岩上安身です。いつもIWJをご支援いただき、本当にありがとうございます。この度は大切なお知らせをさせていただきます。
会費やカンパ、ご寄付にてご支援いただいている皆様、平素よりIWJの取材活動にご声援いただき、また様々な機会にご協力いただいている皆様に、2014年度(2013年11月1日~2014年10月31日)の決算収支をご報告させていただきます。
2014年度の決算では、消費税増税後の景気の冷え込みが大きく影響し、会員数も微減、ご寄付・カンパも減少して、苦しい状態の中、推移しました。退会される方々からも、「本当に申し訳ないけれど、生活が厳しくて続けられない。心の中で応援し続けます」と言ったメールをしばしばいただきました。悪政のおかげで、皆様の家計も相当に厳しかったことだろうと拝察いたします。
おそらく今期は赤字は免れないだろうと覚悟し、折々、皆様にもその窮状はお伝えしてまいりました。
しかし、厳しい状況下でも、皆様から、IWJには潰れてもらっては困る、ぜひ続けてくれ、という励ましのお便りやご支援もいただき、私自身も、役員報酬の中から250万円を個人としてIWJへ寄付して、最終的には損益19万円とぎりぎりの黒字とすることができました。
2013年度(2012年11月1日〜2013年10月31日)の決算では残念ながら、IWJの創立以来、初の赤字(421万円)を記録しておりました。2014年度は、前述の通り、消費税増税の影響も色濃く、配信規模の縮小や人件費の削減などを迫られた苦しい苦しい一年でした。
それでも、最終的にはわずかながらでも黒字にすることができたのは、皆様からのご支援の賜物に他なりません。改めて御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
人員を縮小するなどの削減策をとったため、配信本数は一時的には3分の2程度に減らしましたが、悪政の時ほど、我々の仕事は増えてしまいます。
急激な情勢変化の波は待ってはくれず、参院選で過半数を得た自民・公明与党は憲法改正に突き進みはじめ、沖縄の普天間基地の辺野古移設問題では仲井眞知事(当時)が工事を了承、東京都知事選挙では自公が推す舛添要一氏が当選するなど、安倍政権が勢いづいた年でもありました。
そして、その圧倒的な支持率と大手メディアの礼讃体制を背に、安倍政権は7月1日、解釈改憲による集団的自衛権の行使容認を閣議決定するという、歴史的暴挙に出ました。
世界に目を向ければ、ウクライナでは極右のネオナチ勢力によるクーデターが勃発し、中東ではイスラエルがパレスチナのガザ地区を攻撃、混迷するシリア・イラクでは「イスラム国(IS)」が台頭しました。これらは対岸の火事ではもはやなく、集団的自衛権の行使容認によって、日本が積極的に関わっていく可能性を孕んだ事態です。
これらのテーマを黙って見過ごすわけにはいきません。IWJは、配信規模の縮小や人件費の削減に迫られ、財政が逼迫しながらも、伝えるべきこれらすべてを、全力で追いかけ取材し、可視化しました。
こうした姿勢に共感していただいた多くの皆様のご支援によって、絶望的だった収支は、結果的にはぎりぎりで赤字を回避することができました。ご支援いただいたサポーター、会員の皆様、ご寄付やカンパで支えてくれた皆様、本当にありがとうございます。
本来であれば、この2014年度の決算収支は、もっと早いうちに皆様にご報告できるはずでした。しかし、10月の沖縄県知事選や年末の衆院選、11月には川内原発の鹿児島県知事による再稼働容認など、緊急かつ重要な動きが重なり、そちらに注力せざるを得なくなりました。また今年に入ってからは2月に私が心臓の発作に倒れ、文字通り身動きが取れない状況が続いてしまいました。
ご報告が遅れてしまったこと、深くお詫び申し上げます。
この数ヶ月は、首から常にニトログリセリンをぶら下げ、医者と、自身の身体と相談しながら、仕事の最前線に立ち続けています。紛糾する安保法制国会など緊急事態が続いていますが、遅れてしまった決算報告を急ぎ皆様にお伝えすべく、経理・事務スタッフと体制を立て直し、やっと今回のご報告となりました。
今年度からはIWJの決算期末を7月末に繰り上げしましたので、2015年度の決算収支も、近くご報告できるかと思います。
会員の数は5000人を行ったり来たりの状況で、いまだに安定的な経営状態とは言えませんが、昨年以上に問題が山積しているなかで、これまで以上に心折れることなく、志を貫いてまいりたいと思います。
どうぞ、皆様には、今期も、来期も、その先も、末長く、倍旧のご支援を賜りますよう、私およびIWJスタッフ一同、心より、お願い申し上げます。
皆様、第四期はありがとうございました。そしてこれからも、どうぞよろしくお願いいたします。
岩上安身 拝
以下、経理部マネージャーの田中美和子から、ご報告をいたします。内容はすべて税理士法人西川会計事務所の監査を経たものです。
以下、会費やご寄付・カンパにてご支援いただいている皆様に、第四期(2013年11月1日~2014年10月31日)の決算収支をご報告させていただきます。
IWJは2010年12月に創立し、皆様方からの厚いご支援により第一期~第二期は順調に成長、その配信規模を拡大することができました。
しかし第三期の決算は、会員様数の伸び悩みやご寄附・カンパの大幅な減少(前年度比52%ダウン)、またWEBのバージョンアップや必要最低限の機材購入など支出の増加から、収入1億1,217万円-支出1億1,638万円=損益△421万円となり、残念ながら初の赤字を記録することになりました。これは既にご報告また緊急のご支援を呼びかけさせていただきましたとおりです。
第四期につきましては、おかげさまで会費やご寄附・カンパ共に増額いただき(前年度比15.8%増)、また役員からもカンパを受け入れたことで、収入1億2,304万円-支出1億2,286万円=損益19万円と、ぎりぎりの黒字とすることができました。
支出につきましては前年度かなり削減していることからそれ以上の削減は難しいため、やむを得ず役員報酬を約40%カットしております。
詳細は以下の様になっております。これは税理士法人西川会計の監査を受けたものです。
第四期 実績 (単位:千円) ※当社は税抜き方式を採用しております。
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収入
会費 74,207
カンパ 36,413
物販・イベント 9,053
その他雑収入 862
役員からのカンパ 2,527
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収入合計 123,065
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支出
取材経費 7,134
物販仕入 2,875
役員報酬 2,100
スタッフ/外注 58,576
スタッフ/従業員 9,425
販売管理費計 42,399
その他雑損失 284
税金 70
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支出合計 122,867
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収入123,065 ― 支出122,867 = 当期純損益 198
販売管理費計 42,399千円 のうち主な支出項目 (単位:千円)
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地代家賃 6,724 (事務所の賃借料)
旅費交通費 4,110 (スタッフ交通費、取材等移動費)
支払手数料 3,888 (クレジット決済の利用手数料、各種手数料等)
備品リース料 4,494 (システムサーバー代等)
備品消耗品費 2,134 (機材、HDD購入代)
管理諸費 2,815 (システム利用料等、経理事務委託料)
減価償却費 2,800 (事務所の内装設備、機材等の減価償却分)
通信費 2,510 (携帯電話使用料、通信機器使用料)
保守料 2,090 (機材保守料、機材・車両修繕代)
新聞図書費 2,035 (書籍・雑誌購入代)
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※<アーカイブ保存・再アップ・プロジェクト>についてのご報告
2014年10月のUstreamによるアーカイブ映像の保存期間変更を受けて、急遽<アーカイブ保存・再アップ・プロジェクト>を立ち上げました。その際、呼びかけに応じて、本当にたくさんの方からご寄付を頂きました。あらためて厚くお礼申し上げます。
IWJでは、10月中にお寄せいただいたご寄付の内、当期11-9月の平均ご寄附額を超えた額を<アーカイブ保存・再アップ・プロジェクト>へのご寄附と判断し、プロジェクト運営資金として計上させて頂いております。
こちらにかかる、平成27年5月31日現在の収支状況を下記にご報告させていただきます。なお、このプロジェクトは現在進行中で、第四期決算収支には反映しておりません。
<アーカイブ保存・再アップ・プロジェクト>収支状況 (単位:千円)
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収入 カンパ 15,634
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支出 機材購入/サーバー追加費 1,051
臨時スタッフ/アルバイト 5,088
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支出合計 6,139
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収入15,634 ― 支出6,139 = 9,496 ※平成27年5月31日現在
こちらの収支は完了次第改めて収支報告をさせていただきます。
第四期も、おかげさまで数多くの素晴らしい専門家の方々による貴重なお話を「岩上安身によるインタビュー」として皆様へお届けすることが出来ました。また、全国各地で行われる講演や市民運動の取材、さらにはIWJ始まって以来の、台湾・ドイツなど海外での取材など、大変精力的に活動することが出来ました。これもひとえにご支援くださる皆様の支えがあってのことと感謝しております。
しかし運営資金は常にぎりぎりの状態。IWJは銀行等の融資を一切受けておりませんので、収入で足りない運転資金は岩上安身代表の個人会社である岩上安身事務所からの借り入れによってまかなっております。第三期の収支報告において「2014年10月末時点で2,729万円」とご報告しました借入残高は一部返済が進んではおりますが、2015年4月時点でまだ2,000万円残っています。
IWJでは設立当初より、岩上安身の活動にご賛同いただいた多くの方からの会費・ご寄附・カンパが、活動のための大きな収入源となっています。変わらぬご支援に感謝申し上げますとともに、出費雑端な折ではありますが今後も引き続きのご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
報道規制が日増しに強くなっていると感じられる現在も、IWJは「真実を伝えるメディア」として走り続けています。皆様の周りにIWJの活動をご存じない、会員登録されていない方がいらっしゃいましたら、是非とも一言、IWJのことをご紹介いただけますと幸いでございます。今後とも、IWJをどうぞよろしくお願いいたします。
(経理部マネージャー・田中美和子)
参考:過年度の収支報告
第一期収支報告(2012年4月21日発表)
→ http://iwj.co.jp/info/whatsnew/post/19932
第二期収支報告(2013年6月25日発表)
→ http://iwj.co.jp/info/whatsnew/post/19934
第三期収支報告(2014年5月29日発表)
→ http://iwj.co.jp/info/whatsnew/post/19919