日刊IWJガイド・非会員版「大阪府廃止住民投票は否決! 橋下徹元維新代表は「大阪市廃止で財政負担増」と報じた毎日新聞のスクープを「大誤報」と決めつけ住民投票を否決されたら投票は無効と暴言!! 」2020.11.2号~No.2972号


┏━━【目次】━━━━━━━━━━━━━
■はじめに~大阪府廃止住民投票は否決! 橋下徹元維新代表は「大阪市廃止で財政負担増」と報じた毎日新聞のスクープを「大誤報」と決めつけ住民投票を否決されたら投票は無効と暴言!! 松井一郎現代表(大阪市長)は橋下氏発言を否定するも、一層深まる市財政局長への圧力疑惑!
■【中継番組表】
■米国と欧州で新型コロナウイルスの再感染拡大が爆発! フランスは1日あたり新規感染者5万人超え、今春の第1波の6.8倍、現在の陽性者数は20倍以上!! 米国は1日あたり新規感染者数が世界記録更新となる10万人超え、しかも現在の陽性者数が310万人と第1波のおよそ3倍!! 日本も1日あたり陽性者数が第1波を超えて868人に! このまま「出入国制限の新たな緩和策」に踏み切っていくのは危険!!
■米大統領選最後の週末!! 各種世論調査は軒並み全国でバイデン氏が優勢と伝えているものの、いまだ激戦州は拮抗!! 世論調査は信用できるのか!? 郵便投票が結果を左右する!?
■<本日の録画配信>本日20時から、「戦後75周年シリーズ 第3回『戦後日本の安全保障政策とオルタナティブ ―米中対立下で日米同盟強化以外の選択肢はとりうるか』―登壇:遠藤誠治氏(成蹊大学教授)、猿田佐世氏(新外交イニシアティブ〔ND〕代表)」を録画配信します!!
■IWJは生き残りをかけて、全配信チャンネルをYouTubeへ移行し、Youtube Liveで生中継を行うプロジェクトを進めています! 権力におもねらず、大資本にも組み伏せられない、独立した自由な市民のためのインターネット報道メディアとして、時代の変化にあわせて柔軟な改革を進め、敏感に果断に対応していきます! しかしながら8月、9月、10月とご寄付・カンパの達成率が下がり続けています! どうか、IWJの取り組みにご理解をいただき、ご支援をよろしくお願いいたします!
■これまで一般会員の方は1ヶ月間、配信した動画のアーカイブや記事が全編御覧になれましたが、8月からはこれを2ヶ月間に延長いたします! 今ならおトクです! この機会にぜひ会員登録をお願いします! 休会中の方もぜひ再開してください!
■IWJから皆様にサイトのコンテンツ管理中につき、お知らせがあります。一時的にご不便おかけします。
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■はじめに~大阪府廃止住民投票は否決! 橋下徹元維新代表は「大阪市廃止で財政負担増」と報じた毎日新聞のスクープを「大誤報」と決めつけ住民投票を否決されたら投票は無効と暴言!! 松井一郎現代表(大阪市長)は橋下氏発言を否定するも、一層深まる市財政局長への圧力疑惑!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 昨日11月1日、「大阪市廃止・特別区設置住民投票」、いわゆる「大阪都構想」の賛否を問う2度目の住民投票が行われました。昨日、午後11時40分現在(開票率98%)の、投票集計結果は賛成66万7283票、反対67万8813票で、反対が賛成を上まわりました。

 「大阪市廃止」を支持していた松井一郎大阪市長が、午後11時の記者会見で、「すべては私の力不足です」と発言し、事実上の敗北宣言を行いました。また松井市長は、「大阪維新の会の先頭で旗を振ってきたが、政治家としてけじめはつけなければならない」と述べ、令和5年4月までの任期を全うした上で、次の市長選挙には立候補せず、政界を引退する意向を表明しました。

※維新代表 松井大阪市長 任期全うした上で政界引退へ(NHKニュース、2020年11月2日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201101/k10012691591000.html

※【ライブ】都構想、反対多数の見通し 維新が会見(朝日新聞デジタル、2020年11月1日)
https://www.asahi.com/articles/ASNC143HDNC1PTIL008.html?iref=comtop_7_01

 大阪が東京と並んで「都」を名乗るためには、住民投票で大阪市の廃止と4つの特別区の再編が可決された後に、さらに国会での法改正が必要ですが、維新が「都構想」と呼ぶ大阪市廃止の是非を問う住民投票のその当日である11月1日、大阪府の新型コロナの新規感染者数が人口規模で上回る東京都の新規感染者数を抜いてしまいました。「都構想の住民投票などやっている場合か」という声が、早くもSNS上ではあがっています。

※大阪で123人感染(共同通信、2020年11月1日)
https://this.kiji.is/695562935172269153?c=39550187727945729

※東京都 新型コロナ 新たに116人感染確認 13日連続で100人超(NHK、2020年11月1日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201101/k10012690961000.html

 他方、維新の看板政策である「大阪都構想」をめぐっては、10月26日に毎日新聞が「大阪市4分割ならコスト218億円増 都構想実現で特別区の収支悪化も 市試算」と、スクープを報じました。

 大阪市財政局が毎日新聞の取材に応じて試算したところ、大阪市を4分割すると、標準的な行政サービスを実施するために毎年必要なコスト「基準財政需要額」の合計が、現在よりも約218億円増えることが明らかになった、という内容です。

※大阪市4分割ならコスト218億円増 都構想実現で特別区の収支悪化も 市試算(毎日新聞、2020年10月26日)
https://mainichi.jp/articles/20201026/k00/00m/040/061000c

 この記事について、日本維新の会の馬場伸幸幹事長が10月29日の衆院本会議での代表質問で「重大な誤情報を1面トップに掲載した。あってはならない事態だ」と報道に圧力をかける批判をし、「大誤報だ」と繰り返し訴えました。

※国務大臣の演説に対する質疑(代表質問)馬場伸幸(日本維新の会・無所属の会)(衆議院インターネット審議中継、2020年10月29日)
https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=50722&media_type=

 また、大阪市の松井一郎市長(大阪維新の会代表)は同じ29日の記者会見で「財政局は虚偽のものを出した」と主張。松井氏によると、「基準財政需要額」は、本来様々な要素を加味して算出すべきところ、市財政局は人口のみで試算したとのこと。財政局によると、これは政令市を廃止して特別区へ移行するのが初めてのため、試算に使える計算式が存在しないためですが、松井市長は「ありえない数字」「虚偽」と一方的に決めつけ、非難しました。

 この松井市長の会見を受けて、同じ10月29日午後、大阪市財政局の東山潔局長が記者会見を行い、松井市長から「交付税の実態としてありえない」「世の中にない数字を提供することは、捏造」と、厳重注意を受けたことを明らかにした上で、試算を撤回しました。

※大阪市財政局、4分割コスト増の試算撤回 市長、厳重注意で 都構想巡り(毎日新聞、2020年10月29日)
https://mainichi.jp/articles/20201029/k00/00m/040/294000c

 大阪市財政局は27日の会見では、毎日の報道について「取材内容をきちっと書いてある」と、肯定的な発言をしていました。松井氏に「捏造」と言われて認めた経緯からすると、トップの圧力に屈して発言内容を変えたようにしか見えません。

 毎日新聞は30日朝刊で「当該記事は大阪市への適切な取材に基づいたものです。代表質問後に市が一転して説明を変えたもの」だと反論し、馬場氏が国会で「重大な誤報」「大誤報」と発言したことは「極めて遺憾だ」と発表しています。

※本紙報道に維新「誤報」 衆院代表質問 大阪市4分割コスト(毎日新聞、2020年10月30日)
https://mainichi.jp/articles/20201029/k00/00m/040/301000c

 また、この毎日の報道については、元大阪府知事、元大阪市長で、元大阪維新の会代表で2010年に「大阪都構想」を提唱した橋下徹氏が10月28日、「住民投票直前に、最大の争点について、大阪都構想に不利な形で在阪メディアが大誤報をしでかした。都構想が可決されればそれでいいが、否決されれば住民投票は無効だろう」とツイートしました。

※橋下徹氏のツイート(2020年10月28日)
https://twitter.com/hashimoto_lo/status/1321199985229131776

 IWJに数多く寄稿しているフリージャーナリストの横田一氏が、10月31日の松井市長囲み取材で松井氏に「財政局長への圧力はなかったのか?」と追及。一連の経緯とともに記事としてアップしました。詳しくはぜひ、以下のURLよりご一読ください!

※「大阪都構想」と称する「大阪市解体構想」! 住民投票を否決されたら投票は無効!? 「大阪市廃止で財政負担増」と報じた毎日新聞のスクープを「大誤報」と決めつける橋下徹氏の暴論を松井一郎維新代表は否定するも、一層深まる市財政局長への圧力疑惑!
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/483759

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◆中継番組表◆

**2020.11.2 Mon.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・Ch3】17:00~「東京電力 定例会見」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch3

 東京電力による記者会見を中継します。これまでIWJが報じてきた東京電力関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e6%9d%b1%e4%ba%ac%e9%9b%bb%e5%8a%9b
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【録画配信 IWJ_YouTube Live】20:00~「戦後75周年シリーズ 第3回『戦後日本の安全保障政策とオルタナティブ ―米中対立下で日米同盟強化以外の選択肢はとりうるか』―登壇:遠藤誠治氏(成蹊大学教授)、猿田佐世氏(新外交イニシアティブ〔ND〕代表)」映像提供:新外交イニシアティブ(ND)
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

 10月23日に開催された、「新外交イニシアティブ(ND)」主催のイベントを録画配信します。これまでIWJが報じてきた新外交イニシアティブ関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e6%96%b0%e5%a4%96%e4%ba%a4%e3%82%a4%e3%83%8b%e3%82%b7%e3%82%a2%e3%83%86%e3%82%a3%e3%83%96

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◆中継番組表◆

**2020.11.3 Tue.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・エリアCh1・京都】13:30~「生かそう憲法 守ろう9条 11・3憲法集会 in 京都 ―講演:『コロナ危機から見える社会と憲法』永田和宏氏(細胞生物学者・歌人)」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_areach1

 「憲法 9 条京都の会」、「安倍 9 条改憲NO!全国市民アクション・京都」主催の集会を中継します。これまでIWJが報じてきた憲法9条関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E6%86%B2%E6%B3%959%E6%9D%A1

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

川崎哲氏(ピースボート共同代表/ICAN国際運営委員)による記者会見(提供:ピースボート)https://iwj.co.jp/wj/open/archives/483478

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■米国と欧州で新型コロナウイルスの再感染拡大が爆発! フランスは1日あたり新規感染者5万人超え、今春の第1波の6.8倍、現在の陽性者数は20倍以上!! 米国は1日あたり新規感染者数が世界記録更新となる10万人超え、しかも現在の陽性者数が310万人と第1波のおよそ3倍!! 日本も1日あたり陽性者数が第1波を超えて868人に! このまま「出入国制限の新たな緩和策」に踏み切っていくのは危険!!

 
 先日よりお伝えしていますが、ヨーロッパにおける新型コロナウイルスの再感染が爆発的な勢いで始まっています。

 世界で累計感染者数の多い国の順番に見ていくと、1位米国が第3波の真っ只中、2位インド、3位ブラジルはようやく第1波を超えつつあります。しかし、4位ロシアは第2波の真っ只中、ようやくピークが見えてきたところです。

 第5位フランスも第2波のピークに近付きつつあります。第6位スペインは第2波の上り坂、第7位アルゼンチンはようやく第1波のピークを超えつつあり、第8位コロンビアは第2波を迎えつつあります。第9位英国は第2波のピークに近づきつつあり、第10位メキシコは第2波の兆候がみられます。地域別に見ると、米国は第3波にあり、ヨーロッパが第2波にある一方、中南米諸国や中央アジアは第1波を超えてきているといったところです。

※COVID-19 CORONAVIRUS PANDEMIC(worldometer、2020年11月1日閲覧、以下本文中で特に断りのない感染者数や死亡者数の情報はすべてこちらから引用)
https://www.worldometers.info/coronavirus/

 世界全体で見ても、新規感染者数は急激な増加傾向にあり、10月30日は1日あたり全世界の新規感染者数がこれまでで最大の57万3800人となりました。一日あたりの死亡者も、10月30日には7512人にと再び増加し、これまで最も多かった8514人(4月17日)に迫る勢いです。

 日本政府は10月30日に出入国制限の新たな緩和策を決め、11月1日から、1週間以内の海外出張から日本に帰国した邦人などを対象に2週間の待機措置を条件付きで免除するということですが、世界の情勢を直視しての判断とは到底見えません。大いに疑問です。

※海外出張の帰国後2週間待機を免除 移動制限など条件 政府、陰性証明と計画提出で(日本経済新聞、2020年10月30日)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65683350Q0A031C2MM8000/

 日本国内を見ても、第3波到来の兆候が見られます。1日あたりの陽性者数は、夏の第2波の最高記録1595人(8月7日)に比べると、868人(10月31日)とまだ半分程度ですが、すでに春の第1波の最高記録708人(4月10日)を超えました。

 いったんは週平均500人程度まで下がった陽性者数が増加に転じていることは明らかです。

 第2波はPCR検査を増やしたために「見かけの感染者数」が増えただけだと政府は強弁してきましたが、PCR検査実施人数は1日あたり2万人前後(民間をあわせた実施件数は1日あたり2万5000件程度)から増えていません。

 したがって、9月下旬から徐々に増えている陽性者数は、検査数とは無関係に増えており、陽性率が高くなってきているといえるでしょう。

※陽性者数(厚生労働省、11月1日閲覧)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html

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■米大統領選最後の週末!! 各種世論調査は軒並み全国でバイデン氏が優勢と伝えているものの、いまだ激戦州は拮抗!! 世論調査は信用できるのか!? 郵便投票が結果を左右する!?

 アメリカは11月3日の大統領選挙を前に最後の週末を迎え、トランプ大統領とバイデン氏は、それぞれ労働者層の多い「ラストベルト」と呼ばれる地域の激戦州で支持を訴えました。

※Trump launches final, two-day frenzy of campaigning in bid for surprise win(Reuters, 2020年11月1日)
https://www.reuters.com/article/us-usa-election/trump-launches-final-two-day-frenzy-of-campaigning-in-bid-for-surprise-win-idUSKBN27H12Z

 CNNのまとめによると、11月1日時点でCNNとSSSRをはじめ、イプソスとロイター通信、ABCニュースとワシントンポスト、ニューヨーク・タイムズとシエナ大、ピュー・リサーチ・センターなど、あらゆる世論調査がバイデン氏優勢を報じています。直近の調査では、バイデン氏がトランプ氏を10ポイントほど引き離している結果が多数となっています。

※2020 Presidential Election Polls(CNN, 閲覧日:2020年11月1日)
https://edition.cnn.com/election/2020/presidential-polls

 しかし、州ごとの様々な世論調査をまとめている「Politics Polls」からは、激戦州でトランプ氏とバイデン氏が拮抗していることが確認できます。

 例えば、フロリダ州ではトランプ氏が50%でバイデン氏が48%、ペンシルベニア州ではトランプ氏が44%でバイデン氏が51%、ノース・カロライナ州ではトランプ氏が45%でバイデン氏が48%、ウィスコンシン州ではトランプ氏が47%でバイデン氏が48%など、激戦州のほとんどで両者に大きな差がないことが分かります。

※Political Polls ツイッター(閲覧日:2020年11月1日)
https://twitter.com/Politics_Polls

 2016年の前回選挙では、世論調査会社はドナルド・トランプ大統領の勝利を予測できず、大きな打撃を受けました。今回の大統領選の世論調査を信頼できるのか――。アメリカではこうした懸念が広がっています。

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■<本日の録画配信>本日20時から、「戦後75周年シリーズ 第3回『戦後日本の安全保障政策とオルタナティブ ―米中対立下で日米同盟強化以外の選択肢はとりうるか』―登壇:遠藤誠治氏(成蹊大学教授)、猿田佐世氏(新外交イニシアティブ〔ND〕代表)」を録画配信します!!

 アメリカ大統領選の結果は日本の安全保障問題にも大きな影響を及ぼします。

 本日は、新外交イニシアティブによる先月23日のオンライン講演会「戦後75周年シリーズ 第3回『戦後日本の安全保障政策とオルタナティブ ―米中対立下で日米同盟強化以外の選択肢はとりうるか』」を録画配信いたします。

 2020年は戦後75年、現行の日米安全保障条約発効から60年にあたります。日本は戦後一貫して米国の「核の傘」に依存し、米軍の駐留を認め、近年は米軍と自衛隊の一体化を推進する形での安全保障政策を進めてきました。そして現在、世界のパワーバランスが変容するなか、日本は米国からの求めに応じて「専守防衛」を捨て、攻撃能力の保有へと向かいつつあります。

 米中対立が激化する今日において、日本は自国の安全を確保するため、どのような針路をとるべきなのでしょうか。本講演は、国際政治学者の遠藤誠二・成蹊大学法学部教授によって、戦後日本の安全保障政策のオルタナティブ(代替案)が語られました。

 遠藤氏は、中国の特に軍事的・経済的な台頭が、国際関係の枠組みを大きく変化させているものの、こうした変化への対応の思考パターンの前提条件が日米安保条約頼みになってしまっていることを指摘します。

 要するに、米国の力の優位が揺らぐことによる、日米安保条約の有効性・信頼性への不安に対する具体的対応策が、逆に日米安保条約の既存の機能を高めることや日本の軍事力を強化することになってしまっているのです。こうした中で、陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備撤回を機に、政府や自民党は「敵基地攻撃能力」の保有を検討しています。

 遠藤氏は、米中対立の源泉は米中間の世界観・国際秩序構想の違いにあるとし、こうした対立を軍事的に解決することはあり得ないと述べます。

 その代わりに、日本は平和・自由・人権といった価値を重んじて非軍事分野や非緊急事態的対応を取り、地球温暖化への対処など共有されている利益を増進することで、政治的な対立を緩和することを目指すべきと主張します。その上で、相手が軍拡する不安を与えない「専守防衛」には価値があると強調します。

 反対に、現在政府や自民党が推進する「敵基地攻撃能力」の保有は、中国の軍拡を正当化し、相手に先制攻撃の理由と標的を与えるために、政治的な対立を緩和することに役立たないと批判します。

 そもそも、「敵基地攻撃能力」を求める人々は「抑止力強化」を盾にしますが、遠藤氏は、「抑止力」と言うなら相手の行動を制御するほどの能力を持たなければならならず、「一発二発ミサイル持ったら抑止になるというのは非論理的でとても幼稚な議論」と喝破しました。

 詳しくは、本日20時からの録画配信を御覧ください!

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【録画配信 IWJ_YouTube Live】20:00~「戦後75周年シリーズ 第3回『戦後日本の安全保障政策とオルタナティブ ―米中対立下で日米同盟強化以外の選択肢はとりうるか』―登壇:遠藤誠治氏(成蹊大学教授)、猿田佐世氏(新外交イニシアティブ〔ND〕代表)」映像提供:新外交イニシアティブ(ND)
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

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■IWJは生き残りをかけて、全配信チャンネルをYouTubeへ移行し、Youtube Liveで生中継を行うプロジェクトを進めています! 権力におもねらず、大資本にも組み伏せられない、独立した自由な市民のためのインターネット報道メディアとして、時代の変化にあわせて柔軟な改革を進め、敏感に果断に対応していきます! しかしながら8月、9月、10月とご寄付・カンパの達成率が下がり続けています! どうか、IWJの取り組みにご理解をいただき、ご支援をよろしくお願いいたします!

 先日来お知らせしていますように、IWJでは現在、生き残りをかけて、全配信チャンネルをYouTubeへ移行する計画を進めています。そのためには、LiveUという機器の導入が必要となります。連日お伝えしてきた内容を以下の記事にまとめました。お時間のあるときにどうぞお目通しください。

※IWJの財政が本当にピンチです! 10月末は岩上安身個人から400万円を借り入れてしのぐことに! 他方、激変する情報環境の中で、生き残りをかけて新機材を導入、全チャンネルでYouTube Liveによる生中継を行えるように改革を断行します! IWJへのご支援を、ぜひ、よろしくお願いいたします! 2020.10.29
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/483507

 レンタルしたLiveUのデモ機を用いた取材をアーカイブで公開しています。取材現場は日比谷図書館地下大ホールという、電波状況の厳しい地下だったにも関わらず、安定して中継を行うことができました。ぜひ御覧ください。

※ライブ中継13:40~ 憲法を変えさせない!誰も戦場に送らせない! ―「日の丸・君が代」強制反対!10・23通達撤回!― 学校に自由と人権を!10・25集会 ―講演:香山リカ氏(精神科医)
https://youtu.be/jgfzDGoHL6I

 IWJは政治的に権力におもねらず、大資本にも組み伏せられない、独立した自由な市民のためのインターネット報道メディアとして、時代の変化にあわせて柔軟な改革を進め、敏感に果断に対応していくことで生き延びていきたいと考えています。どうか、IWJの生き残りをかけた取り組みにご理解をいただき、ご支援をよろしくお願いいたします!

 他方、IWJは過去に例のないほど経済的なピンチに直面しています。

 IWJの第11期は8月1日からスタートして3ヶ月が過ぎました。しかしながら、8月のカンパ総額は月間目標額の36%にしか届かず、9月は月間目標額の26%の達成率にとどまっています。

 この結果、10月の月間目標額は9月の不足分が加算された995万3340円となりました。しかし10月1日から30日までのご寄付・カンパの総額は205万7969円であり、目標額の約21%という達成率にとどまっています。10月最後の31日は土曜日でしたので、10月の達成率は、8月から大きく低下した9月の達成率を、さらに下回ることになりそうです。

 今月はキャッシュフローが足りず、目前の固定費の支払いを乗り切るために今月、400万円をIWJが借り入れることが本決まりとなりました。

 言うまでもなく、岩上安身は富裕層でも資産家でもなく、地を這いつくばるように生きてきた一介のジャーナリストに過ぎず、岩上安身にIWJの財政危機を丸ごと救えるような私財があるわけではありません。

 IWJから岩上安身への役員報酬も、3期連続して50%カットし続けています。来月も、再来月も、岩上安身が私財を投じられるわけではありません。

 このままでは、IWJは11月以降、これまでのような活発な活動を継続することはできそうにありません。

 それでも、私たちは何としてもこれまでと同様、ジャーナリズム本来の志をまっとうした活動を継続し、できれば新たなネット環境にも適応する新しい技術にも挑戦し、独立市民メディアとしての使命を果たしていきたいと強く願っています。

 コロナ禍の状況下で、誰もが経済的に苦しい状況であると思います。そんなただ中で皆様にご寄付・カンパのお願いを続けることは非常に心苦しいことではありますが、特定のスポンサーに頼らない独立市民メディアであるIWJが、活動を継続していくためには、市民の皆様の会費とご寄付・カンパによるご支援が欠かせません!

 皆様と一緒に私たちもコロナ危機を何としても乗りきりたいと思います! 同時に日本が対米追従一本槍で、覇権をかけた米中対立のための、代理戦争の鉄砲玉にされるのを黙って指をくわえて見ているわけにはいきません!

 強まる言論と報道への統制、あるいは菅政権による日本学術会議の6名の任命拒否という違憲・違法の動きの裏にも、軍事研究を解禁し日本を米国の従属国のまま軍事国家化してゆくという強い意志が存在します。1つ1つの事件の背景にあるこうした「俯瞰的視点」を持ちあわせていることも、IWJの特色であると自負しています!

 ぜひ、会員登録と、ご寄付・カンパによる緊急のご支援を、よろしくお願いいたします!

 また、ご友人や知人にIWJの活動をお知らせいただき、ご支援の輪を広げていただけるようお願いいたします! ぜひ、みなさまのお力で、SNS等を使って、IWJの良い点、優れた点を、口コミでお知らせいただければと思います。10月31日時点で会員登録いただいている会員様の総数は、4296名です。この数を皆様とともに、ぜひ伸ばしていきたいと考えております!

 下記URLに、ご寄付・カンパくださった皆様のお名前を記して感謝の意を捧げております。ぜひ御覧いただければと存じます。

※いつもIWJをご支援いただき、ありがとうございます。取材・報道活動にお力添えいただきましたみなさまへ心より御礼を申し上げ、お名前を掲載させていただきます<ご寄付・カンパのお礼とご報告>
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/category/information/donation

※ご寄付・カンパのご支援はこちらからよろしくお願いいたします! 1000円からクレジットカードの使用も可能です。ぜひご検討ください。
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 独立メディアとしてのIWJの存在は、会員の皆様のサポートがあってこそのものです。特定のスポンサーをもたないことで、誰にも、どんな党派にもおもねることなく、真の報道の自由の実現を目指してきた独立メディアであるIWJは、活動経費の半分を皆様からのご寄付・カンパで、残りの半分を会員の皆様の会費で賄っています。

 10月31日時点の会員数は4296名様です。うちサポート会員の方は1498名様です。

 まだ、無料の視聴のみにとどまり、会員登録はされていないという方は、ぜひ、この機会に新規の会員になっていただき、IWJの活動をお支えいただければと存じます!

 いったんは会員登録したものの、現在は休会中であるという方、うっかりして会費が未納になっているという方、この機会にぜひ、再開をお願いいたします!

 いったん会員登録した皆様の会員番号は、未納・休会の間も大切に保存してあります。会費を再び納付していただければ、着金が確認でき次第、サービスを再開させていただきます!

※会員へのご登録はこちらからお願いいたします。ぜひ、新規の会員となって、あるいはかつて会員だった方は再開して、ご支援ください!
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※ぜひ、サポート会員にお切替えいただいてご支援ください!
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■【スタッフ募集・インターン】コロナ禍のためにバイト先がなくなり、退学を考える学生が急増しているといいます。退学を考える前に、IWJでアルバイトあるいはインターンの検討をぜひ! IWJでは現在大学院生や大学生のインターンも活躍しています! 進路として報道メディアに興味ある学生の方はぜひご応募ください! 就職試験突破の相談にも乗りますし、もちろんペイワークです!

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IWJ編集部(岩上安身、國府田響、城石裕幸、六反田千恵、中村尚貴)

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