日刊IWJガイド 「『この決定は原発ドミノ倒しの始まりだ!』――再び福井県・高浜原発3、4号機の運転差し止め仮処分決定!本日13時から、弁護団の一人、海渡雄一弁護士に岩上安身がインタビュー!/『独立』を目指すIWJの取材活動に緊急ご支援のお願い! 」2016.3.10日号~No.1274号~


■■■ 日刊IWJガイド 「『この決定は原発ドミノ倒しの始まりだ!』――再び福井県・高浜原発3、4号機の運転差し止め仮処分決定!本日13時から、弁護団の一人、海渡雄一弁護士に岩上安身がインタビュー!/『独立』を目指すIWJの取材活動に緊急ご支援のお願い! 」2016.3.10日号~No.1274号~ ■■■
(2016.3.10 8時00分)

 おはようございます。IWJ記者の原です。

 昨日、福井県の高浜原発3、4号機について、大津地裁が運転停止を命じる仮処分決定を出しました。なんと、稼働中の原発の運転を停止するよう命じる仮処分決定は初のことです。事業者である関電は、今年1月に再稼働した3号機の停止作業を今日から開始すると表明しました。

 明日で福島第一原発事故の引き金となった東日本大震災から丸5年。詳しくは後ほどぎぎまき記者がお知らせしますが、このタイミングで仮処分のニュースが入ってきたことで、小さな希望を抱かれた方も多かったのではないでしょうか。

 さて、IWJは現在、財政面で大変厳しい状況を迎えています。2010年末に会社として正式なスタートを切ったIWJは、その3ヶ月後に東日本大震災に遭遇し、以後、数多くの市民の皆さんからご支援をいただきながら今まで走り続けてまいりました。

 ドネーションによって市民のための独立メディアを運営する試みは、皆様のご支援のおかげで、これまで順調に伸びてきました。

 しかし、ご寄付・カンパによるご支援には波があり、とても不安定でもあります。昨年の安保法制の強行採決のあと、会員数は微増してきたのに、ご寄付・カンパは大きく後退してしまいました。岩上さんも、皆様にアナウンスするのが遅れたことを悔やんでいました。経理が年末から不在となり、収支がわからない状況が続いてきたことがカンパの呼びかけの遅れにつながってしまいました。

 岩上さんによると、まだ正確な数字がわからず、ざっとした収支ですが、もし主たる収入である会費とご寄付・カンパがこの調子で続けば、IWJの赤字は大きく膨らんでしまい、今期は最悪の場合、3000万円もの赤字を計上する可能性があるといいます。

※【岩上安身のツイ録】IWJの財政が悪化!このままでは7月末には最悪3千万円の大赤字の見通し!皆様、ご寄付・カンパでの緊急のご支援をお願いします!IWJのピンチをお助けください!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/290545

 3月9~11日の3日間、ドイツのフランクフルトで、「原子力リスクに反対する正義と信仰」と題された、IALANA(Intl.Association of Lawyers Against Nuclear Arms)、Evangelical Mission in Solidarity(EMS)主催のシンポジウムが行われます。核の危険について、様々な視点から国際的な議論を行うということで、IWJはこのシンポジウムに中継記者を派遣して取材する予定でしたが、残念ながら今回は見送ることにしました。

 このシンポジウムでは、SEALDsの奥田愛基さんとフランクフルト大学の学生の対話集会が開かれる予定だったのですが、奥田さんの参加が取りやめとなり、対話集会の企画が中止になったこと、さらにIWJの経営状況の悪化から、支出の削減のため、見合わせることになりました。ご期待いただいた皆さんには大変申し訳ありませんが、海外取材には多額の取材費がかかります。現在、財政難を乗り越えるための緊急のカンパを呼びかけている最中でもあり、支出削減に向けた努力の一環であることを、どうかご理解いただければ幸いです。

 IWJは、テレビや新聞といった既存大手メディアと異なり、広告収入にほとんど頼らず、皆さんの会費とカンパで活動費を賄ってまいりました。経営を大企業からの広告のみに頼った場合、今の記者クラブメディアのような、政府やスポンサーの顔色をうかがった報道しかできなくなる懸念がどうしても拭えません。

 ネット広告の収入をのばすためには、ビュー数を増やす必要があり、そのために手っ取り早く娯楽情報や耳目を引きやすいワイドショー的な情報を中心にしたらどうか、という声を寄せる人もいます。ですが、低俗で興味本位の情報なら、今の世の中、いくらでもあふれています。その上さらにIWJが同種の情報をつけ加える意味はありません。今の日本社会に不足していて、真に必要なのは、良質で、真実を伝える情報です。

 平山記者が昨日お伝えしましたが、米国や韓国など、海外では独立メディアが根づいている国も少なくありません。日本ではまだ市民が直接ドネーションによって支える独立メディアという存在自体がマイナーな存在なのかもしれません。岩上さんがIWJを立ち上げたこと自体、日本ではかなり冒険的な試みであったと思います。

 岩上さんがIWJ設立という試みに私財をつぎこみ、借金までして冒険に打って出たのは、岩上さんが憲法に定められた日本の民主主義、特に国民主権が危うくなっているという点に猛烈な危機感を抱いていた、ということが基底にあるのだろうと思います。僕はIWJが立ち上がる以前から岩上さんのもとで働いてきましたが、最初にIWJの立ち上げの趣旨を知ったのは、IWJ設立の1~2カ月ほど前に埼玉県で開かれたトークカフェの二次会だったと記憶しています。

 そこで、「IWJの『Independent』には、『独立したメディア』という意味もありますが、『米国からの独立』という意味も込められています」と岩上さんが語ったのが印象的でした。当時の僕には、日本が米国から独立する?日本は独立国じゃないのか?と、すぐにはのみこめませんでした。米国が日本に対して、陰に陽に影響力を行使し、日本には独立主権があるようでないに等しいという実情がわかるまでにかなりの時間がかかりました。

 国家主権がなければ我々はこの先も従属を強いられること、そして単に国家主権を取り戻せばいいのではなくて、国民一人一人が主権者である「国民主権」を取り戻さなくてはいけないのだ、ということがわかったのは、ごく最近のことではないかと思います。

 IWJを立ち上げてから5年が経った今、ふり返ってみますと、岩上さんはIWJを主流メディアや企業メディアと一線を画した、「独立メディア」というだけにとどまらず、「日本の独立主権の獲得と民主主義の真の確立を目指す」という使命をIWJに課してきたのではないかと思います。

 そうした理念が根底にあったからこそ、大手メディアとはまったく違った角度や、まったく違った発想から生み出せる記事や動画を多々送り出せたのだと思っています。IWJが今後も、特定のスポンサーに頼らない独立メディアとして、そして日本が真の独立を目指し、日本国民が真の主権者であり続ける上で欠かせないメディアとして、自らに課した使命を果たし続けるためにも、どうか、この目前の危機を乗り越えるべく、緊急のご寄付・カンパを、そしてまだ会員登録されていない方は、この機会にぜひ、会員となってIWJをお支えいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

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┏━━【目次】━━━━━━━━━━━━
┠■【中継番組表】
┠■「この決定は原発ドミノ倒しの始まりだ!」再び、福井県・高浜原発3、4号機の運転差し止め仮処分決定!本日13時から、弁護団の一人、海渡雄一弁護士に岩上さんがインタビュー!(ぎぎまき)
┠■3.11から5年目、原子力安全委員会元トップの班目春樹氏が許せない「天罰」発言!未だ10万人もの被災者が避難を強いられる現状を、IWJ記者が取材します!被災地の「いま」を伝えるIWJをご支援下さい!(城石エマ)
┠■東日本大震災・原発事故から5年、「百人百話」再配信!第一弾は岩上さんによる福島原発告訴団の武藤類子さんインタビュー!
┠■IWJではただいまオリジナルグッズを「50%OFF」で大セール中です!(安道幹)
┠■『前夜』、『米国が隠す日本の真実』、『「今を伝える」ということ』、DVD『饗宴VI』も絶賛発売中!(安道幹)
┠■IWJ書店も、貴重な本をそろえております。一度チェックしてみてください! (安道幹)
┠■わとはぷ~What happened today?
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◆中継番組表◆

**2016.3.10 Thu.**

【Ch4】12:00~「日本外国特派員協会主催 『規制の虜』著者・黒川清氏(元国会事故調委員長)記者会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4
※「日本外国特派員協会」主催の記者会見を中継します。

【Ch1】13:00~「岩上安身による海渡雄一弁護士インタビュー」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
ツイキャス視聴URL: http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi
※海渡雄一弁護士へ、岩上安身がインタビューします。

【Ch5】16:00~「民主党・維新の党統一会派による経済連携調査会合同会議」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5
※TPP大筋合意内容について、関係省庁よりヒアリング。内容は環境分野と金融・共済分野について。

【Ch4】17:00~「シンポジウム『新たな被災者の生活再建支援制度の構築に向けて~東日本大震災・原発事故5年の教訓を踏まえて~』」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4
※被災自治体の首長や被災者支援に携わる弁護士や団体、そして常総市の水害の被災者を招いておこなわれる、日本弁護士連合会主催のシンポジウムを中継します。

【Ch2】17:30~「東京電力 定例会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=2
※東京電力による定例会見を中継します。

【3・11から5年再配信特集・Ch9】19:00~「百人百話第29話 武藤類子さん『「見えない柵」が張られている』」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=9
記事URL: http://iwj.co.jp/feature/100100/list1/29muto/
※2011年10月収録の「百人百話第29話 武藤類子さん」を再配信します。

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◆明日の中継番組表◆

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

**2016.3.11 Fri.**

【Ch未定】10:15~「原子力規制委員会委員長訓示」
※田中委員長による職員への訓示、事故後5年を踏まえた映像の上映などが予定されています。

【IWJ_FUKUSHIMA1】13:30~「原発いらない地球のつどいin三春 『日本と原発 4年後』上映会」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-fukushima1
※「原発いらない福島の女たち」「スリーノン(3NON)の女たち」主催のイベントの全体会を中継します。

【Ch未定】14:00~「311シンポジウム 福島を忘れない~福島第一原発事故から5年、チェルノブイリ原発事故から30年~」
※「FoE Japan」主催のシンポジウムを中継します。

【Ch未定】14:00~「第五回 三月十一日 東日本大震災『祈りの日』式典」
※「躍進日本!春風の会」主催の、東日本大震災『祈りの日』式典第一部を中継します。

▲▽▲▽官邸前抗議関連 ▽▲▽▲

【Ch5】18:00~「NO NUKES! ENERGY AUTONOMY! 0311再稼働反対!首相官邸前」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5

【IWJ_AOMORI1】17:45~「青森駅前金曜日行動」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-aomori1

【IWJ_TOKYO8】18:00~「原発反対八王子行動」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-tokyo8

【IWJ_HYOGO1】18:00~「3.11神戸からの祈り」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-hyogo1

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 それでは、震災前から原発問題を取材していたぎぎまき記者から、昨日の高浜原発に関する仮処分についてご報告です!

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■「この決定は原発ドミノ倒しの始まりだ!」再び、福井県・高浜原発3、4号機の運転差し止め仮処分決定!本日13時から、弁護団の一人、海渡雄一弁護士に岩上さんがインタビュー!

 「この決定は原発ドミノ倒しの始まりだ」――。

 昨日、大津地裁が福井県高浜原発3、4号機の運転を認めない決定をくだしました!運転差し止めの命令は、2015年4月の福井地裁の決定につづいて2度目です。関西電力はこれを受け、すでに稼動中の3号機の停止作業に入りました。作業開始から約10時間で「ゼロ出力」になるといい、稼動中の原発が運転差し止め命令を受けたのはこれが初めてです。ちなみに、4号機は先日29日に発生したトラブルですでに停止中でした。

 そして、なんと!今日は大変パーフェクトなタイミングで、13時から、IWJでもお馴染みの海渡雄一弁護士に岩上さんがインタビューします!

 海渡弁護士には、大津地裁の判決が出た直後にコメントをいただきました。海渡弁護士は、コメントを話している間に、「この決定は『原発ドミノ倒し』の始まりだ!」というスローガンを思いついた、と語っていました。そのココロは、後ほどご紹介しますが、まずは、今回の差し止め仮処分に至るまでの流れを振り返ってみたいと思います。

 まず思い出すべきは、2015年4月14日、福井地裁がくだした仮処分の決定です。同地裁の樋口英明裁判長は当時、高浜原発2基の再稼働差し止めを求める住民らの訴えを認め、運転を禁じる仮処分を決定しました。

 ここで争点になったのは原子力規制委員会の新規制基準の安全性です。樋口裁判長は、新規制基準は「緩やかに過ぎ、安全性は確保されておらず、新規制基準は合理性を欠くものである」と結論づけました。当時の決定がいかに「歴史的」であったか。同月、岩上さんが、弁護団の一人、井戸謙一弁護士にインタビューしていますので、昨日の画期的な処分決定の意義、そして本日の海渡弁護士のインタビューの予習のためにも、ぜひ、こちらの記事を改めてお読みいただきたいと思います。

・2015/04/19 「死せる魂」だった司法から微かに見えた「希望」 志賀原発を止めた元裁判官・井戸謙一弁護士に、高浜原発差し止め決定から司法の戦争責任まで岩上安身が聞く
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/243041

 仮処分の決定直後、樋口裁判長は名古屋の家裁異動となりました。仮処分決定の前から名古屋家裁への異動は決まっていたそうですが、原発に対する厳格な姿勢を崩さなかったがための「左遷」だったと指摘する声もあります。決定後、関電は即座に異議を申し立て、福井地裁の林潤裁判長は同年12月に運転差し止めの決定を取り消し、住民側は名古屋高裁金沢支部に抗告しました。

 遡って昨年1月、今度は井戸弁護士を弁護団長に、滋賀県内に住む29人が大津地裁に運転差し止めを求める仮処分を申請。最大の争点は、耐震設計の目安となる地震の揺れを示す「基準地震動」の算定方法や、事故が起きた際の避難計画の実効性などです。

 そして、昨日、3月9日、福井地裁の樋口裁判長に続き、今度は大津地裁の山本善彦裁判長が高浜原発3、4号機の運転差し止め仮処分を決定したのです。

 「井戸弁護士を中心に『脱原発弁護団』全体で検討していた耐震性の主張が認められた。この決定は、他の原発への波及力があると思います。福井、大津という別の裁判所で、別々の裁判官が運転差し止めを命じたことは決定的です」

 海渡弁護士は電話取材の中で、こう力強くコメントされましたが、私は頭によぎった不安をお伝えました。また、この決定が覆されてしまうのではないか、と。事実、すでに関電は「安全性は確保されている」と反論し、仮処分命令の取り消しを求めるため不服申し立ての手続きに入ると言っています。

 しかし、海渡弁護士は微塵も悲観的ではありませんでした。むしろ、明るい声で「裁判官の中には原発は止めた方がいいと考える人が多いことが分かってきました。川内原発も止まるかもしれませんね」と!

 一度、電話を切られた海渡弁護士でしたが、再び着信がありました。

 「いいスローガンを思いつきましたよ。『この決定は原発ドミノ倒しの始まりだ』。いいでしょう?」

 海渡弁護士から伝わってきたのは、これから次々とほかの原発も止まるのではないかという大きな期待です。

 これまで、数多くの原発関連の裁判を手がけ、何度も苦い敗北を味わってきた海渡弁護士ですが、その海渡弁護士がここまで明るく見通しを示されているんですから、私たちも変に悲観的になってはいけません。「画期的な意義についてたっぷり語りますよ!」と海渡弁護士も張り切っておられましたので、本日のインタビューを、皆さま、ぜひご覧ください!

 ほかにも、東電がメルトダウン(炉心溶融)を判断する基準マニュアルの存在に、事故から約5年後にようやく気づいたという、被害者を2重にも3重にも傷つけるような嘘や、東電の元幹部ら3人の強制起訴、大飯原発訴訟・もんじゅ訴訟・川内原発訴訟などの最新情報についても、時間が許す限りお話いただく予定ですので、ぜひご注目ください!!!

【Ch1】
http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php

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 続いては、やはり原発関連でとんでもない暴言を吐いた、かつての責任者のあってはならない醜態について、城石エマ記者がご報告します。

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■3.11から5年目、原子力安全委員会元トップの班目春樹氏が許せない「天罰」発言!未だ10万人もの被災者が避難を強いられる現状を、IWJ記者が取材します!被災地の「いま」を伝えるIWJをご支援下さい!

 おはようございます、IWJ学生記者の城石エマです。

 「あんな人を総理にしたから天罰が当たったんじゃないかと、この頃運命論を考えるようになっちゃってる(笑)」――。

 原発の事故の責任者が、腹を抱えて笑いながらこのように言うのを聞いたら、被災者の方々はどのように感じるのでしょうか。発言は、5年前の福島原発事故時、原子力安全委員会委員長を務めていた班目春樹氏のものです。3月8日放送の「みんなのニュース」(フジテレビ系列)にて、5年前の事故当時を振り返る中、飛び出してきた発言でした。

 班目氏と言えば、「福島第一原発事故」の重い責任を抱えている中心的人物の一人。事故翌日の3月12日、当時総理大臣であった菅直人氏と原発の視察へ向かうヘリに同乗中、工学専門家で菅総理の「助言役」でもあった斑目氏は、菅総理に「水素爆発は起こらない」などと話していました。「安全神話」の崩壊を防ごうと、最後の悪あがきを続けていたのでしょう。しかし数時間後、まさにその水素爆発が1号機の建屋で起こったのを、日本中が目にしました。

 3月8日の同番組内で班目氏は、「避難を続ける10万人近くの人たちに対する申し訳なさでいっぱい」と語りつつも、「水素爆発は起こらない」とした自らの発言を、「間違ったことは言っていない」と開き直りました。また、事故直後の混乱のさなか、政治家たちが班目氏を「何でも相談室」のように頼りきりだったとか、原子力保安院が官僚的体質だから自分の言うとおりに動いてくれなかったとか、「愚痴」を並べ立てていました。

 仮にも原子力安全委員会のトップだった人間が、このように事故の責任を堂々と他者になすりつけ、あげくの果てに事故を「天罰がくだった」などと言い放ったのです。「あんな人を総理にしたから」という言葉は、「総理大臣を選んだ」という意味で、国民のことを指しているのでしょう。「菅直人のような人を総理にした国民に、天罰があたった結果が3.11だよ」とでも言いたいのでしょうか。

 発言の真意を探るべくIWJは、現在班目氏が代表理事を務めるという会社に電話するもつながらず。引き続き取材を試みたいと思います。

 一方IWJでは、本日より2日間、2人のスタッフが福島入りして、被災地の「いま」をお伝えします。

 今日は、取材前の2人の意気込みをみなさまにご紹介いたします。まずは、卓越した質問力で大臣や官僚、東電社員を震え上がらせている、IWJ動画班の高橋敬明記者です!

 財政危機に直面し、支出の見直しのため、出張取材を減らそうとしていた岩上さんに、直訴を二度三度と繰り返して、一回の出張にいくつものアポイントをつめこんで福島出張取材の許可を得た、その熱意を知っていただきたいと思います!

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 おはようございます、IWJ動画班の高橋敬明と申します。本日より2日間、福島へ取材に行ってまいります。

 この取材では「5年目の真実」と題して、現地の人たちの声を聞きつつ、大手メディアが報じない真実に迫りたいと思います。

 また、明日11日は、東電社長の記者会見が行われます。いまだに事故の責任を取ろうとしない東電社長を、しっかりと問い詰めてきます。

 どうぞ、ご期待ください。
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 続いては、同じく動画班の最古参メンバー、須原拓磨カメラマンです!

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 今回、高橋記者と福島取材にカメラマンとして同行する、スタッフの須原拓磨と申します。東日本大震災から5年が経過した福島現地の様子を、記録して参ります。11日には、東京電力 廣瀬 直己・代表執行役社長らによる訓示の模様を取材し、その模様を録画配信する予定です。是非、ご視聴下さい。

 IWJへのご寄付・カンパが最近、低迷し、財政が非常に厳しい状況に直面していると、岩上さんから我々スタッフにも知らされました。高橋記者と私が、こうした出張取材に行けるのも、ご支援くださっている皆様のおかげです。岩上さんからは、スタッフ全員が加わっているメーリングリストに、常に支援してくださる方々への感謝と、その恩に報いる気持ちで仕事に臨んでください、という指示がありました。胸に刻んで福島まで向かいたいと思います。皆様には、日頃のご支援に感謝いたします。

 そしてできましたら、IWJのこうした取材活動をご寄付・カンパによってご支援いただければと思います。そしてまだ会員登録がお済みでない方は、ぜひ会員としてIWJをお支えいただきたいと思います。皆さま、何卒よろしくお願い致します。
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 2人による取材成果は、後日、配信いたします。ご期待ください。

 須原カメラマンも申しておりますが、IWJは現在大変危機的な財政状況にあります。しかし、事故から5年経ってもいまだ誰も責任を取らず、10万人もの被災者が避難を続け、避難者に20ミリシーベルトという非常に高い基準値での帰還を迫る政府が、次々と各地の原発を再稼働しようとしているこの「異常事態」にあって、3.11以来、原発問題をずっと追い続けてきたIWJが取材に出ないわけにはいきません。

 どうか、まだIWJの会員になっていない方はこの機会に会員にご登録いただき、会費でIWJをお支えください!

※IWJ定額会員へのご登録はこちらから
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

 また、会費だけでは現在のIWJの活動規模を支えきれないのが現状です。不足分につきましては、みなさまからのご寄付やカンパでまかなってきました。ぜひ、ご寄付・カンパもよろしくお願いいたします。

※ご寄付・カンパもどうぞお願いいたします!
http://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

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 城石エマ記者でした!

 今後、支出の切りつめ、活動規模の縮小など、真剣に検討しなくてはならないと思いますが、最も支出の大きい歳費である人件費を削るということになると、ここまで共に頑張ってきた仲間を失うことになります。それは想像しただけで切られるような思いです。

 スタッフの一人一人に、IWJでの仕事の思い入れがあります。高橋記者は最近IWJに加わったスタッフですが、もともと放送業界で仕事をし続けてきました。ドキュメンタリーを撮り続けてきた人物で、大手テレビ局での仕事の実績もあります。今でもテレビの仕事を続けていますが、IWJに来て、知らないことばかり(IWJしか報じず、大手メディアが報じていないことがたくさんある)であるのに驚き、最初はカメラマンとしての仕事が中心だったのに、どんどん記者としての仕事にものめりこんでいきました。彼のようなやる気満々のニューカマーが何人もいます。

 僕は年齢は31歳ですが、岩上さんのもとで6年働いてきたため、IWJではぎぎまき記者に次ぐ古参となります。ですが、新しく入ってきた人に学ぶこともたくさんあります。こうした仲間たちと、不本意な形で離れ離れになることなく、皆で協力して目の前にある真実をお伝えする仕事に全力を尽くすことができますよう、どうぞご支援をお願いいたします。

■東日本大震災・原発事故から5年、「百人百話」再配信!第一弾は岩上さんによる福島原発告訴団の武藤類子さんインタビュー!

 僕からも原発事故関連でひとつ、告知があります。

 震災から5年に合わせ、岩上さんが取材し続けてきた、福島第一原発事故被災者ひとりひとりの思いを収録したインタビューシリーズ「百人百話」を本日より連続で再配信します!

・百人百話告知CM
https://www.youtube.com/watch?v=bRJGm3wVbWU https://www.youtube.com/watch?v=qxIseKT0CSQ

 本日は武藤類子さんのお話を19時より配信します!

 武藤類子さんは、東電の旧経営陣らを告訴・告発していた福島原発告訴団の団長を務めている方です。先月29日、旧経営陣3人が強制起訴されたことを受けて、武藤さんは海渡弁護士らとともに東京・霞が関で記者会見し、「感無量だ。被害者は口々に『誰も責任を取っていないのはおかしい』と言っている。多くの市民で裁判を見つめたい」「今も困難と悲しみの中にある原発被害者にとって大きな励みになる」と語りました。

 大自然の中で、クリーンでエコな生活を送ってきた武藤さんに、突如としてふりかかった放射能。原発事故は武藤さんの平和でささやかな営みや幸せを一瞬にして奪いました。武藤さんの生い立ちや、強制起訴へと辿りついた武藤さんの脱原発運動の歩みなど、細部にわたって岩上さんがお聞きした本日の「百人百話」、必見です!

 また、「百人百話」は書籍にもまとめていますので、まだご購入になっていない方は、ぜひご購入いただき、改めてこの機会に東日本大震災、そして福島第一原発事故が、福島の人々の人生にもたらしたものが何であったか、福島の人々が語る個々のドラマに耳を傾けていただきたいと思います。

・『百人百話』のご購入はこちら!
http://iwj.co.jp/feature/100100/100100book/

 続いては安道幹記者より、IWJグッズ販売に関する耳寄り情報のお知らせです!

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■IWJではただいまオリジナルグッズを「50%OFF」で大セール中です!

 おはようございます。IWJで記者をしています安(あん)と申します。

 IWJでは現在、DVDやオリジナルTシャツなど、各種グッズを50%OFFで販売中です!

 深刻な土壌汚染が解決されないまま豊洲へ移転されようとしている「築地市場」について、岩上さんが各専門家へじっくりとインタビューを行ったDVD「ドキュメント築地市場」が、なんと半額の750円!日本の戦後史から、日米関係、安全保障問題、3.11後の原発など、多岐にわたるテーマが縦横無尽に語り尽くされたDVD「孫崎享×岩上安身 Deep Night」シリーズの第1夜~第4夜もすべて半額です!(第1夜~第3夜は1,000円、第4夜は1,250円!)

 その他にも、岩上さんと堤未果氏や植草一秀氏とのクロストークや、「饗宴」のバックナンバー、IWJのオリジナルTシャツなど、目玉商品をすべて50%OFF!!でご提供しております!!

 オリジナルTシャツは本当にかわいくて、デモや集会で着て行くにはピッタリです!わたし的には「空撮Tシャツ」がおすすめです!昨年の安保法制で、12万人が結集した国会前の反対デモを空撮した写真が胸元にばっちり貼り付けてあります!

 アイテムによっては、在庫僅少となっております。もちろん半額セールはいつまでも続くわけではありません!ぜひ、今のうち、お早めにラインナップをご覧いただければと思います!!

※セール対象のオリジナルグッズ一覧は以下のURLからご覧ください!
https://iwj.co.jp/ec/products/list.php?category_id=26

■『前夜』、『米国が隠す日本の真実』、『「今を伝える」ということ』、DVD『饗宴VI』も絶賛発売中!

 緊急事態条項の危険性について、IWJはまだまだ叫び続けます!

 岩上さんが澤藤統一郎弁護士、梓澤和幸弁護士と12回に及ぶ鼎談で、自民党改憲草案に関してじっくりと読み説いた『前夜~日本国憲法と自民党改憲案を読み解く』。特に、「増補改訂版」では、安倍政権が今夏の参院選後に目論む明文改憲で、まず最初に手をつけると明言している「緊急事態条項」の新設について、あますところなくその危険性を論じた新しい章が加わっています。

 できるだけ多くの皆さんにこの本を読んで頂き、現行憲法の価値をしっかり見きわめ、憲法を眠らせようとする改憲勢力の「手口」について、理解していただきたいと思います!憲法に関する本は、これまでに多数出版されていますが、現行憲法と自民党改憲草案を逐条で比較して徹底的に読み解いたのは、この本だけではないかと自負しています! ぜひ、お買い求めください!

※【増補改訂版・岩上安身サイン入り】『前夜 日本国憲法と自民党改憲案を読み解く』
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 その他、岩上さん、鹿児島大学教授の木村朗氏、政治経済学者の植草一秀氏、元衆議院議員の共著『米国が隠す日本の真実~戦後日本の知られざる暗部を明かす』も好評発売中です!戦後日本における数々の重大政策を「米国からの圧力」という視点で切り込んだ一冊となっています。

 また岩上さんが母校の早稲田大学で行った講義「『王様は裸だ』と君は指摘する(できる)だろうか?―ネットメディア・市民ジャーナリズムの可能性、あるいは耐えがたい認知的不協和について」を収録した『「今を伝える」ということ』や、DVD『饗宴VI~「国民」非常事態宣言! 露わになった「ナチスの手口」/国家緊急権を阻止せよ!』なども好評発売中です! こちらも、ぜひ、あわせてお買い求めください!

※【岩上安身単独サイン入】『米国が隠す日本の真実~戦後日本の知られざる暗部を明かす』
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=159

※『米国が隠す日本の真実~戦後日本の知られざる暗部を明かす』
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=158

※【岩上安身単独サイン入り!】『「今を伝える」ということ』
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※『「今を伝える」ということ』
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■IWJ書店も、貴重な本をそろえております。一度チェックしてみてください!

 IWJ書店では、これまで岩上さんのインタビューを受けてくださった方々の書籍をサイン入りで販売しています!今の日本が直面している様々な問題の最新局面を、各専門家の方々の書籍を通じてじっくりと読み込まれることを是非おすすめしたいです!サイン入り書籍はIWJ会員限定販売ですので、まだ会員になられていない方は、ぜひ会員登録して頂き、財政難に追いつめられているIWJの活動をお支えください!

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■わとはぷ~What happened today?

 今日3月10日は東京大空襲の日です。

 第二次世界大戦で、東京は100回以上もの空襲を受けたと言われていますが、この日の被害規模はその中でも甚大なもので、300機以上のB29が飛来して爆撃を繰り返し、死者数は10万人以上、罹災者は100万人を超えました。通常兵器を用いた単独の空襲で記録された死者数は世界最大だということです。

 米国は東京大空襲について「戦争を早く終わらせるため」と、原爆投下と同じ論理で正当化していますが、これは明らかに民間人をターゲットにした戦争犯罪です。ちなみに安保法案の国会審議で、山本太郎議員が「広島、長崎への原爆投下、東京大空襲、それ以外の空爆も、すべてこれ戦争犯罪ですよね、国際法違反ですよね」と安倍総理に問いつめるも、安倍総理は話をはぐらかし、米国による戦争犯罪であるという点を頑なに認めませんでした。

※【安保法制国会ハイライト】「日米地位協定という『売国条約』を変更しないのか!」山本太郎議員が安倍総理と一騎打ち再び! 「占領時代が継続されたままだ」と属国からの脱却を訴え!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/264804

 米軍の空爆によって一般市民への被害が広がった背景には、空襲時の退避を禁じ、国民に消火活動を義務づける「防空法」の存在もありました。「空襲から逃げるな!火を消せ!従わなかったら罰則だぞ!」という法律があったんですね。避難してしまえば消火活動ができなくなるだけでなく、国民の士気が下がることを国が恐れたのだとも言われています。

 早稲田大学の憲法学者・水島朝穂教授は、岩上さんのインタビューに「防空法の目的はあくまでも国家体制の防護であって、国民の生命・財産の保護ではないということ」だと指摘。自民党改憲草案に明記されている「緊急事態条項」は、緊急時に「(何人も)国その他公の機関の指示に従わなければならない」と義務づけており、「防空法」の再現になる危険性があると危機感を示されていました。

・2016/02/13 岩上安身による水島朝穂・早稲田大学教授インタビュー(動画)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/287146

 ちなみに、空襲被害に対する国民への補償は、今の今までなされていません。東京大空襲の被害者や遺族ら約130人が「軍人やその遺族などには補償があるのに、空襲の被害者に援助がないのは不当だ」と主張し、国に謝罪と賠償を求めた「東京大空襲訴訟」がありましたが、国は「戦争被害 は国民が等しく受忍しなければならない」という「受忍論」を展開し、1審、2審はこれを追認。最高裁は2013年5月、原告の上告を認めない決定を出し、遺族らの訴えを退けました。

 「戦争のツケは国民に回ってくる」という真理が実によく表れていますが、現在、自民党の鳩山邦夫議員を筆頭に、社民党の福島みずほ議員や維新の党の柿沢未途議員などが超党派の議連を立ち上げ、被害者らに補償すべく、法整備を進めようとしています。IWJもこれを取材していますが、与野党の議員は「官僚の抵抗が強い」とこぼしていました。

 一昨日も議連の議員らも参加した「全国空襲被害者連絡協議会」主催の院内集会がありました。

 全国空襲連の共同代表である中山武敏弁護士は、被差別部落の出身であることを明らかにしており、空襲などによる一般市民の戦争被害者に対する補償の欠如は、軍属と比べ、差別であるととらえました。それが戦争被害者救済運動となり、国を動かす運動になりつつあるのです。中山弁護士には佐々木隼也記者がかつて、インタビューをしています!集会の模様も近日中に記事化しますので、もうしばらくお待ちください。

※2014/10/10 「吉田調書」朝日新聞記事取り消し問題 「誤報ではない」「厳正な処分は不当」弁護士200人が申し入れ ~呼びかけ人・中山武敏弁護士インタビュー(聞き手:佐々木隼也記者)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/180908

 政府は1日でも早く空襲被害者や遺族の方々に補償すべきであると思います。IWJも、この問題を報じ続けていきたいと思います。それでは今日も1日、よろしくお願いします。

IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
岩上安身サポーターズクラブ事務局
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