日刊IWJガイド「岩上安身は自衛隊の中東派遣を昨年2019年の10大ニュースのトップにあげていた!新年トランプによるイラン革命防衛軍司令官への殺害によって、その懸念と読みが最悪の形で的中!」2020.1.5日号~No.2670号


┏━━【目次】━━━━━━━━━━━━━
┠■ 岩上安身は自衛隊の中東派遣を昨年2019年の10大ニュースのトップにあげていた!新年トランプによるイラン革命防衛軍司令官への殺害によって、その懸念と読みが最悪の形で的中!
┠■【中継番組表】
┠■ 年末の一大ニュース!! 日産自動車の前会長 カルロス・ゴーン氏が日本を出国しレバノンに「逃走」!? 日本の司法制度について、「国際法や条約のもとで守らなくてはいけない法的な義務を目に余るほど無視」しているとの声明を発表!!  
┠■旧年中のご寄付・カンパの達成率は79%にとどまっています! 1月のご寄付・カンパの目標額は516万円となります! 新年もどうぞIWJへのご支援をよろしくお願いいたします!
┠■【スタッフ募集・テキスト班】「岩上安身によるインタビュー」のパワポ作成に責任を持って関わって頂ける方:時給1500円~ にアップしました!/日刊IWJガイドや記事の執筆、編集業務他:時給1300円~
┠■【スタッフ募集・動画班】YouTube用動画編集の経験者優遇! 時給1300円~にアップしました!
┠■【スタッフ募集・取材カメラマン・記者】動画未経験者:時給1100円~/記事執筆できる方:時給1200円~
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■ 岩上安身は自衛隊の中東派遣を昨年2019年の10大ニュースのトップにあげていた!新年トランプによるイラン革命防衛軍司令官への殺害によって、その懸念と読みが最悪の形で的中!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 2019年大晦日の夜に岩上安身が選び、2020.1.1日号~No.2666号に掲載した「2019年10大ニュース・国内編」。岩上安身は「他の何を差し置いても、トップは自衛隊の中東への派遣だ」として、「中東への自衛隊派兵を、閣議決定で先行してしまう! 対米隷属の先に見えるのはイラン戦争!」を1位にランク付けしていました。

※IWJ編集部がピックアップし、編集責任者の岩上安身が最終順位をつけた、2019年10大ニュース・国内編!!(日刊ガイド2020.1.1日号~No.2666号)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/39515

 その懸念が、わずか数日も経たないうちに、現実のものになってしまいました。

 2020年1月3日、イラン革命防衛隊の精鋭部隊「コッズ部隊」のトップ、カセム・ソレイマニ司令官が、イラク・バグダッドで米軍のドローン空爆によって死亡しました。ソレイマニ司令官はイランが支持するイラクの民兵組織と共に車両でバグダッド国際空港を出ようとしたところ、複数のミサイルが車両2台の車列を直撃し、少なくとも5人が死亡したとされています。
 
 また、イラン革命防衛隊は、親イランのイスラム教シーア派武装組織のアブ・マフディ・アル・ムハンディス副司令官も死亡したとしています。

 米国防総省は声明で、「トランプ大統領の指示のもと、米軍はカセム・ソレイマニを殺害することで、在外アメリカ人を守るための断固たる防衛措置をとった」と1月2日夜(中東時間で3日)に発表。「 トランプ大統領の指示」によってソレイマニ司令官を殺害したと認めました。

 その上で「ソレイマニ司令官は、イラクや周辺地域でアメリカの外交官や軍人を攻撃する計画を進めていた。彼は過去、数か月にわたり、イラクの基地をねらった攻撃を画策し、アメリカ人やイラク人を死傷させた。また、今週起きたバグダッドのアメリカ大使館の襲撃を承認していた」などと批判しています。

 そして「今回の攻撃は、この先のイランによる攻撃を防ぐために行われた。アメリカは、国民と国益を守るために世界のどこにおいても必要なあらゆる措置を取る」などと警告しています。アメリカのこの「予防攻撃の正当化」の主張に、国際法を尊重し、遵守しようとする姿勢など微塵もありません。傲慢の極みです。

※イラン革命防衛隊の司令官、米軍の空爆で死亡 バグダッド到着後
(2020年1月3日、BBC NEWS JAPAN)
https://www.bbc.com/japanese/50980333

※IMMEDIATE RELEASE Statement by the Department of Defense
(米国防総省・緊急声明)
https://www.defense.gov/Newsroom/Releases/Release/Article/2049534/statement-by-the-department-of-defense/

 また、米国防総省当局者は3日、イランが報復を警告しているのを受けた措置として、中東地域に約3500人の部隊を増派する方針を明らかにしたと、米国の複数のメディアが報じています。

 米政府は昨年12月末、イラクの首都バグダッドにある米大使館前での大規模デモを受け、中東地域に約750人の増派を発表したばかりです。追加増派で緊張が一層高まるのは避けられません。

※米、中東に3500人増派 イラクで新たな空爆―イラン司令官殺害
(2020年1月4日、時事通信社)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020010400128&g=int

 イラクのアブドルマハディ暫定首相は今回の米軍の攻撃について「イラクの主権を侵害するものであり、イラクや中東、世界での戦争を引き起こす危険な行為だ」と非難しています。もっともすぎる主張です。

 米国は、他国の主権をまったく尊重しようとしていません。イラク戦争の開戦理由だった大量破壊兵器は、結局、存在しませんでした。間違った理由で開戦したことを米国自身が認めています。そんな暴挙を働いていてなお、米軍はイラク領土内に勝手に居座り、イラクの主権を踏みにじってドローンを飛ばしてミサイルを撃ち、テロ行為を営々と行っているのです。イラクに対して、陵辱の上に陵辱を重ねる米国は、いったい何様のつもりなのでしょうか。政府トップの名において行われるこれ以上の悪徳が、現在の地球上のどこにあるのでしょうか?

※Iraq PM says US strike threatens ‘devastating war’
(2020年1月3日、The News Arab)
https://www.alaraby.co.uk/english/news/2020/1/3/iraq-pm-says-us-strike-threatens-devastating-war

 イランのラバンチ国連大使は3日、CNNテレビのインタビューに出演し、「イラン国民に対する戦争行為だ」と批判。「イランに対する開戦に等しく、(二国間関係は)新たな段階に入った」などと述べました。

 また、ラバンチ氏は、グテーレス国連事務総長と安全保障理事会に対し書簡を3日に送付。「国連憲章を含む国際法の基本原則を完全に侵害しており、明らかな国家テロだ」と訴えました。「ソレイマニ氏は安保理指定のテロ集団討伐のために重要な役割を果たしてきた」と称えた上で、「米国の偽善的な政策は、国家をまたぐテロと闘う努力をひどくむしばんでいる」と批判。安保理理事国に対し、「米国の違法な行いを非難するよう」求めました。

※イラン、軍事行動を宣言 司令官殺害は「開戦に等しい」
(2020年1月4日、朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASN1432F4N14UHBI00J.html

※Iranian ambassador vows ‘harsh revenge’ in CNN interview
(2020年1月3日、CNN)
https://edition.cnn.com/videos/politics/2020/01/04/majid-takht-ravanchi-iranian-ambassador-to-un-revenge-ebof-vpx.cnn

 グテーレス国連事務総長は、「世界は、新たな湾岸戦争に対応する余裕はない」との声明を発表した。米国とイランの緊張激化に「深い懸念」を表明し、「指導者は最大限の自制が必要」と訴えました。

※国連総長「新たな湾岸戦争に耐えられず」、自制求める
(2020年1月4日、日経新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54031090U0A100C2000000/

 イラン最高指導者ハメネイ師は「血で汚された犯罪者には厳しい報復が待ち受けている」と述べ、アメリカに対して報復措置をとる考えを表明。その上で、国をあげて3日間、ソレイマニ司令官の死を悼むと宣言しました。

 ロウハニ大統領は「偉大で勇敢な司令官の死は、イラン国民全体に深い悲しみをもたらし、アメリカに立ち向かうイラン国民の決意を倍増させた。アメリカによる身の毛もよだつ犯罪行為に対しイランは間違いなく仕返しをする」と述べました。

※司令官殺害 アメリカとイランはどう主張したか
(2020年1月3日、NHK NEWS WEB)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200103/k10012234681000.html

 イラクの首都バグダッドにあるアメリカ大使館は1月3日「イラクで緊張が高まっている」として、イラク国内のアメリカ国民に対し、直ちに国外に退避するよう求めたとのことです。

※司令官殺害 イラクの米大使館 米国民に“直ちに国外退避を”
(2020年1月3日、NHK NEWS WEB)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200103/k10012234791000.html

 他方、昨日1月4日も千葉県でゴルフに興じていた安倍晋三総理は、記者団から現在の中東情勢の受け止めを問われましたが、米軍による革命防衛軍爆撃については言及をせず、「今月、諸般の情勢が許せば中東を訪問する準備を進めたい」などとピントはずれな回答を述べました。安倍総理は今月中旬、サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)などを歴訪する方向で調整しているとのことですが、中東に起きている事態に何の見識もない安倍総理が現地に行ったところで、何ができるのでしょうか。血税の無駄遣いもいいところです。

※首相、中東情勢への言及避ける
(2019年1月4日、共同通信)
https://this.kiji.is/586035802062586977
   
 米国防総省の声明では「今回の攻撃は、この先のイランによる攻撃を防ぐために行われた」などと主張していますが、先制攻撃は国連憲章に反する挑発行為で、許されるものではありません。日本政府は「言及を避ける」などというあやふやな態度をすぐにあらため、米国に対して断固抗議すべきです。また、緊張の高まる中東への自衛隊の派遣など問題外です。即刻中止することを強く求めます。対米従属ばかりで、派兵中止の決断ができない政権ならば、もはや交代させるしかありません。

 なお、イラク政府の主張は、ロシアの通信社であるスプートニクが正確に取り上げています。

 イラク首相のアブドルマハディ氏は、 この事件に関するイラク政府の立場を明らかにするため、「これは米軍のイラク駐留条件の重大な違反。米軍の役割は、イラク軍の訓練と有志連合のメンバーとしての(テロ組織)『ダーイシュ(イスラム国、IS)』との戦いのみに限られている」と発表した、と報じています。

※イラク首相、バグダッドでのソレイマニ司令官殺害を非難
(Sputnik日本、2020年01月03日)
https://jp.sputniknews.com/middle_east/202001036988719/  

 おそらく、こうした違反行為まで踏み込んで書いている日本の大手メディアは皆無のはずで、ぼやかしてしか書いていないはずです。

 ちなみに、このスプートニクを翻訳されている方は、ペンネーム「海外記事」さんという方です。 「海外記事」 さんはIWJの会員にもなっていただいており、IWJには常日頃から激励のメッセージを寄せていただいています。この場を借りて御礼を申し上げます。ありがとうございます。

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◆中継番組表◆

**2020.1.5 Sun.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【年末年始特別企画!自衛隊中東派遣を考えるシリーズ再配信 4・IWJ_Youtube Live】13:00~「戦争する国は弱くなる! 戦争しない国は栄える! 米国が無益な戦争のために金と血を流し続けてきた間に中国が台頭した! 日本は対イラン戦争のために中東有志連合に自衛隊を派遣するのか!? ~岩上安身によるインタビュー 第948回 ゲスト 放送大学 高橋和夫名誉教授」
YouTube視聴URL(冒頭以降は会員限定): https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867
ツイキャス視聴URL(冒頭のみ): http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi

 2019年8月に収録した、岩上安身による放送大学名誉教授・高橋和夫氏インタビューを再配信します。これまでIWJが報じてきた高橋和夫氏関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E9%AB%98%E6%A9%8B%E5%92%8C%E5%A4%AB

[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/454778
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【IWJ・Ch5】14:30~「第8回 高田馬場☆ニューイヤー脱原発デモ! ― 2020年は原発ゼロの社会へ GO! GO! GO!」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch5

 「反原発西武線沿線連合」主催のデモを中継します。これまでIWJが報じてきた反原発関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e5%8f%8d%e5%8e%9f%e7%99%ba
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【タイムリー再配信 499・IWJ_Youtube Live】16:00~「日本外国特派員協会主催 カルロス・ゴーン首席弁護士 大鶴基成氏、近藤剛弁護士、押久保雅人弁護士による記者会見」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501
 
 2019年1月に収録した、「日本外国特派員協会」主催の記者会見を再配信します。これまでIWJが報じてきたカルロス・ゴーン氏関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e3%82%ab%e3%83%ab%e3%83%ad%e3%82%b9%e3%83%bb%e3%82%b4%e3%83%bc%e3%83%b3

[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/439154
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【タイムリー再配信 500・IWJ_Youtube Live】19:00~「電機産業は崩壊!? 凋落する日本のものづくり!~岩上安身によるインタビュー 第945回 ゲスト『「空洞化」と「属国化」 ― 日本経済グローバル化の顛末』著者 名古屋経済大学・坂本雅子名誉教授(前編)」
YouTube視聴URL(冒頭以降は会員限定): https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867
ツイキャス視聴URL(冒頭のみ): http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi

 2019年6月に収録した、岩上安身による名古屋経済大学名誉教授・坂本雅子氏インタビューを再配信します。これまでIWJが報じてきた経済関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/economy

[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/450800

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◆中継番組表◆

**2020.1.6 Mon.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【タイムリー再配信 501・IWJ_Youtube Live】19:00~「電機産業は崩壊!? 凋落する日本のものづくり! ~岩上安身によるインタビュー 第945回 ゲスト『「空洞化」と「属国化」 日本経済グローバル化の顛末』著者 名古屋経済大学・坂本雅子名誉教授(後編)」
YouTube視聴URL(冒頭以降は会員限定): https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867
ツイキャス視聴URL(冒頭のみ): http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi

 2019年6月に収録した、岩上安身による名古屋経済大学名誉教授・坂本雅子氏インタビューを再配信します。これまでIWJが報じてきた経済関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/economy

[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/450800

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■ 年末の一大ニュース!! 日産自動車の前会長 カルロス・ゴーン氏が日本を出国しレバノンに「逃走」!? 日本の司法制度について、「国際法や条約のもとで守らなくてはいけない法的な義務を目に余るほど無視」しているとの声明を発表!!

 2019年末に一大ニュースが飛び込みました。昨年12月30日(日本時間31日)、日産自動車の前会長カルロス・ゴーン氏が国籍を持つ国の一つであるレバノンの首都ベイルートに到着したと、欧米メディアが相次いで報じました。

※ゴーン被告が日本出国か レバノン入り、海外紙「逃走」(朝日新聞、2019年12月31日)
https://digital.asahi.com/articles/ASMD02GV9MD0ULFA001.html?iref=pc_ss_date

 ゴーン前会長は2018年11月に金融商品取引法違反の容疑で逮捕されました。3月5日には保釈が決定されましたが、翌日6日に保釈保証金10億円を納めて保釈されるまで計108日にわたり拘束されていました。その後、弁護士同席で記者会見を行う旨を発表しましたが、会見の直前の4月4日に東京地検特捜部に再逮捕されたため、口封じのための逮捕かと問題となっていました。ゴーン氏はこれまで、合計4回起訴されています。

 東京地裁は昨年4月25日、保釈を認める決定を出しました。地裁は保釈の条件として、海外への渡航を禁止していました。ゴーン氏は同日、保釈保証金5億円を納付。1回目と合わせて15億の保釈金を支払うこととなりました。

※ゴーン前会長、東京拘置所から再び保釈 今回はスーツ姿(朝日新聞、2019年4月26日)
https://digital.asahi.com/articles/ASM4T5F6MM4TUTIL030.html?iref=com_latestnews_02

 ゴーン氏は、「逃走」が報じられた12月30日(日本時間31日)付で以下のような英文の声明を発表。保釈条件を破って日本を出国したことを明らかにしました。

 「私はいまレバノンにいます。もはや私は有罪が前提とされ、差別がまん延し、基本的な人権が無視されている不正な日本の司法制度の人質ではなくなります。日本の司法制度は、国際法や条約のもとで守らなくてはいけない法的な義務を目に余るほど無視しています。私は正義から逃げたわけではありません。不公正と政治的迫害から逃れたのです。いま私はようやくメディアと自由にコミュニケーションできるようになりました。来週から始めるのを楽しみにしています。」

※【声明全文】ゴーン被告「私はレバノンにいる」渡航禁止も出国(NHK NEWS WEB、2019年12月31日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191231/k10012232821000.html

 ゴーン氏は、関西空港からプライベートジェットに乗ってトルコに入国しレバノンに入ったとされていますが、いまだ詳しいことは分かっていません。

 出国には妻のキャロルさんが計画に関わったと仏紙などによって報じられていましたが、ゴーン氏は「私は単独で出国の準備をした」、「家族は全く何もしていない」とコメント。この稿を書いている1月4日の現時点では、米紙ウォールストリート・ジャーナルが、ゴーン氏は米陸軍特殊部隊、グリーンベレーの出身とみられる男性ら2人の助けを借り、音響機器を入れる箱に隠れて日本を出国したのではないか、と報じているのが、最も踏み込んだ報道です。もっとも、これが真実かどうかの確認はなく、「飛ばし」の可能性も捨て切れません。

※ゴーン被告、再び声明「単独で準備、家族は何もせず」(朝日新聞、2020年1月3日)
https://digital.asahi.com/articles/ASN1305JFN12UHBI01P.html?iref=pc_ss_date

※ゴーン被告、プロが逃がす?元グリーンベレーの名前浮上(朝日新聞、2020年1月4日)
https://digital.asahi.com/articles/ASN142T3QN14UHBI00F.html?iref=pc_ss_date

 東京地検特捜部は31日付でゴーン前会長の保釈を取り消し、保釈保証金15億円を没収。その後、日本の当局は、国際刑事警察機構(ICPO)にゴーン前会長を起訴済みの罪について国際手配する手続きを取りました。しかし、ICPOには強制力がなく、逮捕される可能性は低いとみられています。

※ゴーン被告の保釈取り消し、15億円没収へ 東京地裁(朝日新聞、2019年12月31日)
https://digital.asahi.com/articles/ASMD073NHMD0UTIL02P.html?iref=pc_ss_date

※「逃亡あり得ない」胸張った弁護側 「甘かった」指摘も(朝日新聞、2020年1月3日)
https://digital.asahi.com/articles/ASN1254YNN12UTIL009.html?iref=pc_ss_date

 ゴーン氏が国籍を持つレバノンとフランスの両政府は今回の「逃走」事件への関与を否定しました。

※仏外務省、ゴーン被告の出国「知らなかった」 関与否定(朝日新聞、2020年1月1日)
https://digital.asahi.com/articles/ASN1102V2MD0UHBI02K.html?iref=pc_ss_date

※ゴーン被告逃亡は「彼の問題」 レバノン政府が関与否定(朝日新聞、2020年1月1日)
https://digital.asahi.com/articles/ASN115FZSN11UHBI00F.html?iref=pc_ss_date

 ゴーン氏の「逃走」先であるレバノンのセルハン暫定法相は、「ゴーン前会長は合法的な旅券で入国した」として、日本への引き渡しは困難との見解を示しました。日本とレバノンの間には犯罪人引き渡し条約がなく、ゴーン前会長の引き渡しは極めて難しい情勢となる見通しです。

※レバノン法相、ゴーン被告の引き渡し困難との見通し示す(朝日新聞、2020年1月3日)
https://digital.asahi.com/articles/ASN13161PN12UHBI01R.html?iref=pc_ss_date

 国際政治学者の内藤正典氏は、レバノンという国は引き渡しどころか一筋縄では行かない国であるとういことを、次のような表現でツイートで解説しています。

「明らかなことは、恥をかかされた日本の司法当局や出入国管理庁が、レバノン政府に説明を求めても無駄だということ。どこでどうやって旅券を手に入れて日本から逃亡したか、知っていても言う訳がない。
ご存知ない人も多いと思うが72年にイスラエルの空港でテロを起こした岡本公三でさえ引き渡さない国」

※2019年12月31日、内藤正典氏ツイート
https://twitter.com/masanorinaito/status/1211865812371296256

 海外メディアは、ゴーン氏の「逃走」を驚きを持って伝えています。仏経済紙レゼコーは今回の事件を「大脱走」と報道。また、仏紙ルモンドはレバノンを出国先に選んだことについて、「意味ある選択だ」と指摘しました。さらに、仏紙フィガロが「ゴーン氏が日本から逃げ出したのは正しかったか」と読者に尋ねたところ、そうだと応じた人が77%に上りました。

 これは、別の言い方をすれば、日本という国では不正義が横行し、このようなアクロバティックな逃走方法で司法から「脱走」をはかるのは許される、とみなされている、ということです。このことを、日本社会は真剣に受けとめる必要があるはずです。「人質司法」が当たり前に横行し、容疑者の人権が守られず、裁判が形式化していて、検察が起訴すれば、高確率で有罪になってしまう。「検察強権国家」とのイメージが国際的にも定着してしまっているのです。

※「大脱走」 仏メディア、ゴーン被告出国に驚き伝える(朝日新聞、2019年12月31日)
https://digital.asahi.com/articles/ASMD05J07MD0UHBI00Y.html?iref=pc_ss_date

※ゴーン被告逃亡「正しかった」8割 仏紙読者アンケート(朝日新聞、2020年1月4日)
https://digital.asahi.com/articles/ASN142HVZN14UHBI007.html?iref=pc_ss_dat

 ゴーン氏が国籍を持つもう一つの国、ブラジルでも今回の事件は大きく報じられました。ブラジルの有力紙「フォリャ・デ・サンパウロ」は、「日本では、起訴された99%以上が有罪になる」、「たとえ無罪であっても、検察は最高裁まで訴えることができるため、(被告は)何年もの間、裁判に引きずり込まれる」と報じ、日本の司法制度を批判しました。

※「日本では99%が有罪」 ゴーン被告出国でブラジル紙(朝日新聞、2019年12月31日)
https://digital.asahi.com/articles/ASMD054NDMD0UHBI00T.html?iref=pc_ss_date

 仏紙フィガロによると、ゴーン氏はレバノンの首都ベイルートで8日に記者会見を開く方針とされています。

※ゴーン被告、8日にベイルートで記者会見へ 仏紙が報道(朝日新聞、2020年1月2日)
https://digital.asahi.com/articles/ASN122RGNN12UHBI002.html?iref=pc_ss_date

 ゴーン氏の逮捕時から発信を続けている元特捜検事である郷原信郎氏は、ゴーン氏の事件は、「明らかに異常な捜査経過の問題、長期間の身柄拘束や保釈条件による人権侵害の問題」が明るみに出た「異常な事件」であったと指摘しています。しかしながら、日本のマスコミはゴーン氏の主張をほとんど報じず、「絶望的な状況」であり、こうした状況の中で、ゴーン氏が「国外脱出が可能」ということを知り、15億円の保釈保証金を失ってもその可能性に賭けてみようとしたのは、「理解できないことではない」としています。

※ゴーン氏出国は「単なる刑事事件」の被告人逃亡ではない~日本の刑事司法は、国際的な批判に耐えられるのか(Yahoo! ニュース、2019年1月1日)
https://news.yahoo.co.jp/byline/goharanobuo/20200101-00157363/

 その上で郷原氏は、検察は「レバノンに対して、外務省当局の協力の下に、被告人のゴーン氏の引き渡しをとことん求めるべき」とし、「本当に、ゴーン氏を起訴した罪状が悪質・重大なものであり、ゴーン氏に対する日本での扱いが不当なものではないと『確信を持って』言えるのであれば、国際社会に対してそれを堂々と主張し、犯罪者を匿うレバノンを批判すればよいはず」と主張しています。

 問題は、本当に検察が、確固たる証拠をもって逮捕に至ったのか。それとも、自白を強要する悪しき「人質手法」の手口に頼るつもりで、安直に身柄を拘束したのか、その点がまさに問われているのです。検察はこの問いに正面から答えなければなりません。

 IWJは、2018年のゴーン氏逮捕の際、郷原氏にインタビューを行っています。こちらも合わせてご覧ください。

※「明らかにクーデター!」日産自動車のカルロス・ゴーン前会長逮捕の不当性について、IWJの川上正晃記者が郷原信郎弁護士に訊く! 2018.12.17
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/437841

■旧年中のご寄付・カンパの達成率は79%にとどまっています! 1月のご寄付・カンパの目標額は516万円となります! 新年もどうぞIWJへのご支援をよろしくお願いいたします!

 いつもIWJをご支援いただき、ありがとうございます。皆様からの温かいご支援に、岩上安身とIWJスタッフ一同、心から感謝申し上げます。

 年が明け、IWJの第10期は期末の7月末日まで、残り7か月となりました。

 IWJは昨期第9期より、あらゆる支出を見直し、さらに岩上安身の報酬を50%削減して、第10期も引き続き1年間のご寄付・カンパの目標額を5400万円に設定しています。

 昨年中に何とか100%の達成に向けて、皆様へのご支援をお願いしてまいりましたが、目標達成率は、79%にとどまりました。

 今期第10期の始まった昨年8月1日から12月30日までの5か月間に皆様からいただいた大切なご寄付・カンパの総額は1784万6919円となりました(クレジットカードでのご寄付もあるため、最終的には多少の変動もあります)。

 1年間の目標額5400万円を月々で割ると1か月の目標額は450万円となります。第10期が始まった8月1日から12月末日までの5か月間のご寄付・カンパの目標額は2250万円ですが、あと約465万円ほど目標額に届いていません。これは予測を立てた経営計画に対して、5ヶ月で約465万円の不足分が出ているということです。

 年が明け、第10期残り7か月で3615万円ご寄付・カンパが集まらなければ年間の目標額に到達できません。450万円に設定していた1か月あたりのご寄付・カンパの目標額は、見直しが必要となりました。残りの7か月、平均すると毎月の目標額は約516万円となります。今月目標額の516万円が達成できなければ、2月以降に、その不足分を持ち越して再計算し、月間の目標額はさらに高く設定しなければならなくなります。

 どうか、本年もIWJがこれまで以上に活躍できますように、皆様のご支援とご協力をどうぞよろしくお願い致します!

※ご寄付・カンパのご支援はこちらからよろしくお願いいたします!
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

 特定のスポンサーをもたない、独立メディアであるIWJは、活動経費の半分を皆様からのご寄付・カンパで、残りの半分を会員の皆様の会費で賄っています。12月30日現在の会員数は4953名様です。会員の人数が増えれば、IWJの経営はそれだけ安定します。

 IWJの一般会員へご登録いただければ、岩上安身によるインタビューなどのIWJオリジナルコンテンツを1か月間何度でもご覧いただけます。まだIWJ会員へのご登録がお済みでない方はぜひ、この機会に会員登録をお願いいたします!

 現在一般会員の方は、ぜひサポート会員へのお切り替えをご検討ください! サポート会員にご登録いただくと、全てのIWJのコンテンツをいつでもお好きな時に何度でもご覧いただけます。また、サポート会員の比率が高まれば、その分だけIWJの経営は安定します!

 また現在、会費未納等でいったん休眠会員となられている方は、ぜひこの機会に再開をご検討ください!会員番号はすべて保存してありますので、会費をご納付いただければ、着金が確認され次第、いつでも再開できます!

 会費の支払いをつい忘れがちという方は、クレジットカードでのお支払いが大変便利ですので、ぜひご検討ください。クレジットカードをお持ちでない方は、自動引き落としサービスもご用意していますので、こちらのページをご覧ください!

※クレジットカード・自動引き落としでのお支払いへの変更はこちらから(※ログインが必要です)
https://iwj.co.jp/ec/mypage/login.php

※よくある質問と回答 年会費をクレジットで支払いたい
https://iwj.co.jp/info/faq.html#idx-18

 IWJの有料会員制度は1ヶ月1000円、支払いをまとめてお得な1年1万円の一般会員と、1ヶ月3000円、まとめてお得な年3万円からのサポート会員の2種類です(全て消費税別)。会費は、クレジットカード、銀行振込(ゆうちょ銀行を含む)でお支払いいただけます。

※会員へのご登録はこちらからお願いいたします。ぜひ、新規の会員となって、あるいは、サポート会員にお切替えいただいて、あるいはかつて会員だった方は再開して、ご支援ください!
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

 この約1か月間にご寄付をいただきました皆様から、心温まる激励のメッセージもいただいています。本日はその一部ですがご本人の許可を得た上で、下記にご紹介します。

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■IWJに頑張ってほしいから (匿名希望)
■数少ない反権力メディアなので支持、支援したいと思っています。 (匿名希望)
■大手マスメディアの力が衰える一方で市民メディアの重要性が益々増していると思いますので、援助させていただきます。 (匿名希望)
■寄付、カンパを呼び掛けていたので、心配に成ってカンパしました。いつもTwitterを見ています。 少額 ですが、応援の気持ちです。 (匿名希望)
■20万、カンパしました・・マトモなメディアを守るため・・少額だが。 (匿名希望)  
■マスメディアに憂いて御社に望みを託すため (匿名希望)
■権力に都合のよい情報鎖国日本で、真実を伝える報道機関だと思います。継続して下さい。(千原 崇史様)
■国民の「知る権利」を追求してくれている。微力ですが、IWJの活動を応援したいので。 (匿名希望)
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 皆様、ご支援ありがとうございます。引き続きIWJをどうぞよろしくお願いいたします。

■【スタッフ募集・テキスト班】「岩上安身によるインタビュー」のパワポ作成に責任を持って関わって頂ける方:時給1500円~ にアップしました!/日刊IWJガイドや記事の執筆、編集業務他:時給1300円~

 テキスト班で「岩上安身によるインタビュー」のためのパワーポイント作成に責任を持って携わって頂ける方の時給は、これまで1350円からのスタートとしていましたが、新年より1500円からのスタートと、大幅にアップすることにいたしました!

 パワポ作成には書物や資料を読み砕いていく読解力やリサーチ能力が必要なため、基礎的な学力や広範な教養・知識力が必要です。優れた人員を募集しています。

 日刊IWJガイドや記事の執筆、編集などの作業は、パワポ作成の担当にかかわらず、すべてのテキスト班スタッフの共通の仕事となります。パワポ作成には関われないが、他のテキスト班の業務は可能という方は、時給1300円からのスタートになります。

■【スタッフ募集・動画班】YouTube用動画編集の経験者優遇! 時給1300円~にアップしました!

 動画班ではYouTubeにアップする動画の編集経験者を募集しています。取材内容を把握し、必要なカットを無駄なくつなぐ編集センス、視聴者の目を引く効果的なサムネイルデザイン、発言者のセリフを伝える字幕、場面を盛り上げる効果的な音楽などでIWJのYouTubeアカウントを盛り上げてください!

 経験・技術のある方はこれまで時給1200円からのスタートでしたが、新年から時給1300円からのスタートにアップしました!

■【スタッフ募集・取材カメラマン・記者】動画未経験者:時給1100円~/記事執筆できる方:時給1200円~

 IWJではカメラを持って現場へ行き、中継と取材を行う記者を募集しています。機動力が求められますので、運転免許をお持ちの方、特に運転に慣れている方は大歓迎です。体力のある方であれば、男女は問いません。

 動画未経験の方は時給1100円からのスタートになります。また、取材した動画に添える記事も書ける方は、時給1200円からのスタートとなります。

■【スタッフ募集・事務ハドル班】時給1150円~/特に秘書・マネージャー業種の経験のある方は時給1200円~

 事務班は電話やメールでの外部の方との連絡、岩上安身のスケジュールを把握してのインタビューのアポイント調整や、イベント開催の準備など、IWJの中核となる岩上安身のスケジュール管理という、まさに屋台骨となる重要なお仕事です。

 ハドル班は岩上安身以外の記者・カメラマンの中継のアポ取りや取材の手配をしたり、再配信や録画配信の予定を立てるのが主なお仕事です。こちらのお仕事の希望者も募集しています。IWJのヘビーユーザーで過去のコンテンツをよく知っているという人には有利な職種です。

 時給1150円からのスタートですが、特にスケジューリングの実務経験のある方、企業の秘書・マネージャー業種の経験のある方は、時給1200円以上からのスタートと、さらに優遇します!是非ご応募ください!

■【スタッフ募集・その他条件】週休2日、深夜割増あり、契約社員・正社員制度有り、社保あり、退職金制度有り、交通費・経費は別途支給、PCやカメラ、中継機材はIWJが用意します!

 すべての班に共通して、スタート時はアルバイトとなりますが、実績次第で契約社員、正社員への昇格が可能です。正社員の定年は65歳で退職金も会社として積み立てています。

 また、通勤交通費や業務中に移動した交通費、および仕事上必要になった経費やカメラ・PCなど必要な備品も会社が別途支給します!

 なおIWJでは、全職種で、残業が発生した場合は法令にのっとり、きちんと残業代をお支払いし、22時以降は深夜割増も加算されます。メディア業界はどこも、裁量労働制をとっているところがほとんどですが、この裁量労働制は過労死に至るほどの長時間労働の根源です。NHKや電通でも長時間労働の果てに過労死・過労自殺などの痛ましい事件が起こっていることは、みなさんご承知の通りです。IWJでは、記者職・編集職であっても、裁量労働制はとっていません。長時間残業はさせず、週2回の休みも必ずとらせています。IWJでは「サビ残」や「残業代未払い」などはありません!

※【岩上安身のツイ録】まずは賃金不払い労働や残業代不払いをなくすべき!! ブラック企業撲滅、労基法の再強化、そしてタックスヘイブンを利用する租税回避者に追徴課税を! 2019.7.11
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/452547

 また、遠方にお住いの方は、テレワークでの在宅勤務もご相談ください。

 詳しくはぜひ、以下のスタッフ応募フォームよりご応募ください! お待ちしております。

※スタッフ応募フォーム
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfXmrohCgSv4wxA-iWUk227Ber03r14GPhDoJgu4xyFyxKiCA/viewform

 それでは、本日も1日よろしくお願いします。

IWJ編集部(岩上安身、國府田響)

IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
岩上安身サポーターズクラブ事務局
公式サイト 【 https://iwj.co.jp/