15日、日本新聞協会は、新聞、書籍、雑誌、電子媒体に対して消費税の軽減税率適用を求める声明を発表した。声明は、新聞が「民主主義社会の健全な発展と国民生活の向上に大きく寄与している」と指摘。「欧州各国では、民主主義を支える公共財として一定の要件を備えた新聞、書籍、雑誌にゼロ税率や軽減税率を適用し」ていることを理由として挙げた。
(平山茂樹、大西雅明、安斎さや香)
特集 天下の愚策 消費税増税
15日、日本新聞協会は、新聞、書籍、雑誌、電子媒体に対して消費税の軽減税率適用を求める声明を発表した。声明は、新聞が「民主主義社会の健全な発展と国民生活の向上に大きく寄与している」と指摘。「欧州各国では、民主主義を支える公共財として一定の要件を備えた新聞、書籍、雑誌にゼロ税率や軽減税率を適用し」ていることを理由として挙げた。
IWJは、この声明に対する認識について、新聞協会に加盟している新聞社とテレビ局大手各社に対し、独自に取材を行った。新聞社については、大手6社の朝日新聞・産経新聞・東京新聞・日本経済新聞・毎日新聞・読売新聞(五十音順)に取材。うち、朝日新聞・東京新聞・日本経済新聞・毎日新聞・読売新聞の5社から回答を得た。いずれも、声明通りの軽減税率を求める、というもの。産経新聞については、現在、回答待ちの状況である。
テレビ局については、NHK、TBS、テレビ朝日、テレビ東京、日本テレビ、フジテレビ(五十音順)にそれぞれ取材。NHKは「今後対応することと考えている」と回答。TBSと日本テレビは、担当者不在を理由に回答がなかった。テレビ朝日、テレビ東京、フジテレビは、「声明についてコメントしない」と回答した。
新聞社各社は、東京新聞を除き、これまで消費税増税を肯定的に主張してきた。にも関わらず、新聞に軽減税率を求めるというのは、自らの業界の既得権を守ろうとしていると批判されても致し方ないのではないか。ましてや、「民主主義を支える公共財」を称するとは、あまりに厚顔無恥な振る舞いではないか。そもそも、「公共財」を名乗る以上、IWJをはじめとする独立系メディアやフリーランスの記者に対して、記者会見をフルオープンにすべきではないだろうか。
テレビ局がこの件に関してコメントを避けるのも、大手新聞社との間に波風を立てたくないからだと思われる。記者クラブは、新聞社とテレビ局との間に結ばれる強固な一体感に支配されている。この一体感こそが、フリーランスの記者を排除し、多様な言論空間を失わせ、メディアスクラムを生む原因となる。
IWJはこれまで、陸山会事件や先日の衆院選における「生活」隠しなど、大手メディアの世論誘導的な報道姿勢を厳しく追及してきた。「メディアを批判するメディア」の存在が許されるような空間こそが、「公共財」ではないだろうか。
電通が金の力をフル活用して、言論空間を歪め、貧弱なものにしている。取材をUstream、youtubeで公開してください。可視化こそが、日本の歪んだメディア空間を主権者国民に知らせる手段だと思います。