【IWJウィークリー10号】(ePub版・PDF版を発行しました) 2013.7.14

記事公開日:2013.7.14 テキスト独自
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■【岩上安身のニュースのトリセツ】

■【ニュース STF 〜Saturday to Friday 6月29日(土)~7月5日(金)】

<29日 土曜日>
|・トーク&パレード〈新規建設おことわり―上関から原発のない未来へ―〉
|・原発、憲法、生活保護、TPPがヤバい!それでも自民に入れちゃうの?デモ!!

<30日 日曜日>
|・新大久保での排外デモとそれに対する抗議
|・どんぐりと民主主義 4回目シンポジウム「地方分権と民主主義」
|・第10回「慰安婦」問題とジェンダー平等ゼミナール 中塚明氏講演

<1日 月曜日>
|・「本当の事を言って、何か不都合でも?」 -山本太郎が学んじゃうよ- vol.6 ゲスト 岩上安身
|・立憲主義から憲法を考える7・1集会 樋口陽一氏・村山富市元首相講演

<2日 火曜日>
|・東京電力 臨時記者会見

<3日 水曜日>
|・原子力規制委員会 田中俊一委員長 定例会見
|・FCCJ主催 石破茂 自由民主党 幹事長 記者会見
|・東京電力 福島第一安定化センター所長、福島第一原子力発電所超、福島第二原子力発電所長 記者会見

<4日 木曜日>
|・安冨先生の授業

<5日 金曜日>
|・第2次TPP影響試算の結果発表 記者会見
|・新潟県泉田裕彦知事と東京電力廣瀬直己社長の面会

■【特集2013参議院選挙 IWJ選挙報道プロジェクト 第1週】

■【大好評連載】
|・阿曽山大噴火「日刊東京地裁新聞」

■【編集長編集後記】
|(編集長:岩上安身・今週のデスク:平山茂樹)

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岩上安身のニュースのトリセツ

参院選、真の争点は、「一部の特権者の金と権力」か「基本的人権」か

 参院選が、7月4日に公示されました。

 各紙の世論調査を見ると、自民・公明の政権与党に多くの支持が集まっていることが分かります。大きく水を開けられつつも、それに続くのが民主、みんな、維新の各党です。生活、社民、みどりの風といった、「中道リベラル」政党への支持率は、1%にも満たないというのが現状です。自民・公明の政権与党が、圧倒的勝利をおさめるであろうことは、ほぼ動かしがたい趨勢であるようです。

 大手メディアは、一様に「争点が見えにくい選挙」と報じています。

 しかし、選挙である以上、争点が存在することは言うまでもありません。否、今回の選挙ほど、深刻な争点が山盛りな選挙はかつてなかったかもしれません。原発の再稼動、TPP、若年層の雇用、外交・安全保障、歴史認識など、上げれば枚挙にいとまがありません。「争点が見えにくい」などという大手メディアのオトボケを真に受けている場合ではないのです。

 これらの争点に関する各党の公約は、本号の「特集・2013参議院総選挙 IWJ選挙報道プロジェクト」のコーナーで、徹底的に比較・分析を行っています。公約の具体的な文言については、まずはそちらをご覧いただければと思います。

 争点は山盛りで、雑然としているように見えますが、よくよく見ると、これらの争点を貫いているひとつの対立軸が浮かび上がってきます。

それは、ひと握りの特権層だけが利益を得る社会を作るのか、それとも、それぞれの国民の基本的人権、ひいてはその基幹である「いのち」を大切にする社会を作るのか、という対立軸です。

 エマニュエル・カントという哲学者は、「他者を、単に手段として扱ってはならず、同時に目的として扱わねばならない」という言葉を残しています。

 個々の争点を一つひとつ丁寧に比較していくと、現在、参院選での圧勝が予想されている自民党の公約が、カントが言う「他者を、単に手段として扱う」方向を向いていることが分かります。

 国民一人ひとりが、自由に職業を選択し(自由権)、あらゆる種類の差別を受けず(平等権)、人間らしい最低限の生活を保障される(社会権)、という「基本的人権」の考え方の枠組みを無視し、大多数の国民を、一部の大企業や富裕層が利益を得るための、「手段」や「資源」に過ぎないと見なしている、ということです。

 そもそも、現代の日本に、「基本的人権」という考えは定着しているのでしょうか。

 6月18日、国連拷問禁止委員会の場で、こともあろうに「人道人権大使」の任にある上田秀明氏が、「シャラップ!」などという暴言を吐きました。「黙れ!」とは、他人を見下した「命令」であって、公の場で、同等の立場にある各国の代表や市民に対して、使われるべき言葉ではありません。他国の委員のひとりから、日本の刑事司法が容疑者の基本的人権をいかに踏みにじるものであるか批判され、その弁明の際に自ら場内の失笑を買ったあげく、「逆ギレ」して怒鳴ったのでした。日本の官僚がいかに傲慢で、他者を見下しているかが分かる事例です。

  日本国憲法の基本原理は、「平和主義」「国民主権」、そして「基本的人権の尊重」です。しかし、日本ははたして、基本的人権を尊重してきた国なのでしょうか。実のところ、ともすれば、基本的人権がないがしろにされてきた国ではないでしょうか。

 「一部の特権者の金と権力」を選ぶのか、それとも「基本的人権」に立ち返るのか。今回の参院選で、私たち有権者に突きつけられているのは、このような選択肢ではないでしょうか。

(…サポート会員ページにつづく)

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