増設/高性能ALPSは10月に稼働する前提~東電定例会見 2014.4.4

記事公開日:2014.4.4取材地:
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 2014年4月4日17時30分から、東京電力本店で定例記者会見が開かれた。汚染水貯蔵タンク増設計画、貯蔵水容量のシミュレーション結果が公表され、2014年10月に増設/高性能ALPSが稼働する前提で容量に不足はないことが報告された。

■全編動画

  • 日時 2014年4月4日 17:30~
  • 場所 東京電力本店(東京都千代田区)

1号機格納容器内温度計の一つが故障か?

 1号機格納容器内温度計の一つで、TE-1625T3と呼ばれるものの指示値が17.2℃から-20.0℃に低下したことが報告された。他の温度計、プラントパラメータに変化はなく、温度計センサーの故障も考えられるが、現在原因調査中だという。

 月例で報告されている「原子炉格納容器内温度計の信頼性評価」(至近は4月1日)によると、TE-1625T3は比較用の温度計となっており、温度監視そのものではない。

3号TB建屋1階西側の廊下で雨水による漏えい発生

 天井から雨水が漏えいし、漏えい検知器が動作したことが発表された。当時降雨量が23mm~36mmと高く、雨水の漏えいと判断している。

 漏えい水の分析結果は、Cs-134は8100Bq/L、Cs-137は22000Bq/L、全ベータ31000Bq/Lと高い。東電は、雨水が流れる間に、建屋内に付着した放射性物質が取り込まれたためと判断している。

モニタリングポストMP8で欠測

 No.8モニタリングポスト(MP8)で欠測が生じたことが発表された。測定データを無線で伝送していたが、伝送できなくなる故障が発生したため、その後、人が行って計測していたが、約1時間後に復旧しているという。なお、測定値や他のモニタリングポストに異常はない。

濾過水タンクNo.1の堰からあふれ、ノッチタンクにくみ上げ

 強い降雨の影響により、濾過水タンクNo.1の堰から雨水があふれ、4000トンがノッチタンクに移送されたことが発表された。濾過水タンクNo.1の水位に変化はなく、タンク内の水の漏えいはないと判断している。濾過水タンクNo.1には、地下貯水槽No.1に貯槽していた濃縮塩水が貯槽されている。

G5エリア、堰の工事中だが仮堰を越えてオーバーフロー、分析の結果は雨水

 G5エリアタンクではタンク堰の工事を行っているが、降雨の影響により、雨水が仮の堰を越えてあふれてしまった。分析の結果、Cs134、Cs137、Sr90はいずれも検出限界以下であり、雨水と判断している。

津波の影響により海水などの分析データはなし

 チリで発生した地震による津波の影響を考え、海岸付近での作業を中止していた。そのため、海水などのサンプリングは行っておらず、定例の分析結果の発表はなかった。

滞留水貯蔵タンクの増設計画

 東電は、汚染水貯蔵タンクの増設計画と、計画の妥当性を示すシミュレーション結果を原子力規制委員会に報告し、その内容が発表された。半年毎に計画を見直し、報告しているものである。

 現在タンク容量は約48.6万トンあり、そこに約44.6万トンの汚染水が貯蔵されている。今後、構内南側のJエリアに、溶接型の円筒タンクを設置するとともに、既存の角型タンクを円筒型タンクにリプレースし、総容量を増やしていく計画である。

 一方、シミュレーションでは、地下水バイパス実施、タンク堰の雨水は排水すること、ALPSが正常稼働し、2014年10月に増設ALPSおよび高性能ALPSが稼働することを想定した場合、タンク容量に余裕があることが示されている。

 このシミュレーション結果は、当面のタンク増設計画の妥当性を規制委に報告するためのものであり、実際に運用計画を示すものではないと東電は説明している。現行のALPSが未だ本稼働しない状態であることなど、今後タンク増設計画が見直される可能性もある。

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以下、東京電力ホームページより、リンクを表示

報道配布資料

2014年4月4日

2014年4月3日

プレスリリース

2014年4月4日

東北地方太平洋沖地震による当社原子力発電所への影響

道関係各位一斉メール

2014年4月4日

写真・動画集

2014年4月4日

お知らせ

2014年4月4日

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