■■■ 日刊IWJガイド「池上彰氏が『ネトウヨ』化!? 『反日』を連呼するヘイト番組で/1944年の今日『学童集団疎開』が閣議決定」2015.6.30日号~No.1021号~ ■■■
(2015.6.30 8時00分)
おはようございます。IWJのぎぎまきです。
雨や晴れを繰り返す毎日の東京ですが、みなさま、梅雨をいかがお過ごしですか。一日の中で寒暖差が激しいので風邪など引かれないように気をつけてくださいね。
さて、先週の6月27日、渋谷ハチ公前で約6000人を集めた、若者主催の安保法制反対の街宣アピール。IWJでは、その日の深夜のうちに記事化し、危機感と熱気に包まれた現場の様子をお伝えしました。ちょうど同じ頃、私も娘のバレエの発表会で渋谷にいたので、発表会終了後、娘や娘の友だちを連れてハチ公前に駆けつけようと思っていたのですが、残念ながら計画は実りませんでした。
「バレエの発表会」と聞けば、その響きは華やかですが、実際参加してみると、とにかく驚きの連続で、母親たちは朝10時から終演の18時近くまで、会場運営やお客さん対応、娘たちの衣装の縫い付けやメイク直しなど、終日、労働でびっしり! という現実。会場から出る頃にはもうハチ公前での街宣アピールも終わり、私は灰のようになって子どもたちと帰宅しました(笑)。
発表会の本番では、堂々と成長した娘の姿に私は涙をこらえることができず、横を見渡せば、どの父親も母親も同じようなもので、さらには、かわいい孫娘たちの晴れ舞台に涙を流す祖父母の面々も。私の友人にいたっては、自分の娘が登場しているわけでもないのに、子どもたちの一生懸命で前向きな姿を見て号泣、という始末。何に対してもひたむきな子どもたちの姿に、大人は心うたれるのでしょうね。子どもが放つ希望の力はすごい、この子たちの未来はこの子たちのものだ、大人が守らなきゃあかん、と当たり前のことを痛切に感じた一日になりました。
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2015/06/27 “ジャック”された渋谷ハチ公前、若者らが戦争立法に「No!」――「なんで『法律を守れ』なんて渋谷のど真ん中で言わなきゃいけないんだよ!」民主、維新、共産、社民、生活の野党議員も集結!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/250840
【スピーチ全文掲載】「友人やそのまた友人が、戦地で傷つくことに私は耐えられません」渋谷ハチ公前の戦争立法反対集会で若い女性が訴え
アフガニスタンで目の当たりにした「戦争の現実」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/251003
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■この夏、IWJは闘いぬきます!!! みなさんからの応援が必要です!
国会が95日間も延長したことをうけて、IWJにとってもこの夏は長い闘いになりそうです。6月も「戦争法案反対」に関連する記事をかなりお届けしましたが、7月、8月、9月も抗議集会やデモが目白押しになるはずです。頻度も種類も劇的に増えていくと思います。その全てを可能な限りIWJは取材したい。ですが、今のままでは、人手が足りません。人件費も足りません。
ぜひ、スタッフとしてお手伝いいただくか、カンパや会員登録でIWJの財政を支えていただくか、さらなるご支援を何卒よろしくお願いいたします!!!
※スタッフ募集フォーム
http://bit.ly/1ALJypQ
※会員登録のお願い
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php
※カンパのお願い
http://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html
…(後半へ続く)
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◆中継番組表◆
本日のIWJの中継番組表をお送りします。
あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。
**2015.6.30 Tue.**
【Ch4】15:00~「日本外国特派員協会主催 自由民主党・村上誠一郎衆議院議員 記者会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4
※日本外国特派員協会主催の、自由民主党・村上誠一郎衆議院議員による記者会見を中継します。
【録画配信・Ch5】16:00~「6・23豊洲新市場計画STOP『築地市場移転をめぐる緊急シンポジウム』」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5
※2015年6月23日(火)に行われた、「6・23シンポジウム実行委員会」主催の「築地市場移転をめぐる緊急シンポジウム」の模様を録画配信します。
【Ch6】18:00~「言論の弾圧を許すな!怒りの緊急集会」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=6
※超党派の野党議員の呼びかけで行われる緊急集会の模様を中継。
発言者は、琉球新報東京支社報道部長の島洋子氏、沖縄タイムス東京支社報道部長の宮城栄作氏、武蔵大学教授の永田浩三氏、他。
【再配信・Ch1】19:00~「吉良よし子・日本共産党議員×笹山尚人弁護士×岩上安身による労働法制鼎談 第三部」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
記事URL: http://iwj.co.jp/wj/open/archives/250646
※2015年6月26日に中継した、「吉良よし子・日本共産党議員×笹山尚人弁護士×岩上安身による労働法制鼎談 第三部」を再配信します。
【再配信・Ch1】21:00~「全体が“山谷”化した日本――事件は「貧困と裕福」の境目で起こる?新宿西口バス放火事件、オウム事件…『死刑弁護人』安田好弘弁護士に岩上安身が「生きる権利」を訊く! ~前半」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
記事URL: http://iwj.co.jp/wj/open/archives/250390
※2015年6月24日(水)に中継した、岩上安身による安田好弘弁護士インタビューを再配信します。
安田弁護士は、自身の弁護士としての原点である「山谷争議団事件」や、1980年に社会を震撼させた「新宿西口バス放火事件」の知られざる悲しい真実を語りました。
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(前半の続き)…
■反日のルーツを探る嫌韓を煽るネトウヨ番組
さて、フジテレビの「金曜プレミアム『池上彰 緊急スペシャル!』」という番組の中で、番組側が間違った日本語訳のテロップをつけていた件、みなさん、ご存知ですか?
Twitter上では話題になっていたので、知っている方も多いと思います。
韓国人の男女が日本のカメラクルーのインタビューに答えているのですが、実際の韓国語による発言と、日本語訳のテロップに食い違いがあったのです。
どう食い違っていたのか。それはこのようなものでした。
・韓国人女性の実際の発言
「文化がたくさんあります。だから、外国の人がたくさん訪問してくれているようです」
・日本語訳
「嫌いですよ、だって韓国を苦しめたじゃないですか」
・韓国人男性の実際の発言
「過去の歴史を反省せず、そういう部分が私はちょっと」
・日本語訳
「日本人にはいい人もいますが、国として嫌いです」
もとの発言と、翻訳とがあまりにかけ離れています。通常の翻訳や通訳の過程で生じるミスの次元の話ではありません。しかも、もとの話では、日本に対して非難めいたニュアンスが含まれていなかったり、少なかったりするのに、間違ったテロップでは、日本への非難がましさが強調されています。バイアスの存在を感じさせ、ミスではなく、韓国人が反日的であるという印象を強調するために故意におこなったのではないか、という疑いを抱かさせます。
Twitter上ではヘイトや韓国に対する嫌悪を煽動するものだ!
と批判のツイートが吹き荒れました。そして、実際の発言と日本語訳が一致していなかったことについて、フジテレビは6月29日、HP上で謝罪文を掲載。しかし、そのお詫びの内容がまた、もやのかかった釈然としないものでした。
男女共に実際に「日本が嫌いです」と別の部分で発言している。誤った映像部分を使用した編集作業上のミスであり、捏造ではない。フジテレビはこういう趣旨の釈明をしたんですね。
おいおい、と思いますよね。
まず、「他の部分では日本が嫌いだと言っていた」という映像の証拠がなければ、本当に言っていたのか? と懐疑的にならざるを得ません。フジテレビは、まず、証拠を示して、故意の操作ではないことを証明し、その上でなぜ、画像とテロップが間違って使用されたのか、明らかにすべきです。もしこの2人が、日本のことを嫌いだと発言していたとしても、なぜ「日本が嫌い」という発言をわざわざ2人も選んで使用したのか、そうした演出意図についても、明確にすべきです。
どうも妙な感じが残ったので、ネット上で見つけた同番組の録画を見てみることにしました。
■池上氏の暴言、韓国は「プライドがない」から日本を叩く!?
結果、率直に書きますが、気分が悪くなるような内容でした。
まるで、ネトウヨのネトウヨによるネトウヨのための番組、といっても過言ではない嫌韓を煽る内容に私は絶句しました。こんな番組がゴールデンタイムに放送されているのか! と。
この番組が嫌韓感情を煽る意図はない、歴史的事実をニュートラルに伝えている、などとは到底、言えないと思われます。
そして、非常に気になったことは、スタッフが取材してきたビデオに、意味づけをしていく池上彰氏のコメントが、極めて偏ったものだったからです。
池上彰氏のコメントの一部を紹介します。
「韓国というのは、日本が戦争に負けて朝鮮半島から引き揚げた後に、『棚からぼたもち式にできた国』。自ら戦って国を作ったわけではないところに引け目を感じているのでは。
どこかの国と戦って独立を果たしたということであればプライドもある。(プライドが)ないものですから、『反日』というところに国の基準を置いている部分がある」
さらに池上氏は、朝鮮半島で日本の支配に対する反対と独立を目指した「三・一運動」について触れ、「この運動をきっかけに、日本の植民地統治に抵抗するための『大韓民国臨時政府』ができ、『反日』の伝統に根ざした臨時政府を引き継いで韓国ができた。そう韓国の憲法には書かれている」と説明したのです。
韓国憲法には反日の記述があり、韓国の建国には根底に「反日」があると強調した池上氏ですが、もちろん韓国憲法には「反日」という言葉はありません。朝鮮半島を支配していた日本に対する独立や抵抗運動について書かれているだけです。つまり、池上氏は、日本支配からの独立を目指した抵抗を、「反日」ととらえたわけですね。
ネトウヨさ全開です。
よその国、他の民族に植民地化されて、精一杯抵抗しない民族がありますか。仮に日本がどこかの国に植民地化されたら、精一杯抵抗し、独立を求めるのは当たり前のことで、その独立心や愛国心を「反宗主国的」であるなどとくくられたら、怒りを覚えるのは当然でしょう。
■ネトウヨの「在日特権」同じ論調の池上氏
さらに、「三・一運動」で発布された独立宣言の内容を見てみると、池上氏のコメントが偏見に満ちたものであることが分かります。
独立宣言は、「われわれはここにわが朝鮮国が独立国であること、朝鮮人が自主の民であることを宣言する」としながら、「今日われわれの任務はただ自己の建設があるのみで、決して他を破壊することではない」と非暴力を宣言しているのです。
また、支配国の日本に対しても「果敢に過去の過ちを糺し、真の理解と共感にもとづく友好的な関係を切り開くことが、おたがいに禍いを遠ざけ、幸福を招く近道であることを知るべきではないか」と友好的な関係の構築を呼びかけています。独立宣言が掲げた理念は、吉野作造、石橋湛山や柳宗悦といった、日本の帝国主義に批判的だった同時代の優れた日本の知識人から支持を得ていたといいます。
こうした、朝鮮から発せられた民族独立の気概に満ちたメッセージを無視し、韓国人はとにかく日本が嫌いなのだ、という点を恣意的に強調し、その理由を探るフリをして、過去の独立運動を「反日の原点」と決めつけるやり方は、他民族を見下し、力でねじ伏せて屈服させ、植民地化した日本の自らの過去の歴史を、手の込んだやり方で肯定するものです。
自分たちの国が過去にやらかした歴史的事実にほおかむりし、反省も、後悔も、申し訳なかった、という謝罪もない。在日韓国・朝鮮人に対して「在日特権」を誇張、捏造して差別と排斥を叫ぶネトウヨと同じではないか、という批判が噴出していますが、そうした批判はもっともだと思います。
自分達のことは棚に上げ、民族間の嫌悪や憎しみをを煽るような番組をなぜ、わざわざ放送するのか。
過去の植民地支配の反省と謝罪を戦後70年談話に入れまいとして、なんとかあがいている安倍総理としばしば一緒にゴルフを楽しむ日枝会長の君臨するフジテレビですから、安倍総理と気持ちは通じ合っているのでしょう。
そうしたトップの姿勢が、このひどい番組が制作された背景に影響をあたえていなかったか。フジ・サンケイグループの姿勢として、政治的偏向がなかったか。検証する必要があると思います。いや、フジサンケイグループは自浄作用があるなら、自ら検証すべきです。
■今日も注目の中継が二本!
「戦争体験者が与党内からいなくなってから急に現実論が分からなくなった。テレビゲームのように思っているのではないか。我々ぽんこつが(戦地に)行くならいいのよ。でも行くのは20歳前後よ。20歳前後の将来をそう簡単にやっていいものか、ということよ。なんでこんなことになるのかね」
今日、注目していただきたい一本目の中継は、15時からCh4で配信する、自民党の村上誠一郎衆議院議員の記者会見です。
村上議員と言えば、2014年7月、岩上さんのインタビューでも涙されたのを覚えていますが、今月16日、J-WAVEの報道番組「JAM THE WORLD」の中でも涙ながらに安倍政権を批判したことが記憶に新しいですね。
長谷部恭男氏や小林節氏らの「違憲」発言の直後、「3人の憲法学者が違憲だといっているのに、それを無視するのは傲慢だ」と、自民党執行部を公然と批判した村上議員。今では、「平和」の党を投げ捨てた公明党の代わりにたった一人、「与党内野党」として奮闘している村上議員が、今日15時から外国特派員協会で会見します。
村上議員の発言はもちろん、日本の記者クラブメディアからは絶対に出てこない、外国人記者たちの切り込み鋭い質問にも要注目です!
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2015/06/10 安保関連法案「反対」で孤軍奮闘する村上誠一郎議員、自民党執行部の問題を告白、報じないマスコミの姿勢も批判
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/248667
2014/10/02 村上誠一郎議員が警鐘――選挙やポストのために異論を挟まない議員、安倍政権に人事を握られ正論を言えない官僚
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/172480
2014/07/04 【大義なき解散総選挙13】「たとえ一人でも、やらないといけない」集団的自衛権行使容認に反対した自民党・村上誠一郎衆院議員に岩上安身がインタビュー
時折涙を見せる場面も
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/150285
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また、18時からCh6で、先の百田尚樹氏の沖縄の地元紙2紙に対する暴言をうけて開かれる「言論の弾圧を許すな!怒りの緊急集会」を中継します。
超党派の野党議員の呼びかけで開かれるというこの集会。琉球新報東京支社報道部長や沖縄タイムス東京支社報道部長も出席。ぜひ、お見逃しなく!
■わとはぷ!のコーナー
1944年の今日、6月30日は、東条英機内閣が学童の集団疎開の促進要綱を閣議決定した日だそうです。
「学童集団疎開」という言葉が現実味を帯びて耳に響くことになるとは。。。
戦争の激化に伴い、本格的な本土空襲が始まる恐れから、日本政府は都市防衛の強化と子どもたちの命を守ることを目的に、東京や横浜などの都市部の子どもたちを疎開させることを閣議で決定しました。
疎開した子どもたちの数は約40万人とも70万人とも言われていますが、正確な数字は分かっていないそうです。子どもたちは学校ごとに指定された疎開先で、寺院や神社、集会所、旅館などで寝泊まりし、1年数ヶ月の間、疎開生活を続けました。
疎開した子どもたちは全員無事に戻ってこれたのか。戻ったら親が死んでしまっていたケースも少なくなかったでしょう。想像するだけで胸がえぐられる気持ちになります。安保法制反対の抗議集会やデモで、集団疎開を経験した参加者の方と時々お会いすることがありますが、若者の声がフィーチャーされる一方で、戦争の時代を実際に生き抜いてきた世代の力強いリアリティがある言葉にも、注目していかなければいけません。
集団的自衛権の議論が持ち上がってきたことをきっかけに、学童疎開の経験者たちが当時の経験を次世代に伝え残すため、学童疎開資料センターを発足したという記事を先日読みました。そのセンターは、IWJ事務所がある東京都・港区で開設されたそうです。近く、足を運んでみようかなと思っています。
村上議員が言うように、戦争を体験した世代がいなくなったことが、安倍政権の暴走に拍車をかけているのだとしたら、私たちが数少なくなった戦争体験者の声に積極的に耳を傾けなくてはいけないと、焦りととも強い危機感を感じる毎日です。
この夏はIWJにとっても大きな闘いになります。国会が延期された会期末まで全力で疾走しますので、引き続き、さらなる応援をお願いします!!!
では、今日も一日IWJをよろしくお願いいたします。
IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
岩上安身サポーターズクラブ事務局
公式サイト 【 http://iwj.co.jp/ 】
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