日刊IWJガイド「保守分裂の山梨県知事選で一つにまとまった与党新人候補が当選! 野党系候補は3人に分裂、これでは現職でも勝てるわけがない!!」 2019.1.29日号~No.2329号~ (2019.1.29 8時00分)


┏━━【目次】━━━━━━━━━━━━
┠■はじめに~国会開会で安倍総理がまたもや嘘とごまかしだらけの施政演説!! 今上天皇は開会式で「国民の信託に応えることを切に希望します」と呼びかけ!
┠■【中継番組表】
┠■保守分裂の山梨県知事選で一つにまとまった与党新人候補が当選! 野党系候補は3人に分裂、これでは現職でも勝てるわけがない!!
┠■「イスラエルは没落し、アラブ民族は今後30年から40年間でシオニストを征服するだろう」!? 著名シオニスト歴史家バニー・モリス氏がイスラエル紙「ハアレツ」のインタビューに驚きのコメント!
┠■史上最長の米政府機関閉鎖が解除!しかし3週間の期間限定!? トランプ大統領は「譲歩ではない」とツイート!
┠■「労働者はこれから一層使い捨てにされることになるのだ!!」東洋大学で竹中平蔵教授を批判した学生に大学側が退学の脅し!? 社会に絶望した日本の若者の死因トップは自殺!
┠■<お知らせ>
┠―■ 2月からの岩上さんのインタビュー再開に向け、スタッフも準備に取り組んでいます! 1月はご寄付・カンパが伸び悩んでいます! 再スタートを切る岩上さんとIWJをどうかご支援ください!よろしくお願いいたします!
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■はじめに~国会開会で安倍総理がまたもや嘘とごまかしだらけの施政演説!! 今上天皇は開会式で「国民の信託に応えることを切に希望します」と呼びかけ!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 昨日1月28日、第198通常国会が招集され、安倍総理が衆参両院本会議で施政方針演説を行いました。安倍総理は毎月勤労統計の不正調査に関し、「国民におわび申し上げる」と陳謝し、雇用保険や労災保険が過少に給付されたことについて、「できるだけ速やかに簡便な手続きで不足分を支払う」と述べました。過少給付は今月11日にわかっている段階で、2000万人、537億円にのぼります。

 ロシアとの北方領土問題については、日ソ共同宣言にもとづいて「交渉を加速する」と語りましたが、先日の日ロ首脳交渉を見てもわかるように、何ら具体的な見通しは立っていません。安倍総理は何かにつけ「加速」という言葉を使いますが、ギアがドライブに入っていないニュートラルの状態で、アクセルを踏み、エンジンを空ぶかししているような状態です。

 改憲については、安倍総理は「国会の憲法審査会の場で、各党の議論が深められることを期待する」と述べるにとどめました。夏の参院選を前に改憲論議が活発化し、改憲反対派を起こしてしまうことを避けているとの見方もあります。改憲反対派は、決して油断してはいけません。

 他方で、消費税の税率については、10月に10%に引き上げることを明言し、「全世代型社会保障制度を実現するために、安定的な財源がどうしても必要だ」と語ったうえで、「景気の冷え込み対策に万全を期し、景気の回復軌道を確かなものとする」とも約束しました。しかし、これまでも散々、「消費税を社会保障の支出に回す」と公約しながら、実現していません。消費税率の引き上げ分は、法人税減税の穴埋めに使われている始末です。消費税増税により、中間層・貧困層の税負担はさらに増加し、格差社会がますます広がるでしょう。

※【施政方針演説】全文 地球儀俯瞰外交の総仕上げ「ロシアと領土問題を解決、平和条約を締結する」(産経新聞、2019年1月28日)
https://www.sankei.com/politics/news/190128/plt1901280026-n1.html

 一方、今上天皇は(解散がなければ)最後となる国会の開会式にのぞみ、国会議員に「全国民を代表する皆さん」と呼びかけ、「国会が、当面する内外の諸問題に対処するに当たり国権の最高機関として、その使命を十分に果たし、国民の信託に応えることを切に希望します」と述べました。

 国会議員に対して見下ろすような言葉遣いではなく、「皆さん」とフラットな目線で呼びかけ、他方で国会議員が「全国民の代表」であることを強調し、「使命を果たす」ように訴え、国民が主権者であることを自覚するように促した演説です。国民主権と対立するはずの存在である天皇が、これほどリベラルで民主的な国会演説をしたことはなかったでしょう。国民主権を筆頭とする現在の日本国憲法の理念を守るよう気迫をこめて訴えた演説として後世に残るでしょう。

 与野党問わず、すべての国会議員に真摯に受け止めていただきたいものです。

※諸君から「皆さん」に変えた天皇陛下、最後の国会開会式(朝日新聞デジタル、2019年1月28日)
https://digital.asahi.com/articles/ASM1T6KWMM1TUTIL05X.html

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◆中継番組表◆

**2019.1.29 Tue.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・Ch6】10:45~「勤労統計不正『賃金偽装』野党合同ヒアリング ―内容:厚生労働省の『毎月勤労統計』が偽装されていた問題、特別監察委員会の調査結果、基幹統計の再点検 ほか」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch6

 勤労統計不正「賃金偽装」野党合同ヒアリングを中継します。内容は、 厚生労働省の「毎月勤労統計」が偽装されていた問題、特別監察委員会の調査結果、基幹統計の再点検、平成29 年度国民経済計算年次推計(フロー編)再推計結果、前回の宿題返しなどについて厚生労働省、総務省、財務省、内閣府よりヒアリング。これまでIWJが報じてきた省庁ヒアリング関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E7%9C%81%E5%BA%81%E3%83%92%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0
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【IWJ・Ch6】12:00~「統計不正・賃金偽装 真相究明 野党合同院内集会」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch6

  勤労統計不正「賃金偽装」野党合同院内集会を中継します。明石順平 弁護士、社会民主党・照屋寛徳 国会対策委員長、自由党・日吉雄太 国会対策委員長、社会保障を立て直す国民会議・広田一 国会対策委員長、日本共産党・穀田恵二 国会対策委員長、国民民主党・原口一博 国会対策委員長、立憲民主党・辻元清美 国会対策委員長らが参加予定。
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【IWJ・Ch4】14:00~「ゲノム編集の規制等を求める署名提出院内学習会 ―ゲスト:河田昌東氏(遺伝子組換え情報室)ほか」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch4

 「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」、「日本消費者連盟」、「食の安全・監視市民委員会」主催で開催される院内学習会を中継します。登壇者は、河田昌東氏(遺伝子組換え情報室)、齋藤敏之氏(農民運動全国連合会)、天笠啓祐氏(遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン)。
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【IWJ・Ch5】14:00~「安倍晋三総理を『内乱予備罪』で告発した元参議院議員・平野貞夫氏、山口紀洋弁護士による追加告発についての記者説明会」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch5

 元参議院議員・平野貞夫氏、山口紀洋弁護士による記者説明会を中継します。内容は、「辺野古の米軍新基地強行建設問題」で安倍晋三氏を追加告発の報告、昨年11月16日の「安倍『懐憲』阻止!市民との対話集会」後の状況報告。これまでIWJが報じてきた 平野貞夫氏の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E5%B9%B3%E9%87%8E%E8%B2%9E%E5%A4%AB

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◆中継番組表◆

**2019.1.30 Wed.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・Ch3】14:30~「原子力規制委員会 更田豊志委員長 定例会見」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch3

 原子力規制委員会 更田豊志委員長による記者会見を中継します。IWJは今まで、原子力規制委員会の委員長定例会見を毎週中継してきました。以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E8%A6%8F%E5%88%B6%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A
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【IWJ・Ch5】16:45目処~「立憲民主党 枝野幸男代表 定例会見」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch5

 立憲民主党 枝野幸男代表 定例会見を中継します。これまでIWJが報じてきた枝野幸男氏関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E6%9E%9D%E9%87%8E%E5%B9%B8%E7%94%B7

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

日立が英国での原発建設計画を凍結!安倍政権が掲げた「成長戦略」としての原発輸出は全て頓挫「経済的に成り立たないということがはっきりしました」~1.18再稼働反対!首相官邸前抗議
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/439914

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■保守分裂の山梨県知事選で一つにまとまった与党新人候補が当選! 野党系候補は3人に分裂、これでは現職でも勝てるわけがない!?

 1月27日投開票の山梨県知事選は、自民・公明が推薦する無所属新人で元衆議院議員の長崎幸太郎氏が、立憲民主・国民民主推薦で無所属現職の後藤斎氏、無所属新人で元参議院議員の米長晴信氏、共産党県委員長で新人の花田仁氏の3人を破って初当選しました。

※自公推薦の長崎氏初当選=野党系の再選阻む-山梨知事選(時事ドットコムニュース、2019年1月28日)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019012700500&g=pol

 自民党は山梨県知事選を、4月の統一地方選や夏の参院選の前哨戦と位置付けていました。山梨県では山梨2区で、自民党二階派の長崎氏と岸田派の堀内詔子氏が保守分裂で激しく対立していました。しかし、今回の県知事選では団結して勝利しています。

※自民、山梨県知事選で長崎氏に推薦状交付 堀内氏との遺恨は(産経新聞、2018年11月12日)
https://www.sankei.com/region/news/181112/rgn1811120005-n1.html

 これに対し野党系候補は現職の県知事の後藤氏、共産党独自候補の花田氏、元民主党・みんなの党で参議院議員を務めた米長氏の3人が立候補しました。野党がまとまらなければ「与党には勝てない」という図式が、あらためてはっきり現れた選挙といえるのではないでしょうか。

 昨日国会が開幕したばかりの永田町では、立憲民主党と国民民主党が野党第一党の座を争い、溝を深めています。この対立が、今回の山梨県知事選に持ち込まれていれば、後藤氏を両党が推す構図も崩れ、下手をしたら野党系候補が4分裂していたかもしれません。目の前に迫った改憲を阻止するためにも、野党がまとまることが絶対に必要であることは、明らかです。

※山本太郎氏が暴露! 数合わせの政界再編を批判していた立憲民主・枝野幸男代表が参院野党第一会派のためだけに自由党との合流を画策していた!?〜映画「Beyond the Waves」上映後のトークイベント 2019.1.26
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/440545

■「イスラエルは没落し、アラブ民族は今後30年から40年間でシオニストを征服するだろう」!? 著名シオニスト歴史家バニー・モリス氏がイスラエル紙「ハアレツ」のインタビューに驚きのコメント!

 イスラエルのベングリオン大学中東研究所で9年間研究を続けてきた著名なシオニスト歴史家のバニー・モリス氏が、イスラエル紙「ハアレツ」のインタビューに答えて「現在、占領地にはシオニストと比べてはるかに多くのアラブ人が暮らしている。この地域全体がパレスチナ人を多数派とし、シオニストが彼らの中の小集団・少数派として残る状態の国となりつつある。少数派としてのシオニストはアメリカや西側諸国に移住・亡命していくだろう。イスラエルはもはや長続きせず、パレスチナが勝利を収め、今後30年から50年の間に、パレスチナ人がシオニストを征服するだろう」と語っています。

 「ハアレツ」の記事を、イランの国営メディア「パース・トゥデイ」の日本語版が引用して伝えています。

※シオニストの歴史家、「イスラエルは30年後に崩壊」(Pars Today、2019年1月19日)
http://parstoday.com/ja/news/middle_east-i51038

※Israel Will Decline, and Jews Will Be a Persecuted Minority. Those Who Can Will Flee to America(Haaretz、2019年1月22日)
https://www.haaretz.com/us-news/.premium.MAGAZINE-israel-will-decline-and-jews-will-be-persecuted-those-who-can-will-flee-1.6848498

 人口動態は、民族・国家の盛衰に大きな影響を与えます。イスラエル人(ユダヤ人)の出生率に比べて、パレスチナ人(アラブ人)の出生率の方が高く、将来、人口上のバランスがパレスチナ人優位に傾く、という予測は、これまでにも語られてはいました。しかし、「イスラエルは長続きしない」「シオニストが征服される」というのは、随分と悲観的な見方に思われます。

 うがった見方をすれば、こうした悲観的な未来予測は、その予測が実現しないよう、これまでにない強硬な手立てをとるべき、というメッセージとも受け取れます。モリス氏にそうした意図がなくても、そう受け取るシオニストはいることでしょう。それがヨルダン川西岸への入植や、ガザ地区での虐殺などをさらに過激に推し進め、パレスチナ人を占領地から追放し、民族浄化を徹底する理由として用いられるかもしれません。そうなれば、イスラエルとパレスチナの二国家共存という解決策は、完全に崩壊します。

 イラン・パペ著『パレスチナの民族浄化:イスラエル建国の暴力』(https://amzn.to/2CObD6D)の翻訳者である東京経済大学の早尾貴紀准教授とともに、岩上さんがシオニズムとイスラエル建国の歴史を読み解いていく「【シリーズ『パレスチナの民族浄化』を読む】岩上安身による東京経済大学 早尾貴紀准教授インタビュー」は、ぜひ以下のURLよりご覧ください。

※【シリーズ『パレスチナの民族浄化』を読む第1弾!】パレスチナ問題の原点であるイスラエルによる「民族浄化」の真実を暴く! 岩上安身による東京経済大学 早尾貴紀准教授インタビュー 2018.1.25
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/410412

※【シリーズ『パレスチナの民族浄化』を読む第2弾!】イスラエルの暴力的建国は公文書によって裏づけられた!ガザ弾圧の起源!~ 岩上安身が東京経済大学 早尾貴紀准教授にインタビュー 2018.4.14
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/418096

※【シリーズ『パレスチナの民族浄化』を読む第3弾!】~『大災厄(ナクバ)』の日70年を目前に米大使館がエルサレムに移転!ガザでは今日もイスラエルが非武装の市民を殺戮している!岩上安身による 東京経済大学 早尾貴紀准教授インタビュー 2018.5.14
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/421128

※【シリーズ『パレスチナの民族浄化』を読む第4弾!】民族浄化を開始したのは第一次中東戦争よりも前!1947年11月末の国連による「分割決議」直後から! 岩上安身による東京経済大学 早尾貴紀准教授インタビュー 2018.6.4
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/423580

 また、「シオンの丘」に代表されるパレスチナの地に、ディアスポラ(離散)していたユダヤ人を集めてイスラエルを建国しようというシオニズム思想は、そもそもはユダヤ人によって唱えられたものではなく、ヨーロッパのキリスト教思想家たちによって唱えられたものでした。体よく「異邦人」をヨーロッパから追い出そうとした非ユダヤ教徒によるシオニズムをジェンタイル・シオニズムといいます。日本では研究者も文献も少ないこのジェンタイル・シオニズムについて、『近代日本の植民地主義とジェンタイル・シオニズム』という著作のある役重善洋氏に岩上さんがインタビューをしています。ぜひ、以下のアーカイブをご覧ください。

※安倍総理は「ジェンタイル・シオニスト」!? 米国の「イスラエルびいき」の背後にある「ジェンタイル・シオニズム」とは!? 岩上安身が「パレスチナの平和を考える会」事務局長・役重善洋氏にインタビュー第1弾 2018.7.24
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/428159

※米国によるイスラエル「偏愛」の歴史的起源!「ユダヤ人帰還論」!? 誤解された「オスロ合意」の真実とは!?~岩上安身による『近代日本の植民地主義とジェンタイル・シオニズム』著者・パレスチナの平和を考える会事務局長 役重善洋氏インタビュー 第2弾 2018.8.24
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/430069

 役重善洋氏の『近代日本の植民地主義とジェンタイル・シオニズム』は、ぜひIWJ書店でお買い求めください。

※【役重 善洋さんのサイン入り】 近代日本の植民地主義とジェンタイル・シオニズム
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=412

■史上最長の米政府機関閉鎖が解除!しかし3週間の期間限定!? トランプ大統領は「譲歩ではない」とツイート!

 米国では、政府機関の一部閉鎖が続いています。

 米国の会計年度は10月に始まり、翌年9月までです。2018年10月から2019年9月までの2019会計年度予算は、前年度末、つまり2018年9月までに議会の承認を得て成立することになります。しかし、2018会計年度末までに、一部の予算が通らなかったため、未成立分については暫定予算を組み、2018年10月以降対応してきました。この暫定予算の期限が2018年12月21日でした。このため、12月22日以降については、新たに「つなぎ予算」を成立させて対応しなければなりません。

 一方、メキシコとの国境の壁建設を巡り、トランプ大統領は建設費57億ドルを米議会に予算計上したものの、民主党の反対により予算は通りませんでした。

 米国の予算は議会の承認を得た後、大統領が署名しなければ成立しません。大統領には「拒否権」があるわけです。トランプ大統領はメキシコ国境の壁建設の予算を拒否された対抗手段として、つなぎ予算の署名を拒否しました。このため、米政府機関の一部で、昨年の12月22日以降、閉鎖が続いています。

※米政府閉鎖なぜ続く? 「壁」建設で与野党対立 (日本経済新聞、2019年1月25日)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40450310V20C19A1000000/

 閉鎖された政府機関では職員への給与も支払われません。その数は、80万人にも及ぶといわれています。

 米議会は1月25日、2月15日まで3週間限定のつなぎ予算を可決し、トランプ大統領が署名しました。これにより、政府機関閉鎖は35日ぶりに解除され、支払いが滞っていた職員への給与も支給される見込みとなりました。35日間の政府機関閉鎖は、史上最長です。

※米政府機関の閉鎖、職員が職場復帰へ 週内に未払い給与を支給か(ウォール・ストリート・ジャーナル日本版、2019年1月28日)
https://jp.wsj.com/articles/SB11536572126898323473604585088332269041478

 しかし、このつなぎ予算には国境の壁建設費は含まれていません。トランプ大統領はツイッターに「これは譲歩ではなく、無給で働く連邦職員のためだ」と書いています。

※トランプ大統領のツイート(2019年1月26日)
https://twitter.com/realDonaldTrump/status/1088958154791100417

 マルバニー米大統領首席補佐官代行は、メキシコ国境の壁建設費を含む予算案でトランプ大統領と議会が2月半ばまでに合意できない場合は、政府機関が再び閉鎖される可能性を否定できない、との見解を発表しています。

※米政府機関、再度閉鎖の可能性否定せず-大統領首席補佐官代行(ブルームバーグニュース、2019年1月28日)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-01-27/PLZZYB6KLVR601

■「労働者はこれから一層使い捨てにされることになるのだ!!」東洋大学で竹中平蔵教授を批判した学生に大学側が退学の脅し!? 社会に絶望した日本の若者の死因トップは自殺!

 東京都文京区白山に本部のある東洋大学は、仏教哲学者・井上円了が1887年に創設した哲学の専修学校「私立哲学館」が前身となった大学で、文学部には哲学科、インド哲学科、中国哲学文化学科など、哲学を研究する環境が充実しています。

 その東洋大学で、竹中平蔵氏が国際学部グローバル・イノベーション学研究センター長として教授を務めています。竹中平蔵氏は、人材派遣会社最大手のパソナグループの会長であり、小泉純一郎内閣で経済財政政策担当大臣、総務大臣などを歴任、郵政民営化を担当し、安倍政権では産業競争力会議や国家戦略特区諮問会議のメンバーを務めるゴリゴリの新自由主義者です。

 1月21日、東洋大学文学部哲学科4年の船橋秀人さんが「竹中平蔵による授業反対!」と書いた立て看板を校内に立て、ビラを配ったところ、すぐに学校関係者により立て看板を撤去され、船橋さんは学生課の職員4〜5人に2時間半にわたり事情を聴取されました。その際に船橋さんは学校側から「表現の自由には責任がともなう。何らかの処分で責任を取ってもらう」と、退学処分を示唆されたとのことです。

 大学側は、その後「退学としないことを確認している」と説明しています。

 船橋さんが配ったビラには以下のように書かれていたとのことです。

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この大学はこのままでいいのだろうか?

我々の生活が危ない!

竹中氏の過悪、その一つは大規模な規制緩和である。特に2003年の労働者派遣法の改悪がこの国にもたらしたものは大きい。それまで限定されていた業種が大幅に拡大されることで、この国には非正規雇用者が増大したのである。「正社員をなくせばいい」や「若者には貧しくなる自由がある」といった発言は、当時の世論を騒がせた。

しかしながら、この男まるで反省の素振りを見せない。

「朝まで生テレビ!」という番組では、自らの政策の肝であったトリクルダウン(お金持ちが富むことでその富が貧しい者にも浸透するという理論)について、「あり得ない」というある種開き直ったかのような発言をしており、まるで自分がやった責任について無自覚なようだ。

また、昨年可決された高度プロフェッショナル制度については、「個人的には、結果的に(対象が)拡大していくことを期待している」などという驚くべき思惑を公言している。つまり、初めは限定的なものだからという理由で可決された労働者派遣法が、今これほどまでに対象を拡大したように、高度プロフェッショナル制度は、今後とも更なる拡大が予想されるのである。

無論、我々も例外ではない。労働者はこれから一層使い捨てにされることになるのだ!!

様々な利権への関与!?

竹中氏が人材派遣会社のパソナグループの会長を務めているということも忘れてはならない。というのも労働者派遣法の改悪は、自らが会長を務める会社の利権獲得に通じていたからだ。まさに国家の私物化である。

また、最近では昨年法案の正当性について全く審議されずに可決された水道法改正案と入管法改正案についても関与していたことが明るみになっている。更に加計学園との関連も取りざたされており、今後ともこの男の暴走を追及する必要がありそうだ。

今こそ変えよう、この大学を、この国を

皆さんは恥ずかしくないですか、こんな男がいる大学に在籍していることが。僕は恥ずかしい。そして、将来自分や友達や自分の子どもが使い捨てにされていくのを見ながら、何も行動を起こさなかったことを悔いる自分が、僕は恥ずかしい。意志ある者たちよ、立ち上がれ!大学の主役は、我々学生なのだ。右も左も前も後も何にも分からない人も、みんな集まれ。民主主義は決して難しいものではない。共に考え、議論し、周りに訴えながら、もう一度みんなでこの社会を立て直そう!!

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 この事件を受けて貧困問題に詳しいNPOほっとプラス代表理事の藤田孝典氏は、ヤフーニュースの個人記事で、船橋さんのビラの内容を「正しい事実認識」と述べ、若年層の非正規雇用を問題視しています。

 藤田氏は「若者の自殺率も相変わらず先進諸国と比較して高水準であり、若者の死因トップは常に病気や事故ではなく自殺である。社会に絶望する若者は依然として多い」と述べ、若者の貧困について以下のように記しています。

 「国民生活基礎調査によれば、安定して給料を得ているはずの年齢である30歳~49歳のところで、11.8%(2000年)から14.4%(2012年)に相対的貧困率が上昇をしている。リーマンショック前後は例外としても、断続的に好景気が継続しているにもかかわらず、若者や労働者の貧困、ワーキングプアは減らない。それに伴い、若者の未婚率はもはや先進諸国でトップレベルであり、世帯を形成したいのにその選択肢すら保障されない雇用環境である」

※東洋大学生の竹中平蔵氏批判の背景にある若者の貧困とワーキングプア(ヤフーニュース、2019年1月23日)
https://news.yahoo.co.jp/byline/fujitatakanori/20190123-00112143/

 大学4年生の若者がたった一人で投じた問いかけを、この世代だけではなく全世代が受け止めて、考えを深めれば、竹中氏に代表される「新自由主義」という病根が社会を蝕み続けてゆくのを食い止めるきっかけとなるはずです。

 藤田氏には2017年に岩上さんが3回にわたりインタビューを行っています。ぜひ以下のURLよりご覧ください。

※半年で20万部のベストセラー『下流老人』著者・藤田孝典氏に岩上安身が訊く!〜拡大する日本社会の「貧困」の実態と予防策 第1弾! 2017.1.26
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/359096

※緊迫する中東・朝鮮半島情勢!国会では厚労委で「介護保険法改正案」を強行採決!足元に押し寄せる「貧困の波」――岩上安身による『下流老人』著者・藤田孝典氏インタビュー第2弾! 2017.4.13
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/373645

※憲法25条生存権の侵害! 一億総「貧困」社会を生き抜くサバイブ術を訊く! 岩上安身による『下流老人』著者・藤田孝典氏インタビュー第3弾 2017.5.24
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/379967

■<お知らせ>
■ 2月からの岩上さんのインタビュー再開に向け、スタッフも準備に取り組んでいます! 1月はご寄付・カンパが伸び悩んでいます! 再スタートを切る岩上さんとIWJをどうかご支援ください!よろしくお願いいたします!

 いつもIWJをご支援いただき、ありがとうございます!

 たいへんお待たせしてしまいましたが、2月から、岩上さんによるインタビューが再スタートします! もちろん、岩上さんの体調が再び悪化することのないよう、無理せず、きちんと体調を確認しながらの再開です。岩上さんもスタッフも最大限に注意を払う所存です。

 今年も様々な分野の識者に岩上さんがインタビューを行い、大手マスコミが報じない問題を、権力におもねることなくどんどんお伝えしていきます! 現在、スタッフがインタビューに向けてパワポなどの資料の準備に取り組んでいます! インタビューのお相手は、日時などが確定次第、この日刊IWJガイドでも発表してまいりますので、どうぞお待ちください!

 岩上さんによるインタビューやIWJの記事、毎日発行している日刊IWJガイドなど、IWJの活動は、皆様からのご寄付・カンパと、会員の皆様からいただいている会費によって支えられています。

 ご寄付・カンパの毎月の目標額は450万円ですが、1月1日から28日までのご寄付・カンパは311万1933円で、1月も残り3日となりましたが、目標額の69%にとどまっています。

 ご寄付・カンパをいただいた皆様にはこころから感謝申し上げます。本当にありがとうございます。

 しかしながら、現在のペースが続くと、IWJは活動を維持するのが非常に難しくなってしまいます。IWJは、今後とも独立メディアとして精力的な活動を続けていきますので、どうか、ご寄付・カンパ、会員登録によるご支援のほど、よろしくお願いいたします!

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IWJ編集部(岩上安身、城石裕幸)
IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
岩上安身サポーターズクラブ事務局
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