日刊IWJガイド・非会員版「フジテレビの調査委員会は『第三者委員会』ではなく、『第三者「も」入る委員会』だった! トヨタ、日生、花王など3割のスポンサーを降板!」2025.1.21号~No.4434


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~はぁ? フジテレビの調査委員会は「第三者委員会」ではなく、「第三者『も』入る委員会」だった! トヨタ、日本生命、NTT東日本などに続き花王もスポンサー降板! 現時点で約3割のスポンサーが、ペン取材のみ、動画なしのクローズドな記者会見を見て、フジを見放す! 編成部部長A氏こと、中嶋優一プロデューサーの生態をお笑いコンビ「チョコレートプラネット」のツッコミ役、松尾駿さんがリアルな再現! フジテレビの現役看板アナ、宮司愛海アナウンサーが、番組内でまっとうな意見表明! 他方で、元フジテレビアナウンサーで同社顧問弁護士の菊間千乃氏の発言にSNSでブーメラン!

■IWJが2025年も活動を続けられますように、ご寄付・カンパによるご支援をよろしくお願いいたします! 1月は17日間で、32件、36万6000円のご寄付・カンパをいただきました。ありがとうございます! これは月間目標額の約10%に相当します。月間目標額の350万円には、あと90%、313万4000円が必要です。IWJの財政は大ピンチです! 11月からカンパの月間目標額を400万円から350万円に下げたのですが、8月からの今期第15期は、5ヶ月連続で未達です!「IWJしか報じていない情報」は激増中です!

■「IWJの存続を希望します」。ご寄付をくださった皆さまからの応援・激励メッセージに、岩上安身がご回答いたします!

■【中継番組表】

■<岩上安身による最新インタビュー報告!>激戦の地ドンバスまで足を運び、自分の目と耳で調査した「学者魂」の研究者に聞く! 第2次トランプ政権でウクライナ政策が見直される今だからこそ、日本も、2014年のユーロマイダン革命にまで立ち返って現在に至る経緯を検証する必要がある! 岩上安身によるインタビュー第1181回 ゲスト 東京大学法学部・松里公孝教授 第1部・第2回

■石破総理がインドネシアのプラボウォ大統領との首脳会談で、貧困対策としての学校給食の無料化プログラムへの支援を表明! 日本国内の学校給食無償化が進まず、日本の明日を担う子供達の飢えは放置されているのに、外国が先!? インドネシアの国家予算の1割に相当する4兆円の目玉事業への支援表明に、ネットでは批判が拡大!
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■はじめに~はぁ? フジテレビの調査委員会は「第三者委員会」ではなく、「第三者『も』入る委員会」だった! トヨタ、日本生命、NTT東日本などに続き花王もスポンサー降板! 現時点で約3割のスポンサーが、ペン取材のみ、動画なしのクローズドな記者会見を見て、フジを見放す! 編成部部長A氏こと、中嶋優一プロデューサーの生態をお笑いコンビ「チョコレートプラネット」のツッコミ役、松尾駿さんがリアルな再現! フジテレビの現役看板アナ、宮司愛海アナウンサーが、番組内でまっとうな意見表明! 他方で、元フジテレビアナウンサーで同社顧問弁護士の菊間千乃氏の発言にSNSでブーメラン!

 1月17日、フジテレビの港浩一社長が行った「記者クラブ以外の締め出し記者会見」で、言及した、「第三者委員会」の設置が、実は、「第三者の弁護士『も』入る調査委員会」に過ぎないことが明らかになりました!

 株式会社フジ・メディア・ホールディングスは、港社長の記者会見を受けて、「当社子会社に関する報道及び『グループ人権方針』の徹底について」という文書の中で、中居正広氏の性加害問題と、それを構造的に生み出したフジテレビの「性上納」疑惑の調査について、こう述べています。

 「今後、第三者である弁護士を中心とする調査委員会により調査及び検証を行い、調査結果を公表する予定です」。

※当社子会社に関する報道及び「グループ人権方針」の徹底について(株式会社フジ・メディア・ホールディングス、2025年1月17日)
https://www.fujimediahd.co.jp/pdf/DGENa2eJFp6VROlf.pdf

 よく読むと、「第三者である弁護士を中心とする調査委員会」であり、「第三者である弁護士による第三者委員会」を設置するとは言っていません。「第三者」以外で、「弁護士」以外の人物、フジの人間や、フジよりの意見を述べる子飼いの知識人などがメンバーに加わる可能性があるのです。

 非常に巧みな、まやかしです。

 設置するのは、実質的には、社内調査委員会に過ぎず、第三者の弁護士は、極端なことをいえば、お飾りの委員長として関与する程度の、骨抜き機関になり下がる可能性もあります。

 当然、このお飾りの弁護士も、社内調査委員会の委員とあうんの呼吸の人選になるでしょう。

 結局のところ、設置するのは、内輪の社内調査委員会に装飾をほどこしただけのものになる可能性があります。

 第三者委員会(Independent Third-Party Committee)とは、サードパーティ(社外)の独立委員会のことです。

 これは、特定の問題や疑惑について客観的かつ公正に調査、評価、または提言を行うために設置される、外部の専門家・関係者から構成される委員会を指します。

 一番の肝は、調査対象や依頼元のフジテレビと直接的な利害関係を持たない「外部」の委員で構成されるという点です。

 利害関係者である社員で構成されるのでは、客観的で公正な調査・評価・提言ができるはずがありません。

 このフジテレビの「第三者である弁護士を中心とする調査委員会」という発表は、ダルトン・インベストメンツの「私達は、外部の専門家による第3者委員会を直ちに設置し、事実関係を調査・解明し、二度と同様の事態が起こらないよう、改善策を提示することを要求します」という要求に応えているかのような素振りをした、計画的で、意図的な偽装工作であり、相当に、悪質です。これで、国内外の株主やスポンサーをだませると思っているのでしょう。とんでもない浅知恵です。

 調査のスタートからして、不誠実なのですから、結果が誠実になるはずがありません。

 視聴者、スポンサー、株主、監督官庁の総務省をなめ切った態度です。

 第三者委員会設置を要求したダルトン・インベストメンツも、納得するとは到底、思えません。

※ここから先は【会員版】となります。会員へのご登録はこちらからお願いいたします。ぜひ、新規の会員となって、あるいは休会している方は再開して、御覧になってください!

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■IWJが2025年も活動を続けられますように、ご寄付・カンパによるご支援をよろしくお願いいたします! 1月は17日間で、32件、36万6000円のご寄付・カンパをいただきました。ありがとうございます! これは月間目標額の約10%に相当します。月間目標額の350万円には、あと90%、313万4000円が必要です。IWJの財政は大ピンチです! 11月からカンパの月間目標額を400万円から350万円に下げたのですが、8月からの今期第15期は、5ヶ月連続で未達です!「IWJしか報じていない情報」は激増中です!

 いつもIWJをご支援いただきまして、誠にありがとうございます。

 1月は、1日から17日までの17日間で、32件、36万6000円のご寄付・カンパをいただきました。ありがとうございます! この額は、単独月間目標額350万円の10%にあたります。たいへん厳しい数字です。

 IWJの今期第15期は、6ヶ月目に入りました。8月からの今期第15期は、5ヶ月連続で未達です。

 11月からは、より一層、支出を絞り、ご寄付・カンパの月間目標額を400万円から350万円に下げることといたしました。目標額を下げても、目標額にはまったく手が届かないようならば、活動を続けてゆくことが困難になります!

 第15期が、赤字とならないようにするために、無料でご視聴の方は、有料会員登録と、緊急のご寄付・カンパによる、財政難のIWJへのご支援をよろしくお願い申し上げます!

 岩上安身は、コロナ後遺症と思われる体調不良から、養生しつつも、少しずつ回復しつつあります。11月、12月と、続々とインタビューを収録・配信しています! 全編視聴は、会員のみとなることが多いので、会員登録してご視聴ください!

 また、インタビューを、お見逃しになった方も、会員であれば2ヶ月間全編視聴が可能です!

 サポート会員ですと、過去のすべてのコンテンツについて、いつでも、いくつでも御覧になれます!

 皆さま、会員登録をよろしくお願いします!

※会員登録のご案内
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 12月末現在、IWJ会員の総数は2035人、このうちサポート会員の方は779人でした。ぜひとも、サポート会員様におかれましては、会員をそのままご継続いただき、一般会員様におかれましては、サポート会員へのアップグレードをお願いします! 会員総数が5000人、そのうちサポート会員が2000人いてくれたら、IWJの経営は格段に安定します!

 また、休会中の皆さまは、メールやお電話をいただければ、すぐに会員を再開できます。一度退会された方でも、会員番号は変わりませんので、改めて申し込みをいただくことで再び会員になっていただくことが可能です!

※会員の再開、新規会員登録はこちらからお願いします。
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 年会費をまとまってお支払いいただければ、12ヶ月中2ヶ月分がサービスとなります。即ち、一般会員が月1100円で、年間だとその12ヶ月分1万3200円のところ、一括払いなら、1万1000円(消費税込み)となります。

 同じくサポート会員が、1ヶ月3300円で、毎月支払ってゆくと、12ヶ月で3万9600円のところ、一括払いですと、3万3000円(消費税込み)ですみます! 2ヶ月分おトクです! ぜひ、ご検討ください!

※以下は、IWJの活動へのご寄付・カンパを取り扱っております金融機関名です(各金融機関ごとに口座名が非統一ですが、どれも、各銀行の仕様に従ったもので、間違いではありません)。どうぞ、ご支援のほどよろしくお願いします!

みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル

 IWJホームページからも、お振り込みいただけます。

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 どうぞ、皆さま、米国に操られたまま、無謀な戦争へと向かう日本の対米従属権力に対し、一切忖度しないで真実をお伝えしてゆく独立メディアIWJの活動をご支援ください!

 よろしくお願いします!

 岩上安身 拝

■「IWJの存続を希望します」。ご寄付をくださった皆さまからの応援・激励メッセージに、岩上安身がご回答いたします!

 IWJにご寄付をいただいた皆さまから、応援・激励のメッセージをいただきました。ありがとうございます! ここに感謝を込めてご紹介させていただき、岩上安身がご回答させていただきます!

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 IWJの存続を希望します。

(A.K. 様)

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A.K. 様

 ありがとうございます!

 企業は、その支援者、ユーザーあっての企業であると、フジテレビの事件を見ていて、つくづく思います。

 不祥事が起きても、経営陣を筆頭に、社会全体に、改めようという前向きな意志があり、支持される良質なコンテンツを生み出しているなら、「フジテレビ、つぶしてしまえ」「フジがなくなっても何も困らない」という声がネットやSNS上にあふれかえることはなかったでしょう。「立ち直ってほしい」という声が多かったはずです。

 IWJが、厳しい経営状況にある、と聞いても、IWJのコンテンツが支持されていなければ、ご寄付・カンパによるご支援をいただくことは、1円だってなかったでしょう。そう思うと、毎日毎日の、取材したり、資料を調査したり、記事を書いたり、インタビューをしたりという、日々の仕事のひとつひとつに、手を抜くことは許されない、という気持ちにもなります。

 フジテレビは、根本的に体質を変えてゆく必要があるとは思いますが、一朝一夕にできるものではなく、かつ、テレビ自体が斜陽のメディアであり、ネットにメディアの王様の座も奪われつつありますが、それでも、テレビならではの「長所」があるはずです。「メディアの王様」といううぬぼれを捨てて、コンパクトに再生の道を歩み始めれば、再生できないことはない、と思います。

 そうした新しいメディアを立ち上げるきっかけになるかどうか。

 それ次第で、この事件は将来につながる希望を生み出せるかもしれないと、膿を出して、出して、出しきったとしても新しいメディアのあり方を打ち出せなければ、やはりテレビの終わりは、早晩訪れざるをえないことでしょう。

岩上安身 拝

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◆中継番組表◆

**2025.1.21 Tue.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・Ch5】10:50メド~「村上誠一郎 総務大臣 定例会見」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch5

 村上誠一郎総務大臣による記者会見を中継します。これまでIWJが報じてきた総務大臣関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e7%b7%8f%e5%8b%99%e5%a4%a7%e8%87%a3

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◆中継番組表◆

**2025.1.22 Wed.**

調整中

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

激戦の地ドンバスまで足を運び、自分の目と耳で調査した「学者魂」の研究者に聞く! 第2次トランプ政権でウクライナ政策が見直される今だからこそ、日本も、2014年のユーロマイダン革命にまで立ち返って現在に至る経緯を検証する必要がある! 岩上安身によるインタビュー第1181回 ゲスト 東京大学法学部・松里公孝教授 第1部・第2回
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/526195

◆「2025年2月28日」まで、フルオープン! 動画をご視聴になり、記事をお読みになった方々は、ぜひ、この機会に会員登録をお願いします!◆

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米国政府と多国籍企業の意向・TPP条約で成立した種子法廃止法は、国民の食料への権利の侵害だと訴えた「種子法廃止等に関する違憲確認訴訟」の控訴審が結審し、来年2月の判決へ! 最終弁論で40分の意見陳述を行った山田正彦元農水相は、「米の供給不足が完全に解消されるなど、種子法制定当初における国家的要請への対応が完了した」との国側の主張に反論! 農水省の試算によれば「日本では2040年には359万トンもの米不足に陥る」と指摘!「種子法廃止は、私達を飢えに陥れかねない、天賦の権利を侵害するもので、絶対に認めてはならない」と熱弁!!(前編)
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米国政府と多国籍企業の意向・TPP条約で成立した種子法廃止法は、国民の食料への権利の侵害だと訴えた「種子法廃止等に関する違憲確認訴訟」の控訴審が結審し、来年2月の判決へ! 最終弁論で40分の意見陳述を行った山田正彦元農水相は、「米の供給不足が完全に解消されるなど、種子法制定当初における国家的要請への対応が完了した」との国側の主張に反論! 農水省の試算によれば「日本では2040年には359万トンもの米不足に陥る」と指摘!「種子法廃止は、私達を飢えに陥れかねない、天賦の権利を侵害するもので、絶対に認めてはならない」と熱弁!!(後編)
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「『パンデミック合意』の中身は遺伝子製剤を使った儲け話の分け前。世界の保健とか、健康とか、ましてや命の話ではない! WHOは反社! 邪悪そのもの!! しかも日本はその主犯! WHOの親善大使・武見敬三氏が厚労大臣になって、バリバリ進めた!!」作られたパンデミックである「プランデミック戦争」から日本人の命を守るには!?~岩上安身によるインタビュー 第1167回ゲスト 立憲民主党・原口一博衆議院議員 2024.10.3
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/524918

性暴力はメディア業界にはびこっている!! 記者クラブメディアの『病んだ労働環境』が性暴力を生む!! ~岩上安身によるインタビュー第993回 ゲスト 同僚からの性暴力被害者・元大手新聞女性記者Aさん
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/465919

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■<岩上安身による最新インタビュー報告!>激戦の地ドンバスまで足を運び、自分の目と耳で調査した「学者魂」の研究者に聞く! 第2次トランプ政権でウクライナ政策が見直される今だからこそ、日本も、2014年のユーロマイダン革命にまで立ち返って現在に至る経緯を検証する必要がある! 岩上安身によるインタビュー第1181回 ゲスト 東京大学法学部・松里公孝教授 第1部・第2回

 1月18日午後7時から、岩上安身による東京大学法学部・松里公孝教授インタビュー第1部・第2回を撮りおろし初配信しました。

 ロシア帝国史、ウクライナなど旧ソ連圏の現代政治がご専門の松里教授は、2023年7月に、『ウクライナ動乱~ソ連解体から露ウ戦争まで』(筑摩書房)を上梓しました。

 同書は、命がけのドンバス現地での調査と、100人を超える政治家・活動家へのインタビューにもとづき、ウクライナ、クリミア、ドンバスの現代史を深層分析。ユーロマイダン革命(クーデター)、クリミア併合、ドンバスの分離政権と戦争、ロシアの対ウクライナ開戦準備など、その知られざる実態を内側から徹底解明した、他に類を見ない貴重な一冊です。

 インタビューは、この松里教授の著書に沿って、連続シリーズで進めていきます。昨年12月17日に初配信した、インタビューの第1部・第1回は、ぜひ、以下の会員向けIWJサイトのアーカイブをご視聴ください。

※「ウクライナ軍が第2戦線(防衛戦)を作れないのは、資材や資金を横流ししているから!」「今、大事なことは、領土の問題は棚上げにして、とにかく現時点の境界線で、戦闘をやめること。これ以上人が死ぬのを止めること!!」~岩上安身によるインタビュー第1173回ゲスト 東京大学法学部・松里公孝教授 第1部・第1回
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/525951

 1月18日に初配信したインタビューは、「ソ連で発達した『多極共存的』な制度と分離紛争。ソ連の指導者達は『ソ連の体制が壊れるとすれば、民族問題から壊れる』と予感していた」というテーマで、松里教授に話をうかがいました。

 松里教授は、著書の中で、「2008年以降に旧ソ連圏で起こった戦争・紛争は、一つの例外もなくソ連末期以来の分離紛争の再燃だと言える」と指摘しています。

 松里教授は、「例をあげると、ソ連の末期に4つ、厳密に言うと5つなんですけれども、大きな分離紛争があったんです」と述べ、カラバフ紛争(アルメニア、アゼルバイジャン)、アブハジア紛争(ジョージア)、南オセチア紛争(グルジア、現ジョージア)、沿ドニエストル紛争(モルドバ)、ガガウズ紛争(モルドバ)をあげ、以下のように続けました。

 「それに加えて、ユーロマイダン革命(クーデター)後のウクライナで、クリミアの紛争と、ドンバスの紛争が起こりました。これは、起源はソ連末期に起こっているんです。

 クリミアの方がもっと根は深いですけどね。ドンバスの方は、やはりユーロマイダン革命をきっかけとした、というファクターが大きいと思います。

 クリミアの場合は、昔、ソ連の中で、ロシア共和国に入ってた時代というのが、1954年まで続いてるものですから、『当時はよかった』と、クリミアの人達はそう思ったんですね。だから、『ロシアに戻れば、また豊かになれる』とか、そういう発想があったわけですね。『昔はロシアだったし、今、もしプーチンのロシアに戻れば、豊かになれる』とか、そういう動機は、非常にあったと思いますね。

 ドンバスの場合はちょっと違いまして、ドンバスの場合は、もう少しウクライナ共和国に帰属していた期間が長いですから、クリミアのように、『ロシアに帰る』という意識は、あまりなかったんですね」。

 松里教授はさらに、ウクライナ東部とロシアの国境の変遷について、以下のように詳しく解説しました。

 「今日のドネツク州というのは、革命前の『エカテリノスラフ県』というのと、あと『ドン軍州(ドン軍領、ドン・コサック軍管区)』というのがあったんですね。それをくっつけたものです。

 で、革命前の『エカテリノスラフ県』というのは、19世紀の終わりの人口統計をとってみると、マラルーシュ語、今でいうところのウクライナ語が、多数派だった県なんです。

 だから、これは歴史的にウクライナである、というふうに見てもいいと思います。

 それに対して、『ドン軍州』というのは…、コサックっていうのをご存じですか? 辺境に、国境防衛するために、屯田兵が置かれていたわけですね。ですから、コサックというのは、そもそも身分でありまして、民族じゃなかったんです。

 で、『ドン』というのは非常に面白くて、もともとレザン公国というのがあったんですけど、モスクワのちょっと南、そこから逃げてきた、移住してきた人が作ったコサックの領域で、非常に面白いのが、ヴォルガ川やドン川の流域にあるものですから、カルムイク人(モンゴル系民族、17世紀に現在の中国新疆ウイグル自治区や中央アジアから移住し、ヴォルガ川下流域に定住した)、仏教徒(チベット仏教)が多かったんですよ。(中略)

 それで、『ドン軍州』というのは、ウクライナとは言い難いんです。

 その『ドン軍州』の西半分と、『エカテリノスラフ県』の一番東の端をくっつけたのが、ドネツク州です。

 ですから、言ってみれば半分ウクライナで、半分ロシアというふうに言ってもいいと思いますけど、その国境が確定されたのが、1928年です。

 これは、第1次5ヶ年計画が始まった年です。だから、炭田とか、帝政期から発達していた鉄道網を分断するんじゃなくて、くっつけて、それによってソ連全体の工業化のモデルにしようという野心があったんですね。それがドネツク州の起源です。

 クリミア(がウクライナに編入されたの)は、1954年ですから、ずっと時代が新しいですよね。だから、クリミアの人達は、『昔、自分達はロシアだったんだ』と、記憶に残っているんです。

 でも、(ドンバスがウクライナとして国境が確定した)1928年というと、ソ連がなくなった時点で、まだ生きている人というのは、記憶がある人はほぼいないですから、それは、ウクライナに対する帰属感は、全然違っていると思いますね。

 ですから、ドンバスの場合は、もっと、2014年のユーロマイダン革命以降の、非常に右翼的な潮流であるとか、暴力というのに嫌気がさして、反発して、分離紛争が起きたということになると思います」。

 その上で松里教授は、「ドンバスの分離運動というのは、ソ連末期からあるんです」と述べ、「ウクライナで民族主義が盛り上がると、それに対抗して、ドンバスでは『分離を、ウクライナはもう嫌だ』という運動が起こる関係になっています」と述べました。

 さらに松里教授は、「ドンバスは工業地帯であるため、富裕層からマージナル(周縁、辺縁)層まで、社会的な階層が激しい」とした上で、以下のように解説しました。

 「ドンバスのオリガーク(オリガルヒ)というのは、『フォーブス』に載るぐらいですから、世界的な金持ちなんですよ。何でこんな貧しい国で、こんなお金持ちになれるのか、というぐらいのお金持ちですから。

 それで、企業経営層、オリガーク層というのは、非承認地帯になると、企業経営ができなくなるんです。銀行が、全部撤退してしまいますから。ウクライナの銀行も全部撤退するし、皮肉なことですけど、ロシアの銀行も、撤退するんです。

 非承認地帯で、銀行を開いてると、銀行の本社が国際的な制裁を食らって、モスクワでビジネスができなくなるんですよね。だから、ウクライナも、ロシアも、どっちも撤退しちゃいますから、もう非承認地帯になったら、カラバフとか、アブハジアとか、ドンバスとか、それはビジネスマンにとっては、ものすごく厳しいんです。

 だから、企業経営層とか、オリガーク層とかは、もう、いい悪いの問題じゃなくて、ウクライナからの分離宣言をやって、非承認地帯になったら、『私の企業はめちゃくちゃだ』と。『財産を失ってしまう』ということで、その人達は結局、ウクライナの方に移住してしまったんですね。

 でも、全部、本当に企業に撤退されたら、雇用の問題が起きるから、ドンバスの『人民共和国』を名乗っていた分離政体は、大金持ちの経営者達に、『人民共和国の税金を払ってくれるんだったら、今まで通り経営していいですよ』ということで、それで2017年の初めぐらいまでは、うまくいってたんですね。

 ところが、それはウクライナ側のポピュリズムで、『我々の兵隊を殺した連中と協力して、ビジネスをやるとは、どういうことだ』ということになって、完全に(ウクライナがドンバスを)経済封鎖しちゃったんですよ。

 だから、2017年以降の経済封鎖っていうのは、この今度の戦争の一つの大きな背景としてあるんです。

 それまでのように、分離はしているんだけど、経済的には持ちつ持たれつ、という状況であればあれば、また違ったんですけどね」。

 松里教授は、「ドンバスの場合は、階級対立なんです」と述べ、「上の方(オリガルヒや企業経営者)はウクライナに移住してしまって、その下の、学校の校長先生とか、工場の主任技術者とか、そういう人達が、人民共和国の議会議員になっている。中間層以下が残り、大金持ちはウクライナに逃げた」と、明らかにしました。

 インタビューの後半では、ソ連末期から分離紛争が顕在化した背景として、ソ連時代の「民族領域連邦制」や、「基幹民族」という制度が、ソ連崩壊後も残ったことの弊害について、松里教授に詳しく解説していただきました。

 岩上安身による東京大学法学部・松里公孝教授インタビュー第1部・第2回の詳細は、会員向けサイトのアーカイブにて、ぜひ以下のURLから御覧ください! 会員にまだなっていない方は、この機会にぜひ、会員登録をお願いします。

※激戦の地ドンバスまで足を運び、自分の目と耳で調査した「学者魂」の研究者に聞く! 第2次トランプ政権でウクライナ政策が見直される今だからこそ、日本も、2014年のユーロマイダン革命にまで立ち返って現在に至る経緯を検証する必要がある! 岩上安身によるインタビュー第1181回 ゲスト 東京大学法学部・松里公孝教授 第1部・第2回
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※会員登録のご案内
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■石破総理がインドネシアのプラボウォ大統領との首脳会談で、貧困対策としての学校給食の無料化プログラムへの支援を表明! 日本国内の学校給食無償化が進まず、日本の明日を担う子供達の飢えは放置されているのに、外国が先!? インドネシアの国家予算の1割に相当する4兆円の目玉事業への支援表明に、ネットでは批判が拡大!

 1月9日から12日まで、マレーシアとインドネシアを訪問した石破茂総理が、11日にインドネシアのプラボウォ・スビアント大統領と首脳会談を行いました。

 この首脳会談で、石破総理がインドネシアの貧困対策である給食の普及に支援を表明したことが、ネット上で批判を受けています。

 外務省は11日、この給食支援について、次のように発表しています。

 「プラボウォ大統領が貧困対策・栄養事情改善の一環で進める給食の普及について、石破総理大臣から、日本の経験を踏まえ、専門家派遣や政府関係者への研修などを通じて貢献したい旨述べたところ、プラボウォ大統領は謝意を示しました」。

※日・インドネシア首脳会談(外務省、2025年1月11日)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/s_sa/sea2/id/pageit_000001_00006.html

 この貧困対策としての給食の普及は、プラボウォ大統領の目玉政策の一つです。

 昨年3月に行われた大統領選で、プラボウォ氏は無料の給食制度を公約に掲げ、ジョコ前大統領に圧勝しました。

※インドネシア、学校無料給食が現実味 コスト年4兆円超(日本経済新聞、2024年3月4日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM232GZ0T20C24A2000000/

 プラボウォ大統領は、「すべての就学中の生徒に栄養価の高い食事を提供する」と表明し、幼稚園から高校生までの児童・生徒を対象に、学校給食の無料化プログラムを進めています。

 インドネシアは人口の10%近くが、月に55万ルピア(約5225円)以下で生活する貧困層ですが、これまで給食制度はありませんでした。

 昨年10月に就任したプラボウォ大統領は、今年1月から段階的に無料の学校給食を導入し、2026年に対象者を3000万人規模に拡大し、2027年~2029年には、対象者を8000万人規模に拡大することを計画しています。

※ インドネシア 2025年1月から無料の学校給食実施に向け 日本の食育・給食を学ぶ(株式会社SN食品研究所、2024年10月7日)
https://www.snfoods.co.jp/knowledge/column/detail/13329

 また、対象となるのは学生だけではありません。この給食無料プログラムのために、昨年8月に新設されたインドネシア国家栄養庁(BGN)は、「1日当たりの栄養所要量に応じた栄養価の高い食品の提供を通じて、学生や妊婦、授乳中の母親、5歳未満の子供の栄養状態を改善することを目的としており、さらに、地元の農家や漁師、中小企業から食材を調達することで、地域の経済力を高めることも奨励するものだ」と説明しています。

※学校給食の無償提供プログラム開始(JETRO日本貿易振興機構、2025年1月9日)
https://www.jetro.go.jp/biznews/2025/01/18a15405e02a8fcf.html

 そもそも、学校給食の無償化と、食材の地元からの公共調達は、国連を中心とした国際社会で、世界的に進められている流れです。

 現在、国連食糧農業機関(FAO)は、世界各国・地域で、学校給食と地域の小規模農家とをつなげ、地産食材を用いた学校給食で、子供達の栄養改善と地域経済の活性化を進めています。

※地産食材を用いた学校給食(WFP)
https://ja.wfp.org/home-grown-school-meals?utm_source=chatgpt.com

 2021年に開催された、国連食糧システム・サミットでは、2030年までに世界中のすべての子供が学校で健康的な食事を受けられるようにすることを目指して、WFPの支援のもと、ブラジル、フィンランド、フランスが主導する学校給食連合が設立されました。

 2023年にパリで開かれた第1回学校給食連合サミットでは、学校給食の無償化と地元食材の調達が主要な議題となりました。

※学校給食連合
https://icdasustainability.org/ja/

 インドネシアのBGNは、この給食無料プログラムのために、昨年9月に、インドネシアの官僚らを日本に派遣し、長崎県で学校給食関する研修も行いました。

※日本の食育・給食を学ぶ(JICA、2024年9月12日)
https://www.jica.go.jp/overseas/indonesia/information/press/2024/1551254_52846.html

 その一方で、この給食プログラムに必要な予算は、インドネシアの国家予算の1割に相当する年約4兆円と見込まれており、財源の確保が懸念されています。

 これに対し、1月11日付『読売新聞』は、「新大統領との関係構築をもくろむ各国は支援を打ち出している」として、「中国は昨年11月、給食制度に資金を提供すると表明し、米国も同月、牛乳生産の拡大を支援すると発表した」と報じています。

※インドネシアの無料給食、石破首相が支援約束…新大統領の看板政策に米中も協力(読売新聞オンライン、2025年1月11日)
https://www.yomiuri.co.jp/world/20250111-OYT1T50116/

 石破総理の首脳会談での支援表明は、こうしたインドネシアの貧困対策への取り組みについて、専門家の派遣や研修などでの協力を約束したものですが、ネットやSNSでは、日本がインドネシアに4兆円を拠出するかのように拡散されていますが、これは正確な情報ではありません。

 もっともインドネシアへの支援が批判される原因は、日本国内の格差の拡大を放置しておいて、外国の子供達の救済事業のために、自国民の血税をバラまく自民党政治にあります。

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 前述の学校給食の無償化、地産地消という国連の取り組みには、単なる無償化だけではなく、無農薬、低農薬で環境負荷の少ない農産物を使用することも含まれています。

 日本でも、学校給食の無償化とともに、有機食材の使用が広がりつつあります。以下の岩上安身による山田正彦氏インタビューも、ぜひあわせて御覧ください。

※日本の発達障害児は18万人以上! 10年で10万人の増加は、ネオニコチノイド系農薬の出荷量と相関関係がある! 学校給食を無償化でオーガニックにすれば、有機生産者が増え、日本のオーガニック農業は一気に進む!~岩上安身によるインタビュー第1172回ゲスト「日本の種子を守る会」元農林水産大臣・弁護士 山田正彦氏(第2回)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/525907

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IWJ編集部(岩上安身、尾内達也)

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