【IWJウィークリー8号】矛盾だらけの「新規性基準」/「テロ阻止」の名目で「正当化」されるNSAのスヌーピング(ePub版・PDF版を発行しました) 2013.6.23

記事公開日:2013.6.23 テキスト独自
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┏━━━もくじ━━━━━━━━━━━━━

■【岩上安身のニュースのトリセツ】

■【参院選へ向けて】
┃~IWJ選挙報道プロジェクトのお知らせ

■【ニュース STF 〜Saturday to Friday 6月15日(土)~21日(金)】
<15日 土曜日>
┃・大飯原発現地調査、植草一秀氏講演
<16日 日曜日>
┃・「内部被曝研究会」の研究報告会など
<17日 月曜日>
┃・政府TPP説明会、孫崎享氏インタビュー、生活の党会見など
<18日 火曜日>
┃・自民党改憲案についての鼎談13弾、歴史認識院内集会など
<19日 水曜日>
┃・「新規制基準決定」についての規制委会見と抗議行動、元米国連邦下院議長講演会
<20日 木曜日>
┃・原発輸入国インド・トルコ現地からの声、大飯評価会合、福島県双葉町被災者100名国会議員に申し入れ
<21日 金曜日>
┃・臼杵陽氏インタビュー、井戸川前双葉町長出馬会見、「子ども・被災者支援法」院内集会

■【エッセイ】
┃・見上げた世界~ハネムーンでケニアに行ってきた!後編(阿部光平)
┃・【特別寄稿】アフリカは本当に「希望の大陸」なのか?~「資源の呪い」に振り回される現地の市民~(米川正子 立教大学特任准教授・人道支援家)

■【大好評連載】
┃・おいでませ!長州へ!~IWJ的山口ナビ第2回 光市編(後編)(松戸鳴矢)
┃・阿曽山大噴火「日刊東京地裁新聞」

■【TPP大学教員特別寄稿!】
┃・TPPの本質について(九州大学 河原林 裕教授)
┃・中小企業関連の団体はTPPにどう対処しているのか(法政大学 相田 利雄名誉教授 )
┃・公教育を解体に導くTPP(奈良教育大学 井深雄二教授)

■【ご献本ありがとうございます!のコーナー】

■【特別企画】
┃・岩上安身の「健康への再挑戦!」第6回

■【編集長編集後記】
┃(編集長:岩上安身・今週のデスク:佐々木隼也)

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岩上安身のニュースのトリセツ

矛盾だらけの原発新規制基準

 国家を人間にたとえたら、政府は脳に相当するはずですが、今の日本政府を見ていると、脳の中枢が日々統御不能になって、まったく合理性のない決断を下し、理解しがたいバラバラの行動に踏み出しているように思えてなりません。認知機能に重篤な障害を生じているのではないか。事はかなり深刻です。

 6月19日、原子力規制委員会(以下、規制委)は、原発の廃炉と再稼働を選別する「新規制基準」を正式に決定しました。規制委の田中俊一委員長は「福島第一原発事故をふまえ、重大事故や津波や航空機テロなどへの安全対策を大幅に強化した」と強調し、「世界一厳しい基準ができた」と語りました。

 しかし、安全性や様々なリスク、基準決定に至るプロセスをみると、とても「厳しい基準」とは思えません。1700ページにも及ぶ新規制基準の全文はまだ公開されていませんが、骨子は以下のようなポイントが盛り込まれています。

・フィルター付きベントの設置
・事故時に原子炉を冷却するための、電源車や消防車を配備
・免震機能を持つ緊急時制御室の設置
・最大級の津波を想定
・浸水を防ぐための防潮堤や水密扉の設置
・航空機テロ対策として緊急時制御室を設置
・活断層の真上に原子炉建屋などの設置禁止
・サイバーテロ対策
など

 この骨子をみると確かに、「福島第一原発事故を教訓に安全性を強化した」と言えるもののように思えます。しかし、その細部に目を向けると、様々な問題点が浮かび上がってきます。

 新規制基準では、中央制御室が破壊されても、原子炉の冷却を遠隔で操作できる「緊急時制御室」の設置を義務付けているのですが、その設置までには5年の猶予期間を認めています。「緊急時制御室」のような大規模な施設の設置には時間がかかります。そうした「電力会社の事情」に配慮した「甘い基準」になっているのです。

 また、原発の寿命(廃炉までの稼働期間)を40年に制限したものの、機器の検査を厳格化した「特別点検」を実施すれば、一回に限り最大20年間の延長を認める例外が盛り込まれています。

 こうした、欠陥だらけの新規制基準に対して、市民からの抗議の声は日に日に強まっています。「原子力規制を監視する市民の会」(以下、市民の会)は、6月19日、この基準に対する抗議声明を発表しました。

 市民の会は抗議声明で、そもそも新規制基準の決定プロセスそのものに問題があると指摘しています。新規制基準の検討チームには、原発に対して慎重な意見をもつ専門家は加わっておらず、意見は電力会社から聞くだけで、立地地域住民や、福島原発事故の被災者の意見を聞くことをしなかったのです。

(…サポート会員ページにつづく)

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