映画『ママの約束』鑑賞会&トーク ~「原発ゼロで見つけた本当の豊かさ」増山麗奈氏 松本なみほ氏 志葉玲氏 2014.5.24

記事公開日:2014.5.24取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・荒瀬/奥松)

 「今、原発を再稼働するかどうかじゃなく、どうやって原発を片付けるかでしょ」──。

 2014年5月24日、大阪市中央区のロフトプラスワン・ウエストで、増山麗奈氏(画家、ジャーナリスト)が監督した映画『ママの約束 ~原発ゼロでみつけた本当の豊かさ』の鑑賞会とトークイベントが行われた。『ママの約束』は「原発や戦争のない平和な世界を作る」と娘と約束した増山氏が、福島の旧警戒区域やドイツの原発廃炉の状況、日本の原発が輸出されるインドなどを取材したドキュメンタリー映画である。

 2児の母親でもある増山氏は、福島第一原発事故の後、避難先の関西で米作りを始め、自然と共に暮らす生活を始めた。そして、さまざまな取材で撮影した映像を『ママの約束』にまとめたという。この日は、映画上映に続いてトークショーが行われ、監督の増山氏のほか、松本なみほ氏(環境コンサルタント)と志葉玲氏(ジャーナリスト)が参加して、映画に取り上げられた「理不尽な現実」について語り合った。

■ハイライト

  • 映画上映 「ママの約束」(録画には映画冒頭のみ含まれます)
  • 出演 増山麗奈氏(画家、ジャーナリスト)/松本なみほ氏(環境コンサルタント)/志葉玲氏(ジャーナリスト)

絶望的な現状をアートで乗り越える

 福島第一原発事故のあと、東京から2人の子どもを連れて関西に避難し、米作りをしながら生活をしている増山氏は、「福島の事故からずっと、理不尽さというものを感じてきた。ドイツで廃炉が進んでいると聞いて、ドイツに取材に行った。福島にも度々出向いて、カメラを回し続けた」と述べて、次のように続けた。

 「福島県では、爆発的に子どもの甲状腺がんが増えていく。そんな状況の中、日本政府は原発をベトナム、インド、ブラジルへ輸出しようとしている。福島の人々の間には『汚染の状況を見たくない、これから何が起きるか知りたくない』という思いがあり、政府の『不都合な情報を隠蔽する』動きと合致してしまっている」。

 増山氏は「現実には、チェルノブイリ以上の被害が、これから現れてくるはず。そんな絶望的な状況の中で、自分にできることを考えた」と言い、自身がこれまでに関わってきたアートを通じて、福島の子どもを連れてインドへ行くことになったこと、撮り貯めていた映像を編集して映画を作った経緯などを語った。「私たちは、価値観の転換をしなきゃいけない時に生きている。不思議なことに、そういう同じ思いの人たちとの出会いが続いた」。

福島県の甲状腺検査。知らされない詳細な結果

 映画で取り上げた子どもたちの甲状腺検査について、増山氏は「私が撮影したのは、民間のボランティアが運営する甲状腺検査。福島県が行う小児甲状腺検査は取材や撮影ができないし、その場で保護者に画像を見せず、プリントも渡さない」と話し、このように語った。

 「学校で行う通常の健康診断の結果は、学校を通じて親に通知され、問題があれば、そこから適切な医療機関を受診することになる。福島で子どもに実施している甲状腺の検査結果は、福島県から直接自宅に郵送されるため、甲状腺がんの子どもがいたとしても、教師たちは自分の学校の子かどうかわからないという」。

 「本来なら、たとえば、皮膚が弱い子は体育で直射日光に当たるのを避けるなど、教育現場で先生たちが話し合って、児童の持病や体調に合わせて授業内容を配慮したりする。だが、甲状腺に関しては(親が言わない限り)それができない状況にある」。

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