【IWJブログ】岩上安身「史実にもとづいた歴史から学べ」東京MXテレビ『ニッポン・ダンディ』にて 2013.2.20

記事公開日:2013.2.23 テキスト
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 2013年2月20日(水)21時から、岩上安身が、東京MXテレビ「ニッポン・ダンディ」に、水曜レギュラーとして出演した。以下、実況ツイートのまとめに加筆・修正をしたものを掲載します。※本IWJブログには、動画付きの元記事はありません。ご了承ください。

ワールド・ダンディ・ニュース

 「ワールド・ダンディ・ニュース」のコーナーでは、2月22日(現地時間)に開かれる日米首脳会談の話題が取り上げられた。今年に入り、中国によるレーダー照射問題や北朝鮮の核実験などがあり、東アジア情勢が緊迫している。岩上は、首脳会談の主要テーマの1つとして、外交問題を取り上げた。

岩上「北朝鮮の核実験を受けて、元内閣官房副長官補の柳澤協二氏にインタビューを行ないました。柳沢氏は『安倍総理に、北朝鮮から米国に飛んでいくミサイルは、北極の上空を飛ぶので、日本は撃墜できませんと申し上げたことがある』と語られました。つまり、日本が集団的自衛権を行使し、北朝鮮からのミサイルを撃ち落とすいわゆるミサイル防衛の考え方が成り立たない。北の脅威に対して、集団的自衛権の論議は無意味なのです」

言わせろダンディ

 次に、「言わせろダンディ」のコーナーでは、諸外国と日本との間にある歴史認識のズレが焦点となった。

岩上「私が、今週言わせてもらうのは、『日米首脳を前に考える 諸外国と日本の歴史認識のずれ』についてです。番組の冒頭で、北朝鮮の核実験に一部触れましたが、北朝鮮が核実験を行った翌日、IWJは韓国に記者を派遣し、ソウルで街頭インタビューを行いました。意外なことに、ストレートに、『(北朝鮮の核実験に対して)怖い』と答えた人は、20人中1人しかいなかった。みな落ち着いた様子でした。

 実は、IWJが韓国へ行ったのは、この街頭インタビューのためではありません。実は14日に、「河野談話」で知られる河野洋平元衆議院議長が出席した『2013日韓未来への道を問う 国際フォーラム』が開かれ、その取材・中継のために行ったのです。

 このフォーラムで興味深かったのは、日本側と韓国側の歴史認識のギャップです。日本側は未来志向を主張する一方で、韓国側の出席者(ユ・ミョンファン前外交通商大臣)は『最近の日韓関係が望ましくない方向に向かっているのは、領土問題・歴史認識の問題のせいだ』と述べられました」

岩上「こうした歴史認識のズレを象徴する出来事が、2月17日に新大久保であったので、紹介します。『竹島に居座る韓国人を叩き潰せ』『射殺しろ』などの過激なシュプレヒコールを上げるデモが行われ、100人以上が参加した。どうしてこんなに殺気立っているのか。しかしこれに対して、『仲良くしようぜ』などのプラカードを掲げて、差別反対を訴える抗議をする人たちもいました」

岩上「歴史認識のギャップを考える上のキーワードで『坂の上の雲』を上げたいと思います。この、いわゆる司馬史観――満州事変以降は悲惨だったが、明治の栄光は素晴らしかったと讃えるような歴史観――が、日本人の間では常識として浸透している。しかし、一方で、これに批判を唱える学者もいる。その1人が、奈良女子大名誉教授の中塚明氏です。

 中塚名誉教授は『日清・日露戦争の時代は素晴らしい時代ではなく、多くの人が知らないことがある』と指摘されます。一般的に、日清戦争は、清から朝鮮を独立させるための戦争とされている。しかし、中塚名誉教授によると、まず日本軍が行ったのは、朝鮮王宮の占領だった。次に、朝鮮農民の抗日闘争(東学党の乱)も、日本軍によるジェノサイド(=人種・民族の抹殺行為)であった。第3に、朝鮮国王妃の閔妃を日本陸軍が殺害した。

 これらは、すべて計画的でした。特に、東学党の乱については、当時、大本営から『向後悉ク殺戮スベシ』との電報が打たれていた」

岩上「また同じく、日本人が知らない歴史の事実として『日露戦争』があります。『日露戦争は不可避の戦争だった』と言われているが、本当に避けられないものだったのか。これについて、元外交官の孫崎享はこう述べています。

 『日英同盟をつくったのは、日本人でもない、イギリス人でもない、実は、ドイツ人が仕掛けるのです。この借金は、日本財政の8年分。外国からの借金が80%です』

 これは皆さん、史実として知らない方が多いと思います。当時、ロシアの注意を欧州方面から極東に向けるため、ドイツが日本とロシアを戦争に仕向けたというのです。英国がバックに付いたことで、日本は戦争に乗り出しますが、孫崎さんが言うように多額の借金を背負い、破滅していってしまう。つまり、栄光の明治と悲惨な昭和というのが、全部つながっているのです。こうしたことが潤色されてきて、私たちが知らないことが多くある。

 まとめです。『史実にもとづいた歴史から学ぶ』。これが非常に大事なことだと思います。亡国の歴史を繰り返してはいけない。今が日露戦争と同じ状態とは言わないが、比較すると、似たような構図がある」

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