日刊IWJガイド「自民・河村元官房長官『五輪なければ国民の不満は政権が相手』と露骨な政治利用吐露! IWJ11期は皆さまのご支援で大幅赤字縮小の見通し」2021.8.2日号~No.3245号


┏━━【目次】━━━━━━━━━━━━━
■はじめに~五輪報道一色で国威発揚の大手メディア! 自民・河村健夫元官房長官は「五輪がなければ国民の不満は政権が相手となる」と露骨な政治利用を吐露! 立憲民主・枝野幸男代表は「この段階で中止や中断はかえって混乱を招く」と現状容認発言! 「五輪」を「戦争」と置き換えて考えたらどうか!? 今からでも再考すべき! 五輪はいったん中断を!!
■IWJ第11期は皆さまのご支援で大幅な赤字は縮小できそうな見通しです! 沢山の方の温かいご支援に心より感謝申し上げます! 厳しい状況下で新たなスタートを切る第12期もどうかご支援をよろしくお願いいたします!
■「日本においてフリージャーナリストが倒れたら暗黒時代となってしまう」~温かい応援のメッセージをありがとうございます! 岩上安身からの、緊急のご寄付の呼びかけに応じていただいた方のメッセージを感謝を込めてご紹介させていただきます!
■【中継番組表】
■週末にも関わらず8月1日日曜日の東京都の新型コロナ新規感染者は3058人! 小池都知事は「(五輪関係者の検査陽性の)半数以上は日本国内の方」だから五輪は続けると即答! コロナの犠牲者が日本国民ならかまわないというのか!? IOC広報担当者は選手村は「パラレルワールド」だから東京の感染拡大と無関係と主張! しかしジョージアの柔道銀メダル選手が都内観光していたことが明らかに! いったいどこが「パラレルワールド」なのか!?
■東京都は感染急拡大に対する緊急事態措置として飲食店の営業時短・種類の提供禁止を要請!日本医師会はじめ9団体が病床逼迫を訴える「緊急声明」を発表!それでも要請に従わない飲食店が激増!「飲食店いじめ」は本当に感染抑制に効果的なのか、政府のコロナ対策への不信が爆発!
■男子走り高跳びで、2人の金メダリストが誕生!同記録で2人の金メダル獲得は、今大会、初の出来事!競泳の華、400mメドレーリレーでは、豪州が五輪記録で金メダル! 男子ゴルフでは松山英樹選手が銅メダルをのがす! 銅メダルをのがした瞬間、中継を止めたNHKに批判が殺到!中継中止で、NHKの歪んだナショナリズムがにじみ出る!?
■<本日のタイムリー再配信>本日午後7時半から、2016年収録「東京都全公立学校に配布の『オリンピック・パラリンピック学習読本』中身は終始 一貫して『日本最高!』 カネと利権と国威発揚~東京五輪の病理 スポーツジャーナリスト谷口源太郎氏講演会」を再配信します!
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■はじめに~五輪報道一色で国威発揚の大手メディア! 自民・河村健夫元官房長官は「五輪がなければ国民の不満は政権が相手となる」と露骨な政治利用を吐露! 立憲民主・枝野幸男代表は「この段階で中止や中断はかえって混乱を招く」と現状容認発言! 「五輪」を「戦争」と置き換えて考えたらどうか!? 今からでも再考すべき! 五輪はいったん中断を!!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 東京五輪も後半戦に入り、残り1週間となりました。閉会式は8月8日です。

 五輪が開かれてから以降、東京を中心に新型コロナの新たな感染者が爆発的に増加し、この五輪開催強行が感染爆発の引き金を引いたのではないかと、誰しもが因果関係を疑いたくなりますし、メディアにはその原因を追求し、因果関係を追及してゆく使命があるはずです。

 しかし、連日の新型コロナウイルス感染者の最多数更新、感染爆発でも、テレビや新聞は五輪報道一色です。それも、世界の選手の多様な感動を伝えるならまだしも、日本選手が金メダルを取った、日本の金メダルが何個になったなど、まさに国威発揚のプロパガンダのようです。コロナ感染爆発の報道があっても、五輪の報道とは、大抵、切り離されています。ごく一部をのぞき、五輪と結びつけてその因果関係を追及するマスメディアはほとんど見当たりません。

 作家の辺見庸氏は著書『コロナ時代のパンセ』(毎日新聞出版、2021年4月)の中で、通信社記者時代にデスクから「オリンピックと戦争と天皇には勝てねえんだよ」と言われた思い出をあげ、「なにものかにあからさまに弾圧」されるのではなく、自らそれらの肥大した存在に異を唱えないことを選んだメディアを批判しています。

 辺見氏は「五輪―戦争―天皇の内面的関連と『自明性の(暗黙の)強要(うすうす気づいていながら、しめし合わせたように気づかぬふりをすること)』」を、このデスクは「たぶん知っていた」とした上で「げんざいはどうだろうか。五輪―戦争―天皇に、一系列の凶事もしくは危うい陰画を予感する者は絶無にひとしいのではないか」と論じています。

 また、8月1日付け東京新聞朝刊のコラムで、法政大学前総長の田中優子名誉教授は、東京五輪について、生活困難やコロナ感染、医療従事者や立ち行かなくなった飲食店経営者ら、「テレビやインターネットも見られない人々」を念頭に、次のように書いています。

 「つまり結束どころか、分断はさらに深まっているのではないか。分断は、オリンピックに賛成とか反対ということではなく、そもそも見られるか見られないか、感動できるかできないか、毎日の仕事と生活に精一杯か否か、によって起こっているのだ。見られない人への想像力を持つことは、いやに楽観的な政治家たちによって営まれているこの国にあっては、とても大事なことのように思える」

 その上で田中氏は、「今の自分からは見えないものを、努力して見てほしい」と述べています。

 共同通信は7月31日付けの記事で、自民党の河村建夫元官房長官が「五輪がなかったら、国民の皆さんの不満はどんどんわれわれ政権が相手となる」と述べたと報じました。五輪選手の活躍のおかげで政府のコロナ対策の失敗への批判をかわすことができている、という意味でしょう。

 記事はさらに「東京五輪で日本代表選手が活躍すれば、次期衆院選に向けて政権与党に追い風となるとの認識を示した」とも報じています。

※選手の活躍「政権に力」五輪開催で自民河村氏(共同通信、2021年7月31日)
https://nordot.app/794127489839874048?c=39550187727945729

 他方で、立憲民主党の枝野幸男代表は、東京の新規感染者が3865人となった7月29日の記者会見で、東京五輪について、中止を求めない考えを示しました。

 NHK記者から「(枝野代表は)常々、命と暮らしが守れないのであれば五輪は延期・中止すべきという趣旨のことをおっしゃっていたが、現状どのように思われているか。中止すべきなのか、またはどのような選択肢があり得るのか」と質問された枝野代表は、次のように答えました。

 「現状日程が半分近くまで進み、世界各国から既にアスリートの皆さんなど多くの外国の方が来日し、日本の国内で活動されてしまっております。こうした状況と、もう一つは、この間、内閣の内部ですら統一的で迅速かつ適切な対応が今の政府にはできておりません。この段階で、この状況でオリンピックを中止や中断をすれば、かえって想像のつかない大きな混乱を招くということも強く危惧をしている」。

※枝野幸男代表記者会見2021年7月29日(木)(立憲民主党)
https://cdp-japan.jp/news/20210729_1862

 根拠なき楽観的見通しで始めた東京五輪に、当初は正論を掲げて反対・批判していながら、五輪が始まってしまえばコロナの状況が悪化しても「始まったのだから仕方ない」「今さらやめればかえって混乱する」と言って、中止や中断を求めないというのは、果たして筋の通った判断といえるでしょうか。転換できないのであれば、感染急拡大に備えて選手や国民の命と健康を守る「プランB」を用意していない菅政権と五十歩百歩ではないでしょうか。

 唐突かもしれませんが、これが「五輪」ではなく「戦争」だったら、どうでしょうか。道義なき無謀な戦争(アジアへの侵略戦争や勝利の見込みのまったくない対英米戦争を自ら仕掛けたようなこと。急迫不正の侵害に対する専守防衛はのぞく)への参戦に反対していたにも関わらず、いざ開戦してしまえば、「もう始まってしまたのだから仕方がない」「今さらやめればかえって混乱する」などという理由で、「戦争反対」から「戦争遂行」に立場をコロッと変えるようなもので、そんな日和見主義者と似ているのではないでしょうか。

 かつて、第二次大戦前にも同様のことがありました。日清戦争以降、日本は数々の戦争を経験してきましたが、「戦争反対」や「平和主義」を唱える者も少なからずいました。そうした人々の中で、対戦が始まると立場を変えて、「開戦してしまったのだから、勝つまで戦いぬくしかない」と自分の立ち位置を変えた者も少なくありませんでした。

 立憲民主党代表の枝野氏の言い分は、それらとよく似たロジックであるように思えてなりません。

 極端な例を持ち出していると言われる方もいるかもしれません。

 しかし、道義なき無謀な戦争に反対する人々は、国民の犠牲を憂うる人々であり、コロナ禍のもとでの五輪開催に反対する人もまた、国民の犠牲を憂うる人であるはずです。その点は共通していると思います。

 国民の犠牲を憂うるならば、道義なき無謀な戦争への反対を貫くべきでしょう。同様に五輪の開催とコロナ感染爆発の因果関係を確信して、事前に「開催に反対」した者は、実際に感染爆発は起きたわけで、予想が正しかったわけですから、国民と選手団など、海外から来た方々の両方の犠牲を、これ以上増やしてはならないと、「五輪の中止・中断」を求めるのが筋ではないでしょうか。「中止による混乱」と「中止も中断もせず、続行することによる犠牲の拡大」と、どちらを取るべきかは、五輪関係者の利害を優先するか、人々の命と健康を優先するか、という選択に他なりません。事前に五輪の中止や延期を求めてきた、その根拠は後者を優先すべき、という選択だったはずです。現段階において、何も変わるはずはありません。

 この問題は、重要です。コロナ禍の五輪が終わったあと、衆議院選挙があり、そこでは緊急事態条項の導入が含まれた改憲が政治的争点として浮上します。言うまでもなく、改憲による緊急事態条項は、国会を空洞にし、国民の私権を制限して、国権を極限まで最大化し、戦時体制を築き上げることにあります。戦争の相手とされる仮想敵は中国です。勃興する中国が覇権を握るのを許さず、没落する米国の覇権を下支えするために、日本が血を流すという戦争が想定され、改憲して戦争準備を本格化することが争点となります。

 その時、反改憲を掲げる野党が、戦争にも「反対」を掲げているとしても、緊急事態条項が改憲によって導入され、発令され、さらに開戦に至ったら、「戦争反対」を取り下げ、「最後まで戦争をやり抜くべき」と、コロッと立場を変えてしまうのではないか。現在の立憲民主党の枝野代表の「変節」を見ていると、そうした懸念がぬぐえなくなってきます。

■IWJ第11期は皆さまのご支援で大幅な赤字は縮小できそうな見通しです! 沢山の方の温かいご支援に心より感謝申し上げます! 厳しい状況下で新たなスタートを切る第12期もどうかご支援をよろしくお願いいたします!

 いつもIWJをご支援いただきまして、誠にありがとうございます。

 IWJは8月1日より、新たな第12期が始まりました。第11期最後の7月31日まで、ご寄付・カンパの呼びかけにこたえてくださった皆さまに、岩上安身とIWJスタッフ一同、心より感謝申し上げます。本当にありがとうございます。

 今期は毎年7月末である期末と週末が重なり、金融機関もお休みで、経理も定休のため、7月末までのご寄付、カンパの総額をご報告できずに申し訳ありません。本日8月2日は月曜日であり、平日になりますので、2日中に7月までのご寄付を集計して、明日ご報告いたします。

 また、我々が掲げてきたご寄付の目標額をクリアするまでご寄付をいただけたとしても、その目標額は、赤字ギリギリの線の最小の設定でしたので、支出の総額がすべて判明し、税金などの計算も終わらないと、第11期が赤字になったか、赤字をまぬがれたか、決定的なことはまだ、申し上げられません。本当にギリギリのラインだろうとは思われます。

 第11期の収支につきましては、2か月後の9月末までに経理が決算報告書をまとめ、監査を受けてから税務署に提出します。その結果はこの日刊IWJガイドやIWJのサイト上できちんと皆様にご報告申し上げます。

 連日お伝えしてきましたが、IWJは前期の第11期に、まったく出口の見えないコロナ禍とコロナに伴う経済的危機の影響により、会員数が大幅に減少してしまいました。また、皆さまからのご寄付・カンパも目標額を大きく下回る月がほとんどで、設立以来最も厳しい財政状態に立たされていました。このままでは大幅な赤字転落が避けられない可能性があると皆さまにお伝えし、ご支援をお願いしてきました。

 また、代表である岩上安身は、自身の報酬を100%カットし、無報酬で職務にあたってまいりました。その上で、第11期の最後の週に、岩上安身自身が直接、会員の皆さまに緊急のご支援をメールにてお願いさせていただきました。

 厚かましいお願いをして申し訳ありませんでしたが、危機を訴える岩上安身の呼びかけに呼応してくださった皆さまからご寄付・カンパをお寄せいただきました。お力添えをいただいた皆さま、本当にありがとうございます。

 皆さまの温かいご支援に支えられ、IWJは12年目、第12期の一歩を、とにもかくにも踏みだすことができました。しかしながら、コロナ禍は今後も長引く恐れがあり、IWJにとっては、経済的にはまだまだ険しい道のりが続くものと思われます。

 岩上安身は今期も1年間、無報酬で働くことを決めています。

 同じように皆さまもそれぞれ、コロナ禍で厳しい状況に直面されていることと拝察いたします。こうした状況で皆さまにご寄付・カンパのお願いを繰り返しお願いすることは、心苦しいことではありますが、特定のスポンサーをもたないことで、何者にも忖度しない、独立メディアとしての道を歩むIWJは、市民の皆さまの会費とご寄付・カンパをいただくことで存在し、市民のためのメディアとして活動を継続していくことが初めて可能となります。今後も、市民の皆さまからのご支援がIWJの存続と活動には欠かせません。

 長引くコロナ禍とそれに伴う不況に、まだ出口は見えません。しかし今秋には衆議院選挙を控えており、その際には、報道と言論の力によって日本を少しでも変え、没落への道を脱するチャンスがあると信じています。

 現在与党政府は、日本列島を中国のミサイルを「吸収」させて、米国の盾となるための準備を推し進めています。これは歴然とした事実です。

 今年の衆議院選挙は、日本という国、1億2000万の国民や、北海道から沖縄までの国土、そして民主主義と平和と日本国憲法を守れるかがかかった、最後の選挙となるかもしれません。改憲勢力が大勝するようであれば、報道も言論の自由もなくなり、仮に資金難から脱したとしてもIWJの存続も不可能になると思います。

 一部の野党だけでなく、多くのメディアが既に権力に屈していることは、コロナ禍や東京五輪を巡る報道を観れば一目瞭然です。IWJがマスメディアが報じない事実を報道し、売国的な権力への批判を続け、主権者である日本国民が声をあげ続けることが、今、絶対に必要なことであると、確信しています。

 決して負けられないこの戦いに、IWJとともに、ぜひ皆さまにも一緒に参戦していただきたいと思います。前線には我々が立ち、売国的な権力に挑みます。皆さまにはぜひ、後方支援となる会員登録とご寄付・カンパをお願いしたく存じます。

 12年目となるIWJへ、皆さまからの温かいご支援を、引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

※会員ご登録はこちらからお願いします。
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

※ご寄付・カンパはこちらからお願いします。
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※ご寄付・カンパは「note」のページからでも可能です。「note」内でお読みになりたい記事をクリックしますと、「記事を購入する」欄の下部に「気に入ったらサポート」という緑のアイコンがありますので、そちらをクリックしますと、ご寄付・カンパ欄が表示されますのでそちらからお願いいたします。

※ご寄付・カンパを取り扱っております金融機関名です。よろしくおねがいします。(クレジットカードの場合は、上記URLからお入りください)

みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル カンリブ

■「日本においてフリージャーナリストが倒れたら暗黒時代となってしまう」~温かい応援のメッセージをありがとうございます! 岩上安身からの、緊急のご寄付の呼びかけに応じていただいた方のメッセージを感謝を込めてご紹介させていただきます!

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コロナ禍、一昨年の冬より収入が激減し、昨年は持続化給付金、今年に入ってからは一時支援金でなんとか食い繋いでおりますが、金額的には全く不十分で、本当は会員登録したいところ継続して会費支払いの目処が立たず、ほんとに雀の涙で心苦しいのですが、日本においてフリージャーナリストが倒れたら暗黒時代となってしまうので、なんとしても回避したいです。

毎日溢れかえるオリンピック関連のニュース。
裏で行われていたIOCと日本側の悪行、報道の姿勢も含め、色々、いろいろ思うところはありますが、コロナ陽性で競技を断念する選手には同情を禁じ得ない。
やはり、2021年夏にやるべきイベントではなかった。

1,000円でも、割ける時にまたカンパしますので、頑張ってください!
(M・W 様)
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 M.W 様、カンパとともに応援のメッセージをありがとうございます! 本当に励みになります! 私たちも全力で頑張り抜きますので、これからもどうぞ岩上安身とIWJへの応援をよろしくお願いいたします!

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◆中継番組表◆

**2021.8.2 Mon.**

【タイムリー再配信 959・IWJ_YouTube Live】19:30~「東京都全公立学校に配布の『オリンピック・パラリンピック学習読本』中身は終始 一貫して『日本最高!』 カネと利権と国威発揚~東京五輪の病理 スポーツジャー ナリスト谷口源太郎氏講演会」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

 2016年12月に収録した、「『君が代』解雇させない会」による講演会を再配信します。これまでIWJが報じてきた東京五輪関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e6%9d%b1%e4%ba%ac%e3%82%aa%e3%83%aa%e3%83%b3%e3%83%94%e3%83%83%e3%82%af

[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/349497

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◆中継番組表2◆

**2021.8.3 Tue.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【タイムリー再配信 960・IWJ_YouTube Live】19:00~「里吉ゆみ・東京都議会議員『都民の財産である選手村を企業の儲けに使わせない』IWJは今後も2020東京オリパラをめぐる疑惑・問題点に鋭く迫っていきます! ~オリパラ都民の会 第9回提言討論会 これでいいのか2020東京オリンピック」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

 2019年7月に収録した、「オリパラ都民の会」による提言討論会を再配信します。これまでIWJが報じてきた東京五輪関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e6%9d%b1%e4%ba%ac%e3%82%aa%e3%83%aa%e3%83%b3%e3%83%94%e3%83%83%e3%82%af

[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/454287

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

「総理大臣の(地方自治体首長への協力要請)判断を止める機関がない」「(内容が)限定されていないのが恐ろしい」馬奈木厳太郎弁護士が解説!~7.23もの言えぬ社会の到来 沖縄つぶしの「土地規制法」は廃止! 学習集会
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/494649

【第510-515号】岩上安身のIWJ特報!日本学術会議任命拒否問題で見えてきた「擬似法治主義」国家ニッポンの姿!菅総理は憲法15条を悪用して独裁を行なっている!その先には軍事研究への誘導がある!岩上安身による立命館大学大学院・松宮孝明教授インタビュー
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/493357

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■週末にも関わらず8月1日日曜日の東京都の新型コロナ新規感染者は3058人! 小池都知事は「(五輪関係者の検査陽性の)半数以上は日本国内の方」だから五輪は続けると即答! コロナの犠牲者が日本国民ならかまわないというのか!? IOC広報担当者は選手村は「パラレルワールド」だから東京の感染拡大と無関係と主張! しかしジョージアの柔道銀メダル選手が都内観光していたことが明らかに! いったいどこが「パラレルワールド」なのか!?

 東京都は8月1日、新型コロナの新規感染者が3058人確認されたことを発表しました。

 検査数が減少する週末で3000人を超えました。前の週の日曜日は1763人でしたから、1295人の増加です。3000人を超えるのは5日連続です。

 直近7日間平均は3105人に、対前週増加比は213.6%になりました。1週間で倍増です!

※新型コロナウイルスに関連した患者の発生について(第2304報)(東京都福祉保健局、2021年8月1日)
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/hodo/saishin/corona2304.html

 1日付け東京新聞は、前日に東京都の新規感染者が過去最多の4058人となったことを受け、小池百合子都知事に「予定通りオリンピック・パラリンピック開催という意向か」と質問したところ、「小池氏は『はい、そうです』と即答した」と報じています。

 記事によると「医療提供体制や感染状況だけでなくて、国民、都民の危機感の共有という観点も踏まえ五輪・パラリンピックを予定通り継続して大丈夫なのか」との記者の質問に対し、「(五輪関係者の検査陽性の)半数以上は日本国内の方。よって海外というよりは、国内をいかにしっかりと守って、陽性者を増やさないようにするかということに尽きる」と答えたとのことです。

※このまま五輪続けるのか…小池知事「はい、そうです」と即答 東京の感染者4000人台突入で(東京新聞、2021年8月1日)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/121048

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■東京都は感染急拡大に対する緊急事態措置として飲食店の営業時短・種類の提供禁止を要請!日本医師会はじめ9団体が病床逼迫を訴える「緊急声明」を発表!それでも要請に従わない飲食店が激増!「飲食店いじめ」は本当に感染抑制に効果的なのか、政府のコロナ対策への不信が爆発!

 東京都は、7月12日(月曜日)0時から8月31日(火曜日)24時までの緊急事態宣言下にありますが、7月30日「新型コロナウイルス感染拡大防止のための 東京都における緊急事態措置等」を発表しました。

 キャバレー・ナイトクラブ・スナックなど接待を伴う「酒類又はカラオケ設備を提供する遊興施設」、飲食店・喫茶店・バーなど「酒類又はカラオケ設備を提供する飲食店」、結婚式場「酒類又はカラオケ設備を提供する集会場等」には休業を要請していますが、「酒類及びカラオケ設備の提供、並びに利用者による酒類の店内持込を取り止める場合を除く」という条件がついており、カラオケ禁止で酒類を提供しなければ営業しても良いとあります。

 ただし、カラオケ禁止で酒類を提供しない場合でも、5時から20時までの時短営業が要請されています。その際、従業員に対する検査の推奨、入場をする者の整理等、発熱症状のある者の入場の禁止、手指の消毒設備の設置、事業を行う場所の消毒、入場をする者に対するマスク着用周知、感染防止措置をしない者の入場禁止、施設の換気、会話などの飛沫による感染の防止に効果のある措置(アクリル板設置又は利用者の適切な距離の確保等)もあわせて要請されます。結婚式場では「1.5時間以内」での開催と「50人又は収容定員の50%のいずれか小さいほう」での開催も要請されています。

 その他、劇場や集会施設、展示場、宴会場、運動施設、遊園地、テーマパーク、博物館、ショッピングセンター、パチンコ店、銭湯、ネイルサロン、教育施設、遊興施設、商業施設、学習塾など、広範な事業者に活動の制限や感染防止措置が要請されています。
 
※新型コロナウイルス感染拡大防止のための 東京都における緊急事態措置等(東京都、2021年7月30日)
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2021/07/30/documents/20210730_38_1.pdf

 しかし、緊急事態宣言から3週間近くがたった現在でも、感染拡大には歯止めがかかっていません。それどころか、拡大の一途をたどっています。

 7月31日は新規陽性者数4058人を記録、陽性率も19.5%まで上がっています。PCR検査と抗原検査をあわせた検査数は徐々に増えてようやく1万877.3人(7月30日、7日間移動平均)まで来ましたが、陽性率は上がり続けており、検査不足の状況は悪化しています。

 陽性率の高さは恐るべきことです。検査をしさえすれば、5人に1人が陽性となるということですから、仮に都民約1400万人全員に一斉検査を行って、この陽性率と同じ比率が当てはまれば、280万人が陽性かもしれない、ということになります。

 もちろん、現在、検査を受けている人々は、一定の症状のある人々で、都民全員に一斉検査を実施しても、症状がなく、感染していない人の方が多数でしょうから、これは空論に過ぎないとのご指摘はありえる思います。

 それはもっともなのですが、懸念されるのは、無症状の感染者の存在です。

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■男子走り高跳びで、2人の金メダリストが誕生!同記録で2人の金メダル獲得は、今大会、初の出来事!競泳の華、400mメドレーリレーでは、豪州が五輪記録で金メダル! 男子ゴルフでは松山英樹選手が銅メダルをのがす! 銅メダルをのがした瞬間、中継を止めたNHKに批判が殺到!中継中止で、NHKの歪んだナショナリズムがにじみ出る!?

 男子走り高跳びは、カタールのバーシム選手、イタリアのタンベリ選手、ベラルーシのネダセカウ選手の3人による争いになりました。2m19から5cm、3cm刻みでバーが上がってゆき、2m37まで、バーシム選手、タンベリ選手とも1回でクリアし、最後の2m37は、3人全員1回でクリアしたものの、その前の2m35の試技のクリアに2回かかったネダセカウ選手が、カウントバックで銅メダルになりました。

 同じ記録で2人が並んだ場合、金か銀かをかけて延長戦を戦うのか、両者金メダルとするのか、当該選手2名の話し合いで、選択できるとの事です。バーシム選手とタンベリ選手が話し合いの結果、金メダルを分け合いましょうとの結論に達したそうです。2m39は3人全員が試技3回とも失敗してこのような結果となりました。

 五輪に限らず、およそすべてのスポーツは、極限まで、勝負を争うことに徹するのも、ある意味必要なことであり、価値あることだとも思いますが、このようにお互いにベストを尽くした上で、結果、話し合って「金メダルを分け合うことになった」というのも、悪くない話ではないが、と思われました。

 残念ながら、日本選手は、衛藤昴選手が2m21と、自己ベストの2m30にも届かず予選敗退、2018年のワールドツアーで2m35の日本記録を持っている戸辺直人選手は、決勝に残ったものの、決勝では、2m24と記録が伸びず13位に沈みました。しかし日本記録保持者の戸辺選手が自己ベストタイの日本記録を五輪決勝本番で出したとしても、2m37の金メダリストの記録には届かなかったことになります。

 そうしてみると、2人で分けあったとはいえ、バーシム選手とタンベリ選手の出した記録は、やはり大変なものだったと言えるでしょう。両者を讃えたいと思います。

 過去五輪では、5年前のリオ五輪で競泳女子100m自由形で米国のマニュエル選手とカナダのオレシアク選手が52秒70の同着で、同一競技で2人に金メダルが授与されたケースがあります。米国のマニュエル選手が、黒人のアフリカ系アメリカ人の初の金メダリスト、一方のカナダのオレシアク選手はカナダで最年少金メダリストだったことも話題になりました。

 その競泳の最後を飾る男女400Mメドレーリレーの決勝が行われました。各国のメダリストが揃う競泳の華です。

 女子メドレーリレーは競泳の強豪国オーストラリアが金メダル、3分51秒60は世界記録3分41秒40(米国、2019年)にこそ届きませんでしたが、五輪レコードでした。第1泳者ケーリー・マッケオン選手は背泳100mの世界記録保持者、東京五輪の背泳100m、200m金メダリスト。第3泳者エマ・マキオン選手は自由形50m、100m、4×100mフリーリレーで金メダル。今大会の花形の一人です。メドレーリレーではバタフライでも力を見せつけました。

 銀メダルは3分51秒73と僅差、最後まで優勝争いを展開した米国チーム、銅メダルは3分52秒60のカナダチームでした。

 日本は第1泳者小西杏奈選手がロケットスタートで先陣を切り、第2泳者渡部香生子、第3泳者池江璃花子、最終泳者五十嵐千尋が健闘しました。全体8位で、タイムは3分58秒12。2018年の日本記録3分54秒73には及びませんでした。しかし、世界のメダリストが並ぶ中での決勝進出は見事でした。

 池江選手は2018年日本記録のときも第3泳者で出場しています。白血病にかかり、闘病を経て現役選手としてカムバックしてきた、池江選手は試合後、「この5年間はいろんなことがあった。一度は諦めかけたが、リレーメンバーとして出場を果たすことができた。戻ってくることができてうれしい」と語りました。

 競泳の最後を飾る男子メドレーリレー、怪物フェルプスが引退してもうひとつ精彩を欠いていた米国チームが、ここにきて3分26秒78の世界記録で金メダルという嬉しいフィナーレを勝ち取りました。2009年にフェルプスを擁する米国チームが出した世界記録3分27秒28は、12年も更新されることがありませんでした。

 第1泳者ライアン・マーフィー選手は、100m背泳ぎの世界記録保持者(51秒85)ですが、個人レースでは銅メダルに沈みました。第3泳者ケーレブ・ドレッセル選手は、100mバタフライの世界記録保持者(49秒45)、東京五輪でも100mバタフライの他、100m自由形、50m自由形で金メダル、幕開けの400mフリーリレーでも金メダルと、東京五輪で最も活躍した選手の一人で、米国チーム優勝の立役者となりました。

 日本チームは6位でしたが、2018年の日本記録3分30秒03、30秒の壁をついに打ち破って3分29秒91と大健闘。第1泳者入江陵介選手が積極的なレース運びで4位につけます。53秒05は52秒24の日本記録を持つ入江選手としては少し残念ですが、素晴らしい試合運びで日本競泳界を牽引してきた力量を見せました。

 続く第2泳者平泳ぎの武良竜也選手は、58秒9でつなぎ、第3泳者水沼尚輝選手は50秒8、最終泳者中村克選手は47秒0と日本記録を上回るペースで追い上げ、7位からひとつ順位をあげました。入江選手、萩野選手、瀬戸選手と長く競泳日本の「顔」であった選手がもうひとつ振るわない中、次につながる明るい結果です。

 一方、男子ゴルフでは、今春、世界4大トーナメントの一つである「マスターズトーナメント」に、日本人で初の優勝をした松山英樹選手(29)が、最終日の昨日、4日間のスコアで3位タイの成績を残したものの、同じスコアに合計7人の選手がおり、7名で銅メダルをかけて、プレーオフ(延長戦)となりました。

 残念ながら松山選手は、この7人の中から抜け出せず、メダル獲得には至りませんでした。酷暑の中、4日間ラウンドして3位タイで戦い終えた選手には、走り高跳びと同じように7人全員銅メダルを授与しても良かったのではないかと思われます。

 東京五輪の中継について、日本の選手にフォーカスを当てて提供することは、ある程度理解ができますが、行き過ぎは気になります。他国のライバル選手たちにもリスペクトして、相応の報じ方、評価を与えるべきです。

 「日本選手が金!(または)惜しくも銀!」とアナウンサーが絶叫しますし、新聞記事も日本選手の活躍のみ、スポットを当てる傾向がはなはだしい一方で「誰と戦ったのか、誰に敗れたのか」わからない中継や記事が少なくありません。

 昨日最終日だった男子ゴルフについても、松山英樹選手の銅メダルの可能性がなくなったとたんに、放送していたNHKは、中継を終了させてしまいました。プレーオフに残った選手の中には松山英樹選手の他にも、松山選手と同世代の有望な若手、アイルランド代表のロリー・マキロイ選手(32)、英国代表のツアー15勝のベテラン、ポール・ケーシー選手(44)と世界的にみても著名な選手が激戦を戦っているというのに、その勝負の最中に中継を終了してしまったのです。こうしたNHKの放送姿勢には、外国人選手に対する放送も、スポーツそのものへの理解やリスペクト、リテラシーも欠如し、逆に歪んだナショナリズムがにじんでいるのが見てとれます。不快なことこの上なく、SNS上でもNHKに対し批判が殺到していました。

※松山英樹プレーオフ脱落、直後に中継終了…NHKに不満の声 「まだ外国選手が競技中なのに失礼すぎる」【東京五輪ゴルフ】(中日スポーツ、2012年8月1日)
https://www.chunichi.co.jp/article/302550?rct=golf

 これから後半戦の中継については、日本人選手だけではなく、世界各国の記録保持者、その競技の第一人者等に公平にスポットを当て、そのスポーツをよく知らない視聴者にも、競技そのものに興味を持ってもらえるような、中継や報道が行われることを望みたいと思います。

 日本人選手の活躍を喜ぶのは、自然な感情ですが、卓越したアスリートや名勝負、熱戦に感動を覚えるのは、普遍的な感情です。大リーグでピッチャーとバッター、二刀流で活躍している大谷翔平選手を米国のスポーツメディアは、その活躍の内容を詳細に分析した上で、大リーグ史上最高のカリスマであるベーブ・ルース以上の選手であると礼賛しています。

 ここには歪んだナショナリズムやレイシズムは見られません。スポーツを楽しむには、実は高度なリテラシーが必要です。知的に楽しむことができるような報道が増えれば、一般のファンの理解度やリテラシーが向上し、日の丸の掲揚だけが楽しみ、という単純な見方から次第に脱却していくでしょう。そうした「成熟」や「成長」をファンにうながすような報道が必要なのではないかと思います。

■<本日のタイムリー再配信>本日午後7時半から、2016年収録「東京都全公立学校に配布の『オリンピック・パラリンピック学習読本』中身は終始 一貫して『日本最高!』 カネと利権と国威発揚~東京五輪の病理 スポーツジャーナリスト谷口源太郎氏講演会」を再配信します!

 2016年12月4日、君が代不起立の根津公子東京都元教諭らを支援する「君が代解雇させない会」が、『日の丸とオリンピック』などの著書を持つ、スポーツジャーナリストの谷口源太郎氏を招き、そもそもオリンピックとは何なのか? に始まり、東京招致までのプロセス、商業主義と利権の巨大な祭典と化したオリンピックの病理について解説しました。

 本日午後7時半から、2016年に収録したこの講演会を再配信いたします。

 講演の前には、根津公子氏らが、学校現場で進められているオリンピック教育の実情を報告しました。

 根津氏は、教育プログラムの内容について、次のように解説しました。

 「現在、東京都の全公立学校では、今年度から年間35時間のオリンピック・パラリンピック教育の実施が義務づけられ、小学校4年以上の全生徒に『オリンピック・パラリンピック学習読本(小学生用・中学生用・高校生用)』を配布して学習させる。

 またアスリートを招いて講演をするなどの他、オリンピック学習に使えるよう、各学校に30万、重点校にはさらに20万円を上乗せして支給している」

 年間35時間ということは、週に1時間ということです。ある「重点校」では、始業式が終わったばかり、授業もまだ始まらない4月8日、9日からオリンピック教育が始められたといいます。

 このオリンピック・パラリンピック学習読本は、根津氏によれば終始一貫、「日本最高!」といった文脈で貫かれているということです。

 たとえば、「はじめに」ではこうなっています。

 「2020年、世界中の注目が東京に集まり……人種・国籍・言語・宗教の違いを超えて交流の輪が広がって……街では大勢のボランティアが活躍し、その温かいおもてなしは、東京の素晴らしさを世界に広めるきっかけになるでしょう。……高校生の皆さんにとって貴重な体験になるとともに、生涯に渡るかけがえのない財産になるでしょう……」

 日本で開催された過去のオリンピックについては、「夢と希望と元気をもたらした」「そのときのレガシーが交通網(新幹線など)や競技場である」などと言われ、「良かった良かった」が続きます。反対運動があったこと、深刻な環境破壊があったこと、施設の二次利用ができていないことなど、負の側面には触れられていません。かろうじて、札幌大会で森林を伐採し、その後植林するも、回復しなかったことが数文字記されているだけです。

 また、学習読本では、オリンピックは福島の震災の復興のためでもあると記されていますが、「原発のことは一切書いていない」ということです。

 さらに根津氏によれば「読本は、嘘や間違いも多い」といいます。

 たとえば読本では、君が代は、「日本がいつまでも繁栄し平和であることを願う歌」と解説しています。しかし実際には、「君」とは天皇のことを指し、天皇の治世がいつまでも繁栄することを願う歌であって、国民の繁栄を願っているわけではありません。

 また、「選手たちは自国の国旗を先頭に行進」「優勝した選手の国旗を掲げ国歌を演奏する」と記されていますが、これは誤りです。オリンピック憲章では、「選手団の歌・旗」と規定されているだけであり、「国旗・国歌」ではありません。

 そもそもオリンピック憲章第1章には、オリンピックは国威発揚の場であってはならないと書かれています。

 「オリンピック競技大会は、 個人種目または団体種目での選手間の競争であり、 国家間の競争ではない。」

 根津氏は、「教育内容は、国威発揚と国家主義の推進に他ならず、これでは、よほど疑いの目を持ってみないと、『日本最高!』に持っていかれる」と危惧しました。

 「そもそも、オリンピック・パラリンピックを考える有識者会議の最終提言によれば、教育の目的は、『子どもたちが原動力となり家庭地域を巻き込むこと』であるという。もはや戦前そのものである」

 続いて、谷口源太郎氏が、オリンピックの病理を語りました。

 「1980年モスクワオリンピックは、政治的対立から、アメリカをはじめとする西側諸国が参加をボイコットするなどし、かろうじて維持してきたオリンピックの理念が、ついに崩壊した象徴的なオリンピックとなってしまった。次の1984年は開催に名乗りをあげる都市もなく、オリンピックは事実上の終焉かと思われたほどだ」

 政治的対立による失敗に加え、76年のモントリオールオリンピックが財政的に失敗、多額の赤字を出したことなどから、オリンピック開催は不人気だったといいます。開催都市候補はかろうじてロサンゼルスのみで、開催国を選ぶというよりは、ロサンゼルスに「要請」しなくてはならない状況になってしまいました。

 こうした状況のもと、国際オリンピック委員会(IOC)は、ロサンゼルスと従来とは全く違う契約をしました。谷口氏は言います。

 「ロサンゼルスは開催にあたり、税金を一切使わず責任も負わない、という条件をつけて開催を承諾した(ロス市民たちは、公金を一切使わせないという条例を作って契約した)」

 つまり、企業に出資させて営利目的で行われることになりました。谷口氏は、その過程を次のように説明しました。

 「北米第2位の旅行会社社長ピーター・ユベロスがその手腕を買われ、組織委員長に抜擢された。彼は、放映権をテレビ局に莫大な額で売り、スポンサーも最低400万ドルからの入札で1業1社に絞らせるなどした。こうして開催されたロサンゼルスオリンピックは、1億5000万ドルの黒字となり、『オリンピックは儲かる』ということになった」

 「その後会長に就任した(フアン・アントニオ)サマランチは、この商業路線をさらに拡大し、88年のソウルオリンピックでは、IOCそのものが、マーケティング部を作り、放映権やスポンサー料を決めるようにしたのだという。ふんだんにお金がやりとりされるようになると、ソルトレイクシティ冬季オリンピックのように、大規模な収賄事件も発生するようになった」

 しかし、その後のオリンピックは、公金をふんだんに使う、商業イベントとなっていきました。

 谷口氏は言います。

 「オリンピックは儲かるといっても、それは一部の人たちに対してのこと。なぜオリンピックを開催したいのかといえば、オリンピックを口実にして開発ができ、道路をつくったり施設をつくったり、税金をふんだんに使うことができるから。単に会場を運営するだけなら、それほどお金がかかるものではない。しかし、税金をふんだんに使って地域開発を行い、利権を確固とすることができるイベントになってしまった。実にソチオリンピックの開催費用は5兆円にも上った」

 「そのツケを払うのは、もちろん市民だ」と、谷口氏は語ります。

 詳しくはぜひ、本日の再配信を御覧ください。

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【タイムリー再配信 959・IWJ_YouTube Live】19:30~
「東京都全公立学校に配布の『オリンピック・パラリンピック学習読本』中身は終始 一貫して『日本最高!』 カネと利権と国威発揚~東京五輪の病理 スポーツジャー ナリスト谷口源太郎氏講演会」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

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 なお、YouTubeでのライブ配信は当日限りの公開となりますが、IWJの一般会員様は再配信終了後から2ヶ月間、サポート会員様はいつでも、以下のURLから動画をご視聴いただけます。

※東京都全公立学校に配布の『オリンピック・パラリンピック学習読本』中身は終始 一貫して「日本最高!」 カネと利権と国威発揚~東京五輪の病理 スポーツジャー ナリスト谷口源太郎氏講演会 2016.12.4
https://iwj.co.jp/wj/member/archives/349497

 それでは、本日も1日よろしくお願いします。

※日刊IWJガイドのフルバージョン(会員版)は下記URLより御覧ください。
https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20210802

IWJ編集部(岩上安身、尾内達也、村上良太、城石裕幸、六反田千恵、木原匡康、中村尚貴)

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