情勢が見え始めた野党共闘の行方!野党はまだまだ自公政権を脅かせない!だったらデンバー・ブロンコスのような攻撃的なディフェンスを! 2016.2.14

記事公開日:2016.2.14 テキスト
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※日刊IWJガイド2016.2.14日号~No.1248号~より抜粋

 グッモーニン!原です。スーパーボウルはデンバー・ブロンコスが優勝しましたね。個人的には爆発的な攻撃力を誇ったパンサーズが勝つと思っていたのですが…まさか止め切るとは…やりやがったな、ボン・ミラー!

▲スーパーボウル50でMVPに選ばれたデンバー・ブロンコスのラインバッカー・ボン・ミラー(Wikimedia Commonsより)

 ハーフタイムショーでは、ビヨンセが黒人人権の重要性を強調する新曲「フォーメーション」を披露。この曲のミュージックビデオは、黒人少年が暴動鎮圧用の装備で立ち並ぶ警官隊の前で踊ったのちに手を上げて立ち止まり、そして「撃つのはやめて」と落書きされた壁が画面に映る・・・といった調子で、「反差別」のメッセージがふんだんに盛り込まれています。警官が丸腰の黒人を射殺するという事件が頻発していたことへの痛烈な批判ですよね。

 素晴らしいパフォーマンスが拍手喝采を浴びた一方で、ワシントンのホテルで会合を開いていた全米保安官協会の会員らは、ビヨンセのパフォーマンスを見るだにテレビの音量を落とし、背を向けたとフェイスブックで明らかにしているようです。また、このパフォーマンスが「ヘイト・スピーチ」であり、逆に「人種差別」であるとして、ビヨンセに対する抗議行動も呼びかけられているとか。いやいや・・・日本でも、ネトウヨの皆さんを中心として「差別者を差別するな!」という謎の言説がまかり通っていますが、米国にも日本同様、こうしたネトウヨ的思考を持つ人たちが一定層いるようです。負けるなビヨンセ!今までもこれからも、ずっと好きですよ!

 話をスーパーボウルに戻します。と言っても、僕も全部は視聴できていないのですが、ブロンコスのディフェンスはマジすごかった・・・。ラッシュの連続で何度もサックを食らわせ、パンサーズの攻撃をことごとく食い止めました。アメフトでは、「インターセプトはタッチダウン2発分」とも言われますが、それくらい守備が生み出す攻撃性には、重い価値が置かれていますので、防戦一方の野党もそろそろ攻撃的なディフェンスに出てほしいな、と思います。

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山形で野党共闘なるか!?元「みどりの風」舟山康江さんに維新の党が推薦決定

 熊本では全国に先駆けて野党共闘が実現し、市民連合がこれを後押ししました。そこで今度は山形でも動きが。維新の党が今月9日、参院選山形選挙区に無所属で立候補する元参院議員舟山康江さん(民主・社民推薦)の推薦を決定。山形選挙区では、共産党も独自候補を決定していますが、民主、維新、社民がともに推薦を出した今、候補者を自主的に降ろす可能性は高いと思われます。

 自民党は、元全農山形県本部副本部長の月野薫さんを擁立すると発表しています。JA出身者を立てたというのは、TPPへの署名が農家の反感を買っていることを理解しているからです。しかし、ここで農家の票が割れればおもしろいことになりそうです。2013年の参院選で、舟山さんは252040票を獲得するも、約2万票差で敗北。次点の共産党候補者が33000票を集めていたので、一本化し、JA票が割れれば、夏の参院選は舟山さんが制する可能性が十分にあります。

 舟山さんは、野田政権執行部が自公幹部と「密室談合」を重ね、消費増税や原発政策などの重要政策を非・民主的な手続きで、次々と決定することに憤り、谷岡郁子さん、行田邦子さんとともに民主党を離党。国民新党を離党した亀井亜紀子さんと4人で、脱原発、反TPPなどを掲げる新会派「みどりの風」を結成しました。しかし2013年の参院選で惨敗し、解散。脱原発や反TPPなど、政策面が素晴らしかっただけに落胆された方も多かったかと思います。

 「みどりの風」の皆さんには、岩上さんもがっつりインタビューしていますし、IWJは党の記者会見なども取材・中継してきましたので、ぜひご視聴ください!

北海道5区補選では、民主党推薦の新人・池田真紀氏で野党一本化が実現する見通し

 さらに4月に迫った、夏の参院選の前哨戦となる北海道5区補選。「新党大地」の鈴木宗男代表が反共を掲げ、それまで徹底的に批判していた自民党の候補者の推薦を決定するなど、「タヌキ」っぷりを露呈し、野党共闘にケチがついた感がありました。

 が、一昨日になって、共産党がすでに公認した新人・橋本美香氏を取り下げ、民主党が推薦した新人・池田真紀氏で野党候補の一本化が実現する見通しが強まったとの報が。民主党本部と共産党中央委員会は、統一候補の擁立についての判断は各党の地方レベルの協議結果に委ねると決定。安保関連法廃止などを盛り込んだ協定書を結ぶ協議に入り、政策協定がまとまれば一本化する予定です。

 北海道5区は前回2014年の衆議院選挙で、故・町村信孝さん(自民)が約131000票を獲得して当選。2位の民主党候補・勝部賢志さんは約95000票だったので、35000票も差がついたことになりますが、3位の共産党候補・鈴木龍次さんが約31500獲得していたので、うまく野党票がまとまり、流れが作れれば自民党候補に勝利する可能性も全然あります。新党大地が自民党になびかなければ・・・と頭をよぎりますが、勝負は全然わかりません。要注目です。

不倫議員の辞職で急遽、京都3区で補選!野党に勝機アリも、民主党が独り歩き…?

 そしてここへきて、もうひとつ、「参院選の前哨戦」が急浮上。不倫議員として、一躍メジャー議員へと躍り出た自民党・宮崎謙介衆院議員。辞職を表明しましたが、3月15日までに辞職が認められれば、4月24日に京都3区の補選が実施されることになるのです。

 補選にあたって民主党は、前回、同区で落選し、比例復活した泉健太衆院議員を担ぎ出す意向を示しています。泉議員が出馬のために辞職した場合、民主党の比例代表近畿ブロック名簿で次点の北神圭朗元衆院議員が繰り上げ当選することになります。泉議員は前回2014年の衆院で54900票を獲得。不倫・宮崎議員に敗れたものの、わずか3500票差ですから、補選ではひっくり返すことができる、と踏んだのでしょう。

 しかし、対安倍政権の野党共闘がしきりに叫ばれている中、他の野党と調整もせずに、そろ〜っと議席を「プラス1」しようと画策する民主党に、「結局、自分たちのことしか考えていないのかよ」といった批判の声を上がっています。

 共産党も候補者擁立を検討しているようですが、民主が「どけどけ〜!」とばかりに独自路線を歩めば、やはり空気を読んだ共産党が候補者を降ろすと思われます。もちろん、野党票が割れるよりはいいのでしょうが、民主党は、共産党に背を向けつつ、「わかってるよな?大人な対応をしろよ?」と言わんばかりの、無言のメッセージをチラつかせているわけです。「いつもいつも、民主党は何様なんだ!」と言いたくなる皆さんの気持ちもわかります。

 ピンときていない方は、福山哲郎議員が市民の皆さんの前で演じた「KY(空気読めない)」ぶりをご覧ください。

 参院選までもう5カ月。ひとつひとつの選挙を、結果だけでなく、その過程も大切にしていかなければいけない時期にきています。まだまだ自民党には勝てそうにない情勢ですから、せめて攻撃的なディフェンスを大事にしていきましょう。IWJは熊本取材も行なったばかりで、取材費もかかっております。これからますます忙しくなりますので、どうかご支援のほど、よろしくお願いします!

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