【岩上安身のツイ録】くだらない選挙など一つもない。くだらないのは「積極的棄権」を唱える東浩紀である! 利敵行為に騙されないように。今我々に必要なのは、「積極的投票促進主義」!! 2017.10.15

記事公開日:2017.10.16 テキスト
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(岩上安身)

 あの東浩紀が、インターネット上で今回の衆院選の「積極的棄権」への賛同の署名集めをしているという。

 くだらない選挙など一つもない。しかし東浩紀は、本当にくだらない。毎度、この手の言い訳を交え、ごまかしながら人を誘導する。何度も同じ手口が通用すると思っているアホさ加減。

 「東浩紀はくだらない。だから読む必要はない」という命題は成り立つ。だが、東がいうような「この選挙はくだらない。だから棄権しよう」は命題として成り立たない。いかなる選挙もくだらなくはないからである。

 くだらない総理が解散を宣言したり、もりかけ隠しのくだらない動機が隠されていたり、くだらない候補が比例一位にランクされていること自体は、くだらない。が、それと選挙それ自体の価値は別のことだ。選挙は常に重大な影響力を及ぼす。ゆえに価値がある。

 選挙は、価値があり、かつ侮れば、怖い結果をも招く。なめては決していけない。我々が、東浩紀のような人間のくだらない話を真に受けて、うっかり自分の一票を投じなかったりしたら、選挙のもたらす結果がくだらないどころか、恐ろしいものにもなりうる。

 繰り返すが、選挙そのものは決してくだらなくはない。選挙を巡って、くだらないことが起きているのであり、ここを混同すべきではない。くだらない奴のそそのかしで本当に選挙に行かなかったら、くだらない奴がますますはびこり、くだらない暴挙がまた増えるだろう。

 前出の「東浩紀はくだらないから、読むのをやめる」を実践しても、何も困ることは起こらないし、他人に対しても、困らせることになったり、迷惑をかけたりすることもない。しかし選挙は違う。選挙に参加しないことで、自分だけでなく、他の多くの人にも迷惑がかかる。

 積極的棄権の結果がいかに自民党を利するかについて、2000年に当時の首相だった森喜朗氏が口を滑らせた「本音」をここに記しておく。

 「無党派層が寝て過ごした」末に何が起きるか、早稲田大学法学部教授の守中高明氏が「投票行動は『緊急事態条項』新設による独裁か、デモクラシーかの選択そのもの」と、簡潔に説明してくれている。全く正論である。

 そして「緊急事態条項」。今回自民党は公約で「緊急事態条項」を「緊急事態対応」と、姑息にも名称を微妙に変えながら、執拗にしのびこませている。

 そう、このペテンこそ、自民党の本質である。保険の契約をする際、約款に一番小さな字で書いてある項目が最も重要なのと同じ。自民党の公約の最も小さな文字で書いてある箇所こそ、最も重要。緊急事態条項は永久独裁条項である。

 東浩紀は、森喜朗の言ったことを、ペテン師の手口でやろうとしているだけ。目指していることは同じ。投票率を下げれば、組織票を動員している自民党が有利になる。そこへ誘導しようとしていることは同じ。森のようにストレートでない分、手口は悪質かつ卑劣。

 僕を含めた、すべての「こんな人たち」、投票に行こう。投票に行こうと身近な人に呼びかけ、積極的に投票を促そう。「積極的棄権主義」というあざといまやかし、利敵行為に騙されないように。我々に必要なのは、「積極的投票促進主義」!!

※2017年10月13~15日付けのツイート等を並べ、加筆して掲載しています。

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