日刊IWJガイド「高市総務相が白昼にメディアを恫喝!電波停止に言及!~『TPPは平成の売国だ』と言っていた張本人がTPPに調印!そんなことが許されていいの!? ~『安保法案は違憲』の長谷部・早稲田大教授が『緊急事態条項はいらない』と断言!」2016.2.9日号~No.1244号~


■■■ 日刊IWJガイド「高市総務相が白昼にメディアを恫喝!電波停止に言及!~『TPPは平成の売国だ』と言っていた張本人がTPPに調印!そんなことが許されていいの!? ~『安保法案は違憲』の長谷部・早稲田大教授が『緊急事態条項はいらない』と断言!」2016.2.9日号~No.1244号~ ■■■
(2016.2.9 8時00分)

 おはようございます。IWJで記者をしている、ぎぎまきです。

 2月7日に北朝鮮が打ち上げた「人工衛星」を、「ミサイル、ミサイル」と繰り返し連呼して危機感を煽るテレビ番組を見ながら、どれだけの人が政府のプロパガンダを鵜呑みにしてしまっているんだろうかとモヤモヤとした違和感ばかりが残ります。

 昨日発行した本ガイドで、城石エマ記者も伝えていましたが、政府はこれを機に、「国民のみなさんのため~」を大宣伝中。菅義偉官房長官が「安保法で抑止力を高めていく」とアピール。って、おい!安保法制は、集団的自衛権が前提。仮に北朝鮮が本当にミサイルを日本に打ち込んできたとしても、日本が急迫不正の侵害を受けたのなら、現行の憲法9条のもとでも、自衛権の発動ができます。

 それはしかし、個別的自衛権。自国が狙われたのなら、それは当然のことです。ところがさっそくあちこちで大合唱が始まっているのは、「だから集団的自衛権を行使できる安保法が必要だったんだよ」的な主張です。これは、さすがに姑息。すかさずツッコミを入れなければいけませんが、なぜ、そこをスルーするのか、大手メディアの皆さん。権力を監視するという矜持を持っていただきたいと思います。

 その一方で、権力の側は、メディア規制をますます強めようとしています。昨日、2月8日の衆議院予算委員会で、高市早苗総務相は、放送局が「政治的に公平であること」と定めた放送法の違反を繰り返した場合、電波法にもとづき電波停止を命じる可能性に言及しました。共同通信やロイター通信などが報じています。何をいきなり、恫喝めいたことを口にし始めたのか。

※総務相、電波停止の可能性に言及 政治的公平性で(共同通信、2016年2月8日【URL】http://bit.ly/1TNVVvq

 そもそも、何をもって権力側が「政治的公平性」というのか。権力側の都合によって、いくらでも恣意的に解釈できてしまいますよね。高市総務相のこの発言からは、権力を批判するメディアを萎縮させようとする意図がありありと見てとれます。

 そして、「ミサイル、ミサイル」の騒動の裏では、昨日も国会で重要なテーマが取り上げられました。2月4日、日本も調印式に参加したばかりのTPP協定。調印式に赴いた高鳥修一・内閣府副大臣は、かつて「TPPは平成の売国だ」と批判していた人物。昨日の衆院予算委員会で民主党の福島伸享議員が副大臣を厳しく追究していましたが、詳しくは、IWJのTPP担当、佐々木隼也記者から報告します!

 その前に、本日のラインアップをご紹介。今日の目玉は、普段は一般事務のスタッフとして大活躍の浅野百衣が初登場!2月14日に行なわれる「安倍政権NO!☆大行進in渋谷」についてお伝えします。

★本日のラインナップ

┏━━【目次】━━━━━━━━━━━━
┠■【中継番組表】
┠■重要なTPP交渉経緯も「保秘契約」を盾に無言を貫く安倍政権! 国会質疑をめぐり露呈する政府・大手メディアの売国の数々(佐々木隼也)
┠■「世界中に緊急事態条項がある!」という議論にのせられるな! 早大・長谷部教授が各国の「緊急事態条項」事情を紹介、日本に緊急事態条項「いらない」(原佑介)
┠■安倍政権は12ものイシューを悪化させている!記者会見「0214 安倍政権NO!☆大行進in渋谷」であがった声とは(浅野百衣)
┠■「野党共闘」の行方は!?野党5党幹事長が非公式会合! IWJは生活の党、玉城デニー議員に単独インタビュー(ぎぎまき)
┠■岩上さんのインタビュー告知
┠■わとはぷ~What happened today?――「アメリカ連合国」大統領が指名された日(ぎぎまき)
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◆中継番組表◆

本日のIWJの中継番組表をお送りします。
あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

**2016.2.9 Tue.**

【Ch2】13:00~「東京電力 記者会見-原子力安全改革プラン進捗報告(2015年度第3四半期)」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=2
※東京電力原子力改革特別タスクフォース事務局長代理 松本純一氏による記者会見を中継します。

【IWJ_KYOTO1】14:00~「真宗大谷派・九条の会・念仏者九条の会 合同全国集会『殺さない・殺させない』記念講演 池田香代子さん・対談者 泥憲和さん」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-kyoto1
※「真宗大谷派・九条の会」「念仏者九条の会」主催、合同全国集会の記念講演を中継します。

【Ch5】17:00~「『国連公開作業部会とG7広島会合に向けた政府とNGOの意見交換会』後のNGOによる記者会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5
※「核兵器廃絶日本NGO連絡会」主催の記者会見を中継します。出席者は、日本原水爆被害者団体協議会事務局長の田中煕巳氏、ピースボート共同代表の川崎哲氏ほか。

【Ch6】17:00~「司法修習生への給費の実現と充実した司法修習に関する院内意見交換会」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=6
※「日本弁護士連合会」主催の院内意見交換会を中継します。日弁連会長挨拶、国会議員の皆様からのエール、貸与制経験者等による当事者の声ほか。

【再配信・Ch1】18:30~「国会で議員に北朝鮮の『工作員』と名指しで侮辱!?された『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』著者『拉致被害者家族会』元事務局長蓮池透氏に岩上安身が聞く!」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
記事URL: http://iwj.co.jp/wj/open/archives/284584
※2016年1月27日に、拉致被害者家族連絡会元副代表・蓮池透氏に岩上安身がインタビューした模様を再配信します。

【会員・サポーター限定配信】20:00~「第47回 69(ロック)の会『岩井的アップデート2016』」
会員の方はこちらからご視聴になれます→ http://iwj.co.jp/wj/member/limited
サポーターの方はこちらからご視聴になれます→ http://iwakamiyasumi.net/
※「第47回 69(ロック)の会」を中継します。今回のオーガナイザーは発起人の岩井俊二氏。「岩井的アップデート2016」と題し、2016年を迎え、岩井俊二氏が特に気になる問題をゲストを交えながら語り合います。

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~~会員限定配信の視聴方法~~

1,会員限定視聴ページ( http://iwj.co.jp/wj/member/limited )へアクセス
2,登録メールアドレスとパスワードを入力
3,ページに表示されているパスワードを、視聴画面に入力

以上の手順で、ご視聴いただけます。ぜひ、ご覧ください。

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◆明日の中継番組表◆

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

**2016.2.10 Wed.**

【IWJ_OSAKA1】14:00~「第112回原子力安全問題ゼミ」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-osaka1
※京都大学原子炉実験所で行われる「第112回原子力安全問題ゼミ」を中継予定です。

【Ch3】14:30~「原子力規制委員会 田中俊一委員長 定例会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=3
※原子力規制委員会 田中俊一委員長による定例会見を中継します。

【Ch2】17:30~「東京電力 定例会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=2
※東京電力による定例会見を中継します。

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■重要なTPP交渉経緯も「保秘契約」を盾に無言を貫く安倍政権! 国会質疑をめぐり露呈する政府・大手メディアの売国の数々

 おはようございます! IWJで記者をしている佐々木隼也です。

 国会で、安倍政権がTPP交渉で行った、歴史的な「大幅譲歩」「売国」の一端が次々に浮き彫りとなっています。昨日も、民主党の福島伸享議員などが、連日、厳しく追及を行いました。

 どんなことが明らかになったのか。このTPP質疑の模様を、ネット上で一番早く報じたのは産経新聞でした。

 どんな記事かというと、福島議員が、和服姿でTPP署名式に出席した高鳥修一・内閣府副大臣が、かつて「TPPは平成の売国だ」と批判していたのに、「署名式に和服で参加した方は売国の政治家ではないか」と追及したこと、さらに高鳥副大臣が現地で「ブルーチーズがおいしい」とブログに書いたことについて、「ブルーチーズを含めた酪農分野は激しい関税交渉のあった分野。無神経ではないか」と批判したことを紹介したものでした。

※着物姿でTPP署名の高鳥副大臣を民主党・福島氏が「売国の政治家」と批判 「ブルーチーズおいしい」も攻撃(産経新聞)
http://www.sankei.com/politics/news/160208/plt1602080028-n1.html

 この記事を見た人は、国会ではこんなくだらない事しか議論されていないのか、民主党はこんな揚げ足取りのようなことしか聞けないのか、とツッコミたくなるでしょう。産経新聞の「野党への批判燃料投下」記事です。本当に議論されている重要テーマから、国民の目を逸らす、という役割を持っています。

 しかし産経新聞はまだ良い方かもしれません。大手メディアの多くは、こうした議論の内容どころか、存在すらも報じないのですから。中身の議論や国会質疑の様子、安倍政権の驚くべき譲歩の数々を報じてしまったら、国民の反発は必至です。だからこそ、政府・官僚・大手メディアは、「報じない」ことを徹底してきました。

 では、本当は福島議員が何を追及していたのか。冒頭の、高鳥副大臣への追及はもちろん「つかみ」で、本題は、政府がTPPで結んだ「保秘契約」の実態です。

 福島議員は2月3日に、TPP協定案に、政府が「ほとんど」守ったと胸を張る「農産品の重要5品目(聖域)」についても、発効から7年後に、「日本は関税撤廃に向けた再協議に応じる」と明記されていることを指摘し、安倍政権の嘘を追及しました。

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・【国会ハイライト:TPP】「しっかり守れた」と強弁する農産品も7年後にはすべて関税撤廃の可能性!? 民主党・福島伸享議員が安倍政権が隠す驚きの譲歩内容を追及!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/286054
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 そして昨日の質疑で福島議員は、「米韓FTAですら、韓国側の『聖域』は関税撤廃の『除外』扱いになっているのに、日本では『聖域』はひとつも『除外』扱いになっていない。なぜこのような大幅譲歩となったのか?どういう交渉をしたのか?」と、さらに厳しく追及しました。

 これに対し、石原伸晃・TPP担当大臣は、「交渉内容・経緯については明かせない『保秘契約』を結んでいるので言えない」と答弁したのです。

 いやいや…、これでは国会審議が成り立ちませんよね。

 福島議員は、「ではこの保秘契約は日本の法律よりも上なのか下なのか?」「相手の要求ではなく、日本側が何を要求・主張したかということくらいは言えるだろう!」と畳みかけましたが、石原大臣の答弁は、なんとも驚き、呆れかえるようなものでした!

 この続きは、本日中にアップ予定の国会ハイライト記事で、詳細にお伝えしますので、こちらをぜひご覧ください!

 他にも、IWJは、大手メディアが一切報じない、安倍政権が絶対に隠し通したい、TPPでの衝撃的な譲歩の数々を、報じています。ぜひぜひ、こちらをご覧になって、多くの方にこの事実を拡散していただければと思います。記事全文は会員の方ならいつでもお読みいただけます。ぜひ!IWJへの会員登録の上、続きをお読みください!

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https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

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・2015/11/05 【敗戦・TPP】聖域を明け渡しても「影響なし」!?自動車は米韓FTAより酷い惨敗…民主党による担当官僚ヒアリングで明らかになった「合意」の呆れた実態
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/273706

・2015/11/11 【敗戦・TPP】「攻める」はずの自動車分野で「関税が永遠に撤廃されない可能性」も!?
日米並行協議での驚くべき譲歩内容が民主党による官僚ヒアリングで明らかに!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/274515

・2015/11/19 【敗戦・TPP】公式言語に「日本語が存在せず」の衝撃! しかも日本政府は要求すらしていなかった!?
民主党による官僚ヒアリングで明かされた安倍政権の理解不能な「怠慢」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/275531

・2015/11/26 【敗戦・TPP】「断固反対」だったはずがいつのまにか「アベノミクスの切り札」に! 官僚も代弁を放棄する安倍政権の手のひら返し
~民主党による官僚ヒアリング第6回
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/276423
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 長々と、そしてダラダラと進んでいるように見える予算委員会ですが、重要な質疑も多く、日々ウォッチしていかなければいけません。でも、リアルタイムでテレビの前に座って視聴できる人はほん一握り。ハイライトをまとめてくれたらありがたい!ということで、IWJでは過去、数々の国会ハイライト記事をお届けしてきました。昨日の福島議員のTPP質疑もまとめもお見逃しなく!

 さて、次は、今日も新しいラーメンを求め関東をさすらう風来坊、原佑介記者から取材報告です。

 昨年の6月4日、衆議院憲法審査会で、安保法案は違憲であると発言し、一気に世論の流れを変えた長谷部恭男早稲田大教授。安倍政権が自民党改憲草案で盛り込んでいる「緊急事態条項」について警鐘を鳴らしたシンポジウムについて紹介です!

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■「世界中に緊急事態条項がある!」という議論にのせられるな! 早大・長谷部恭男教授が各国の「緊急事態条項」事情を紹介、日本に緊急事態条項「いらない」

 おはようございます!記者の原です。

 先日(2月5日)、「立憲デモクラシーの会」が主催した公開シンポジウム「憲法に緊急事態条項は必要か」を取材してきました!
約500名を収容する会場の「全電通労働会館多目的ホール」は超満員。通路は立ち見の参加者で埋まり、「立憲デモクラシーの会」の注目度の高さと「緊急事態条項」に関する関心の高さがうかがえました。会場でお声がけいただいた皆さん、ありがとうございました。

 講演したのは早稲田大学・長谷部恭男教授(憲法学)です。長谷部さんはフランス、ドイツ、米国の憲法体系を紹介しつつ、自民党が新設を目指す「緊急事態条項」は、日本に「いらない」と断言し、ナチス・ドイツを例に挙げ、権力集中の危険性を論じました。

 他国の憲法がどうなっているって、専門家以外は、なかなかわかりませんよね。「世界中の国が緊急事態条項を持っている!日本も必要だ!」などと勢いよく言われると、「うううっ、、そうなのかなぁ」とシロウトは思ってしまいがちですが、今回、長谷部さんが丁寧に説明してくれたことで、「やっぱりいらないじゃん!」と納得できました。

 産経新聞は、2015年11月19日付けの記事の中で、フランスが2015年11月13日にパリで発生した同時多発テロ事件を受け、「非常事態宣言」を発令したことを高く評価しています。そのうえで、仏当局が権限を強化して「対テロ作戦を遂行」できたのは、「『国家緊急権』が、憲法や法律に設けられているから」であるとし、「(日本の)憲法には同様の規定は存在せず、『テロとの戦い』の欠陥となっている」などと日本に結びつけて、緊急事態条項の導入を煽っています。

 この記事の中で、緊急事態条項創設の理論的支柱として登場するのが、駒沢大学名誉教授の西修氏です。そう、集団的自衛権行使容認が「合憲」だと主張する憲法学者として菅義偉官房長官が名前をあげた3人のうちの1人である、あの西修氏です。

 産経新聞の当該記事では、以下のように記されています。

 「西修・駒沢大名誉教授の調査によると、1990~2014年に制定された102カ国の憲法の全てに、国家非常事態に関する規定があった。しかし、日本の憲法にこうした規定はない。大規模テロに際してフランスのような措置を取ろうにも、居住・移転の自由や財産権、通信の秘密といった権利の制限は困難だ。憲法の枠内で緊急立法するとしても国会審議が必要で、機動的な対応は難しい」

 西氏によると、「1990~2014年に制定された102カ国の憲法の全てに、国家非常事態に関する規定があった」ということですが、この日の講演で長谷部さんは、フランス、ドイツ、米国の例を挙げ、自民党が創設を目指す緊急事態条項とはまったく性格が異なるものであることを分かりやすく解説しました。

 ぜひ、緊急事態条項を導入している国の仕組みを把握し、「日本も導入を!」と煽る人たちに、「あのな、そんな単純なことじゃないんだよ、西って人の言っている102ヶ国の中身、知ってる?」と諭してあげましょう。詳細はIWJのサイトの記事でお読みください!

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2016/02/05 「統治行為論がある限り政府の権限をコントロールすることは不可能だ」早稲田大・長谷部恭男教授が緊急事態条項に警鐘!
仏、独、米の憲法体系を踏まえても「いらない」と断言!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/286061
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 長谷部さんは昨年の安保関連法案の審議の際、6月4日の衆議院憲法審査会の参考人として、自民・公明の推薦で招致されたにも関わらず「安保法案は違憲だ!」と証言し、日本中に「長谷部旋風」を巻き起こしました。

 まぁ「長谷部旋風」はさすがにオーバーだとしても、「時の人」となったのは間違いありません。渦中にあった長谷部さんには、当時、岩上さんがナイスタイミングでドカーンと単独インタビューしています!
サポート会員であればこのアーカイブをご覧いただけますので、ぜひ、「立憲デモクラシーの会」の講演と合わせてご覧ください!

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2015/06/26 「日本が立憲主義を否定しようとしたら、米国は黙っていない」自民党推薦で安保法制を「違憲」と断じた「時の人」長谷部恭男早稲田大学教授が岩上安身のインタビューで警告!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/250645
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 今後、安倍総理は憲法改正については憲法審査会で議論すると豪語していますが、昨年夏の「長谷部旋風」の二の舞いを踏まないよう、徹底した人選をしてくるでしょう。これからもIWJは目を光らせ、識者や市民の集会、国会の論戦に注目し、政府のごまかしを徹底追求していきます!

 IWJは人手が足りなければセクションを超えて連携プレーをする「トータル・フットボールシステム」で動き回っていますが、昨日は、普段は一般事務のスタッフとして活躍している20代女子、IWJキックボクシング部にも入門、早くも右の打ち下ろしが威力があると評判の浅野百衣(もえ)が、2月14日に渋谷で行われる「安倍政権NO!☆大行進」記者会見を取材。初のパーツ登場でご報告します!

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■安倍政権は12ものイシューを悪化させている!記者会見「0214 安倍政権NO!☆大行進in渋谷」であがった声とは

 おはようございます。恋の苦味も旨味も忘れて毎日、がむしゃらに仕事に打ち込み、サンドバッグをひたすらに叩いている27歳、一般事務スタッフの浅野百衣(もえ)と申します。

 恋の味は忘れても、チョコレイトは私の舌を、安倍政権は私の不安と怒りを、刺激してくれます。

 バレンタインデイまで、あと6日。今年のバレンタインデイは、日曜日ということで、いつも以上にハッピーモードに包まれるであろう渋谷。そんな今週末の2月14日(日)の渋谷で「0214
安倍政権NO!☆大行進in渋谷」というアクションが行われる事が、昨日、参議院議員会館B109にて開かれた記者会見「0214安倍政権NO!☆大行進in渋谷」で発表されました。

 この「0214安倍政権NO!☆大行進in渋谷」は、12個のイシューが安倍政権によって悪化している事を明示し、安倍政権に退陣を求めるアクションです。

 12個のイシューとは、「原発」「安保法制」「憲法」「沖縄米軍基地」「特定秘密保護法」「TPP」「消費税増税」「社会保障」「雇用・労働法制」「農業・農協改革」「ヘイトスピーチ」「教育」。

 こうしてみると、過去から今に至るまでIWJが取り組んできたテーマがずらーーーっと並んでいることに気づかされます。これ、全部、つながっているんだなぁと改めて実感。

 一つ一つのキーワードを挙げてみると、自分の生活や、それぞれの問題に苦しむ人の顔や生活、エピソード等が思い浮かんでくるような気がします。

 PARC(アジア太平洋資料センター)事務局長の内田聖子さんは、記者会見の中で「本当は12以上ではないか」とおっしゃっていました。たしかに、きっと、数え上げたらもっともっとあると思います。

 IWJで力を入れて取り上げてきたテーマをふりかえってみただけでも、子宮頸がんワクチンの問題や、マイナンバーの問題、なんといっても緊急事態条項の問題が抜けています。これは「憲法」というくくりに入るのかもしれません。格差や貧困の問題もありますよね。要するに12をゆうに超える数々の問題が存在しているにも関わらず、何一つ解決せず、悪化している現状があるのだ、ということです。

 この記者会見では、先ほどあげた一つ一つのイシューを訴える代表の12の団体と、若者の代表としてT-nsSOWL、それぞれの代表者、合計13名の方々が、このアクションに参加する趣旨を説明し、普遍的な認識の先に存在する現実を語ります。

 また、趣旨説明の後に行われた質疑応答では、実行委員会の1つである、首都圏反原発連合のミサオ・レッドウルフさんの「なるべく若い人にマイクを握って欲しい」という発言から、この日、9名の大人たちと肩を並べ、それぞれの立場から問題を語った4名の若者(SEALDsから千葉泰真さん、SEALDsRYUKYUから元山仁士郎さん、若者憲法集会から小山農さん、T-nsSOWLの福田龍紀さん)にマイクが渡り、それぞれが個人としての思いを語りました。

 この中で、沖縄米軍基地問題のイシューから参加する立場のSEALDs
RYUKYUの元山仁士郎さんは、「0214安倍政権NO!☆大行進in渋谷」に向けて、次のように語っていたのが印象に残りました。

 「安倍政権に対して『おかしいな』という風な思いを持っている人はもちろんですけども、『なんか自分が生きづらいな』『本当に生活苦しいな』『どうしたらいいのかな、分かんないよ』という不安がある人達も是非参加してもらいたい」

 「それは政治が私達の生活だったり権利、どうやって生きるのかを保障してくれることに責任を持つことを憲法が保障しているから」

 「『どんな暮らしがしたいか』を政治に対して、社会に対して、周りの人に話していい訴えていいんです」

 私はこの言葉を聞いて、自分自身が大学時代に「ブラック企業」殿堂入りと言われる某居酒屋チェーン店で働いていたときのことを思い出しました。暗い体験でした。その一方で、同時期に、大学では憲法学・平和学を専門とする教授のもと、憲法について学びました。その時、思ったことは、「バイト先で見た先輩や同僚の涙や死んだ目はあってはならないものだ」という思いでした。人間が極限まで低賃金で働かされ、健康を害し、尊厳まで失わされている。そんなことはあってはならないのだと、憲法は裏付けてくれているんだと、初めて学んだのです。本当に勇気づけられる思いでした。

 当日は、3台のサウンドカーにつづいて原宿・渋谷をデモ隊が行進し、沿道を歩く人々に、今夏の参院選に向けて政治の事が分からない人にも分かりやすく選挙を解説したリーフレットが配られるようです。

 趣旨説明で語られた各イシューの現状や、若者の思い・リーフレットの中身は記者会見動画や記事でご覧になれます。

 この記者会見の詳細は、後日アップする記事をぜひ、ご覧になってください。不肖、浅野百衣が、記事執筆に挑戦します!同期の城石エマ記者は学生なのに大活躍中!私も仕事でもキックボクシングでも負けていられません!岩上さんに、びっしりご指導を受けて、パンチのある記事になるよう、頑張ります!

■「野党共闘」の行方は!?野党5党幹事長が非公式会合! IWJは生活の党、玉城デニー議員に単独インタビュー

 再び、ぎぎです。私も自分の取材報告を少し。

 何とか「オール野党共闘」を実現し、今夏の参院選に望みをつなげたい!私たちが願うのは、憲法と平和を守るオール野党の結集であって、パーシャル連合ではないのだ、パーシャル連合では自民を中心とする改憲勢力に勝てない!改憲を実現させられてしまう!そうした危機感や希望を抱く人は、本ガイドをお読みの方にも多いのではないでしょうか。

 しかし、ご存知の通り、2月に入った今も野党の足並みは揃わず、安倍政権への危機感が大きい分、落胆する市民の声が私のTwitterのタイムライン上では日に日に増えているのを実感しています。

 私は民主党の揚げ足を取りたいわけではありません。周囲から「甘い」と言われようとも、民主党に今度こそは頑張って欲しいと、期待をかけ続けてきた一人です。

 それでも、今の民主党は批判せずにはいられません。野党第一党として、自公の受け皿になるという責任感と危機感があまりにも希薄です。有権者を惑わせることなく、はっきりとした態度を示すべきではないか、という思いがあり、2月5日、私は生活の党・玉城デニー幹事長の議員事務所におじゃましました。

 前日の4日、民主党の枝野幸男幹事長の呼びかけで、民主・共産・維新・生活・社民の5野党の幹事長が非公式で会食。事前の報道では、「野党共闘」に弾みをつけるための会合と伝えられていましたが、会合では何が話し合われたのか。

 「非公式」のため、踏み入った発言はできないという条件で、玉城幹事長はインタビューに応じて下さいました。私が玉城幹事長に話をうかがいたいと思ったのはもちろん、辺野古新基地建設反対の一点で全野党共闘が実現している沖縄選出議員であるからです。

 野党共闘がぶれない沖縄でさえ、厳しい闘いを強いられている現状の中、いつまでもうじうじと「共産党アレルギー」にしばられている民主党を、玉城議員はどう評価するのか。穏やかな口調の奥から歯がゆさが伝わってくるインタビューでした。

 ぜひ、アップした記事をご覧ください!私が取材し、まとめた拙い草稿に、岩上さんがリライトをして記事構成をしてくださいました!「共産党アレルギー」どころか、「民主党アレルギー」が日々増えていることを、民主党関係者は自覚すべき、と書いたくだり、膝を打ちましたが、ここは岩上さんの筆になるものです!ぜひ、多くの人に、全文を読んでいただきたいと思います!

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2016/02/05 「民主党は前のめりな決断を」野党5党非公式会合を終えた生活の党・玉城デニー幹事長に単独インタビュー!~「衆参ダブル選挙でこなごなにされる」民主党議員からも不満の声
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/286354
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 玉城議員のインタビュー動画や記事も、全編をご覧いただくには、会員登録が必要になります。ぜひ、この機会に会員登録をお願いします!

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■岩上さんのインタビューと講演のお知らせ

 現在確定しているのは、以下の方々です。他にもアポイントメントの調整をさせていただいている方がたくさんいらっしゃいます。確定次第、どんどんラインナップを更新していきますので、毎日、このコーナーにご注目ください!

・2月11日(木)14時~ 太田昌克さん(後編)
※共同通信社編集委員・論説委員で、『日本はなぜ核を手放せないのか~「非核」の死角』(岩波書店)、『日米<核>同盟~原爆、核の傘、フクシマ』(岩波新書)などの著書がある太田氏に、2018年に期限を迎える日米原子力協定(包括協定)など、日本の原子力政策について岩上さんがお話をうかがいます。大好評を博したインタビューの、その続編です。ぜひ「前編」もアーカイブでご視聴ください(http://iwj.co.jp/wj/open/archives/281578)。

・2月13日(土)13時30分~ 水島朝穂さん
※早稲田大学法学学術院教授で憲法学が専門の水島氏に、自民党の憲法改正草案、とりわけ緊急事態条項の危険性について、水島氏の共著の『「有事法制」を診る』を参考にしつつ、岩上さんがお話をうかがいます。水島氏は、緊急事態条項について、安保法制を補完するものであると、その本質を見抜かれています。必見です!

・2月15日(月)【司会】19時~20時 山本太郎氏・小林節氏 対談
※「<政治>こそ、山本太郎の天職だ!~小林節さん(慶應義塾大学名誉教授)VS山本太郎さん(政治家)」と題したイベントの司会を岩上さんが務めます。イベントの模様は、IWJで中継します!

・2月17日(水)15時~ 樋口陽一さん
※東京大学名誉教授で、日本における憲法学の権威であり第一人者である樋口氏に、立憲主義が危機に瀕している現在の状況や日本国憲法改正草案の危険な内容などについて、岩上さんがお話をうかがいます。

・2月18日(木)14時~ 中野晃一さん
※上智大学教授であり、立憲デモクラシーを牽引し、SEALDsのよき理解者であり、「市民連合」結集の立役者でもある中野晃一さん。各地のデモや集会で野党共闘の必要性を訴えている中野氏に、岩上さんがお話をうかがいます。中野さんは、今の民主党の態度をどう見ているのでしょうか?

・2月23日(火)13時~ 高山佳奈子さん
※京都大学大学院教授で、国際刑事法が専門の高山先生は、「学者の会」の記者会見の際、岩上さんのインタビューに応えて、「マスコミの経営幹部と政権トップが会食を重ねることは、刑法上、贈収賄を構成する」と発言された方です!
その時の記事は以下の通り(
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/254388 )。岩上さんによるインタビューがようやく実現します!

・2月26日(金)19時~ 蓮池透さん(後編)
※北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(家族会)元副代表で、新刊『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』を出した蓮池氏に、1月27日に引き続き、岩上さんがお話をうかがいます!

・3月1日(火)14:00~ 是枝裕和さん(映画監督)
※「ワンダフルライフ」「誰も知らない」「そして父になる」などで知られる是枝監督。「クローズアップ現代」のやらせ問題に関するBPO放送倫理検証委員会の委員も務め、「BPOは政治家たちの駆け込み寺ではない」などと自民党による報道圧力を批判されています。岩上さんとのインタビューが一度、決まりかけたのですが延期。その待望の実現です!

・3月3日(木)15時~ 施光恒さん(後編)
※新刊『英語化は愚民化~日本の国力が地に落ちる』が話題沸騰中の九州大学准教授・施光恒氏。1月26日に「前編」のインタビューを行いました。施氏は、岩上さんのインタビューに応じて安倍政権が「成長戦略」の名の下に進めている「グローバル化=英語化」を厳しく批判。3月3日には岩上さんによる続編のインタビューをお届けします!

■わとはぷ~What happened today?――「アメリカ連合国」大統領が指名された日

 155年前の2月9日、暫定的に存在した「アメリカ連合国」(Confederate States
of America)の大統領が使命されました。「アメリカ連合国」とは、奴隷制度拡大に反対したエイブラハム・リンカーンが1860年に大統領に選ばれたことを機に、奴隷制度の存続を主張するアメリカ南部の11州が合衆国を脱退してつくられたもの。1860年から4年間の間に暫定的に存在し、南北戦争ではアメリカ合衆国に残った北部23州と戦いました。

 南北戦争は1865年に終結しますが、黒人労働奴隷に支えられていた南部は、農業中心のプランテーション経済で成功。奴隷解放に徹底的に抵抗し、南北戦争で負けた後も、黒人に対する平等に反対し続けます。現にそれから約一世紀後の1965年、事実上の黒人参政権が認められる時も、南部の州は最後まで黒人に選挙権を与えるなと抵抗します。自分たちの意思で奴隷解放をしたわけじゃないことを、見せつけてきたわけです。

 何かに似ていますよね? そうです。米国に敗北してその占領下で「憲法を押し付けられた」と、戦争における敗北の結果も受け入れず、さらには道徳的な「敗北」も受け入れず、ただ負けたのは面白くない、というだけの劣情で、怨念を晴らそうとしている安倍晋三さん以下の改憲勢力のエモーションにそっくりです。

 同様に、今でも南部の人々の間には、白人優位主義が根強く残っています。それに危機感を覚えたある一人の米国人俳優が「それでも夜は明ける」という作品を製作します。

 その俳優とは、日本でも知らない人はいない超大物のブラッド・ピット。2013年、米国で上映された本作品は、大手映画会社と揉めに揉めたブラピ自身が出資者を募り、製作が実現するまで頑なな意思を貫き通したという話題作。ストーリーは南北戦争よりも前の1853年に出版された、ある黒人男性の回想録にもとづいて描かれています。

 北部で家族と不自由のない人生を謳歌していたその黒人男性は、突然誘拐され、南部に奴隷として売られます。その後12年間、奴隷としての人生を強いられますが、それまで自由に生きていた人間が突然奴隷として虐げられる苦難は、映画を観るものにも精神的な苦痛を与えるといいます。それでも、映画評論家の町山智浩さんが、「奴隷っていうものを本当に体験する意味で全人類が見る映画」と評していました。

 イスラエルのネタニヤフ首相、次期米国大統領候補のドナルド・トランプ氏、そして、ヘイトスピーチを見過ごし、嫌韓・反中のヘイト本を大量購入していたという安倍晋三総理。「レイシスト」と呼んでもいい人が政治リーダーになれる現代です。

 もっとも古い形のヘイトとも言える奴隷制度を、見ている人が追体験できるという「それでも夜は明ける」を見て、ヘイトは許さないという思いを一層強くしたいと思います。

 皆さんも良かったら、ぜひお手に取ってください。そして、もちろん、今日も全速力で走るIWJをよろしくお願いいたします!

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