日刊IWJガイド・非会員版「トランプ氏を『民主主義の破壊者』と罵っていたバイデン大統領は、暗殺未遂前日にも『この国にとって脅威』と煽っていた! 暗殺扇動では?」2024.7.16号~No.4279


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~暗殺未遂事件直後のトランプ氏は何を語ったか? 事件直後に語ったトランプ氏のインタビューを全文仮訳!! どうした心境の変化か、我が身の死を間近に経験したトランプ氏は、バイデン政権批判から融和の方向へ転換!? 18日の共和党指名受諾演説に全米の注目が集まっている! 他方、米下院監委員会のジェームズ・コマー委員長(共和党)が、シークレットサービスのキンバリー・チートル長官を、22日の公聴会に招き、証言させることに! 米国人はトランプ大統領暗殺未遂事件について長官の回答を求めている!

■スコット・リッター氏は、バイデン大統領がトランプ氏を「民主主義の破壊者」と煽り続け、暗殺未遂前日にも「トランプは犯罪者」「この国にとって脅威」と語っていたことを指摘! これは事実上の暗殺扇動ではないか!? バイデン大統領は14日夜、政治的暴力を非難し、国民の団結を訴える演説で、自身の言動への反省は口にせず、逆にトランプ氏が起訴され、免責特権が認められた2021年1月6日の連邦議会議事堂襲撃事件を持ち出し、今回のテロと同様の政治的暴力と位置づける無神経ぶり!!

■IWJ第14期の最後の1ヶ月も、残り半月です! 7月は12日までの12日間で、ご寄付・カンパが131万1035円と、目標額の33%にとどまっています! 今期第14期は、8ヶ月連続で目標金額に届かず、累積の赤字額は約1260万円になっています。他方で、「IWJしか報じていない情報」が、日々、増えてきています! そのIWJを支えるのは、皆さまからいただく会費とご寄付・カンパだけです。有料会員登録と、ご寄付・カンパで、どうか財政難のIWJが、独立メディアとして報道・言論活動を継続できるよう、皆さまのご支援をよろしくお願い申し上げます!

■【中継番組表】

■【本日のニュースの連撃! 2連弾!】

■【第1弾! オルバン首相が立ち上げた「ヨーロッパの愛国者」グループにル・ペン氏が合流! EU議会内の第3会派へ!】EU議長国となったハンガリーのオルバン首相は、ゼレンスキー大統領、プーチン大統領、習近平国家主席と会談、次はトランプ氏との会談へ! 仏議会選挙について『BBC』は、「フランス国民は極右政権はごめんだと表明」と報じるプロパガンダ! 実はル・ペン氏の国民連合は得票数首位! 欧州で起きている「右傾化」とされる事態の実相は、EUが推し進めるグローバリズムやNATOが推し進める戦争のエスカレーションに対する市民の抵抗!(『AFP』、2024年7月9日ほか)

■【第2弾! ワシントンでNATO首脳会議に出席した「平和使節」ハンガリーのオルバン首相が、その足でフロリダのトランプ前大統領を訪問、「平和について話しあった」とXに投稿!】オルバン氏は、ホワイトハウスの夕食会で、「バイデン氏が大統領選に勝つと考えているNATO同盟国は『沈みゆくタイタニック号でバイオリンを弾いている乗客のようなもの』」と発言したとの報道も! 複数の東欧、北欧の首脳や高官も、トランプ前政権のケロッグ元国家安全保障会議首席補佐官やポンペオ元国務長官と会談していた!(X、トゥルース・ソーシャル、『フィナンシャル・タイムズ』、2024年7月12日ほか)

■<号外を出します!>「オルバン首相が『ニューズウィーク』に意見記事!『世界史上最も成功した軍事同盟(NATO)は、平和のためのプロジェクトとして始まり、その将来の成功は平和を維持できるかどうかにかかっている』!」
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■はじめに~暗殺未遂事件直後のトランプ氏は何を語ったか? 事件直後に語ったトランプ氏のインタビューを全文仮訳!! どうした心境の変化か、我が身の死を間近に経験したトランプ氏は、バイデン政権批判から融和の方向へ転換!? 18日の共和党指名受諾演説に全米の注目が集まっている! 他方、米下院監委員会のジェームズ・コマー委員長(共和党)が、シークレットサービスのキンバリー・チートル長官を、22日の公聴会に招き、証言させることに! 米国人はトランプ大統領暗殺未遂事件について長官の回答を求めている!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 2016年の大統領選挙以降、トランプ氏に対して好意的な報道を行ってきた『ニューヨーク・ポスト』が、7月14日付で、暗殺未遂事件直後、ミルウォーキーの共和党大会へ向かう飛行機の中で、トランプ氏に30分以上に渡るインタビューを行い、それをもとに「感謝し反抗するトランプ氏、集会での『超現実的な』暗殺未遂からの生還を語る。『私は死んだことになっている』」という記事を配信しました。

 IWJは、この独占インタビューを、全文仮訳しました。

※Grateful, defiant Trump recounts surviving ‘surreal’ assassination attempt at rally: ‘I’m supposed to be dead’(ニューヨーク・ポスト、2024年7月14日)
https://nypost.com/2024/07/14/us-news/grateful-defiant-trump-recounts-surreal-assassination-attempt-at-rally-im-supposed-to-be-dead/

 以下から、14日付『ニューヨーク・ポスト』の記事となります。

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 「感謝し、反抗するトランプ氏、集会での『超現実的な』暗殺未遂からの生還を語る。『私は死んだことになっている』。

 感謝し、時には反抗的なドナルド・トランプは、ペンシルベニア州の選挙集会で暗殺されかかった悲惨な瞬間を思い出しながら、「死んだはずだった」と日曜版『ニューヨーク・ポスト』に語った。前大統領は、共和党全国大会のためにミルウォーキーに向かう途中の自家用機内でのインタビューで、危うく命を落とすところだった「非常に現実離れした体験」を語った。

 病院の医師は、『こんなことは見たことがない、奇跡だと言った』と、右耳を覆う緩く大きな白い包帯を巻いていたトランプは語った。彼のスタッフは、写真を撮らないよう主張した。『私はここにいるべきじゃない、死んだはずなんだ。私は死んでいたはずなんだ』。

 『不法移民に関するグラフを読むために、首をわずかに右に向けなければ、そうなって(暗殺されて)いただろう』と彼は言った。その瞬間、一発の銃弾が彼の耳を切り裂き、額と頬に血が飛び散った。トランプは、シークレットサービスの捜査官達にステージから降ろされ、まだ支持者達に演説を続けたかったが、捜査官達は安全ではないので病院に連れていかなければならないと告げたという。

 彼は、銃撃が始まるとすぐにエージェント達が『ラインバッカー(アメフトのディフェンスのポジションのラインバッカーは相手のランニングバックを止めるために、ランプレイに対するディフェンスを行う)』のように飛んできたことに驚嘆し、白い長袖シャツのボタンを外して右前腕の大きなあざを見せた。

 彼はまた、靴についての謎も解いた。銃撃とその直後の映像では、屈強な捜査官たちが彼を安全なステージから急がせようとしたとき、彼が『待って、靴を取りたいんだ』と言ったのが聞こえる。

 彼はインタビューの中で、「捜査官達に押し倒されて、靴が脱げてしまったんだ。きつい靴なのに」と笑顔で説明した。彼は、シークレットサービスの隊員達の英雄的な行動を称え、トランプが演説していたステージから130ヤード(約120メートル)ほど離れた屋根の上にいた狙撃犯を射殺した彼らを賞賛した。

 『彼らは眉間を一発で撃ち抜いた。彼らは素晴らしい仕事をした。それは、私達全員にとって、現実離れしたものだった』とトランプは述べた。トランプはまた、捜査官達が彼をステージから降ろし、装甲SUVに乗せようとしたとき、彼が拳を振り上げ、『ファイト』と3回言っている信じられないような写真にも、こう言及した。

 『多くの人が、今まで見た中で最も象徴的な写真だと言う。彼らは正しいし、私は死んでいない。普通、象徴的な写真を撮るには死ななければならない』。

 『ただ話し続けたかったんだけど、撃たれてしまった』と、彼は付け加えた。

 外傷センターのある地元の病院の医師は、AR-15(ライフル)で撃たれて助かった人を見たことがないと言った、とトランプは回想した。

 『多くの人が、私がまだここにいるのは、神のおかげだと言っている』と彼は言った」。

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■スコット・リッター氏は、バイデン大統領がトランプ氏を「民主主義の破壊者」と煽り続け、暗殺未遂前日にも「トランプは犯罪者」「この国にとって脅威」と語っていたことを指摘! これは事実上の暗殺扇動ではないか!? バイデン大統領は14日夜、政治的暴力を非難し、国民の団結を訴える演説で、自身の言動への反省は口にせず、逆にトランプ氏が起訴され、免責特権が認められた2021年1月6日の連邦議会議事堂襲撃事件を持ち出し、今回のテロと同様の政治的暴力と位置づける無神経ぶり!!

 昨日のこの『日刊IWJガイド』でお伝えした、米国のトランプ前大統領暗殺未遂事件は、一夜明けてさらに様々なことが明らかになってきました。

※はじめに~トランプ前大統領が演説中に銃撃され、右耳上を負傷! 銃撃犯1人が死亡したほか、会場の1人が死亡、2人が重傷! 司法当局は暗殺未遂事件として捜査! バイデン大統領、オバマ元大統領をはじめ、閣僚や議会の民主・共和両党トップらが「政治的暴力」への非難声明を発表! 元米国防副次官スティーブン・ブライエン氏は、「トランプ氏が大統領選挙に勝つ可能性が高い」との報道と「関係がある」との見方を表明!(日刊IWJガイド、2024年7月15日)
会員版(1週間フルオープン公開中) https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20240715#idx-1
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53679#idx-1

 7月15日付『CNN』は、現場でシークレットサービスによって射殺された容疑者について、「米連邦捜査局(FBI)は14日、銃撃した男をトーマス・マシュー・クルックス容疑者(20)と断定した」として、以下のように報じました。

 「FBIによると、クルックス容疑者はトランプ氏の演説会場から南へ約56キロの同州(ペンシルベニア州)ベセルパーク在住で、事件当日は演説会場に近い建物の屋根の上からトランプ氏を銃撃した。この建物は集会警備の対象外だった。(中略)

 (クルックス容疑者は)共和党員として有権者登録する一方で、過去には民主党系の団体にも少額の献金をしていた。(中略)

 FBIは14日、トランプ氏銃撃はクルックス容疑者の単独行動だったとの見方を示し、携帯電話を解析するなどして事件の背景について捜査を進めていることを明らかにした」。

※銃撃の容疑者は20歳男、単独で行動か トランプ氏は党大会開催地に到着(CNN、2024年7月15日)
https://www.cnn.co.jp/usa/35221474.html

 また、7月15日付『AP』は、事件の経緯を報じた中で、「(トランプ氏が撃たれる直前の)午後6時10分頃、警察関係者2人によると、集会参加者が近くの建物の屋根に登っている男に気づき、地元の警察官が屋根に登ったが、当局者らによると、男(クルックス容疑者)が警官にライフルを向け、警官ははしごを下りて逃げた」と報じています。

※How the attempted assassination of former President Trump unfolded(AP、2024年7月15日)
https://apnews.com/article/trump-assassination-attempt-timeline-59e2f4fcdf8379aa2cb5f141825d60a3

 トランプ氏は、15日から4日間の予定で、予定通り行われる共和党大会に出席するため、狙撃された翌日の14日、ウィスコンシン州ミルウォーキーに到着しました。

 トランプ氏はこの党大会で、正式に大統領候補として選出される見通しですが、7月15日付『AP』は、最終日となる木曜日(18日)の夜まで「演説する予定はない」と報じています。

※Donald Trump arrives in Milwaukee for RNC after assassination attempt heightens security fears(AP、2024年7月15日)
https://apnews.com/article/donald-trump-rnc-milwaukee-77063b2c9aff353977d67d2d3bbf03ff

 7月15日付『CNN』は、「トランプ氏は、共和党大会での木曜日の演説が、土曜日の事件を受けて、『(それ以前に考えていたものとは)まったく違う演説になるだろう』『これは国全体、さらには全世界を一つにするチャンスだ』と語った」と報じています。

※Trump explains his thinking after assassination attempt and says he rewrote convention speech(CNN、2024年7月15日)
https://edition.cnn.com/politics/live-news/trump-rally-shooting-07-14-24/index.html

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■IWJ第14期の最後の1ヶ月も、残り半月です! 7月は12日までの12日間で、ご寄付・カンパが131万1035円と、目標額の33%にとどまっています! 今期第14期は、8ヶ月連続で目標金額に届かず、累積の赤字額は約1260万円になっています。他方で、「IWJしか報じていない情報」が、日々、増えてきています! そのIWJを支えるのは、皆さまからいただく会費とご寄付・カンパだけです。有料会員登録と、ご寄付・カンパで、どうか財政難のIWJが、独立メディアとして報道・言論活動を継続できるよう、皆さまのご支援をよろしくお願い申し上げます!

 いつもIWJをご支援いただき、ありがとうございます。

 IWJ第14期の最後の1ヶ月となる7月も、残り半月を切りました。

 7月は1日から12日までの12日間で、58件、 131万1035円のご寄付・カンパをいただきました。ご寄付をくださった皆さま、本当にありがとうございます。これは、月間の目標額400万円の33%という達成率です。

 6月のご寄付・カンパが目標額に到達できなかったことで、今期第14期、IWJへのご寄付・カンパは、11月から6月まで、8ヶ月連続で目標金額に到達しませんでした。この8ヶ月間の不足額の合計は、1260万8589円です。零細な企業であるIWJにとって、非常に厳しい赤字額です! 財源不足は深刻な上にも深刻で、IWJは、本当にこの先、独立メディアとして活動できなくなってしまう可能性が出てきました。

 第13期は、2000万円を超える赤字でした。この時は、私、岩上安身が、老後の蓄えを崩してピンチを切り抜けました。しかし、2年連続大幅な赤字となると、私、岩上安身個人にも、もうこれ以上、投じる私財はありません!

 以前にも書きましたが、私には、進行性の難病の線維筋痛症で、ほぼ寝たきりに近い次女がいます。

 ですので、私は、残念ながらIWJとともに心中することはできません。倒産する一歩手前で、未払いの給与や売掛、債務がないように始末して会社を自分の手で解散しますし、人様に迷惑のかかるような最後にはしない、と覚悟を定めています。

 ただ、余力ある限り、自らのジャーナリストとしての使命・天命から逃げ出すようなことはいたしません!

 皆さまのご支援のある限り、全力で前進を続けます!

 今月こそ、なんとか月間目標額の400万円に届きますよう、また、できれば目標額以上のご支援をいただき、積み重なっている今期の1000万円を超える目標不足分を、期末の7月末までに削ってしまい、収支がマイナスにならないよう、有料会員登録と、ご寄付・カンパで、財政難のIWJへの強力なご支援をよろしくお願い申し上げます!

 6月末現在、IWJ会員の総数は2329人、このうちサポート会員の方は869人でした。ぜひとも、サポート会員様におかれましては、会員をそのままご継続いただき、一般会員様におかれましては、サポート会員へのアップグレードをお願いします!

 また、休会中の皆さまは、メールやお電話をいただければ、すぐに会員を再開できます。一度退会された方でも、会員番号は変わりませんので、改めて申し込みをいただくことで再び会員になっていただくことが可能です!

※会員の再開、新規会員登録はこちらからお願いします。
(会員登録済みの方)https://iwj.co.jp/ec/mypage/login.php
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※以下は、IWJの活動へのご寄付・カンパを取り扱っております金融機関名です(各金融機関ごとに口座名が非統一ですが、どれも、各銀行の仕様に従ったもので、間違いではありません)。どうぞ、ご支援のほどよろしくお願いします!

みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル

 IWJホームページからも、お振り込みいただけます。

※ご寄付・カンパのお願い
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

 どうぞ、皆さま、権力に対し、一切忖度しないで真実をお伝えする独立メディアIWJの存在意義と必要性について、多くの人に口コミでも、SNSを通じてでも、広めてください!

 よろしくお願いします!

 岩上安身拝

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◆中継番組表◆

**2024.7.16 Tue.**

調整中

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◆中継番組表◆

**2024.7.17 Wed.**

調整中

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

元最高裁判事・濱田邦夫氏「憲法に三権分立があるにもかかわらず、立法府で議論すべき問題を行政府がどんどん決めている」!! ~7.1 第二東京弁護士会主催シンポジウム「憲法改正問題に取り組む全国アクションプログラム『閣議決定10年 それでも安保法制は違憲だ』」
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/523724

◆「2024年7月21日」まで、フルオープン!◆

はじめに~クリミア大橋爆破の主犯のテロ国家、英国の『BBCラジオ』のホストが「トランプを殺せ」とXにポスト!! 反発を受けてポストを削除したが、反省の色はゼロ! 米最高裁はトランプ氏の「免責特権」を認めて、11月の大統領選挙まで、初公判が開かれない可能性が高まった! ところが米司法省は、1月20日の大統領就任式までに初公判を開く戦略!? 実現すれば、トランプ政権は政権移行前から前代未聞の大混乱に!(日刊IWJガイド、2024年7月4日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20240704#idx-1
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53644#idx-1

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■【本日のニュースの連撃! 2連弾!】

■【第1弾! オルバン首相が立ち上げた「ヨーロッパの愛国者」グループにル・ペン氏が合流! EU議会内の第3会派へ!】EU議長国となったハンガリーのオルバン首相は、ゼレンスキー大統領、プーチン大統領、習近平国家主席と会談、次はトランプ氏との会談へ! 仏議会選挙について『BBC』は、「フランス国民は極右政権はごめんだと表明」と報じるプロパガンダ! 実はル・ペン氏の国民連合は得票数首位! 欧州で起きている「右傾化」とされる事態の実相は、EUが推し進めるグローバリズムやNATOが推し進める戦争のエスカレーションに対する市民の抵抗!(『AFP』、2024年7月9日ほか)

 ハンガリーのヴィクトール・オルバン首相らが6月30日に創設を発表した、EU議会内の「ヨーロッパの愛国者」グループに、7月8日、マリーヌ・ル・ペン氏が実質的に率いるフランスの「国民連合(RN)」が合流することで合意し、新会派として正式に発足しました。

 EU議会内の会派「アイデンティティと民主主義(ID)」には、「国民連合(RN)」の30人のEU議員が参加しています。「アイデンティティと民主主義(ID)」は、「ヨーロッパの愛国者」グループの最大数を占めることになります。

 この合流によって、「ヨーロッパの愛国者」グループは、EU議会の中で、12ヶ国・84議員が参加する、第3会派となります。『AFPBB』などが、7月9日付で発表しました。

※ルペン、オルバン両氏が共闘 欧州議会に極右新会派(AFPBB、2024年7月9日)
https://www.afpbb.com/articles/-/3528237

 反ロシアの最強硬派で、ウクライナへの軍事支援に固執し、紛争継続の旗を振り続けてきた、ウルズラ・フォン・デア・ライエン氏が、欧州委員会委員長に再選するためには、EU議会で過半数を得なければなりません。『ポリティコ』は、「ヨーロッパの愛国者」グループが第3会派となれば、フォン・デア・ライエン氏の再選に「大きな打撃となるだろう」と報じました。

※Le Pen’s National Rally to take control of far-right Patriots in EU Parliament(Politico、2024年7月8日)
https://www.politico.eu/article/marine-le-pen-national-rally-eu-parliament-far-right-patriots-for-europe/

 EU議会の最大会派は、フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長が率いる中道右派の「欧州人民党(EPP)」で、189議席です。

 連立を組む第2会派は、オラフ・ショルツ首相が率いる中道左派の「社会・民主主義進歩連盟(S&D)」グループの136議席で、第4会派のマクロン大統領が率いる親EU・中道派で「欧州刷新(Renew)」グループは74議席。

 「欧州人民党(EPP)」「社会・民主主義進歩連盟(S&D)」「欧州刷新(Renew)」の3会派の合計で399議席となり、EU議会の過半数(362)を維持しています。

 「ヨーロッパの愛国者」グループの正式発足によって、イタリアのメローニ首相が率いる右派の「欧州保守改革グループ(ECR)」(83議席)は、第4会派に後退し、「欧州刷新(Renew)」は第5会派に後退します。

 メローニ首相は、保守・右派のどのグループとも協力すると述べており、好戦的なフォン・デア・ライエン氏の再選を支持するか、支持しないかという姿勢を明示していません。

 詳しくは、「ヨーロッパの愛国者」グループの創設を報じた、『日刊IWJガイド』7月6日号を御覧ください。

※【第2弾! ハンガリーのオルバン首相が、24人の議員と3ヶ国の代表からなる右派グループ「ヨーロッパの愛国者」を創設!】EU議会内で政治グループを形成するためには、最低でも23人の議員と7ヶ国の代表が必要!(『RT』、6月30日他)このオルバン率いる「ヨーロッパの愛国者」グループは、フランスのル・ペン氏らが率いる右派グループ「アイデンティティーと民主主義(ID)」と合流し、EU議会内の第3会派を形成する!?(日刊IWJガイド、2024年7月6日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20240706#idx-6
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53656#idx-6

 とはいえ、フォン・デア・ライエン氏を支持する3つのグループは、EU議会で過半数を確保しており、「ヨーロッパの愛国者」グループの創設によって、再選が阻止されることはなさそうですが、EU議会内で右派勢力の発言権が拡大し、これまでEUが推し進めてきたグローバリズムや、ウクライナ紛争への関与に、影響を与える可能性は十分にあります。

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■【第2弾! ワシントンでNATO首脳会議に出席した「平和使節」ハンガリーのオルバン首相が、その足でフロリダのトランプ前大統領を訪問、「平和について話しあった」とXに投稿!】オルバン氏は、ホワイトハウスの夕食会で、「バイデン氏が大統領選に勝つと考えているNATO同盟国は『沈みゆくタイタニック号でバイオリンを弾いている乗客のようなもの』」と発言したとの報道も! 複数の東欧、北欧の首脳や高官も、トランプ前政権のケロッグ元国家安全保障会議首席補佐官やポンペオ元国務長官と会談していた!(X、トゥルース・ソーシャル、『フィナンシャル・タイムズ』、2024年7月12日ほか)

 ハンガリーのヴィクトル・オルバン首相は7月12日、X(旧ツイッター)に以下のように投稿しました。

 「平和ミッション5.0。

 今日は、マール・ア・ラゴで、トランプ(前)大統領を訪問できて光栄でした。

 私たちは、平和を作る方法について話しあいました。今日の良いニュース:彼は、それを解決するつもりだ!」

※ハンガリーのヴィクトル・オルバン首相のXへの投稿(2024年7月12日)
https://x.com/PM_ViktorOrban/status/1811570519818269128

 一方、ドナルド・トランプ氏も12日、このオルバン首相のXへの投稿を引用して、SNSのトゥルース・ソーシャルに、以下のように投稿しています。

 「ありがとう、ヴィクトル。平和でなければならない、そして一刻も早く。決して始めるべきではなかった戦争で、あまりにも多くの人が死んでしまった! DJT」

※ドナルド・J・トランプ氏のトゥルース・ソーシャルへの投稿(2024年7月12日)
https://truthsocial.com/@realDonaldTrump/posts/112771397144420861

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■<号外を出します!>「オルバン首相が『ニューズウィーク』に意見記事!『世界史上最も成功した軍事同盟(NATO)は、平和のためのプロジェクトとして始まり、その将来の成功は平和を維持できるかどうかにかかっている』!」

 NATO加盟国の首相の中で、一貫して初期から唯一「正気」を保っているように見えるハンガリーのオルバン首相が、7月5日付8日更新の『ニューズウィーク』に、オピニオン記事を掲載しました。

 まず、EUやNATOの中で「異端児扱い」されているオルバン氏の論説が、西側の代表的な通俗的メディアである『ニューズウィーク』に掲載された点が注目されます。

 『ニューズウィーク』は、通俗的なメディアらしく、バイデン政権とNATOが進める、反ロシア、親ウクライナのスタンスを支援するスタンスを、他の西側の主要メディア同様に取り続けてきました。

 しかし最近の『ニューズウィーク』は、『ニューヨーク・タイムズ』など、多くの西側主要メディアと同じく、ウクライナ紛争についての報道のスタンスを、そろりそろりと変え、ゼレンスキー大統領とウクライナ側の主張に一定の距離を取り始めています。

 そして、ウクライナ紛争におけるウクライナ軍の劣勢の真実をようやく報道し始め、NATOがロシアとの直接対決を避けるべきであることを主張し始めています。

 こうした西側主要メディアのなし崩しの動きと同期しているのが、フランスの国民連合や英国のリフォームUKといった、「極右」のレッテルを貼られた、反戦平和の政治勢力の台頭です。

 欧州の、平和を志向する新しい右派の勢力に対して、今もなおいちいち「極右」とレッテル貼りしてさげすみ、危機感を煽るだけで、こうした新しい右派勢力の平和を求める主張をほとんど取り上げず、西側メディアの中で、今も、ウクライナの主張を広報するだけの、最も時代感覚や現実認識がズレているのが、日本メディアです。

 米国メディアは、すでにバイデン政権の忖度を止めて、バイデン氏は大統領選から撤退すべし、という主張や、ウクライナ紛争の真実を遅まきながら報道し始めているのに、日本のマスメディアは、今も、宗主国の米国のバイデン政権と、それに盲従する岸田政権を忖度してか、現実を直視することが今なおできず、思考停止したままです。

 この日本のマスメディアの思考停止と情報操作は、米国が中国との覇権争いのために、日本列島全体を「捨て駒」にするときにはさらに強化され、強烈な洗脳が行われるのは確実です。

 IWJは、日本のマスメディアの情報操作と、その背景にある、米国に従属させられ、独立した主権国家とはいえない、日本の政治の寒々とした現状を指摘しつつ、ウクライナ紛争の真実や米国の覇権の凋落をお伝えしていました。

 5日付8日更新の『ニューズウィーク』に掲載されたオルバン首相のオピニオン記事は、NATOにすり寄り、ウクライナ紛争を煽り立てる日本のマスメディアの情報操作と、中国との代理戦争で日本を米国の「捨て駒」にしようとする米国の思惑まで明らかにするインパクトを持っています。

 オルバン首相は、NATOの創設起源まで遡って、その目的を次のように正しく述べています。

 「世界が知る限り最強の軍事同盟として、我々が恐れるべきは外敵の手による敗北ではない。外敵に分別があれば、NATO加盟国を攻撃する勇気はないだろう。

 しかし、我々が恐れるべきは、同盟を生み出した価値観に対する我々自身の拒絶である。NATOが創設された目的は、安定した経済的、政治的、文化的発展のために平和を確保することである。

 NATOがその目的を果たすのは、戦争ではなく、平和を勝ち取るときである。協力の代わりに紛争を、平和の代わりに戦争を選択するならば、それは自殺行為である」。

 米国の仮想敵国の中国を意識して、東京にまでNATO事務所を設置するという、明らかなNATOの目的逸脱行為に嬉々として加わる岸田文雄政権の面々に、言い聞かせなければならない言葉でしょう。

 「我々の任務は、NATOを平和のためのプロジェクトとして維持すること」と、敢然と主張するオルバン首相の「正論」をぜひ御覧ください。

 「NATO」を「日米安保」に置き換えれば、それが今、平和維持のプロジェクトから、戦争に自ら好戦的に向かってゆく戦争志向プロジェクトに変質していること、そして、オルバン首相が、「予言の自己成就」というように、「台湾有事」という予言をマントラのように繰り返して、日米同盟を攻撃的軍事同盟とし、中国が、台湾を侵略した際には、日米がその台湾防衛のために日米で全力で戦うのだ、という刷り込みがなされている現在「戦争の自己成就」はありえるだろうと危機感をもち、本来の「専守防衛」という防衛のための同盟というコンセプトに戻すことの重要性を考えさせられずにいられません。

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