日刊IWJガイド 2014.7.28日号 ~No.684号~


■■■ 日刊IWJガイド 2014.7.28日号 ~No.684号~ ■■■
(2014.7.28 8時00分)

 おはようございます!IWJで斥候の傍ら記者や編集の仕事をしている佐々木です。

 みなさんは、69年前の今日、青森に大空襲があったのをご存知でしょうか?

 1945年7月28日、22時37分。62機のB29が青森市上空に現れ、約1時間にかけて83000本もの焼夷弾の雨を降らせました。

 多くの市民が逃げ惑いながら豪火に巻かれ、1000人の命が、無残にも失われました。燃え盛る火は市街地の80%以上を焼き尽くし、15000戸以上の家屋が失われました。決して埋もれさせてはいけない記憶です。

 本日13時から、青森市役所にある「空襲・戦災都市青森の碑」の前で、「青森空襲・戦災犠牲者追悼・平和祈念の集い」が行われます。IWJ青森でいつも精力的に配信や取材を行っていただいている、しーずーさんが中継します。

 この集会を主催する「青森空襲を記録する会 」は、毎月28日、「青森空襲を語る会」を開いています。しーずーさんらIWJ中継市民青森チームは、昨年10月からこの語る会を追い続け、会に参加している青森空襲の体験者たちの証言を収録しました。

 集めた証言は、7月21日から26日にかけて、特集としてシリーズ配信しましたので、この機会に、ぜひご覧いただければと思います。

・青森空襲体験者 富岡せつさんの証言
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/109107

・青森空襲体験者 平泉喜久郎さんの証言「沼が命を救った」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/114385

・青森空襲体験者 佐藤ちよさんの証言
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/156101

・青森空襲体験者 杉村憲子さんの証言
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/156331

・青森空襲体験者 松谷きみえさんの証言
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/156849

・青森空襲体験者 茂木ナツエさんの証言
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/157431

 戦火をかいくぐり、戦争の酷さ、醜さを肌に火傷を負いながら体験した、貴重な証言者たちの記憶を、僕らが引き継いでいかなければいけないな、と強く思います。と同時に、今ガザやウクライナ、イラクやシリアやアフリカで起きている禍々しい争いにも意識を向け、苦しんでいる多くの人々の声に耳を傾け、伝えていかなければならないと感じています。同時に、日本と近隣の諸民族との間の関係を、これ以上にとげとげしいものにしないように。緊張が、血が流れるまでにならないように、未然に防がなくてはと思います。

 その一助としてIWJが機能し続けられたらと思います。どうぞ、IWJを支え、IWJの発信するニュースを、四方八方に拡散してください。

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 もう一つ、この青森大空襲が教えてくれる「教訓」があります。それは、この空襲の被害を大きくしたのが、当時の行政の身勝手な方針にあるということです。…(後半へ続く)

◆中継番組表◆

本日のIWJの中継番組表を送ります。
あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もありますのでご了承ください。

**2014.7.28 Mon.**

【Ch2】17:30~「東電会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=2
※東京電力の定例会見

【IWJ_AOMORI1】13:00~「青森空襲・戦災犠牲者追悼・平和祈念の集い」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-aomori1
※青森市役所「空襲・戦災都市青森の碑」前で行われる、青森空襲追悼の集い。「青森空襲を記録する会」が主催
※関連記事はこちら↓
2014/07/26 【青森】「青森空襲展」青森空襲を記録する会 今村修氏インタビュー 展示物案内ほか(動画)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/157426

【Ch5】13:00~「政府交渉『川内原発審査・重大事故対策について』」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5
※衆議院第二議員会館で行われる、川内原発の審査書案のうち重大事故対策についての原子力規制庁との交渉。井野博満氏(東京大学名誉教授)、藤原節男氏(元原発技術者)、小山英之氏(美浜の会)、阪上武氏(原子力規制を監視する市民の会)らが出席予定。13時からの事前集会後、14時半から交渉が行われる予定

【再配信・Ch1】17:00~「『米軍とタリバンを仲裁できるのは日本だけ』――。集団的自衛権の行使で積み上げてきた信頼が崩壊する日」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
記事URL: http://iwj.co.jp/wj/open/archives/140427
※同時多発テロ事件以降、米軍の攻撃を受けていたアフガニスタンで、JVCの現地代表として活動していた谷山氏は、国際シンクタンク「治安と開発の国際審議会(ICOS)」のデータを引用し、アフガニスタンにおける、タリバンと米軍の関係性を紹介した

【Ch6】18:30~「沖縄辺野古の海に杭はうたせない!防衛省前抗議行動」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=6
※防衛省前で行われる、名護市辺野古への米軍普天間飛行場移設に反対する抗議行動。「辺野古への基地建設を許さない実行委員会」が主催

【再配信・IWJ_OKINAWA1】20:00~「『これでいいのか日本!』全国縦断シンポジウム 第二回 沖縄大会 ―大田昌秀氏、野中広務氏ほか」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
記事URL: http://iwj.co.jp/wj/open/archives/156326
※7月24日に沖縄県で開催された「これでいいのか日本!」全国縦断シンポジウムの第2回を再配信。大田昌秀氏、野中広務氏、鳩山由紀夫氏、鈴木宗男氏がゲストとして登壇した
※関連記事はこちら↓
2014/06/19 解釈改憲による集団的自衛権は「コペルニクス的歴史的大転換」 自民党OBからも安倍政権に対して懸念の声
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/147511

(前半の続き)
…当時、青函連絡船が7月14・15日に攻撃されてから、青森市内からは疎開者が続出しました。これに対し青森県と青森市が、「28日までに戻って来なければ配給を停止する」と強く布告したのです。「焼夷弾を消すのが国民の義務だ」と、わざわざ疎開者を呼び戻したのです。大空襲は、市民たちが渋々戻った矢先に行われました。

 また、空襲前日の27日、米軍は2機のB29から爆撃を予告するビラ、約6万枚を市内に撒きました。そこには、避難するように促す内容が書かれていました。しかし、憲兵隊や警察は、市民に対してこのビラを読むことを厳しく禁止し、回収しました。結果、米軍の警告が市民に十分に伝わらなかったのです。

 もちろん、市民が暮らす市街地に、より燃焼性を強めた新型焼夷弾を投下し、青森市をその実験場にした米軍の所業は、非道としか言いようがありません。しかし国が、もし国民の命を一番に考え、罪のない女性や子供を、一番に安全圏に避難させるという方策を講じていれば、ここまで多くの死傷者を出すことはなかったでしょう。

 国は、戦時体制下で暴走し得るし、その暴走のもとでは、国民の命は想像以上に軽くなってしまう、ということを、僕らは教訓として胸に刻んでおくべきだと思います。

 平時においてすら、国は原発事故の被災者に、帰還を半ば強いようとしている。その様子を見ると、有事にはもっと人権が脅かされるのではないか、そうした懸念を抱くのは当然のことだと思われます。

 この惨禍のもう一人の「加害者」である、こうした国や行政の暴挙を記録に刻もうと、「青森空襲を記録する会」は28日まで、「青森空襲展」を開いています。IWJ青森チームは、26日、同会の今村修氏会長にインタビューをしました。展示の内容と、今村会長の案内と解説を、ぜひご覧ください。

・2014/07/26 【青森】「青森空襲展」青森空襲を記録する会 今村修氏インタビュー 展示物案内ほか
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/157426

 しーずーさんをはじめ、IWJ青森のみなさんの、地域に根づいた、コツコツとした粘り強い取材は、僕たちも頭が下がります。学ぶところもたくさんあります。言葉だけでなく、全国各地に、こうして奮闘して下さっている中継市民の皆さんがいます。日々、本当に感謝しています。

 地方の中継市民のみなさんとの出会いは、多くの場合が、まずはネットからSNSを介して、その後、岩上さんが「呼ばれたらどこへでも行く」と、全国を回り、「集いと語らい」を重ねる「トークカフェ」などのトークイベントを通じて、生身で対面して、アナログなつきあいが始まるところからスタートとしています。青森のみなさんともそうでした。

 あまりにハードなスケジュールだったため、トークイベントを少し控えていた岩上さんが再始動します。「トークカフェ」、あるいは講演等のお声がけは、ぜひこちらから。
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 新しい出会いと、新たに中継市民となって地元の情報を発信して下さる方々の登場をお待ちしています。

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