今度は衆参予算委員会の「議事録」が非公開!?「森友問題」隠しか!? IWJが直撃取材! 衆参両院の記録部予算委担当への取材録を公開! 国民を「疑心暗鬼」にさせてきた政権与党の「前科」を問う! 2017.4.6

記事公開日:2017.4.6 テキスト
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(取材・文:原佑介)

 現在開会中の第193回国会で、「予算委員会の議事録が非公開となっている」と指摘する声が相次いでいる。

 2017年4月3日には、IWJにも度々ご登場いただく岩月浩二弁護士が「異変 国会議事録 消される森友事件」と題したブログを投稿し、「森友問題が初めて国会で取り上げられたのが2月17日の衆議院予算員会における民進党福島伸享議員の質問だが、この日から籠池氏の証人喚問の直前までの予算委員会の議事録が公にされていない」と訴えた。

 翌4日にはニュースサイト「BUZZAP!」が、「『関わっていたなら総理大臣も国会議員も辞める』発言を含む国会議事録、ごっそり『消滅』」と題した記事を公開した。

 「衆参両院の予算委員会での議事録が、始めて森友学園問題が扱われた2月17日分から閲覧できない状態になっています」と指摘し、「今国会の衆参両院の議事録から、自民党が主導して行った籠池理事長への証人喚問に関する下りを除いた森友学園問題の議事録が全て消滅しているということになります」と断じた。

 国会の議事録を「消滅」させるということが実際にあるのだろうか!? にわかには信じがたいが、安倍総理が率いる政権与党に都合の悪い情報は出さないという「前科」が数々ある。

▲2016年10月、山本太郎参院議員がTPPの問題点を指摘した「永田町恐怖新聞 vol.3」と題する小冊子。

 IWJは4月4日、衆参両院の記録部の予算委員会担当に直接、確認した。以下に記者とのやりとりを掲載する。

参院予算委員会の議事録公開ペースは「例年並み」? 議事録公開が遅れる理由

・参議院予算委員会の場合

IWJ「参院予算委員会の議事録アップが遅れているようですが」

広報課「そうなんですよ。記録部という部署で会議録を作成しているんですけれども、それができ次第、アップしているのですが、最近はそういう問い合わせもきているのですが、(議事録が)できていないみたいですね」

IWJ「理由はどんなものでしょう?」

広報課「ちょっとこちらではわかりません」

――ここで「記録部予算委員会担当」へ取り次いでもらう。

IWJ「予算委員会の議事録の公開が進んでいない点について、理由を教えてください」

記録部予算委員会担当(以下記録部)「ちょっとまだいろいろな事務的な手続きがございまして、2月の28日につきましては明日(4月5日)には参議院のHPに公開される予定で、これから順次公開される予定です」

IWJ「順次というのは1日1個くらいのペース?」

記録部「そうですね」

IWJ「特に森友学園の問題が紛糾し始めてから遅れている傾向があるようですが」

記録部「そんなことではございませんで、だいたい本予算を連日審議するときは例年こういうペースなのですが…」

IWJ「例えば2015年、安保法制が審議された際、通常2週間程度で公開されるはずが2ヶ月くらいかかり、これが『異例』だと言われました。しかし、予算委員会では『異例ではない』と?」

記録部「そうですね、今回のペースは例年と比べて異例ではなく、だいたい例年並みという感じですけども。ちょっと連日、審議を毎日していたのでこのような感じなのですが」

IWJ「与党による抗議や委員の不適切発言が多く、議事録の中身をいじっているから時間がかかっているとも囁かれていますが」

記録部「いやいや、そういうことでは…」

IWJ「『事務的な手続き』とは何ですか?」

記録部「私どものほうで、発言のちゃんと発言どおりにやっているかを十分確認したりとか、そのようなことで時間をとっているということでございます」

IWJ「そもそも予算委員会の議事録は、他の委員会よりも遅れるものだ、ということですか?」

記録部「そうですね。2ヶ月はかかりませんが、1ヶ月はだいたいかかる感じです」

衆院予算委員会では籠池氏の「証人喚問」の日の議事録だけが公開されている…なぜ!?

・衆議院予算委員会の場合

IWJ「衆院予算委員会の議事録公開が遅れているようですが、何か理由はありますか?」

記録部「連日予算委員会がされていますので、順番に公開しています。1日の審議時間も長いですし、他の委員会より時間がかかっているということなんですが、だいたい毎年こんなペースですので…ちょっと遅れてるな、という印象は持たれるかもしれませんけれども」

IWJ「例えば予算委員会では森友学園の問題もあって審議が紛糾していますが、その中でいろんな発言の訂正や中身の確認もあるかと思います。そういったことが影響していたりはしないんですか?」

記録部「議員さんたちには「議事速報」というかたちで、正式な会議録が出る前に、審議の状況がわかるように委員サービスはしているのですが」

IWJ「公開はこれからされていきますか?」

記録部「はい、順次行います。こちらとしてはどんどん作業は進めているんですが…」

IWJ「2月の議事録の公開がされ切っていない中で、3月17日、23日の議事録が先に公開されている理由は何でしょう?」

記録部「23日は(籠池氏の)証人喚問が行われた日で、世間の注目も高いといいますか、そういった理由で優先させました。17日も証人出頭要求に関する件ですので、合わせて優先したということです」

▲衆院予算委員会の議事録(12~16号)が2月14日から3月17日まで空白になっている。

自衛隊の日報、国有地売却の交渉記録、安保法案強行採決の「議事録改竄」…国民を「疑心暗鬼」にさせてきた政権与党の「前科」

 衆参両院の説明をまとめると、予算委員会は他の委員会よりも1日の審議時間が長く、かつ集中的に連日開かれていたため、議事録の作成・公開には時間がかかる。よって今国会だけが例外ではない、というものだ。

 国会側は森友学園の問題を隠したいという意図はないと主張しており、実際に「国会会議録システム」で、試しに「森友学園」と検索すると、財務金融委員会を筆頭に、衆参の予算委員会(証人喚問の日を除く)以外の様々な委員会の議事録が49件ヒットし、いずれも閲覧できるようになっている。

▲「森友学園」で検索するとヒットする各委員会の議事録一覧

 予算委員会に関する記録も今後、順次公開されるという説明をひとまずは受け入れたいとは思う(もちろん、今後公開が遅れるようであれば、督促をしてゆく)が、「国家による議事録の隠蔽が行われているのではないか」と人々を疑心暗鬼にさせるだけのことを安倍政権がしてきたことは、忘れるわけにいかない。

 防衛省は南スーダンに派遣中の自衛隊PKO部隊の日報について、当初は「破棄した」と説明したが、後になって保管していたことを認めた。現在国会で紛糾している「森友学園」問題では、国有地売却をめぐる交渉記録をはじめとするあらゆる文書や資料を「破棄した」と白を切っている。

 2015年9月には安保法案が参院で強行採決されたが、参院事務局が作成した議事録の未定稿版では、「速記中止」「発言する者多く、議場騒然、聴取不能」と記されていたが、決定版の議事録では「速記を開始」「質疑を終局した後、いずれも可決すべきものと決定した」などの文言が付け加えられていた。

 参議院平和安全特別委員会が開催した地方公聴会で公述人を務めた水上貴央弁護士は、安保法案が強行採決されたときの議事録について、「実態と大きく異なるという意味で議事録は『改竄』されたといえる」と指摘している。

▲安保法案強行採決時の参議院公式議事録(マーキングはIWJ)

 今回の「議事録」隠蔽騒動の真相は、今後の推移を見守りつつ、見極めたいが、安倍総理率いる政権与党は、まずは度外れた国会軽視をやめ、野党の質問にまともに答弁し、必要な参考人や承認は国会に呼び、情報公開に対し後ろ向きな姿勢を正すべきである。

 国会は国権の最高機関であり、主権者は国民なのであって、安倍晋三氏が、独善的な権力者であってはならない。

▲2016年10月に現地視察した稲田朋美防衛相が、「ジュバの中の状況は落ち着いている」と述べた後に示された、『防衛大臣現地状況報告』より

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