日刊IWJガイド・非会員版「習近平国家主席の欧州外遊! セルビア、ハンガリーは、中露の橋頭堡となるのか? フランスは米中どちらに与するのか!?」2024.5.13号~No.4225


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~習近平国家主席、欧州外遊を終えて帰国! その背景には、欧州に対する米国と中国の影響力の拡大をめぐる地政学的闘争が! セルビア、ハンガリーは、欧州における中露の橋頭堡となるのか? 独自外交の伝統をもつフランスは、米国対中露の間でどのようにバランスをとるのか!?

■先週末のダブル・スクープを御覧になればおわかりの通り、「IWJしか報じていない情報」は、日々、増えてきています! しかしIWJへのご寄付・カンパは、昨年11月から今年4月までの6ヶ月間連続して目標に未達で、不足額は合計972万3789円にもなります! 7月末の期末まであと3ヶ月! 全期間を通じて目標未達となると、IWJは活動できなくなる可能性が高くなります! 有料会員登録と、ご寄付・カンパで、どうか財政難のIWJが期末までに赤字を解消し、独立メディアとして報道・言論活動を継続できるよう、皆さまの強力なご支援をよろしくお願い申し上げます!

■【中継番組表】

■<IWJ取材報告 1>「市民を戦争体制に動員する法改悪が、国会に出されている!」「憲法を逸脱し、自衛隊員を戦争で犠牲にすることを米国と約束してよいと、いつ岸田首相に委任したのか!?」~5.3 武力で平和はつくれない!とりもどそう憲法いかす政治を~2024 憲法大集会

■<IWJ取材報告 2>ガザ停戦の申し入れ書をイスラエル大使館に渡す予定が、警察に阻まれ果たせず!「なぜイスラエル大使館に忖度するのか?」~5.1反戦メーデー・イスラエル大使館前行動

■<IWJ取材報告 3>日本平和委員会が憲法記念日の5月3日に、渋谷・ハチ公前広場と、大阪、愛知で、若者100人を対象に憲法アンケートを実施! IWJの独自取材に「憲法は権力者や公務員が守るもの」と正しく答えた若者はゼロ!~「5・3若者100人に聞く憲法アンケート」の取材
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■はじめに~習近平国家主席、欧州外遊を終えて帰国! その背景には、欧州に対する米国と中国の影響力の拡大をめぐる地政学的闘争が! セルビア、ハンガリーは、欧州における中露の橋頭堡となるのか? 独自外交の伝統をもつフランスは、米国対中露の間でどのようにバランスをとるのか!?

 おはようございます。IWJ編集部です。

 中国外交部の11日の速報によると、習近平国家主席が、5月11日、フランス、セルビア、そしてハンガリーの3ヶ国をめぐる1週間の欧州外遊を終えて、特別機で帰国しました。中国共産党中央委員会政治局委員で外務大臣の王毅氏、中国共産党中央委員会常務委員会委員で中国共産党中央委員会総弁公室主任の蔡[王+奇]氏らも、同じ飛行機で帰国しました。

※(習近平氏、フランス、セルビア、ハンガリーへの国賓訪問を終え北京に帰国)(中国外国部、2024年5月11日)

 習主席は、5日、フランス共和国のエマニュエル・マクロン大統領、セルビア共和国のアレクサンダル・ブチッチ大統領、ハンガリーのタマス・スリョク大統領とビクトル・オルバン首相の招待を受け、国賓訪問の旅に出ました。5日付『環球時報(Global Times)』などが報じています。

※Xi leaves for state visits to France, Serbia, Hungary(Global Times、2024年5月5日)
https://www.globaltimes.cn/page/202405/1311650.shtml

 習近平国家主席の欧州訪問は5年ぶりです。なぜ、欧州諸国のうち、訪問先をフランス、セルビア、ハンガリーに選んだのでしょうか。

 フランスと中国は、2024年に、国交樹立60周年を迎えています。昨年2023年4月には、マクロン大統領が中国を訪問しています。今回の習主席のフランス訪問にあわせて、多くの60周年記念行事がフランスで開催されました。

 また、政治的に見ても、フランスにはシャルル・ドゴール大統領以来の、対英米追従をよしとしない、フランスの国家主権を守り、自主・独立路線の外交を追求してきた歴史があります。ドゴール大統領は、1966年に、NATOの軍事部門から脱退したこともあります。

 マクロン仏大統領は1年前、3日間の中国公式訪問から戻る飛行機内でのインタビューで、「欧州は米国への依存を減らし、台湾をめぐる中国と米国の対立に引きずり込まれないようにしなければならない」と語りました。

 その後のマクロン大統領は、背後で米国が主導するウクライナ紛争をめぐって、唐突にフランス軍兵士のウクライナ派兵を表明するなど、極端な反ロシア、米国追従の姿勢を見せ、対米自立とは正反対の態度を取り、迷走しているように見えます。

 他方、フランスが、ウクライナ紛争を機に欧州各国を支配的な影響下に置こうとする米国から、戦略的自律性を確立したいと本気で願っているとするならば、中国との関係の深化は、米国からにらまれはするものの、重要なバランサーを確保することにつながります。

 一体、どちらがフランスの真意なのでしょうか。

 習近平国家主席は、マクロン大統領との国交樹立60周年の記念的会合以外に、対米追従、対ロシア強硬派の権化であるウルスラ・フォン・デア・ライエンEU委員会委員長をも交えた、中国・フランス・EUの三者会合にも参加しました。

 マクロン大統領は、この席では、フォン・デア・ライエン委員長と足並みを揃えて、米国と同調するかのように、中国のロシア支援を問題視し、貿易問題を取り上げました。

 一方で、中国とフランスは、新たな18の協力協定に署名しています。この「事実」は、フランスの真意がどちらにあるか、暗に示しているようにも思われます。

 習主席は、2014年に初めてフランスを訪問した際、シャルル・ドゴール財団を訪問し、「偉大な人物に敬意を表し、中国とフランスの歴史に新たな章を築く」と発言しています。

 これは単に中仏友好を祈念しての外交的なリップサービスを超えて、かつてのドゴールに倣って、対米従属を潔しとしない、中国の自主独立宣言のようにも、受け取れます。

 中国とセルビアの友好関係の確認には、「一帯一路」の実現に関係する、重要なプロジェクトがありますが、もう一つ忘れてはならないのは、NATOによる1999年のユーゴスラビア空爆の際の、中国大使館「誤爆」事件です。

 習近平国家主席が、セルビアを訪問した5月8日は、NATOが旧ユーゴスラビアを1ヶ月半にわたって空爆していた時期と重なっています。これは、偶然の一致とは思われません。

※ここから先は【会員版】となります。会員へのご登録はこちらからお願いいたします。ぜひ、新規の会員となって、あるいは休会している方は再開して、御覧になってください!

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■先週末のダブル・スクープを御覧になればおわかりの通り、「IWJしか報じていない情報」は、日々、増えてきています! しかしIWJへのご寄付・カンパは、昨年11月から今年4月までの6ヶ月間連続して目標に未達で、不足額は合計972万3789円にもなります! 7月末の期末まであと3ヶ月! 全期間を通じて目標未達となると、IWJは活動できなくなる可能性が高くなります! 有料会員登録と、ご寄付・カンパで、どうか財政難のIWJが期末までに赤字を解消し、独立メディアとして報道・言論活動を継続できるよう、皆さまの強力なご支援をよろしくお願い申し上げます!

 4月のご寄付・カンパの結果が、確定しました! 4月1日から4月末の30日までで、122件、395万7500円でした。これは、月間目標達成率の99%です!

 惜しいことに、あと1%、4万2500円あれば、4月は月間目標額を達成できていました! でも、これまでの未達の月には、目標額の半分以下の月もありましたし、これはほぼ達成したといってもいい金額です。

 ご支援してくださった皆さま、本当にありがとうございます!

 しかし、今期第14期、IWJへのご寄付・カンパは、11月から4月まで、6ヶ月連続で目標金額に到達しなかった、という重い事実は残ります。この6ヶ月間の不足額の合計は、976万6289円です。零細な企業であるIWJにとって、非常に厳しい赤字額です!

 IWJは収支を合わせるべく、徹底的に支出を減らす努力を今も続けています! オフィスを移して、スモール化することも模索中です! そうやって支出を減らしても、収入が減り、赤字が積み上がっていけば、活動が続けられなくなります!

 もし、7月の期末まで、これ以上目標に達しない月があれば、年の半分が未達確定となってしまい、財源不足は深刻な上にも深刻で、IWJは、本当にこの先、活動できなくなってしまう可能性が出てきました。

 第14期の期末である7月まで、5月を含めてあと3ヶ月です! この間にロスした分を、ぜひとも、期末までの間に、972万6289円の赤字幅を取り返し、少なくとも収支をトントンにさせてください!

 第13期は、2000万円を超える赤字でした。この時は、私、岩上安身が、老後の蓄えを崩してピンチを切り抜けました。しかし、2年連続大幅な赤字となると、IWJ史上初の最大級のピンチとなります! 私、岩上安身個人にも、もうこれ以上、投じる私財はありません!

 以前にも書きましたが、私には、難病の線維筋痛症で、ほぼ寝たきりに近い娘がいます。

 賃貸のアパートで療養している彼女のために終の住処を、これから用意してあげなければなりませんし、生活費を出せる小さな物件も用意しておかないと、死ぬに死ねません。

 「ジャーナリズムバカ一代」として、すべてをなくすまで赤字経営を続けて、破産とともに「前のめりに死ぬ」などということは、自分の中の「人の親」という「情」が許さず、赤字が手に負えなくなるほど膨らんだなら、倒産の前に、自らの手でIWJをたたみ、娘のために何かしら残せるようにするつもりです。

 障害手帳をもつに至ってしまった娘に、何の罪もないのですから。

 なので、私は、残念ながらIWJとともに心中することはできません! この倒産の手前で、未払いの給与や売掛、債務がないように始末して会社を自分の手で解散しますし、人様に迷惑のかかるような最後にはしない、と覚悟を定めています。

 ただ、余力ある限り、自らのジャーナリストとしての使命・天命から逃げ出すようなことはいたしません! 世界と日本が未曾有の危機であり、既存ジャーナリズムが機能しない現状だからこそ、最後の一歩手前まで、真実を伝える、ジャーナリズムの本道を貫き通します! 皆さまのご支援のある限り、全力で前進を続けます!

 今月こそ、なんとか月間目標額の400万円に届きますよう、また、できれば目標額以上のご支援をいただき、積み重なっている今期の1000万円近い目標不足分を、期末の7月末までに削ってしまい、収支がマイナスにならないよう、有料会員登録と、ご寄付・カンパで、財政難のIWJへの強力なご支援をよろしくお願い申し上げます!

 また、ぜひとも、サポート会員様におかれましては、会員をそのままご継続いただき、一般会員様におかれましては、サポート会員へのアップグレードをお願いします!

 また、休会中の皆さまは、メールやお電話をいただければ、すぐに会員を再開できます。一度退会された方でも、会員番号は変わりませんので、改めて申し込みをいただくことで再び会員になっていただくことが可能です!

※会員の再開、新規会員登録はこちらからお願いします。
(会員登録済みの方)https://iwj.co.jp/ec/mypage/login.php
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※以下は、IWJの活動へのご寄付・カンパを取り扱っております金融機関名です(各金融機関ごとに口座名が非統一ですが、どれも、各銀行の仕様に従ったもので、間違いではありません)。どうぞ、ご支援のほどよろしくお願いします!

みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル

 IWJホームページからも、お振り込みいただけます。

※ご寄付・カンパのお願い
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

 どうぞ、皆さま、権力に対し、一切忖度しないで真実をお伝えする独立メディアIWJの存在意義と必要性について、多くの人に口コミでも、SNSを通じてでも、広めてください!

 また、4月30日に発行した【IWJ号外】にも、ぜひご注目ください! 米国の既存ジャーナリズムの惨状が、クリス・ヘッジズ氏らによって、報告されています。ヘッジズ氏らも、市民に直接支えられる独立メディア形式へと移行しています。

※【IWJ号外】クリス・ヘッジズが、「米国内の新聞9000紙のうち3000紙近くが廃刊し、4万3000人の新聞記者が失職」と米国の既存ジャーナリズムの惨状を報告! 唯一の光明は独立メディア! 2024.4.29
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/522859

 IWJもまた、市民に支えられる独立メディアとして、2010年12月にスタートして、13年5ヶ月となります。

 最初は、ライブ・ストリーミングのサービスがユーストリーム・アジアという会社によって、初めて日本で可能になったばかりのタイミングで、東電会見や大臣会見などの中継・実況を先駆的に行いました。

 他に同様のストリーミングを、多チャンネルで同時平行で行うネットメディア等は存在せず、IWJは「パイオニア」的な存在であったと自負しています。

 しかし、ご存知の通り、ライブ・ストリーミングはその後、ツイキャスその他で、スマホで手軽に行えるようになり、今日では、あらゆるSNSでライブや動画配信が可能となっています。メディアの技術進化のスピードは、凄まじいのひと言です。

 こうした技術進化の結果、現在では動画やライブ配信コンテンツがあふれかえるようになり、IWJだけがライブ・ストリーミングを行なっているわけではなくなりました。

 ですが、その間もテキストメディアとしてのIWJを時間をかけて充実させてきており、岩上安身によるインタビューも、1154回を数えるまで、回を重ねております。

 ジャーナリズムとしての「本道」を決して忘れず、重点となるテーマが変わり、情報伝達の手段や機器は変わっても、お伝えしている報道・論評のコンテンツは、むしろ充実していっているとすら、自負しています!!

※シリーズ: 岩上安身インタビュー
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/series/iwakami-interview

 また、特に昨今は、日米欧の「先進国」グループ内の情報だけでなく、これも急激な変化を見せている国際情勢に迫り、特に、成長著しい、グローバル・マジョリティにまで視野を広げて、翻訳のスピードと量を上げ、激動する国際情勢を先取りしてお伝えし続けてきました。

 その理由のひとつには、ウクライナ紛争やコロナ問題など、権力からの圧力がかかってのことか、既存のテレビ・新聞など、記者クラブメディアの報道が、硬直した「官報」化し、西側諸国全体が「大本営発表」をたれ流すような「異常な事態」が「日常」化してしまったためでもあります。

 「IWJしか報じていない情報」が、いまだにあります。それどころか、「米国の利益のための『代理戦争』を待望する勢力」によって、自立した報道への権力からのコントロールが強まり、「IWJしか報じていない情報」は、技術的進化とは反対に、逆に増えつつあるのが現実なのです!

 IWJは、どれだけ孤立しようとも、その孤立は一時的なものであり、隠されたり、ごまかされたり、歪められたりしたプロパガンダは必ずほころぶ、と確信しています。

 本日、5月8日付け日刊IWJガイドに掲載した10年前の2014年の「オデッサの惨劇」については、事件発生当時、IWJでは事件自体の事実を報じていました。

※【岩上安身の「ニュースのトリセツ」】オデッサの「惨劇」、緊迫続くウクライナ東部 米国はウクライナを「戦場」にするのか(IWJウィークリー48号より)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/138337

 記者クラブメディアで、これほどの虐殺を報じたものは、ほとんどありません。その後も、ウクライナ軍による、東部のロシア系住民への武力攻撃に対して、8年経ってからロシア軍がしびれを切らして、ついに介入を決めた2022年2月以降も、ウクライナ政府やネオナチが、国内の少数民族であるロシア系住民への差別・迫害・殺戮といったジェノサイドについては、日本政府と日本のメディアはだんまりを決め込んで、もう2年以上経ちます。

 こうした「沈黙」自体が、犯罪です。

 我々IWJは、プロパガンダに決して加担せず、乗せられもせず、安きに流れることなく、真実を報じ続ける、茨の道を、今後も歩き続けます。

 どうか、そうしたIWJの独立性、独自性をご評価いただき、今後も活動が続けられますよう、応援をお願いしたいと存じます。

 よろしくお願いします!

 岩上安身拝


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◆中継番組表◆

**2024.5.13 Mon.**

調整中

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◆中継番組表◆

**2024.5.14 Tue.**

調整中

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

日本平和委員会が憲法記念日の5月3日に、渋谷・ハチ公前広場と、大阪、愛知で、若者100人を対象に憲法アンケートを実施! IWJの独自取材に「憲法は権力者や公務員が守るもの」と正しく答えた若者はゼロ~「5・3若者100人に聞く憲法アンケート」の取材
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/522925

「福島復興計画がひどい!」復興の司令塔が、マンハッタン計画を支援し発展してきた米PNNLと連携!?~5.10 原発反対八王子行動
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/523060

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■<IWJ取材報告 1>「市民を戦争体制に動員する法改悪が、国会に出されている!」「憲法を逸脱し、自衛隊員を戦争で犠牲にすることを米国と約束してよいと、いつ岸田首相に委任したのか!?」~5.3 武力で平和はつくれない!とりもどそう憲法いかす政治を~2024 憲法大集会

 憲法記念日の5月3日、東京都江東区の有明防災公園(東京臨海広域防災公園)で、約3万2000人(主催者発表)が参加した憲法集会が開催されました。

 「武力で平和はつくれない!とりもどそう憲法いかす政治を~2024 憲法大集会」と題されたこの集会の主催は、「平和といのちと人権を!5.3 憲法集会実行委員会」です。

 公園敷地内には、5つのスペースが設けられ、IWJはこのうち、メインステージでのプログラムを取材しました。

 「戦争をさせない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」の小田川義和氏は、日本国憲法をめぐる現状について、次のように語りました。

 「この集会は、意見の違い、過去の経緯を乗り越えて、『戦争させない』『9条壊すな』の一点で結集をした諸団体の呼びかけで開催をする、10回目の憲法集会となります。

 2015年5月3日、横浜臨海パークの集会に、3万人を超える皆さんにお集まりいただき、戦争法・安保法制反対の声を上げました。

 しかし、戦争法は強行され、自衛隊に、米軍などと一緒に海外で武力行使できる法的根拠を与えてしまいました。

 2022年の年末には、他国を攻撃するミサイルなどの購入・開発や、戦争準備を一段と進める『安保三文書』(の改定)が閣議決定をされ、2023年度予算からは、5年間で43兆円もの大軍拡が開始をされています。

 殺傷能力のある武器輸出を解禁し、アメリカの軍事産業と日本の軍事産業が共同して武器開発を行うこと、これにも踏み込み、経済安保法制など、市民を戦争体制に動員をする法制度の改悪は、今の通常国会にも出されています。

 先月、4月10日の日米首脳会談では、自衛隊を米軍の指揮統制下に置くことや、米英豪の軍事同盟『AUKUS(オーカス)』との協力強化などに合意をいたしました。

 軍事国家アメリカとグローバルパートナーだと言って、世界中の紛争に日米が一体で関与する約束までしています。

 憲法を逸脱し、自衛隊員をアメリカの戦争で犠牲にする約束をしてもよいと、私たちはいつ岸田首相に委任したのでしょうか?

 この9年間、私たちは力を寄せ合いましたけれども、事態はここまで進んでしまいました。明文改憲の論議も強まり、ここで止めなければの『崖っぷち』の状態だと思います。

 その意味で、今日の集会は、『戦争させない』『9条壊すな』の決意を新たにする場です。今日を起点に、運動のうねりを再び大きくしていこうではありませんか。

 今、圧倒的な軍事力を持つ核保有国が他国を侵略し、ジェノサイドを行うという、国際法や国連憲章違反によって、国際秩序が揺らいでいます。

 その下で、戦禍が長引き、無辜の市民が多数、犠牲になる現実を目の当たりにして、『武器で平和は作れない』との認識、停戦と撤退、人質解放の連帯の行動が、世界で広がっています。

 アメリカのバイデン大統領は、『民主国家対専制国家』の対抗だと、軍事ブロック化を進め、岸田首相は、『日本がウクライナのようになったら』と、大軍拡や軍事同盟強化を正当化していますが、それが国際社会の支持を得ているわけではありません。

 経済のグローバル化のもとで、グローバルサウスの国々が、国際社会での影響力を強め、アメリカの一国覇権は過去のものになりつつあります。

 3月26日に、国連安全保障理事会が、イスラエルのガザからの即時撤退、ハマスの人質解放を求める決議を、アメリカが棄権をし、賛成14ヶ国で採択したのは、その国際社会と市民の力ではないでしょうか?(後略)」

 小田川氏のあいさつに続き、伊藤真弁護士(伊藤塾塾長)と猿田佐世弁護士(新外交イニシアティブ代表)によるスピーチ、政党・会派からの連帯あいさつや、リレートークが行われました。

 詳しくは、ぜひ全編動画を御覧ください。

※「市民を戦争体制に動員する法改悪が、国会に出されている!」「憲法を逸脱し、自衛隊員を戦争で犠牲にすることを米国と約束してよいと、いつ岸田首相に委任したのか!?」~5.3 武力で平和はつくれない!とりもどそう憲法いかす政治を~2024 憲法大集会
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/522929

■<IWJ取材報告 2>ガザ停戦の申し入れ書をイスラエル大使館に渡す予定が、警察に阻まれ果たせず!「なぜイスラエル大使館に忖度するのか?」~5.1反戦メーデー・イスラエル大使館前行動

 イスラエルのガザ攻撃に対する労働組合による抗議行動が、メーデーの5月1日、駐日イスラエル大使館付近で行われました。

 主催した労組反戦行動実行委員会(5.1反戦メーデー事務局)は、ネタニヤフ首相宛の申し入れ書を参加者全員で大使館に渡す予定でしたが、警察に阻まれるなどして果たせませんでした。

 雨が降る中、大使館の最寄り駅、東京メトロ有楽町線麹町駅出口付近に集まった参加者を前に、進行役は次のように訴えました。

 「イスラエルは、自衛権の行使だと言っているが、でたらめだ。今の事態を招いたのは、1947~48年のイスラエル建国にあたって、パレスチナの人々を暴力的に土地から追い出し、虐殺を積み重ねてきた植民地の帝国主義の歴史こそ出発点」。

 「それを支えてきたのが米英日の政府だ。日本の労働者として許せない」。

 進行役の先導で、申し入れ書を持って、参加者全員がイスラエル大使館に向かいました。

 申し入れ書は、「ガザへの軍事攻撃の即時停止」と「侵略・占領したパレスチナ全域からの撤退」の2点を求めたものです。

 しかし、大使館が所在する路地への入り口で、警察が一行の通行を止めました。主催者側は「警察は邪魔をするな」「警察は違法行為をするな」等と激しく訴えました。

 参加した社会民主党党首の福島瑞穂参議院議員と同副党首の大椿裕子参議院議員が先頭に立って、1時間近くにわたって警察と交渉を続けました。その間も、各団体からの発言がマイクで続けられました。

 警察は、「一度に代表5人ないし10人ずつなら通す」等と言い、主催者側は、マイクや旗を使用しないなどの条件を示すなど、交渉が続けられました。しかし、最終的に、参加者全員が一緒に申し入れに向かう、との主催者側の希望が通らないまま、抗議行動は終了しました。

 福島議員は、「国会正門前も、議員会館前も、防衛省前も、経済産業省前も、文科省前でも、たくさんの人が抗議し、集会をやっているが、それを止められることはない。

 平和的に申し入れするのに、なんで大使館の周りでブロックされるのか? なぜイスラエル大使館に忖度するのか? 理解できない」と述べ、「警察官も労働者であることはわかるが、やっていることに法的根拠はない。違法だ」と改めて訴えました。

 詳しくは、ぜひ全編動画を御覧ください。

※ガザ停戦の申し入れ書をイスラエル大使館に渡す予定が、警察に阻まれ果たせず!「なぜイスラエル大使館に忖度するのか?」~5.1反戦メーデー・イスラエル大使館前行動
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/522869

■<IWJ取材報告 3>日本平和委員会が憲法記念日の5月3日に、渋谷・ハチ公前広場と、大阪、愛知で、若者100人を対象に憲法アンケートを実施! IWJの独自取材に「憲法は権力者や公務員が守るもの」と正しく答えた若者はゼロ!~「5・3若者100人に聞く憲法アンケート」の取材

 憲法記念日の2024年5月3日午前9時30分より、東京都渋谷区のハチ公前広場にて、日本平和委員会が、「5・3若者100人に聞く憲法アンケート」を実施しました。

※日本平和委員会
http://j-peace.org/

 日本平和委員会は、平和を創る活動をしているNGO(非政府組織)です。地域や職場、学校などで、3人以上の会員で構成される「基礎組織」が、全国47都道府県に約500あり、現在、約1万8000の会員がいます。

 日本平和委員会の岩本悟(さとる)氏は、活動内容について、次のように語りました。

 「(平和についての)色々な考え方の人を受け入れながら、それぞれ違う平和観の中で、平和という一致点にもとづいて進んでいくというところが最大の魅力。

 そういう場所って、今、日本にはなかなかありませんので」。

 この憲法アンケートは、愛知県平和委員会の青年・学生部が、29年前に始めたものです。あまり報じられることのない『若者たちの憲法観』について、自分達でその声を集め、マスメディアに訴え、報道してもらうことを目的として、継続して行っています。2015年からは、全国各地の委員会でも取り組まれるようになりました。

 東京では、コロナ禍のため、2019年を最後に実施されていませんでしたが、今年から再開されることになりました。

 また、大阪と愛知の委員会でも、同時にアンケートが実施されました。

 アンケートは、「5月3日は何の日ですか?」という単純なものから、「憲法9条(戦争放棄・戦力不保持)についてどう思うか?(変えるべきか、変えるべきではないか)」、「殺傷能力のある武器輸出の解禁についてどう思うか?」などの具体的なものまで、全部で7つの質問が設けられています。

 アンケートに応じた若者たちは、委員会スタッフと会話を交わしながら、質問に答えていました。

 渋谷ハチ公前広場では、開始時間の午前9時半から約3時間で、101人の若者からの回答を得ました。

 また、愛知では104人、大阪でも107人からの回答がありました。全国3ヶ所以上で、100人集められたのは、2019年以来、5年ぶりとなりました。

 4月29日に、すでにアンケート実施済みであった北海道を加えた、全国の集計結果が、後日、日本平和委員会の機関紙「平和新聞」上で発表される予定となっています。

 IWJ記者は、アンケートを終えた若者たちに、追加のインタビューを試み、3名の若者たち(男性2人、女性1人)から、憲法についての考えを聞くことができました。

 IWJ記者の質問は、以下の通りです。このうちのいくつかを、ランダムに聞きました。

・今日は何をしに渋谷へ?

・今日が「憲法記念日」というのは知ってましたか?

・そもそも憲法って、誰が守らなければならないものだと思いますか?

・現在の日本国憲法は、第二次世界大戦後に、戦争放棄をうたった憲法です。現在、国の防衛や安全保障など、緊急時に関しての憲法改正の議論が国会の憲法審査会で行われていることはご存知ですか?

・緊急事態に備えて、各政党は、緊急事態条項を条文に入れよう、とか、それよりも国民生活の底上げのための経済政策をしっかりと行うべきだ、とか、自民党政権で軍拡がますます広がる中、戦争ができる足掛かりとなる憲法改正はすべきではない、とか、慎重に議論すべきだ、という談話も出ています。憲法改正について、どうすべきかの考えはありますか?

・自民党の裏金問題が出て、現職の国会議員が法律も守ってもいないではないか、と批判を浴びています。自公政権に政治を任せておいていいと思いますか?

・若い世代の立場で、将来について不安なことはありますか?

・国の政治には、どんなことに期待したいですか? どんな政策に力を注いで欲しいと思いますか?

 山形県からイベント参加のために渋谷を訪れたという、15歳の男子高校生は、今日が憲法記念日であることを「知っている」と答えました。

 「憲法は誰が守るもの?」との問いには「国民」と答え、憲法改正について、国会で議論されていることについては、「なんとなく知っている」と回答しました。

 自民党の裏金問題については、「結構ニュースを見ている。国を動かしている人達なのだから、ちゃんとやってほしいと思う」と、考えを述べました。

 将来への不安や期待を質問すると、「よくわからないけど、生活とか(が良くなればいいと思う)」、国の政治へ期待したいことは「日本がいい国になってくれればいい」と述べました。

 茨城県から友人と遊びに来たという、24歳の会社員の男性は、今日が憲法記念日だとは「知らない」と答え、憲法を守るのは「国民」と回答しました。

 憲法改正の議論については、「ネットなどで議論を垣間見ることはあるが、見逃しがち」である、と答えました。

 自民党の裏金問題については、「使われ方次第」と、回答しました。

 国の政治に求めることとして、「景気が悪くならないようにしてほしい」と、回答しました。

 関東近郊からアート鑑賞のため来たという、18歳の女性は、憲法は「立法する人」が守るもの、と答えました。

 憲法改正の議論については、「割と進めていいのでは? 率先して戦争を進めたいという人間なんていないのでは。(戦争を)起こしたところで、国にとって利になることはない」と答える一方、「(改正の議論は)慎重にしていった方がいい」という考えを述べました。

 自民党の裏金など、政治とカネの問題については、「彼らもお金を集めたくて政治家になったわけではないと思う。できちゃった仕組みの上に乗っちゃったという人が多いのでは。事情がわからないので何とも言えないが、勉強して議員になっているわけだし、割と尊敬はあるので信じている」と、回答しました。

 将来への期待や不安、国の政治に期待することについては、「美術畑なので」と、文化系への予算が少ないことを口にし、「文化が栄えないと、国や政治も栄えていない印象なので大切にしてほしい」と述べました。

 詳しくは、ぜひ全編動画を御覧ください。

※日本平和委員会が憲法記念日の5月3日に、渋谷・ハチ公前広場と、大阪、愛知で、若者100人を対象に憲法アンケートを実施! IWJの独自取材に「憲法は権力者や公務員が守るもの」と正しく答えた若者はゼロ~「5・3若者100人に聞く憲法アンケート」の取材
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/522925

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 それでは、本日も1日、よろしくお願いします。

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IWJ編集部(岩上安身、六反田千恵、浜本信貴、木原匡康)

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