「真っ赤なウソ」「フェイク発言」のツイートで過熱する京都市長選!! 現役市長・門川候補と弁護士・福山候補の批判合戦に京都市議・村山候補を交えた三つ巴の戦いは、誰が「ウソつきか」を見破る絶好の機会!! 2020.1.25

記事公開日:2020.1.25 テキスト
このエントリーをはてなブックマークに追加

(IWJ編集部)

 1月19日告示、2月2日投票の京都市長選は、明日26日で折り返し点を迎える。

 3人の候補者、公明、自民府連、立憲民主府連、国民民主府連、社民府連が推薦する現職の門川大作氏と、共産、れいわ新選組が推薦する福山和人氏、そして地域政党「京都党」の元代表で京都市議の村山祥栄氏は、観光公害対策をはじめ京都が抱える様々な課題に関して、連日激しい舌戦を繰り広げている。

 その中で目を引くのが、門川候補が福山候補を「ウソつき」呼ばわりしたことから始まったツイッター上の舌戦である。対する福山氏から門川氏へは「フェイク発言」との批判も飛び出している。

▲左から門川大作候補、福山和人候補、村山祥栄候補(各人HPより)

 門川候補は1月16日「『保育園に定員を超えて1800人も詰め込んでいる」と主張する人がいますが,真っ赤なウソ』(後略)」とツイートした。

 門川氏が「真っ赤なウソ」と呼んだのは、福山候補が昨年12月にツイートした「京都市現市長は『待機児童ゼロ』と自慢しているが、実態は違う。自宅や勤務先に遠すぎる、兄弟別だと送迎が困難などの理由で入所できない潜在的待機児童は1,259人もいるし、そもそも1882人も定員外で詰め込んでいる(後略)」という指摘に対してである。

 福山氏はそのツイートに「行政区別保育所等定員と利用状況(令和元年10月1日現在)」という表を添付している。それには確かに「潜在的待機児童数」が1259人、「定員外」が1882人と記されている。

 門川氏から「真っ赤なウソ」呼ばわりされた福山氏は「門川さんは、保育園に定員外で1882人もの子どもを入れて、それでも1200人以上潜在的待機児童がいるという私の指摘に対して『真っ赤なウソ』と言った。

 しかしこれは令和元年10月1日時点の京都市自身のデータに基づくもので、ウソではない」と反論した。

 その後再反論のない門川氏を福山氏は「私の証拠に基づく反論に対し、門川候補からは今日まで何の応答もない。公職の候補者を公然と嘘つき呼ばわりしておきながら、都合が悪くなるとだんまりを決め込む。私のすぐやるパッケージに対する『200億足りない』発言に続くフェイク発言。選挙の公正を害する者に京都市長の資格があるのだろうか?」と追及した。

福山氏は門川氏発言を「フェイク」と批判!! 一方、門川氏は「『うそ』『デタラメ』『無責任な発言』を繰返す人たちに市政は任せられません!」と反論!

 ここで福山氏が「フェイク発言」として例にあげた「私のすぐやるパッケージに対する『200億足りない』発言」とは、昨年末の京都新聞社の候補者討論会での門川氏の発言である。

 福山氏は公約として、中学校給食の実施、医療費の中学校卒業までの無料化、給付制奨学金創設、65~74歳の医療費の窓口負担の2割から1割への軽減など「くらし応援すぐやるパッケージ」を掲げている。討論会で福山氏は、これらを「市の一般会計予算約8千億円の1%未満でやれる」「1期目でやり遂げたい」と主張した。

 これに対して門川氏が「(政策の実行には)200億円ほど足らない。いいことばかりおっしゃっている」と批判し、言い合いが続いた。

 福山氏「200億ってどういう計算か。市の財政当局に確認して言っている」。

 門川氏「またあらためて」。

 福山氏「責任を持って答えて。僕は全部数字も含めて言っている」。

 門川氏「あまりにも根拠がない」。

 福山氏「抽象的に言われても困る。レッテル貼りだ。内訳を聞いている」。

 門川氏「200億足りない。4年でやろうと思ったらそれぐらいかかる」。

 福山氏は討論のあと、続けざまに門川氏への批判をツイートした。

「門川市長は、僕の『すぐやるパッケージ』(年間70億円)について『200億足りない』と連発したが、何度聞いても200億の計算は説明できず。3期12年の現職市長にしては寒すぎる。自分が述べた数字は責任をもって説明すべきだ。説明すれば僕の主張の正しさが証明されてしまうからやりたくないのだろう」。

 「僕の『すぐやるパッケージ』(年70億)に対し門川市長は『200億足りない。絵に描いた餅』と発言/しかし中学校給食は初期投資が169億。6年計画でやれば年28億。他の子育て支援、若者支援、高齢者支援等は合計年42.5億円。合計年約70億だ。市の財政当局にも確認済み。違うと言うなら具体的に言うべきだ」

 最後に福山氏は、門川氏発言の背景を次のように推測している。

 「門川氏の『200億足りない。4年でやろうと思ったらそれぐらいかかる』発言から推測すると、彼は”すぐやるパッケージ”の”年70億”を”1期4年で70億”と勘違いしたのかも。

 70億+200億=270億と

 70億×4年=280億はほぼ同じだしね。…」

 福山氏が年間予算とした70億円を、門川氏は4年間合計で70億円と勘違いしたのではないかというのである。さて、真相は!?

 門川氏のホームページには公約の各種施策を掲載するだけでなく、「それって本当?」と題して、「大切な京都の未来。『うそ』『デタラメ』『無責任な発言』を繰返す人たちに市政は任せられません!」と、他候補のさまざまな主張を批判するページがある。

 たとえば「『観光客が増えても儲かっているのは京都以外の大資本だけ。混雑、マナー違反、民泊トラブルなど課題だらけ。』と言ってますが…」という主張に対して、門川氏は「観光消費額は1.3兆円をこえ、市域への経済波及効果1兆4千億円、雇用誘発15.8万人など京都経済に大きく寄与しています。一方で課題が生じているのも事実です。そのため混雑緩和、宿泊税の創設、違法民泊の根絶などの他、市民の安心・安全と地域文化の継承を重要視しないような宿泊施設のお断り宣言など、50の対策を進めています」と反論している。

 そのほか門川氏はYouTubeで動画を公開し、【着物と伝統文化編】【父からもらった命の言葉編】などをテーマに、自らの活動や考え方を訴えている。

 福山候補や村山候補もそれぞれ、各種分野に関する独自の提案を主張している。たとえば観光に関して村山氏は「観光公害ゼロ、世界一の観光都市へ」として、「ホテル立地規制の実施」「観光マナーのルール化」をはじめとする施策を掲げている。

 また、村山氏もYouTubeで、公約全体を訴えるインタビュー映像や、施策ごとに詳しく説明する映像を制作・公開。街頭宣伝の様子も生中継、収録映像を公開している。

 一方、福山氏は「まちを守り市民がうるおう良質な観光」として、「宿泊施設拡充・誘致方針は撤回する。宿泊施設の総量規制をおこなう」「京都市上質宿泊施設誘致制度は廃止する。同制度に基づく施設誘致は中止・撤回する」などを提案している。

 福山氏もYouTubeで、「すぐやるパッケージ」などの公約の紹介や、ボランティアをはじめ、大飯原発の運転差し止め判決を下した元裁判官の樋口英明氏や、日本共産党副委員長・書記局長の小池晃氏、れいわ新選組代表の山本太郎氏など応援団のメッセージを公開している。

 街頭演説や討論会はもちろん、ツイッターやホームページで繰り広げられる舌戦は、有権者が候補を見極める重要な情報源であり、見比べることで、誰が「ウソつき」か見破ることのできるエキサイティングな機会でもある。IWJは投開票まで京都市長選に注目し続ける。

 福山和人氏に関しては、岩上安身が11月18日に京都でインタビューを行い、記事として掲載している。なお岩上安身は、公平を期するために、門川氏と村山氏にもインタビューを申し込んだが、理由を告げられることなく、断られた。

IWJの取材活動は、皆さまのご支援により直接支えられています。ぜひ会員にご登録ください。

新規会員登録 カンパでご支援

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です