏、武健一氏、森田実氏らが登壇予定。テーマは、「政治を変えるにはどうすべきか」
~関連記事~
・2014/10/03 次期衆院選に向けた「保守勢力に対抗するための政治勢力を」~森田実氏と4人のリベラル派・前衆議院議員が安倍政権を徹底批判
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/173081
▲▽▲▽官邸前抗議関連 ▽▲▽▲
【Ch5】18:00~「再稼働反対!首相官邸前抗議(首相官邸前/国会正門前)」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5
【IWJ_AOMORI1】16:45~「青森駅前金曜日行動」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-aomori1
【IWJ_HOKKAIDO1】18:00~「北海道庁北門前:反原発抗議行動」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-hokkaido1
【IWJ_FUKUSHIMA1】18:00頃~「原発いらない金曜日 in 郡山」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-fukushima1
【IWJ_IBARAKI1】19:00~「第113回原電いばらき抗議アクション」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-ibaraki1
(前半の続き)…
~~~ここで、昨日アップいたしました記事を下記にご紹介します~~~
2014/11/18 警察官の夫からDVを受けた妻が不起訴処分を不服として検察審査会に申立て、実名・顔出しで会見
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/206936
2014/11/26 「一票の格差」裁判で13年の参院選を最高裁が「違憲状態」と判決、元内閣法制局長官が最高裁判事として初めて「選挙無効」と意見
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/208930
2014/11/19 エボラ出血熱のリスクと報道のあり方――日本の危機管理体制の脆弱さを医師が指摘
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/207102
2014/11/20 日本の核燃料サイクルにおける歴代自民党政権の狙いとは 「今や日本はプルトニウム大国」との指摘も~国際地政学研究所2014年度 第11回ワークショップ「日米同盟~核の将来を軍・民の視点から見る」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/207552
2014/11/26 【大義なき解散総選挙】暴走する安倍政権に有識者らが異議、立憲デモクラシーの会が声明を発表
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/208922
2014/11/26 基準値を超えた2013年産の米「がれき撤去作業が原因ではない」 ~2014年度 第41回原子力規制委員会
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/208913
2014/11/26 福島第一の事故対策「もう少しリスク低減を考えてやってほしい」と苦言 ~田中俊一原子力規制委員長定例会見
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/208924
2014/11/26 四電社長「今後の審査では効率性が発揮できる」審査のスピードアップに期待感を示す ~第42回 原子力規制委員会臨時会合
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/208932
~~~また、下記4本の記事は、本日11/28まで全編公開中です~~~
2014/11/22 「今がピークの安倍首相による解散総選挙は『玉砕選挙』」――「社会に巣食う『わるいやつら』出てこいや~! トマトーーク vol.2」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/208230
2014/11/21 「市民の力で脱原発派候補を応援しよう」 ~ 再稼働反対!首相官邸前抗議
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/207817
2014/11/20 イラク戦争に参加した元米軍海兵隊員の訴え「イラク戦争は違法行為、人道に対する罪」――問われる日本の集団的自衛権
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/207554
2014/11/13 安倍政権が主張する「抑止力」論に有識者らが疑義~新外交イニシアティブ(ND)が設立一周年のシンポジウムを開催
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/205614
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厳しい折にお願いするの大変心苦しいのですが、消費税増税を推進しながら新聞の軽減税率を求めるような姑息な大新聞などを購読するよりも、消費税増税などすれば、必ず景気は腰折れし、大不況を招くからやってはならないと、ずっと主張してきたIWJの会員の継続・再開を真剣にお考えいただきたいと存じます。もちろん、新規登録も大歓迎です。
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