■■■ 日刊IWJガイド 2014.9.20日号 ～No.738号～ ■■■
（2014.9.20 8時00分）
おはようございます。IWJで主としてテキスト関係の編集を担当している平山です。
9月も下旬を迎え、東京は秋らしく、過ごしやすい気候が続いています。事務所の窓を開けていると、コオロギの鳴き声が聞こえてくるようになりました。そろそろ秋物の準備をしなくては、などと、最近一人暮らしを始めた私は思ったりしています。
秋といえば、「芸術の秋」「食欲の秋」と並んで、「読書の秋」です。書棚から、少し古くなった文庫本などを手に取り、思わず夜遅くまで読みふけってしまう、というような方もいらっしゃるのではないでしょうか。
明治以降、日本の読書人に広く読まれた本として、福沢諭吉の『学問のすすめ』をあげることができると思います。中学生や高校生の時、読書感想文の課題として読んだ、という方も多いのではないでしょうか。
その、『学問のすすめ』の中の、「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」という一節は、あまりにも有名です。人間は平等であり、そうであるからこそ、学問に打ち込むことが重要である。ほとんどの方が、この一節をそう理解しているのではないでしょうか。
しかし、このような福沢諭吉像に真っ向から異を唱えているのが、岩上さんが9月3日にインタビューし、16日、17日、18日と三夜連続で配信した、名古屋大学名誉教授の安川寿之輔氏です。
安川氏は、「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」という一節の直後に書き記されている、ある言葉を手がかりに、多くの日本人が抱いている福沢諭吉像を見事に解体していきます。そこから浮かび上がってくるのは、大日本帝国による朝鮮・中国への侵略を肯定し、「ヘイトスピーチ」をまき散らす、これまで私たちが抱いていたイメージとはまったく違う福沢諭吉像でした。
福沢諭吉について考えることは、明治維新以降の近代日本のあり方を考えることにつながります。それは、ヘイトスピーチや従軍慰安婦問題などといった歴史認識に関わる、極めて今日的な問題なのです。インタビューでは、福沢諭吉が残したテキストを徹底的に読み解くことで、明治維新以降の日本の近代化と、近隣諸国に対する植民地主義という、射程の大きな問題について議論が行われています。ぜひ、アーカイブ動画をご覧ください。
※岩上安身による名古屋大学名誉教授・安川寿之輔氏インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/166258
ところで、明治維新に際して、日本が近代化のお手本としたのが、ベルリンを首都とするプロイセンでした。そのベルリンを再び首都とした統一ドイツは、ナチスによる「ホロコースト」の惨劇を教訓に、反ユダヤ主義の兆候がみられるやいなや、すぐさま大統領夫妻とメルケル首相以下、ベルリンのブランデンブルグ門前で大集会を開きました。この大集会の様子は、ドイツ滞在中に岩上さんが取材、レポートしています。
※反ユダヤ主義に対抗するドイツユダヤ人協会主催 集会 ー発言 独・メルケル首相ほか
http://www.ustream.tv/recorded/52662766
…（後半へ続く）
◆中継番組表◆
本日のIWJの中継番組表を送ります。
あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もありますのでご了承ください。
＊＊2014.9.20 Sat.＊＊
【Ch4】13：30～「第4回希望政策フォーラム『どうする？東京オリンピック』」
視聴URL： http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4
※谷口源太郎氏が「オリンピックはこうしてビジネスになった」、江沢正雄氏が「住民の目でチェックしようー長野五輪の経験から」というタイトルで講演。他にも、新里宏二弁護士らが登壇します。主催は、「希望のまち東京をつくる会」
【IWJ_EHIME1】13：30～「上原公子講演会『脱原発社会は市民が決める』」
視聴URL： http://www.ustream.tv/channel/iwj-ehime1
※松山市で行われる、上原公子（うえはら ひろこ）・「脱原発をめざす首長会議」事務局長の講演。「伊方原発をとめる会」が主催
～関連記事～
・2014/06/14 【大阪】「自民党は、改憲で個人の自由を制限する」 ～元国立市長の上原公子氏、自民党改憲草案の怖さを語る http://iwj.co.jp/wj/open/archives/146583
・2014/06/28 【兵庫】「東電は破綻させ、資源エネルギー庁は解散を」 ～大島堅一氏、上原公子氏、国民の主権意識の覚醒を強調 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/149367
～～辺野古・抗議行動関連～～
【ツイキャス・IWJ_okinawa1】14：00～「止めよう、辺野古新基地建設！9.20県民大行動」
視聴URL： http://t.co/m5NScjBRPF
こちらのアカウントから中継します→ @IWJ_okinawa1
※沖縄県名護市辺野古での新基地建設に抗議する「県民大行動」。京都、大阪、東京でも連帯したアクションが行なわれる。18時から配信する、「新外交イニシアティブ（ND）・琉球新報主催シンポジウム 基地の島、沖縄の今を考える～返還交渉当事者、ハルペリン氏を囲んで～」も合わせて御覧ください
～関連記事～
・2014/09/19 【沖縄】辺野古海上での抗議の模様（動画） http://iwj.co.jp/wj/open/archives/169662
【IWJ_KYOTO1】14：00～「9.20辺野古現地3000人抗議集会連帯アクションin京都」
視聴URL：http://www.ustream.tv/channel/iwj-kyoto1
※京都で行われる、辺野古新基地建設に反対する抗議行動。辺野古現地での「県民大行動」と連帯して行なわれる。デモコースは「三条大橋→河原町三条→四条河原町→円山公園」
【IWJ_OSAKA1】14：00～「『止めよう新基地建設 9.20県民大行動』に連帯する、9.20大阪同時アクション」
視聴URL： http://www.ustream.tv/channel/iwj-osaka1
※大阪・中之島公園水上ステージで行なわれる、辺野古新基地建設に反対する抗議行動。辺野古現地での「県民大行動」と連帯して行なわれる
【Ch5】14：30～「辺野古に基地を造らせない！ 東京からも声を上げよう！9.20 渋谷・宮下公園 集会とデモ」
視聴URL： http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5
※東京・宮下公園で行なわれる、辺野古新基地建設に反対する集会とデモ。呼びかけ人は、川平朝清氏（東京沖縄県人会 名誉会長）、島袋 徹氏（東京沖縄県人会事務局長）ほか
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・2014/09/01 「小魚を追うシャチのよう」な海上保安庁 ～防衛省前抗議行動 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/165882
・2014/08/23 沖縄キャンプ・シュワブゲート前に3600人、首相官邸前にも450人の市民が政府の辺野古基地建設に「NO」 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/163405
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【録画配信・IWJ_OKINAWA1】18：00～「新外交イニシアティブ（ND）・琉球新報主催シンポジウム 基地の島、沖縄の今を考える～返還交渉当事者、ハルペリン氏を囲んで～」
視聴URL： http://www.ustream.tv/channel/iwj-okinawa1
※那覇市・琉球新報ホールで開催されたシンポジウム。元米NSC（国家安全保障会議）高官であるモートン・ハルペリン氏、大田昌秀氏（元沖縄県知事）、佐藤学氏（沖縄国際大学教授）らが登壇しました
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・2014/05/08 岩上安身が元米国防総省高官モートン・ハルペリン氏に緊急単独インタビュー「米国政府は安倍政権に懸念を抱いている」 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/138702
・【岩上安身のニュースのトリセツ】ハルペリン元米国防総省高官が警告 ～米国が突きつける集団的自衛権行使容認の「3つの条件」とは!? http://iwj.co.jp/wj/open/archives/143758
・2014/08/25 【沖縄】「集団的自衛権は、国際社会に向けた参戦の意思表示だ」 ～新外交イニシアティブ『虚像の抑止力』出版記念シンポジウム http://iwj.co.jp/wj/open/archives/164116
【IWJ_KYOTO1】18：30～「志葉玲さんのパレスチナ・ガザ最新取材報告会『封鎖・空襲下のガザの人々を訪ねて』」
視聴URL：http://www.ustream.tv/channel/iwj-kyoto1
※京都で行われる、志葉玲氏のパレスチナ・ガザ取材報告会。「ピースムービーメント実行委員会」が主催で行なわれる
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・2014/08/31 【大阪】「ドローン（無人攻撃機）で子どもたちを狙うイスラエル」 ～緊急報告会「ガザ侵攻の真実」志葉玲氏 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/165825
・2014/05/24 【大阪】映画『ママの約束』鑑賞会＆トーク ～「原発ゼロで見つけた本当の豊かさ」増山麗奈氏 松本なみほ氏 志葉玲氏 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/141649
（前半の続き）…
この集会からは、ドイツは二度とナチスも反ユダヤ主義も許さないし、戦争もしないというドイツ国民の決意が伝わっています。他方、日本は、集団的自衛権行使容認や歴史修正主義の盛り上がりなど、ドイツとは正反対に、「戦争のできる国」になろうとしています。日本とドイツは、まったく対照的な道を歩んでいるのです。
こうした対照的な日独の情勢について、岩上さんがドイツ在住のジャーナリスト・梶村太一郎氏にインタビューしています。集会の模様とあわせ、ぜひ、ご覧ください。
※岩上安身による在独ジャーナリスト・梶村太一郎氏インタビュー
http://www.ustream.tv/recorded/52657654
さて、歴史認識の問題といえば、高市早苗総務相による極右団体幹部とのツーショット写真問題や、山谷えり子国家公安委員長による在特会幹部との記念写真問題など、歴史修正主義に傾く安倍改造内閣の「トンデモ」ぶりが早くも露呈しています。
IWJでは、「安倍『破憲』改造内閣の奇怪な正体」と題して、その「トンデモ」ぶりをレポートしています。第一弾の松島みどり法務相に続く第二弾は、極右団体幹部とのツーショット写真が問題になった高市早苗総務相。IWJの質問に、「（撮影は）不可抗力だった」と言ってのけた高市氏。しかし、これまでの言行をふり返って検証すると、その「トンデモ」ぶりが際立っていることが分かります。渾身の検証記事ですので、ぜひ、会員になって全編をお読みください。
※【安倍「破憲」改造内閣の奇怪な正体（2）】高市早苗総務大臣と「ネオナチ団体代表」とのツーショット写真：騒動の背後では、歴史書き換え「情報発信」計画が進行中？（前編）
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/169824
※【安倍「破憲」改造内閣の奇怪な正体（2）】高市早苗総務大臣と「ネオナチ団体代表」とのツーショット写真：騒動の背後では、歴史書き換え「情報発信」計画が進行中？（後編）
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/169867
岩上さんがドイツに出張していた1週間、日本に残ったIWJスタッフは、微力ながら岩上さんの穴を埋めようと、取材に駆けずり回っていました。その成果のうちの一つが、9月16日に築地市場を視察した舛添要一知事への密着レポートです。
生鮮マグロの下見などを行った舛添知事は、「狭い」「足の踏み場がない」など、築地市場の「欠点」を列挙。しかし、新市場予定地の豊洲で指摘されている土壌汚染や、物量動線が確保されていない点などをIWJの佐々木記者が質問すると、「細かいやりとりは分からない」などと回答。舛添知事が、問題点を把握しないまま豊洲新市場への移転計画を進めていることが改めて浮き彫りになりました。
早朝5時過ぎから敢行した佐々木記者と石川カメラマンによるレポートの模様は、下記のアーカイブからご覧ください。
※2014/09/16 【東京】「一日も早く豊洲へ移れれば」舛添都知事が移転ありきの築地視察 未解決の課題については「わからない」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/169166
IWJでは現在、「アーカイブ大整理プロジェクト」と題し、1万本を超えるアーカイブを、見やすく、読みやすくするプロジェクトを進めています。こちらの「アーカイブ大整理プロジェクト」にご協力いただける方を募集しています。詳細は、下記のURLよりご覧ください。
http://bit.ly/1qFg2fL
あわせて、ペイワークで働ける方も募集しています。取材に出かける中継記者など、3つの職種がありますので、募集要項をご確認のうえ、ふるってご応募ください。詳細は、下記のURLよりご覧ください。
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昨年12月に刊行した、岩上さんと梓澤和幸弁護士、澤藤統一郎弁護士による共著『前夜～日本国憲法と自民党改憲案を読み解く』は、おかげさまで読者の皆さまよりご好評をいただいております。安倍政権が狙う憲法改正の実相について、これ以上精緻に迫った本は他にないのではないかと思います。全国の書店の他、IWJのサイトでも販売しておりますので、この機会にぜひ、お買い求めください。
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