日刊IWJガイド・非会員版「第2次岸田内閣が成立! 内閣成立と同時に衆院茨城6区で『集団買収事件』が発覚! 臨時国会で燃え広がる第2の河井夫妻事件となるか!」2021.11.11号~No.3346号


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■はじめに~昨日、第2次岸田内閣が成立! 内閣成立と同時に衆議院茨城6区で、岸田派の国光文乃陣営による「集団買収事件」が発覚! 岸田総理にも直結するこの買収スキャンダルが、臨時国会で追及され、第2の河井夫妻事件となるか!

■岩上安身より、皆さまへ緊急のお願いです!!「改憲により、国家緊急権(緊急事態条項)という万能の魔法の杖を国家に渡してはならない!」と総選挙前から訴え続けてきましたが、自公プラス維新他で改憲発議可能な3分の2どころか4分の3近くまで議席を占められてしまった今回の総選挙!! しかし下を向いてばかりはいられません! IWJは前を向き、全力で前進し続けていきます! ただし10月末までの第一四半期で425万円を超える赤字でIWJは経済的な大ピンチに直面しています! 緊急のご支援をよろしくお願いします!!

■【中継番組表】

■維新の躍進の裏には、タレントで歌手のやしきたかじんの番組制作会社「ボーイズ」の偏向したメディア・コントロールがあった! 政界引退後の橋下徹氏は、偏向著しいフジテレビで「大活躍」!? 海外メディアは維新の躍進を「右翼ポピュリスト」と正しく報道! 国内大手メディアは全く切り込めず!!

■立憲代表選候補は、小川淳也国会対策副委員長や泉健太政務調査会長らが有力!? 他方で、SNSでは維新寄りの発言をした小川議員の評価が急降下! 代わって森裕子参議院議員の名前が浮上!

■<本日の再配信>今回の総選挙でついに全国民に差し迫った危機が!!「改憲で緊急事態条項が通れば『国民に「お前らの財産没収します!」なんてこともできます!』と明石順平弁護士が危惧!~岩上安身によるインタビュー 第937回 ゲスト 著者 明石順平弁護士 第3弾(前半)」をお送りします!
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■はじめに~昨日、第2次岸田内閣が成立! 内閣成立と同時に衆議院茨城6区で、岸田派の国光文乃陣営による「集団買収事件」が発覚! 岸田総理にも直結するこの買収スキャンダルが、臨時国会で追及され、第2の河井夫妻事件となるか!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 昨日午後、衆院選を受けた特別国会が召集され、午後の衆参両院の本会議で、岸田文雄氏が第101代内閣総理大臣に選出され、夜には第2次岸田内閣が発足しました。第2次岸田内閣では、自らが兼務していた外相に林芳正・元文部科学相を起用し、その他の閣僚はいずれも再任されました。

 この特別国会の会期は、11月12日までのわずか3日間です。その後、12月上旬に、臨時国会が召集され、政府・与党は、経済対策を盛り込んだ2021年度補正予算案の年内成立を目指すとしています。

※第101代首相に岸田文雄・自民党総裁 衆参両院で指名(日経新聞、2021年11月10日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA105M00Q1A111C2000000/?n_cid=BMSR2P001_202111101458

 衆議院選挙で、261議席と単独過半数(233議席)を越え、国会運営を有利に運べる安定多数(244議席)も、確保した自民党ですが、野党統一候補との接戦区が、これまでになく多かったのも事実です。つまり、この多数は、真に国民に「安定的」に支持された多数、であるといえるかどうか、危うい点があります。

 本日発売の週刊文春11月18日号は、茨城県で第2の河井克行・案里夫妻事件になりうる「集団買収」が選挙戦真っ只中の10月26日、27日に行われていた事実をすっぱ抜きました。

 このスクープによると、集団買収を行った主体は、茨城6区から出馬して当選した元厚労省医系技官で岸田派の国光文乃氏。買収された有権者は、接戦の国光氏の応援に入った岸田総理と安倍晋三元総理の演説会に参加した不特定多数の有権者です。つまりこれは、岸田氏に直結してゆく可能性のあるスキャンダルなのです。

 買収は、茨城県内の運輸事業者が加盟する「茨城県トラック協会」の政治部門である「茨城県運輸政策研究会」が、傘下の約1600事業者に岸田総理と安倍元総理の演説会への参加を求めるという方法で行われました。

 動員要請人員は最大で5名以内となっていますが、この演説会に参加した有権者には1人日当5000円が実際に支払われたのです。

 演説会参加を求める「茨城県運輸政策研究会」の案内状には、別添の岸田総理と安倍元総理の演説会の日時と場所を記した案内状が一緒に送付されおり、この案内状の送付主体こそが、国光文乃衆議院議員本人だったのです。

 国光衆議院議員から直接、「茨城県トラック協会」に演説会の連絡が届き、それを基に、「茨城県運輸政策研究会」が傘下事業者に参加要請の案内状を送付していたのです。

 週刊文春は、公選法に詳しい神戸学院大学の上脇博之教授のコメントを掲載しています。

 「河井夫妻の事件では、厳しい選挙情勢に加えて選挙直前という時期、金銭を渡した規模や範囲などが総合的に勘案されて有罪判決が下りました。今回は、案内状で国光氏を<推薦者>と明示したうえで<協力>」を依頼しただけでなく、動員要請自体を『実質的な投票依頼』と受け止めた参加者もいる。しかも、選挙期間の真っ只中に不特定多数に呼びかけ、実際に金銭を支払っているわけですから、有権者買収に当たる疑いが非常に強いと言えます」

 このように、上脇教授はコメントしています。

 この問題は、第2次岸田内閣全体の資質を問われる問題です!

 河井夫妻による大規模な選挙買収事件が繰り広げられた舞台は岸田総理の地元の「広島」でした。

 そして今度は、岸田総理の率いる岸田派の派閥議員のあからさまな選挙買収事件です!

 当たりの柔らかい岸田総理は、安倍元総理や、菅前総理よりも、「クリーン」なイメージをもたれていたかもしれませんが、自民党の金権体質は、清和会だろうが、宏池会だろうが、何ひとつ変わりはしないことを示しているように思われます。法を破り、有権者を買収して、国会議員という身分を買う。そんな議員が、我々有権者の生命や財産や自由に関わる重大な改憲の発議などを行う。そんなことは許されません。

 11月10日午後9時より第101代内閣総理大臣に指名された岸田文雄総理の記者会見が行われました。冒頭岸田総理は、「先の総選挙では、岸田政権に我が国の舵取りを引き続き担うよう、民意が示されました。私は厳粛な思い、身の引き締まる思いで、この民意を受け止めております」と述べました。

※岸田内閣総理大臣記者会見―令和3年10月14日(首相官邸)
https://www.youtube.com/watch?v=yo2lXNoNFK0

 しかし、総裁選から衆議院選挙までのメディアによる自民党へに偏向した報道は異様でした。それでも自民党は15議席を失ったのです。立憲民主党の議席減は14議席でした。しかし、開票直後からマスコミは立憲と共産を中心とした野党共闘が大敗したように扱い、大声で枝野氏の責任を問い、実際、枝野氏の代表辞任に至るのです。

 なぜ、自民党は野党第1党よりも議席を減らしながら、その自民党の総裁でもある岸田総理はどうして、ヌケヌケと「岸田政権に我が国の舵取りを引き続き担うよう、民意が示された」などとい言えるのでしょうか? なぜそんな岸田総理と自民党の姿勢に対して、大手メディアは批判の声をあげないのでしょうか!?

 早速、大接戦区であった茨城6区で、岸田総理・安倍晋三元総理による国光文乃候補の応援演説の聴衆に、日当5000円が支払われた買収疑惑も浮上してきています。国光候補は、岸田派であり、岸田総理にとって派閥の「子分」でもあります。国光候補は当選を果たしました。他の接戦区ではどうだったのでしょうか? 同様の買収行為は行われなかったと言い切れるのでしょうか?

 「政治とカネ」疑惑の検証は、安倍政権時代の話だけではなく、岸田政権においても相変わらず追及すべき筆頭項目に浮上しました。

 「有権者に賄賂を贈り、国会へのパスポートをねだるなんて本当なのか」。ブルーハーツの名曲「青空」の一節が、替え歌としてつい口をついて出てきます。

 「誠実さのかけらもなく、笑っている奴がいるよ、隠しているその手を見せてみろよ」

※ブルーハーツ(曲・歌詞) 「青空」
https://www.google.co.jp/search?q=ブルーハーツ+青空+曲+歌詞&ie=UTF-8&oe=UTF-8&hl=ja-jp&client=safari

 岸田総理は、コロナ対応、経済政策、外交安全保障をどれも緊迫した課題であり、政治空白は一刻も許されないとして、最優先課題に挙げました。

 岸田総理はコロナ対応について「今週中に新型コロナ対応の全体像」を取りまとめるとし、冬の第6波に対する医療提供体制の拡充などを上げ、個人向け給付金と事業者向け給付金について述べました。

 経済政策では、「新しい資本主義の実現会議」の緊急提言を盛り込み、成長と分配を進めること、成長戦略の中で特に「デジタル田園都市国家構想」に力を入れると述べました。

 外交安全保障では、「日米同盟の更なる強化の中で、『開かれたインド太平洋』の実現」に向けて米国・バイデン政権と連携していくとしました。「中国やロシアとの関係では主張すべきは主張し、毅然とした外交を進めてまいります」と述べました。

 問題は、改憲です。

 岸田総理は、憲法改正について党内の体制を強化する指示を出したとし国民的議論を活性化して国会での議論に繋げるとしました。

 質疑の時間、産経新聞の記者が「憲法改正の体制強化」について、「具体的にその体制の強化っていうのはどんなことを想定されていらっしゃるのか」と質問しました。

 岸田総理は「従来から自民党の中においては、憲法改正を議論する組織が存在しますが、新しい内閣がスタートしたことを受けて、また、今回の衆議院選挙の結果を受けた上でしっかりと取り組んでいかなければいけないと言う声が高まっている」とした上で、以下のように回答しました。

 「国会の議論ともしっかり連動する形で、国民の皆さんとの対話を重視する形で、党内の体制をしっかりと拡充することができないだろうか。こういった議論を今行なっています。(略)

 国会の議論と国民の皆さんの憲法改正に対する理解、この二つはクルマの両輪であると思っています。その両方が揃わないと憲法改正は実現しない、そういう法体系になっているわけですから、共にしっかりと進めていかなければならないと思っています。(略)

 国民の皆さんの憲法改正に対する思いを盛り上げていただく工夫を、党としても行っていくことは大事であると認識しています。(略)

 こういった思いをぜひ形にしたいと思っています」

 時事通信の記者も、岸田総理が衆院選の後、憲法改正について2/3以上の賛成を得られるよう議論を深めたいと述べたことを取り上げ、「憲法改正に前向きな日本維新の会や国民民主党といった勢力等へ積極的に協力を求めていく考えはあるか」と質問しました。

 岸田総理は「自公政権のもとに国会論戦に臨むが、野党との議論は是々非々でいくのが基本」だと回答しました。

 「憲法改正のこの議論につきましては、改憲を実現するためには与野党の枠を超えて2/3以上の賛成が得られるように、しっかり努力を続けていくことが大事であると思っています。(略)

 この国会での発議のために国会の議論を進めていかなければいけない。そのためにも幅広い国民の皆さんの理解とあいまって議論を進めることが大事だと思っています」

 国民の幅広い議論とは何を指すのでしょうか?岸田総理がよく口にするタウンミーティングでしょうか。それとも憲法改正に向けてのメディア戦略でしょうか。その中には、不正な工作や卑怯な手口は含まれていないでしょうか?

 11月8日に岩上安身がインタビューした、立憲民主党の小西洋之議員は、野党議員への攻撃的なツイートを繰り返していた「Dappi」というアカウントを運用していたウェブ関連会社を相手取り、名誉毀損として、880万円の損害賠償などを求める訴訟を東京地裁に起こしました。

 この、「Dappi」を運用していたウェブ関連会社「ワンズクエスト」は自民党と直接の取引があったことがわかってきています。

 「ワンズクエスト」の社長は、自民党本部の事務方トップである事務総長の元宿仁(もとじゅく ひとし)氏の「親戚」だと『しんぶん赤旗』が報じています。小西議員によると、野党議員でも「元宿」の名前を知らない議員がいるくらい、表には出てこない人物ですが、歴代幹事長をサポートし、自民党の選挙から政治資金を一手に掌握している「凄い人」だということです。

 「ワンズクエスト」の社長は国会内の銀行口座を利用していたこともわかっています。国会内の銀行口座開設には国会通行証の提示が必要です。ここからも「ワンズクエスト」と政界の繋がりの深さがわかります。

 さらに驚くべきことに「ワンズクエスト」は、自民党のダミー会社と目されている「システム収納センター」とも取引があったと『デイリー新潮』がスクープしています。「システム収納センター」の歴代役員には、福田康夫元総理や岸田文雄総理、甘利明前幹事長らの名が並んでおり、2017年以降の3年間で総額1億2千万円以上が自民党本部から支払われているということです。

 野党議員を貶めるツイートを法人がやっていたこと、さらにその法人が自民党と深い関係にあったとなれば、豊富な資金力を持つ自民党がこっそりとネット工作をやっていた可能性が浮上してきます。詳しくはぜひ、岩上安身による小西洋之参議院議員のインタビューを御覧ください。

 仮に自民党が民間企業を使って世論を操作するような情報操作をやっていたとすれば、岸田総理のいう「国民の皆さんの理解」を額面通りに受け止めることは難しいと言わざるを得ません。

 「Dappi」の誹謗中傷ツイートに端を発した自民党のネット工作疑惑で、歴代総理と現役の総理の名前が出てくるとは、あまりの闇の深さに驚かされます。
 
※大手メディアがDappi問題を無視! 偏向報道の下で行われた衆院選で改憲勢力が3分の2超の議席を確保! 岩上安身によるインタビュー第1059回 ゲスト 立憲民主党・小西洋之参議院議員 2021.11.8
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/499109

■岩上安身より、皆さまへ緊急のお願いです!!「改憲により、国家緊急権(緊急事態条項)という万能の魔法の杖を国家に渡してはならない!」と総選挙前から訴え続けてきましたが、自公プラス維新他で改憲発議可能な3分の2どころか4分の3近くまで議席を占められてしまった今回の総選挙!! しかし下を向いてばかりはいられません! IWJは前を向き、全力で前進し続けていきます! ただし10月末までの第一四半期で425万円を超える赤字でIWJは経済的な大ピンチに直面しています! 緊急のご支援をよろしくお願いします!!

 お世話になっております。IWJ代表の岩上安身です。

 天下分け目の衆院選が、改憲勢力の圧勝で終わってしまいました。今度の選挙ほど重要な選挙は過去になかったのではないかと思われますが、最も重要な「改憲問題」という争点が隠され、大変残念な結果になってしまいました。

 世界は今、100年に1度あるかないかの巨大な政治的経済的軍事的な地殻変動に見舞われています。いうまでもなく、日本を含む世界全体に単独覇権国として支配力と影響力を及ぼしてきた米国が衰退し、中国が米国の国力を上回る勢いの新興国と台頭してきているからです。

 地球上の覇権国の力関係が、劇的に変わろうとしつつあります。この米中のせめぎあいに、米国の「従属国」に甘んじてきた日本はモロに巻き込まれつつあります。

 米国の衰退の原因は、米国自身の奢りによるところが大きい、と言わざるをえません。自ら生み出した新自由主義とグローバリズムのために、そして単独覇権主義を徹底するために巨大な軍事力を備え、行使してきたために巨大な財政赤字を積み上げ、さらに米国内部で超富裕層と貧困層の格差が民主主義国と言えないほど開いてしまい、結果として国力を落としてしまっています。

 財政赤字と国民の格差の拡大については、そっくりそのまま日本で同じことが起こっています。日本が米国のマネをしてこなかった(できなかった)のは、軍事力の行使だけでしたが、今後の行方次第ではそのタガも外れてしまうことでしょう。

 日本の場合、現在GDP比266%もの債務を「平時」の間に積み上げてしまっており、このあと「有事」となって巨額の戦費を必要としたら、戦時国債を大増刷して国民に買わせるか、その前に財政破綻の危機に瀕するか、そのデフォルトを避けるため、緊急事態条項を使って、全国民に大増税をかけることになるでしょう。

 私がIWJというインターネット報道メディアを立ち上げた(会社登記)のは、正式には2010年12月のことですが、準備期間に約1年間かけました。その際、IWJという社名だけ決めて、「移行期通信」というメルマガを支持者の方々にお送りしていました。

 社名になぜIndependent(独立)という言葉を入れると決めていたのか。独立メディアである、という意味はもちろんのことですが、もう少し深い意味を込めて、日本の独立に少しでも資するように、という願いを込めたからです。それが私の志であり、一貫した「初期衝動」です。

 日本よ、独立せよ。

 米国への過度の依存から離れ、世界の国々、とりわけ隣国との友好に尽くし、独立国としてサバイバルせよ、という思いです。

 その思いを込めてスタートしたIWJですが、私の願い、言いかえれば危機感の方が、的中してしまい、日本は国力を落としながら、さらに米国への依存を深めどんどんと危うい方向に向かいつつあります。

 敗戦から冷戦の終わりまで日本は当たり前のように米国に、外交・安全保障を依存してきました。冷戦に「勝利」した米国は、傲りたかぶり、世界を一極支配する単独覇権システムを構築しようとし、かえって世界の反発を買って多極化を招いてしまいました。

 にもかかわらず日本は、米国を不動のヘゲモン(覇権国)としてあがめたてまつり、依存をさらに深めており、米中対立の「最前線」に立たされつつあります。その戦争準備のために、国会から立法権を奪って、内閣独裁を実現し、超法規的な「政令」を繰り出せる緊急事態条項を含めた改憲をしようと躍起になっているのです。

 衆院選についての報道も連日行われていたのに、今回の選挙の真の争点である自民党の改憲案については、すべてのマスコミが開票が終わるまで沈黙し続けました。

 自民党単独で過半数を取るか、自公で過半数を取るか、などが問題なのではなく、改憲に前のめりな姿勢を見せる維新と国民民主党がどれだけ議席を獲得し、その結果、自公プラス維新と国民民主の改憲勢力が衆議院の3分の2以上の議席を得て、改憲発議が可能になるかどうか、それこそが、今回の総選挙の真の争点だったのです。

 残念ながら、この3分の2の議席というラインは超えて、改憲勢力が4分の3に迫る議席にまで達しました。

 しかしながら、大手メディアは、開票が終わるまで改憲問題については、大っぴらに報じたり、論じたりするのを避けていました。

 こうした視点で、この総選挙の真の争点を事前に報じ、論じるメディアはIWJをおいては皆無に近く、ありとあらゆるテレビ局や大新聞は、程度の違いこそあれ「立憲議席増、自民議席減」という、根拠の怪しい(各社自身の調査の生データと剥離している)、無党派の中の立憲寄り、反自民の層が、油断をするようなアナウンスを繰り返しました。

 そのあげく、投票率も上がらず、事前の予測とは真逆に立憲・共産の野党共闘が議席を減らし、自民自身は議席を減らしたものの、公明は微増、自民の「別動隊」である維新は、4倍増と躍進し、国民民主も微増となり、改憲勢力全体では議席を増やしました。

 10月31日の投開票が終わった途端に、岸田総理や、維新の松井代表が、積極的に改憲について発言し始め、大手メディアは、これに飛びついて改憲について記事にし、番組で取り上げています。選挙前とはうって変わって、急に「改憲が重要イシューとなった」と言わんばかりの報道姿勢の変わりようです。

 緊急事態条項は、対中国との戦争を見すえて、国民の反対を抑え込んで戦時独裁体制を築き、米国の傀儡国として、米本土を守るため、日本国民を犠牲にする無謀な戦争に突っ込むためのものです。

 同時に、景気の回復やコロナ対策どころか、戦費調達で無制限に国債を増発して国の借金がどうにもならなくなったら、国家緊急権をもって、国民に対して大増税を強行するためでもあります。

 1946年、第二次大戦の敗戦の翌年、日本政府は国民に強制的に買わせた戦時国債がインフレで価値がなくなっている時、国家緊急権(緊急勅令)を発令して、「一回限り」という言い訳つきで全国民から財産を没収し、(最高税率90%! )インフレのために額面ほどの価値のなくなった国債の形ばかりの返済にあてて、表向きデフォルトをまぬがれた「前科」があるのです。

※(再掲)改憲で緊急事態条項が通れば「国民に『お前らの財産没収します!』なんてこともできます!」と明石順平弁護士が危惧!~岩上安身によるインタビュー 第937回 ゲスト 『データが語る日本財政の未来』著者 明石順平弁護士 第3弾
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/447524

※【エッセンス版】改憲で緊急事態条項が通れば「国民に『お前らの財産没収します!』なんてこともできます!」と明石順平弁護士が危惧!岩上安身によるインタビュー 第937回 ゲスト 明石順平弁護士 第3弾
https://www.youtube.com/watch?v=DSyU3bKBn5Y

※【矢野論文について・切り抜き5】岩上安身による弁護士 宇都宮健児氏、エコノミスト 田代秀敏氏インタビュー
https://www.youtube.com/watch?v=pHZl0wcn5-c

 その恐ろしい「財産税」のために、新円切り換えと同時に預金封鎖を行うという荒業まで用いたのでした。

 国家緊急権は、国家が、国民の意志とは無関係に超法規的な強大な権力をふるえるようになる、「悪魔の魔法の杖」の如きものです。

 しかし、国家緊急権という万能の「魔法の杖」を国家に渡さないように、これまでもずっと、この問題に警鐘を鳴らし続けてきました! IWJは、しかしこの問題は、マスコミではタブー扱いになっています。選挙前も、選挙後も、必ず、です。

 選挙後も、「改憲」の話は出ても、「緊急事態条項」については大きく取り上げたり、コミットしないよう、各政党の政治家も、御用記者クラブメディアも、慎重にふるまっています。口裏もあわせずして、大手メディアがことごとく、「緊急事態条項」については黙り続ける、こんな芸当がどうしてできるのでしょうか?

 多くの国民は世間の話題にもならないため、その危険性に気づかず、眠るように忘れさせられてゆくのです。

 その点の危うさを、IWJはずっと「炭鉱のカナリア」のように、近づく危機を1人でも多くの方に知らせるべく、叫び続けています!

 戦後憲法は、明治憲法に書き込まれていた、この危険な国家緊急権を取り除きましたが、自民党をはじめとする現在の改憲勢力は、再び憲法に書き入れようとしています。もしも書き込まれれば、どうなるのでしょうか。暴力的な愚行を一度やらかした政府です。二度とやらないなどと誰が保証できるのでしょうか。

 こうして、マスコミが沈黙し続けている自民党改憲案の危険性を訴え続けているIWJが、今、活動費が足りずに沈没しかけています! 市民の皆さんからの緊急のご支援がどうしても必要です!

 11月になり、IWJの今期第12期は4ヶ月目に入りました。

 IWJでは、第12期の年間の予算の見通しを立て、ご寄付・カンパの目標額を月額420万円(年間5040万円)とさせていただきました。

 11月は1日から9日までの9日間で、49件、78万2200円のご寄付・カンパをいただきました。ご寄付をくださった皆さま、本当にありがとうございます。

 しかしながら、11月も3分の1が過ぎようとしていますが、ご寄付・カンパの額は、月間目標額である420万円の19%にとどまっています。

 今期第12期は8月から始まり、10月で3ヶ月目、第1四半期を終えました。しかし、8月は月間目標額を87万900円下回り、9月は185万2600円下回り、10月は153万290円下回ったため、累計の不足分は425万3790円となりました。第1四半期だけで、1ヶ月分の目標額を超える赤字です。

 このペースで進んでいくと、4半期で425万円ですから、年間では4倍の1700万円の赤字となります! この赤字が現実となると、IWJは壊滅的な打撃を受けてしまい、今期の途中で活動を停止せざるをえなくなるかもしれません!

 すでにお伝えしている通り、私、岩上安身は、キャッシュフローが足りなかったIWJに対して1093万円を貸し込んでいます。私は富裕層でもなんでもなく、40年間働いてきて乏しい貯えがわずかにあるだけのもともとは一介のフリーランス、自営業者に過ぎません。

 個人が1000万円を超えるお金を会社に貸す、というのは大変なことです。第12期のスタートにあたって、前期の第11期の途中から無報酬で働いてもおりましたが、8月から始まった第12期も、1年間にもわたって、無報酬で働くことを決めています。

 これ以上は、私、岩上安身個人の力だけではいかんともしがたい苦しい状況です。私1人の力や、無報酬のため細る一方私の貯えでは425万3790円もの不足分を穴埋めすることはできません!

 どうか会員の皆さまのお力で、IWJをお支えください!

※岩上安身のツイート
https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/1457599626731683844

 IWJの会員数は現在3520人です。そのうちサポート会員は1237人です。本当に心苦しいお願いではありますが、会員の皆さま全員が1200円ずつカンパしてくださるか、サポート会員の皆さまが1人3500円ずつカンパしてくださったならば、なんとかこの赤字は埋められます。

 伏してお願いいたします! どうか皆さまのお力で、この窮状をお助け願います!

 コロナ禍は、日本のすべてを直撃しています! IWJも例外ではありません!

 同じように皆さまもそれぞれ、コロナ禍で厳しい状況に直面されていることと拝察いたします。こうした状況で皆さまに、会員登録のお願いとご寄付・カンパを繰り返しお願いすることは、心苦しいことではあります。

 しかし、特定のスポンサーをもたないことで、何者にも縛られず、忖度せずに、真実をお伝えしてゆくのが、独立メディアであるIWJの存在意義です!

 こうした選挙分析のスクープを、非会員の方も含めてお送りしているのは、公共性・公益性に鑑みて、身を削っても1人でも多くの国民の皆さまに知っていただくことが必要だという思いからです!

 非会員の方はまず、一般会員になっていただき、さらに一般会員の皆さまには、サポート会員になっていただけるよう、ぜひご検討いただきたいと存じます!

 その会費と、ご寄付・カンパによって支えられてはじめて、IWJは、市民の皆さまのために役立つ、真の独立市民メディアとしてその活動を継続し、その使命を果たすことが可能となります。

 マスメディアが報じない事実と真実を報道し、売国的な権力への批判を続け、主権者である日本国民が声をあげ続けることができるようにすることが、今、絶対に必要なことであり、それが我々IWJの使命であると考えています。

 日本は今、歴史の大きな曲がり角に直面しています! その事実に気づいていない人もたくさんいます! 薄々気づいていても、何とかなるだろうとタカをくくっている人も少なくありません。決してそんなことはありません。

 核兵器をもたず、エネルギーも食料も自給できず、逆に日本列島中に原発を抱えている日本は、中国とミサイル戦を戦える国ではありません!

 自民党の高市政調会長が唱える、中国に対して電磁パルスで敵ミサイル基地を無力化するなど、まったくの妄想です。

 自民党も政府も、現実を直視せず、現実逃避に、ファンタジーの中に、逃げ込んでいます。

 真の愛国者であればあるほど、日本は絶対に今、戦争はしてはならない、ということが理解できるはずですし、勇気をもってそう主張すべきです。

 国家緊急権を、憲法には絶対に書き込ませない! 国家緊急権による破滅的な戦争も、国民から財産を根こそぎ巻き上げる大増税もさせない! と、政府や自民党をはじめとする改憲勢力の前に立ちふさがって声を張るべきなのです!

 米国と中国の覇権争いに、日本は巻き込まれてはならない、自主独立の道を行く! という姿勢を貫くべきなのです!

 決して負けられないこの戦いに、私は、IWJのスタッフを率いて全力で立ち向かいたいと腹をくくっています! 皆さまにはぜひ、ご支援いただきたくIWJの存続のために、会員登録と緊急のご寄付・カンパによるご支援をどうぞよろしくお願いしたく存じます。

岩上安身拝

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※ご寄付・カンパを取り扱っております金融機関名です。よろしくおねがいします。

みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル カンリブ

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◆中継番組表◆

**2021.11.11 Thu.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・Ch5】10:30メド~「林芳正 新外務大臣 就任会見」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch5

 林芳正 新外務大臣による記者会見を中継します。これまでIWJが報じてきた外務大臣関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e5%a4%96%e5%8b%99%e5%a4%a7%e8%87%a3
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【IWJ_YouTube Live】13:00~「入管施設でのDV被害女性の死亡事件を受けての記者会見」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

 外国人女性やDV被害者を支援する5団体共同の記者会見を中継します。主催は「NPO法人 移住者と連帯する全国ネットワーク」、「人身売買禁止ネットワーク(JNATIP)」、「NPO法人 全国女性シェルターネット」、「公益財団法人 日本キリスト教婦人矯風会」、「認定NPO法人 ヒューマンライツ・ナウ」。これまでIWJが報じてきた難民関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e9%9b%a3%e6%b0%91
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【タイムリー再配信 1017・IWJ_YouTube Live】20:00~「改憲で緊急事態条項が通れば『国民に「お前らの財産没収します!」なんてこともできます!』と明石順平弁護士が危惧!~岩上安身によるインタビュー 第937回 ゲスト 『データが語る日本財政の未来』著者 明石順平弁護士 第3弾(前半)」
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 2019年4月に収録した、岩上安身による明石順平弁護士インタビューを再配信します。これまでIWJが報じてきた緊急事態条項関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e7%b7%8a%e6%80%a5%e4%ba%8b%e6%85%8b%e6%9d%a1%e9%a0%85

[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/447524

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◆中継番組表◆

**2021.11.12 Fri.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【タイムリー再配信 1018・IWJ_YouTube Live】20:00~「改憲で緊急事態条項が通れば『国民に「お前らの財産没収します!」なんてこともできます!』と明石順平弁護士が危惧!~岩上安身によるインタビュー 第937回 ゲスト 『データが語る日本財政の未来』著者 明石順平弁護士 第3弾(後半)」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

 2019年4月に収録した、岩上安身による明石順平弁護士インタビューを再配信します。これまでIWJが報じてきた明石順平氏関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e6%98%8e%e7%9f%b3%e9%a0%86%e5%b9%b3

[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/447524

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■維新の躍進の裏には、タレントで歌手のやしきたかじんの番組制作会社「ボーイズ」の偏向したメディア・コントロールがあった! 政界引退後の橋下徹氏は、偏向著しいフジテレビで「大活躍」!? 海外メディアは維新の躍進を「右翼ポピュリスト」と正しく報道! 国内大手メディアは全く切り込めず!!

 10月31日の衆議院選挙で日本維新の会が躍進しました。この躍進の原点は、日本維新の会の創設者である橋下徹前大阪府知事の2008年の大阪府知事選出馬に始まります。

 このとき、弁護士だった橋下徹氏が大阪府知事に当選していなかったら、現在の大阪、あるいは日本の政治地図はずいぶん違ったものになっていたはずです。

 2014年にタレントで歌手のやしきたかじん氏が亡くなったとき、橋本氏は「たかじんさんの番組で顔と名前を広く知ってもらった。それだけで当選したようなものですから」と大阪市役所で大阪市長として取材陣の質問に答えています。

 橋下氏は、2003年から読売テレビのやしきたかじん氏が司会を務める「たかじんのそこまで言って委員会」にレギュラー出演し、この番組に5年出演したことで、広く名前が知られるようになりました。たかじん氏に府知事選出馬の後押しをされたと橋下氏自身も述べています。

※橋下市長が号泣「優しくて…強い人…」(日刊スポーツ、2014年1月9日)
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/p-et-tp0-20140109-1241453.html

 橋下氏は、2008年に大阪府知事に当選した後、2011年11月、自らが掲げる大阪都構想などの政策実現を目的として、任期を3ヶ月余り残して大阪府知事を辞職、任期満了に伴う大阪市長選挙に立候補して当選しました。

 このように、橋下氏は、もともと、やしきたかじん氏の番組から登場した「メディア政治家」だったと言ってもいい存在なのです。

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■立憲代表選候補は、小川淳也国会対策副委員長や泉健太政務調査会長らが有力!? 他方で、SNSでは維新寄りの発言をした小川議員の評価が急降下! 代わって森裕子参議院議員の名前が浮上!

 大手メディアは、第2次岸田内閣のフォローだけに執心していますが、国会第2勢力の立憲民主党の代表選は、日本の政治にとって、非常に重要なイベントです。大手メディアは、その時々の権力中枢を追うことで、その報道の仕方自体が、一種の「情報操作」になっていることに無自覚・無反省です。

 権力は常に多元的でなければならず、しかも、一方的な支配ということはあってはなりません。それは民主制の最も大事な要諦です。一つの支配権力のあり方だけに主要メディアがフォーカスしてしまうことは、一極支配を強めるだけで、他のオルタナティブな、代替となる政治理念や政策集団を常に用意しておくという多党制(プルラリズム)が健全と機能することを妨げます。

 岩上安身は、枝野代表へのメッセージとして、代表選挙について次のように提言しています。

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■<本日の再配信>今回の総選挙でついに全国民に差し迫った危機が!!「改憲で緊急事態条項が通れば『国民に「お前らの財産没収します!」なんてこともできます!』と明石順平弁護士が危惧!~岩上安身によるインタビュー 第937回 ゲスト 著者 明石順平弁護士 第3弾(前半)」をお送りします!

 本日、夜8時から、2019年4月26日にIWJ事務所で行われた岩上安身による明石順平弁護士のインタビューをお送りします。このインタビューは3時間半に及びました。本日夜に前半(1時間53分)、明日の夜に後半(1時間25分)をお送りします。

 明石弁護士は『アベノミクスによろしく』(2017年、集英社)で、実質GDPの低い成長率、国内消費は戦後最大の下落、統計情報の操作などのデータをもとに、アベノミクスは大失敗だと告発し、話題になりました。

 インタビューの2ヶ月前、明石弁護士は新たな著書、『データが語る日本財政の未来』(2019年、集英社)を出版され、豊富なデータをもとに借金大国日本の実態を赤裸々に暴きました。

 アベノミクスで突き進む日本の政府総債務残高の対GDP比は200%を超え、終戦直後の戦時国債で膨れ上がった赤字と同じレベルにまで来ていることを指摘(現在はそれを大きく上回り、260%の水準に)、そのツケを日本国民は「通貨崩壊」という形で支払うことになると警鐘を鳴らしています。

 明石弁護士のブログ、「モノシリンの3分でまとめるモノシリ話」にも、著作の内容の一部が紹介されています。

※明石順平ブログ「モノシリンの3分でまとめるモノシリ話」
https://blog.monoshirin.com/

 冒頭、毎月勤労統計調査で実質賃金がマイナス1.1%となるなど、インタビュー直前に続々と明らかになった景気後退の兆候についてお話をうかがいしました。明石弁護士は「これまでの統計操作のツケという面もある」と述べています。

 公的年金を運用するGPIF (年金積立金管理運用独立行政法人)が、2018年10月から12月の四半期ベースで、14兆8039億円の赤字を記録したというニュースについて、明石弁護士は「人の金をなんだと思っているんでしょうね」とポツリ。

 岩上安身は、この景気後退とトランプ政権の圧力を口実に、安倍政権が消費税増税を延期し、「消費税5%の減税」を訴えて、衆参ダブル選挙になだれ込み、改憲勢力で衆参の議席の3分の2以上を獲得し、緊急事態条項を含む憲法改正を発議する、というシナリオが永田町周辺でささやかれていると述べました。

明石弁護士「もう、なんでもいいんですよ。(消費税増税を)延ばせれば」

岩上「改憲ができれば、財務省も何にも言わないでしょう」

明石弁護士「そうですね。5%減税しますよ、とか。何言ってもいいんですよ。改憲しました、緊急事態条項通りましたと。地震ですとかなんとか言って、消費税30%にあげますとか。できちゃいますからね」

岩上「できちゃうんですよね」

明石弁護士「ええ。緊急事態条項さえ通れば無敵ですから。なんでもできますから」

岩上「公約とか何にも関係なくなりますよね」

明石弁護士「有権者に頭下げる必要もなくなりますから。選挙がなくなりますから」

岩上「選挙がなくなるんですよね。野党の意味がなくなる、国会の意味がなくなる。で、自民党は実はあまり『改憲』のことは言いたくない。ステルス作戦で行けばいいと。

 ところが、『改憲』を大声で言い出している人たちがいるんですね。維新の皆さんです」

 4月7日の統一地方選で、大阪府知事・大阪市長「スワップ」選挙で圧勝しています。岩上は「私人」である橋下徹氏が8日にフジテレビ系の番組に出演して「吉村さん、(憲法改正に消極的な)公明党倒すために(衆院選に)出ますよ」などと発言していることを取り上げ、維新の大阪でのテレビ露出が異様に多いことを指摘しました。

岩上「どうです。今、特攻隊長状態です、維新は『改憲ダイナマイト』。『改憲ダイナマイト』っていうのは、大阪府の知事に当選した吉村さんが大阪維新の政調会長でもあるんですけれども」

 大阪12区の補選でも、共産党を辞して野党共闘を訴えた宮本岳志氏が維新の藤田文武氏が破っています。藤田氏は街宣の第一声で「憲法改正。私も悲願です」と訴え、吉村氏は「僕たちは、ダイナマイトみたいにボカンと国会でやりたい」と会見への意欲をむき出しにしたことを岩上安身が紹介しました。

明石弁護士「改憲、改憲と言いますが、何を具体的に変えたいという話をみんなしなくないですか? たとえば、憲法改正して政治献金を禁止しますというんだったら私だって賛成しますよ。(略)

 9条なら9条、緊急事態条項なら緊急事態条項と言えよと思っていて」

 2021年10月31日に行われた衆議院選挙の翌日、IWJは日本維新の会の大阪本部に取材、ちょうど詰めていた元大阪府議・尾田一郎氏に、改憲について質問、緊急事態条項についてもうかがいました。

IWJ「現在の自民党案ですと、期限的な制約も内容的な制約もありません。そういった状態で賛成されますか?」

尾田氏「はい、賛成します。といいますのも、緊急事態条項と言いますのは、想定外のことが起きているということが大前提になりますから」

 尾田氏の見解がそのまま維新の会全体の見解である、とまでは言い切れませんが、党本部に詰めていて、維新を代表してメディア対応に当たっていた方ですから、その発言は「個人」のものだとは到底言えません。維新内部で自らは自公を引っ張る「改憲特攻隊長」であるというコンセンサスができていることは間違いありません。

※11議席から41議席へ!大躍進の日本維新の会にIWJが電凸! 元・大阪府議の尾田一郎氏が大躍進の理由は「教育の無償化」と「身を切る改革」、大阪での実績だと分析! 自民党改憲案には「賛成」、無期限・無制限の緊急事態条項にも「賛成」!(日刊IWJガイド、2021年11月2日号)
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/49720#idx-6

 日本維新の会のホームページでは「教育無償化」など賛同しやすい改憲項目がデカデカと掲げられている一方で、緊急事態条項については、その他の項目の中に小さく入っているだけです。これを目眩しと言わずしてなんと言うのでしょうか。

※日本維新の会 政策提言維新八策 2021(日本維新の会)
https://o-ishin.jp/policy/8saku2021.html

 この後、緊急事態条項こそ改憲の本丸であること、終戦直後、日本政府が「緊急勅令」によって予算封鎖、新円切り替え、財産税のセットで、国民の財産を収奪して国際を償還(借金の返済)した歴史を振り返っています。

 終戦直後を超える赤字を抱えた今の日本に「緊急事態条項」が導入されれば、終戦直後と同じように国民の財産を収奪して、ハイパーインフレで額面よりはるかに価値の落ちた国債の償還にあてる可能性はあるのです。形式上、返されたところで、国民にとって、何の違いもありません。

 詳細はぜひ、再配信を御覧ください。

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【タイムリー再配信 1017・IWJ_YouTube Live】
改憲で緊急事態条項が通れば「国民に『お前らの財産没収します!』なんてこともできます!」と明石順平弁護士が危惧!~岩上安身によるインタビュー 第937回 ゲスト 『データが語る日本財政の未来』著者 明石順平弁護士 第3弾(前半)

[配信ページURL] https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

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 それでは、本日も1日、よろしくお願いします。
※日刊IWJガイドのフルバージョン(会員版)は下記URLより御覧ください。
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IWJ編集部(岩上安身、六反田千恵、尾内達也、渡会裕、富樫航)

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