2010年9月10日、民主党は新代表を選ぶため、公開討論会が開かれた。菅直人総理大臣、小沢一郎民主元党代表の両者が、主に「これからの日本をどうするのか」について、自身の考えを述べ、議論を交わした。09年マニフェストの実行や、社会保障、その財源論など、討論は多岐に渡り、白熱した。
(文:原佑介)
2010年9月10日、民主党は新代表を選ぶため、公開討論会が開かれた。菅直人総理大臣、小沢一郎民主元党代表の両者が、主に「これからの日本をどうするのか」について、自身の考えを述べ、議論を交わした。09年マニフェストの実行や、社会保障、その財源論など、討論は多岐に渡り、白熱した。
■ハイライト
司会の山口立教大教授は、財源論について訊尋ねる。小沢氏は、09年マニフェストで掲げたように、まずを無駄を省くことと説明。地方への補助金の一般交付金化、中央から地方への権限と予算の委譲。地方が中央に陳情に出向く経費の削減だけで、20%は無駄を削減できるとする。菅氏は、小沢氏と同様に、09年マニフェストは国民に約束したものであり、誠実に実行すべきであるという。他方、子供手当てなど、財源の捻出が難しい場合、その理由を丁寧に説明すべきであるとし、「小沢氏の主張する一括交付金化は、民主党の一丁目一番地。しかし、財源の捻出とは区別すべき。15兆円の社会保障費が削られていいのかどうか。別に考えるべきである」と述べた。
小沢氏は、ただちに反論した。「15兆円の社会保障費を削るべきとは一言も言っていない。これを地方にまかせるべき」。これに対して、菅氏「地方に任せることは大事。実際、地方では一括交付金化によって安く上がる。しかし、財源論とは別」。さらに小沢氏は、「財源論としては他に、無利子国債で高速ネットワークを整備する。また、国有財産600兆円のうち200兆円は証券化の対象になる」と反論。菅氏は、「無利子国債は相続税の減免につながるという批判。証券化にも疑問」とし、自分の財源論よりも、小沢氏の主張に対する批判が目立った。
また、新しい公共について、菅氏は、「孤独死する人も、支えあう人がいれば亡くならなくてもすんだはず」と主張。小沢氏は、「家族という単位がゆらいでいる。NPO.NGOなどの活動、非常に大事。しかし、ただで働き続けるわけにはいかない。政府が支えて、経済的に報われる仕組みが大事」との考えを示した。