日刊IWJガイド 2014.10.29日号 ~No.777号~


■■■ 日刊IWJガイド 2014.10.29日号 ~No.777号~ ■■■
(2014.10.29 8時00分)

 ボンジュール? IWJ原です。

 皆さんのご協力のおかげで、ようやく豚汁を作ることができました。ありがとうございました! スタッフみんな、「この豚汁世界一おいしいわ!」と口を揃えていました。隠し味は「バター」です。もし機会があればみなさんも、アクセントに少量入れてみて下さい。途中で投入して気分を変えるのもアリです。この模様は、後日、すこやかチャンネルで配信します。

 さて、昨日は、薩摩川内市の岩切市長が、再稼働に同意を表明しました。新規制基準の施行後、原発を抱える自治体としての「初」の地元同意になります。事業者・九電との取り決めで、原発再稼働には「地元の同意」が必要になります。

 この「地元の同意」とは、県知事の(謎の)意向で、薩摩川内市と鹿児島県のみに限定されています。残すは県議会の同意です。川内原発再稼働をめぐる情勢は最終局面に突入した、と言えます。

 驚いたのは、岩切市長が、この期におよんで「私は同意という言葉を一切使っていません」と弁明し、「なにか重大なことが起きたとき、責任は第一義的には事業者にあり、最終的には国が責任をとる、と言ってらっしゃいます」と語ったことです。

 確かに「地元同意」は法で定められた手続きではないので法的責任は生じませんが、市長の意思表明は再稼働手続きの一環なのですから、主体性を自覚し、決断に責任を持たなければなりません。再稼働賛成・反対問わず、住民は少なからず不安を抱えています。住民の安全に責任を持ち、堂々と「再稼働に同意する」と言えないようでは、誰が住民の気持ちに応えるのでしょう。

 IWJは記者を鹿児島現地に送り、川内原発再稼働に関する取材にあたっています。昨日は、現地記者の取材成果を含め、川内原発に関連する記事を3点アップしましたので、ご覧ください。

★記事UP【IWJブログ】被害を受けるかもしれない地元にありながら、原発再稼働の「蚊帳の外」に置かれるいちき串木野市民の思い「放射能は一定の圏内にとどまるものではない」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/193342
避難計画の内実に多くの不安を残す審査書

★記事UP 10/15 新潟・泉田知事、川内原発へのコメントは控えるも新規制基準の「安全確保」に問題があると指摘、柏崎刈羽の再稼働「議論できない」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/182361
「再稼働の話をすると福島の事故の検証が後回しになってしまう」

★記事UP 10/28 川内原発、工事計画認可、保安規定審査は「力を入れて取り組む」~原子力規制庁定例ブリーフィング
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/193270
地元の薩摩川内市 市議会と市長の同意により、再稼働に向けまた一歩進むことになる

 本日は、「函館市大間原発建設差し止め裁判 第2回口頭弁論後の報告集会」があります。「大間原発で過酷事故が起きれば、27万人超の市民の迅速な避難は不可能。市が壊滅状態になる事態も予想される」として、函館市が訴訟を起こしています。北海道函館市は海を挟んではいますが、大間原発が建設されれば見事に被害地元となります。

 原発立地地元に隣接するような自治体は、基本的に、原発に反対意見を示すところが多いようです。反対意見を恐れるからこそ、鹿児島県でも、川内市以外の地域が「地元」として認められないのでしょうが、原発から福島第一原発から30キロ以上離れていた飯舘村がどうなったかお忘れなのか。教訓を得るべきは、原発施設の頑強性だけではない。原発稼働のプロセスから見直しが必要だと思います。

 今日は、「原子力規制委員会 田中俊一委員長定例会見」もあります。川内原発に関する質問も飛ぶでしょう。田中委員長はどう責任逃れをするのか、それともしないのか、チラ見してはいかがでしょう。

 エボラ出血熱が話題になっており、これはこれでとても重要ではありますが、その裏で原発再稼働に向けた動きが着々と進んでいます。岩上さんは、「モーニングバード!」この再稼働の動きをスルッとコメントしてました。地上波の生放送で、台本にもあるわけないセリフを滑り込ませる荒業はさすがです(笑)。スタジオは誰も予期してないので、もちろんリアクションなし、スルー。このあたりが、予定調和ではないコメントのリアル。今週も記事化しましたので、ご覧ください。

【岩上安身のツイ録】エボラ出血熱日本上陸か? 「パニックに陥ってはいけない」 「モーニングバード!」で岩上安身がコメント
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/194235
…(後半へ続く)

◆中継番組表◆

本日のIWJの中継番組表を送ります。
あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もありますのでご了承ください。

**2014.10.29 Wed.**

【Ch3】10:30~「第34回 原子力規制委員会」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=3
※「廃炉等に伴う放射性廃棄物の規制に関する検討について」、「IAEA(国際原子力機関)のINSAG(国際原子力安全諮問グループ)及びITAG(IAEA 東京電力福島第一原子力発電所事故包括的報告書に関する諮問委員会)の結果概要について」など6議題が予定されている

【Ch3】14:30~「原子力規制委員会 田中俊一委員長 定例会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=3
※原子力規制委員会の田中俊一委員長による定例会見

【Ch5】16:00~「函館市大間原発建設差し止め裁判 第2回口頭弁論後の報告集会」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5
※参議院議員会館で開催される、大間原発建設差し止め裁判の報告集会。工藤寿樹・函館市長のインタビュー録画上映、弁護団による裁判報告、大間原発訴訟の会代表・竹田とし子さんのお話、河合弘之弁護士初監督作品「日本と原発」予告編上映などが予定されている。大間原発反対関東の会が主催

~関連記事~
・2014/07/03 「姑息だ」「頭を冷やせ」函館市長、門前払いの国と電源開発を痛烈批判~大間原発建設差し止め訴訟 第1回口頭弁論後の記者会見
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/150175

【Ch6】16:30~「日本のODAによるモザンビークの農業開発事業『プロサバンナ』に関する現地調査報告と提言 ~合意から5年、現地で何が起きているのか?~」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=6
※衆議院第二議員会館で行われる、「プロサバンナ」に関する現地調査報告と提言。津山直子氏(アフリカ日本協議会)、森下麻衣子氏(オックスファム・ジャパン)、池上甲一教授(近畿大学農学部)、贄川恭子氏(WE21ジャパン事務局長)らが登壇する

~関連記事~
・2014/03/21 「企業」による資源収奪が続くアフリカへ進出する、安倍政権の思惑 ~世界トップクラスのアフリカ研究者・舩田クラーセンさやか氏に岩上安身がインタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/130483
・2013/06/26 【特別寄稿】アフリカは本当に「希望の大陸」なのか? ―「資源の呪い」に振り回される現地の市民 ~米川正子 立教大学特任准教授・元UNHCR職員【IWJウィークリー第8号より】
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/87002

【Ch3】17:30~「第35回 原子力規制委員会」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=3
※「安全文化醸成を始めとした安全性向上に関する取組について」を議題に、臨時で開催される委員会

【沖縄県知事選スペシャル・再配信・Ch1】19:00~「翁長雄志氏、米軍基地負担と『リンク』した沖縄振興策に強く反対 辺野古移設は『ご破算』にする意欲を岩上安身に語る」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
記事URL: http://iwj.co.jp/wj/open/archives/183153
※10月30日告示、11月16日に投開票の沖縄県知事選へ立候補を表明している翁長雄志・前那覇市長へのインタビュー(10月16日)を再配信いたします。岩上安身によるインタビューで、喜納昌吉氏が「翁長さんの頭には、辺野古の基地建設が既定路線としてある」という趣旨の発言をしたことに対し、翁長氏は記録されているこれまでの発言を見れば「辺野古基地の建設反対」という答えは明らかだ、と反論しています

~関連記事~
・2014/10/17 【沖縄県知事選】争点の辺野古移設 仲井真氏「新基地ではない」翁長氏「断念させる」下地氏「県民投票で問う」喜納氏「知事権限で撤回か取消」 ~候補予定者が公開討論
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/185141

【2014年 沖縄県知事選挙 特集ページ】
http://iwj.co.jp/feature/senkyo/okinawaken2014

【Ch4】20:00~「チバレイ・ウガヤの言論ギグ!第五回目 ―ゲスト 元内閣広報室審議官・下村健一氏」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4
※ヨーガインストラクターの千葉麗子氏とジャーナリストの烏賀陽弘道氏によるトークイベントの第五回目。ゲストは元内閣官房内閣広報室内閣審議官・下村健一氏

~関連記事~
・2014/09/12 これから福島原発事故対策はどのくらいの規模に?~ 4人のフリージャーナリストによる第四回言論ギグ!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/168453

(前半の続き)…
 さて、原発再稼働に、エボラ出血熱騒ぎに、セウォル号船長に死刑求刑と、めまぐるしいニュースが続きますが、IWJ内部はもっとめまぐるしくて、本当に目が回ります。

 10月末はIWJの決算期末です。日頃は経営の問題にはノータッチで、社長の岩上さんにおまかせの僕ですが、各セクションのリーダーを集めた期末直前会議が開かれ、僕は何のリーダーでもなく、あえていえば、「日本一の豚汁」についてはリーダーではあるのですが、会議に出席しました。

 そこで、社長の岩上さんと経理から報告されたのは衝撃的な事実。

 今期黒字の見込みだったのに、ユーストリームのアーカイブ削除問題が一ヶ月前、急に降りかかりました。その対処のためにpcやハードディスクを買い、サーバーを増やし、たくさんの臨時スタッフを抱えてこの一ヶ月間、7000件もの画像データのダウンロードを必死にやってきた結果、どうにかデータの保存はできそうだけれども、決算は赤字になるかもしれないという愕然とする内容でした。

 この一ヶ月、ユーストリームのアーカイブに載せていたIWJの貴重な取材成果が消えてしまう、というピンチの訴えに、多くの皆さんがカンパを寄せてくださいました。本当にありがとうございます。

 けれども、そのカンパは、現状では、臨時スタッフの人件費や機材費などに使い切って、ほぼ底を尽いてしまい、11月からの作業の資金は、メドが立っていない状況だというのです。また、ふりだしです。

 しかし、ここで諦めず、再アップまでやり遂げないと、データを苦労して保存した意味がありません。

 僕も、ご支援くださった皆さまへお礼の品を発送する事務作業の手伝いを少ししていますが、本当に慣れない仕事は大変です。事務のみんなの仕事がこんなに大変だとは、思ってもみませんでした。

 でも、発送リストを見ると、本当にいろんな方々が支援くださっていることが改めてよくわかります。本当にありがとうございます! 期待に応えられるようがんばります!

 どうか11月以降も、引続き、アーカイブ保存再アップ対策を続けていきたいと思っていますので、申し訳ありませんが、ご寄付・カンパをお寄せくださるよう、お願いします。

2014/10/28 岩上安身よりUstreamアーカイブ削除期限まであと4日、重要なお知らせ
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/193281

 いろんな試練に見舞われますが、くじけないで頑張りたいと思います!

 日々の取材も頑張りますし、アーカイブも充実させたいと思っています。今後とも、IWJをご支援いただきますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

寄付・カンパのお願い【 http://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

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岩上安身サポーターズクラブ事務局
公式サイト 【 http://iwj.co.jp/