【IWJ・争点山盛り選挙日報19】小沢王国の斜陽? 政界のドンの未来はいかに?~12月6日の動き まとめ 2014.12.7

記事公開日:2014.12.7 テキスト
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投開票まで:残り8日

拡がる「小沢包囲網」――王国をめぐる攻防戦

 11月6日、生活の党の小沢一郎代表は、自身のお膝元・岩手4区に入り、計30カ所で街頭演説した。続く7日とあわせて2日間「選挙期間中に地元に入るのは三十数年ぶり」(地元後援会関係者)と言われ、小沢氏にとってきわめて異例の事態といえる。

▲写真は、12月2日に行われたJA北魚沼入広瀬支店前 (新潟県魚沼市)での第一声を上げる小沢代表

 また、当選回数は15回を数える小沢氏だが、今回は初めての小選挙区・比例代表重複立候補をしており、同区で自民党前職との接戦が予想される緊張戦が展開されている。

 小沢氏は6日午前、生まれ育った岩手県奥州市の市役所支所前で遊説をスタート。百数十人の支持者に「自民党政治をもう一度変えるため、変わらぬ支援をお願いしたい」と呼び掛け、握手して回った。聴衆の男性(32)は「今回の選挙は力を入れているのが伝わった」と話した。(12月6日 産経デジタル「衆院選 生活・小沢代表が地元入り、30年ぶり本格遊説」)

 小沢氏に対抗する候補者は藤原崇元参院議員秘書(自民党)、高橋綱記元旧花巻市議会議員(共産党)の2名。小沢氏の実に四半世紀にも及ぶ権力基盤たる王国の牙城を崩す包囲網が着々と張り巡らされている。

 生活の党の小沢一郎代表(72)が16選を目指す衆院選岩手4区で、「反小沢」を公言する非自民県議団が比例東北自民党前議員の藤原崇候補(31)を支援している。来年の知事選も視野に入れ、県政界を「脱小沢」へ転換する意図だ。旗印は「岩手の政治を変える」。小沢王国の岩盤にくさびを打ち込もうと、遊撃戦を展開している。無所属県議でつくる県議会第2会派「いわて県民クラブ」の小田島峰雄代表は2日、藤原陣営の第一声に駆け付けた。

 「4区は長いことお一人の方に支配されてきた。私も支えてきたが、これまで通りでいいのか。政治風土を変えなければならない」

 旧東和町長から民主党県議になり、小沢氏と行動を共にした。民主党分裂でたもとを分かち、昨年秋に離党。自民陣営を応援するのは初めてだ。

 「自民が良いわけではなく、小沢支配を変えたい」と小田島氏。県民クラブ9人のうち5人が連日、4区に入る。3人はかつて小沢系。自身の支持者を回ったり、個人演説会に出向いたりして「脱小沢」を訴える。

 その一人、渡辺幸貫県議は小沢氏と後援会が重なるが「覚悟を決めた」と言う。「農業に厳しい自民党は嫌いだが、藤原君は農家の苦しみを知る男だ」と応援する。(12月6日 河北新報 <衆院選>「脱小沢」へ元系列県議ら自民支援」)

 「王国の落日」を伝え、引退を噂される小沢氏。「政界の父」田中角栄の教えを受けた自民党のかつてのドンが窮地に立たされている。旧態依然の象徴として自民、非自民からの攻勢を受け、苦戦を強いられる小沢氏に未来はあるのだろうか。

 自民党圧勝の予想が流れる中、投開票は8日後に迫り、各候補者は全国で支持を訴えている。

 IWJでは投開票の様子を、全国各地から中継。その後も、可能な限り、今回の選挙戦を可視化するので、ぜひ、ご覧ください。

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