日刊IWJガイド 2015.6.21日号~No.1012号~


■■■ 日刊IWJガイド 2015.6.21日号~No.1012号~ ■■■
(2015.6.21 8時00分)

おはようございます。IWJの原です。

昨日は久しぶりにカラッと晴れて最高な気分でした。久しぶりに洗濯された方も多かったのではないかと思います。今日はまた雨が降るようですから、まだベランダに洗濯物を干しっぱなしのノンビリ屋さんは、早めに取り込まれてくださいね。ええ、僕のことです。

■「ネッシーがいると信じている人」たちが会見…NHK、またやった?

一昨日19日、安全保障関連法案は憲法に違反しないと主張する憲法学者、日本大学の百地章教授と駒澤大学の西修名誉教授の2人が日本記者クラブで会見し、安保法案は憲法の範囲内だとする見解を述べました。

何百人もの憲法学者が違憲と断じている中、合憲と発言している3人のうちの2人です。ところが、この極端に少数派に属する2人の会見をNHKがバッチリと放映し、ネットではその偏向ぶりにあちこちで大炎上状態です。

NHKがまるで学者の間でも違憲・合憲が拮抗しているかのように報じている!・・・と皆さんお怒りになっているようですが、いかがですか?(僕はテレビ観ない派なので、NHKの報道がこの頃相当ひどいらしいとは聞いているものの、直撃受けていません。なのでちょっと心に余裕。見ていたら冷静じゃいられないかもしれませんが)

6月4日に開かれた憲法審査会では、参考人として呼ばれた3人の憲法学者が全員そろって、戦争法案を違憲だと断じました。

今回会見した百地さんと西さんは、釈明に追われた菅官房長官が「合憲だとする学者」として名前を上げた3人のうちの2人です。

まさか、違憲派対合憲派が、3対2に見えるような報じ方ではなかったと思いますが、大多数が違憲であると言っている、その理由を国民の頭に擦り込むようにごりごりとちゃんと報じたあとで、こんな異論唱える人もいるよ、と合憲派も出す、というくらいでないと、バランスとしては現実を反映していないですよね。

ちなみに、自民党の佐藤勉国対委員長は6月16日の党国対の会議で、衆院憲法審査会について「今後は開催しないでほしい。こちらからもめ事の原因を作るのはやめてほしい」と述べ、当面は“凍結”するよう同党審査会幹事に要請する考えを示しました。憲法審査会がトラウマになったのでしょうが、だからといって憲法審査会そのものを開かないという姿勢は民主主義の否定に他なりません。岩上さんは、このニュースには相当頭にきたようで、プンプンに怒ったツィートをしていました。

https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/612238692359405568

さて、会見で西名誉教授は「主権国家として当然認められる集団的自衛権の行使が認められないのであれば、日本は主権国家とは言えない」とまるで幼稚なロジックを用いました。名誉教授様にはお言葉ではありますが、日本は主権国家だからこそ、国際法とは別に独自の憲法を持っており、独自の憲法にしたがって、主体的に集団的自衛権を行使しない、海外に外征軍を出して戦争するような真似は金輪際しないと決めたのだ、と考えるのが普通なのではないのでしょうか。

百地教授の理屈は、もっとメチャクチャです。これについては、やはり岩上さんが怒りのツィートを爆発させているので、引用しておきます。

https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/612236831879376896

「集団的自衛権の行使を基礎付ける憲法の条文は存在するか。これは、ネッシーを探すのと同じくらいに無理がある」というのは憲法学者の木村草太さんの言葉です。つまり、合憲論の根拠は、ほとんど幻で存在しない、ということです。

他方、木村さんは、「戦争法案合憲論者」は存在していると話していますが、それは「ネッシーがいると信じている人」のことで、そういう人を探すのは、「ネッシーそのもの」を探すよりはずっと簡単だという理論です。

百地さん、西さんは今回、「ネッシー」の存在を明かしたわけではなく、「私たちはネッシーがいると信じています」と公言に過ぎない、ということです。間違えないでくださいね、皆さん。彼らは合憲であることを、なんら証明できていませんからね。

ネトウヨの皆さんは、ご自身のためにも、NHKに騙されて「ほら、ネッシーいるじゃないか!」などとお騒ぎにならないほうがよいかと存じます。ただでさえ恥ずかしいのに、もっと恥ずかしい思いをすることになります。

木村草太さんには岩上さんが単独インタビューをしていますので、そちらもご覧ください。普段クールな木村草太さんが、岩上さんのペースに乗って、日頃の2倍のテンションで徹底的に語っているのが見所です。

※2015/06/16 「法の支配に対する挑戦が行われている」――気鋭の若手憲法学者が安保法制を進める政府・与党の「無法者」ぶりに警鐘を鳴らす!~岩上安身による首都大学東京准教授・木村草太氏インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/249458 

(後半へ続く…)

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◆中継番組表◆
本日のIWJの中継番組表をお送りします。
あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

**2015.6.21 Sun.**

【Ch6】13:30~「『やっぱり、支援法でしょ!』~原発事故子ども・被災者支援法3周年シンポジウム~」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=6
※「原発事故子ども・被災者支援法市民会議」主催の、上智大学で行われるシンポジウム。河崎健一郎弁護士、満田夏花氏(FoE Japan)らが登壇予定。

【IWJ_OSAKA1】13:30~「戦争立法と明文改憲にNO! 9条の会事務局長(東大教授)小森陽一さんが高槻に!」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-osaka1
※「日吉台9条の会」が主催。小森陽一・東京大学教授が、安保法制について講演予定。

【IWJ_HYOGO1】14:00~「『集団的自衛権行使容認』&『特定秘密保護法』反対!兵庫大集会・パレード」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-hyogo1
※「兵庫県弁護士会」主催。神戸市三宮東遊園地で行われる、安保法制に反対する集会・パレードの模様を中継します。

【IWJ_KYOTO1】14:00(デモ出発は14:30)~「SEALDs KANSAI【6.21 戦争立法に反対する学生デモ】」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-kyoto1
※学生を中心としたグループ「SEALDs KANSAI」主催。京都市円山公園から京都市役所までを練り歩き、戦争法案反対を訴える。

【録画配信・Ch5】17:00~「第70回 日本の司法を正す会 ~ゲスト 元ヒューザー社長・小嶋進氏」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5
※2015年5月26日に行われた、元ヒューザー社長・小嶋進氏がゲストとして登壇した「第70回 日本の司法を正す会」を録画配信します。

【IWJ_KYOTO1】19:00~「SEALDs KANSAI ▼After Party▽ Guest:岡野八代氏」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-kyoto1
※学生を中心としたグループ「SEALDs KANSAI」主催のイベント。政治学者で同志社大学教授の岡野八代氏がゲストとして登場予定。

【再配信・Ch4】20:00~「『95%超の憲法学者は違憲だと回答する』長谷部恭男氏、小林節氏、改めて『安保法案=違憲』を主張~安倍自民を陰で支える『日本会議』への言及も」(配信時間:約1時間32分)
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4
記事URL: http://iwj.co.jp/wj/open/archives/249275
※2015年6月15日、日本外国特派員協会で行われた、長谷部恭男氏、小林節氏による記者会見を再配信します。
小林氏は、「日本会議の人たちに共通する思いは、『第二次世界大戦での敗北は受け入れ難い。だから、その前の日本に戻したい』ということだ」と語り、安倍政権と目指す方向が一致する日本会議が、憲法改正を目玉とする政策推進の地ならし役を担っていることを暗に示しました。

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(…前半の続き)

■戦争法案を合憲とする憲法学者は「徴兵制」も合憲と主張していた!

ここから先は、面白いですよー。面白いなんて言ったら不謹慎ですけど。

ネッシーを信じる百地さん、西さんは、その想像力の豊かさゆえか、集団的自衛権の行使に限らず「徴兵制も合憲だ」とまで言ってのけているようです。民主党の辻元清美議員が一昨日19日、国会で、菅官房長官相手に追及しました。

「(菅官房長官が挙げた百地さんなど)3名の方のご主張を調べてみたんです。そうしますと、3名とも、徴兵制は憲法違反とする政府の解釈は間違いであるとご主張されている方で、びっくりしたんですよ。ご存じでしたか? 3人とも、徴兵制は、この政府の解釈じゃなくて、できると言っているんですが、ご存じでしたか。その事実だけ、3人とも言っていたということをご存じかどうかだけお願いします」

辻元議員の質問に対し、菅官房長官は「そのことは私は知りませんでした」と回答しました。

辻元議員はさらに「歴代政府が積み重ねた憲法解釈を変えても問題はないとお考えのようなんですね。徴兵制の件でも明らかなように、自己の主張に憲法を合わせようとする、このような方々が今回の法案を合憲と主張されても説得力に欠けると思いますが、いかがですか」と畳み掛けると…

菅官房長官は「それは、あくまでも憲法学者の一つの意見だろうというふうに思っています」と回避しました。散々、自分たちの政策の正当性のために、百地さんや西さんを利用したのに、なんですかね、この手のひらの返し方は。

■「徴兵制、本当にやらない?」との念押しに、まさかの「野次」

辻元議員はさらに、菅官房長官や横畠法制局長官に対し、「今回と同じような手法(解釈改憲)で、徴兵制についても、時代環境が変わった、自衛隊員じゃ足らぬ、安全保障環境が危ない、環境によって徴兵制を、一部限定的徴兵制とかを編み出して、また引けるようにできるんじゃないか」と迫りました。

戦後の国会で、これまで何度も「集団的自衛権は違憲だ」という答弁が繰り返されてきました。辻元議員が「徴兵制も解釈で可能と言い出すのではないか」と牽制するのも当然です。

が、辻元議員の追及に対して飛んだ野次が、

「バカか!」

…です。

野次った犯人は、「平和の党」を自称している公明党の浜地雅一議員でした。浜地氏は委員会後、辻元氏の事務所を訪れ「申し訳なかった」と謝罪。辻元議員は「公明党議員から言われて残念だった」と答えたそうです。

辻元議員に対しては、安倍総理が5月28日の委員会で「早く質問しろよ!」などと野次を飛ばし、やはり謝罪していました。

サッカーなどでは、いい位置で敵からファウルをもらうのも良いプレーのひとつですが、辻元議員のアグレッシブな攻めが相手のファウルを誘ったのでしょうか。結果的に、次々と与党の非・人格者が炙りだされています。しっかりメモしておきましょう。

■女性不在で開戦した過去の過ちを繰り返すな! 辻元議員が国会前でスピーチ

辻元議員に汚い野次が集中する理由は、辻元議員が「女性だから」ということもあるのかと思います。残念ながら、未だに女性を蔑視する男は少なからずいます。

昨日は晴れわたった空の下、国会前で開催された「女の平和6.20国会ヒューマンチェーン」と題した、女性メインの集会を取材をしてきたのですが、そこでも辻元議員は歯切れの良いスピーチをしていました。

辻元議員は冒頭、次のように話しました。

「私は質問席に経つとき、いつも、『戦前は、特別委が開かれているこの部屋で、男だけで戦争への道を決めていったんだ』と考える。戦前の女性たちには選挙権がなく、女性議員は1人もいなかった。男だけの議会で戦争の予算を決めた」

言われるとそうですよね。明治から昭和まで戦争の決定と遂行に女性はまったく関わっていない。全部、男性の責任ですよ。これは、本当に男の一人として、すごく責任を感じますよね。

戦争法案の審議をする「平和安全特別委員会」に所属する女性議員は、全44人の委員のうち、辻元氏を含めて2人だけ。もうひとりは維新の党の太田和美議員で、まぁ、うーん・・・という感じの質問しかされない方です。

辻元議員は「たった1人の女性議員になっても戦争法案止めたい」と意気込み、多くの拍手に包まれました。

早くこちらの集会についても、記事化できるといいのですが・・・他の仕事もあり、もう少々お待ち下さい。

しかし日焼けしましたね。肌がヒリヒリします。現場で話しかけてくださった皆さん、ありがとうございました! ぜひぜひ、IWJの会員となってこれからも、応援してください!

■2014年のテロ、人質事件発生件数が判明! 日本ももう他人ごとではいられない

「安保法制で日本もテロの標的になる」と言われますが、それがどういうことか、あまりピンときていない方が大半かと思います。

実は、正直言うと、僕もそんな1人なのですが、米国務省が昨日発表したシビアな現実をみると、“ピンとこない”などと言っている場合ではないことがわかります。

米国務省は昨日2014年の「テロ年次報告書」を発表しました。

報告書によると、IS(イスラム国)が勢力を強めたことで、テロによる死者数は2013年と比べて81%増の3万2727人(前年1万8066人)、人質の数は前年比3倍以上の9428人(同3137人)に上ったということです。

ISによるテロでの死者は6286人で前年の1752人を大きく上回り、人質は3158人で前年の114人から30倍近く増えた。報告書はISを含め、内戦中のシリアでテロ組織の戦闘員となった外国人は1万6000人以上とし、過去20年で他地域でも例がない規模だといいます。

「憲法第9条」を抱える日本人はテロの標的になりにくい…という説は、いろんな有識者の方が言われています。この説も、実は正直に言って、日本在住の僕にとってはまるで実感がなかったのですが、「安保法案」が成立し、日本が米国の戦争に深入りするようになれば、まず間違いなく、こうしたテロの標的になりやすくなるだろうと改めて寒気を覚えました。

国務省の報告書はさらに「単独犯型」のテロを「新しい時代の兆候」と位置づけ、「実際にテロ組織からの指令があったかどうか判別が難しい。欧米の国境管理が厳しくなったことで、テロ組織が欧米在住者を頼り、触発するようになったようだ」とまとめました。

ISの命令で、日本人が日本国内でテロを起こす。あまり想像しにくい話ですが、実際に日本が対テロ戦争に参戦すれば、いわゆる「テロリスト」側との距離もこれまでより近くなり、より親近感、シンパシーを抱くようになる人も増えるでしょう。2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開かれますが、のんきに楽しんでばかりいられないかもしれません。

何と言っても日本には、電源喪失だけで巨大事故に至る原発が54基もありますからね。

■失敗に学べない日本…東京五輪・新国立競技場問題で森まゆみさんにインタビュー!

昨日は岩上さんが、東京オリンピック・パラリンピックのメインスタジアムとなる新国立競技場建設問題について、「神宮外苑と国立競技場を未来へ手渡す会」の共同代表で作家の森まゆみさんにインタビューをしました。

東京五輪のメイン会場となる新国立競技場の建設費が、試算されていた1625億円では収まりきらず、2500億~3000億円にも膨れ上がることが判明しました。

焦った下村博文文科相は東京都に500億円の負担を求め、舛添要一都知事は激怒。舛添知事は会見で、「あの案(建築家のザハ・ハディド案)が難しすぎるっていうことでしょ? 難しいのをわかっていて、なんで採用したんですか?」と淡々と正論を述べ、無計画な新国立競技場建設計画を批判しました。

森まゆみさんはインタビューで、世界中のオリンピック・スタジアムの“失敗例”を紹介しました。

森さんによると、モントリオールでは当時“世界初”の開閉式の屋根の巨大競技場が計画されたが、建設費が当初予算の6倍に跳ねあがり、五輪の赤字は約10億ドル(現在の約1兆円)! 赤字はモントリオール市民らが30年にわたって税金で返済しました。

しかも五輪開催には間に合わず、大会の12年後にようやく完成。しかし25年間で数回しか開閉されなかった上に、雨漏りや部材落下等で観客が激減。この競技場を本拠地にしていた野球チームも撤退し、05年以降、ほとんど使われていないそうです。アテネでも北京でも、同様の衰退現象があったといいます。アテネ五輪の場合、この無理がたたって、現在の経済危機、国家が破綻するかどうかという瀬戸際に追い込まれるきっかけとなったそうです。

空前の財政赤字を抱える日本、大丈夫ですかね?

ちなみに、1984年のロサンゼルス五輪では、1932年のロス五輪で使用した競技場を改修活用するなどして支出をおさえ、空前の五輪黒字を出したそうです。なぜ、こういう時だけ、日本は米国を真似できないのか、ほとほと情けなくなります。

インタビューをお見逃しになった方は、是非、アーカイブでご覧ください。

IWJ一般会員であれば1ヶ月間、サポート会員であればずっと、インタビューアーカイブをご視聴いただけます。IWJの取材活動は皆さんのご支援で成り立っています。どうか、IWJをお支えください。

また、IWJ書店では、森まゆみさんサイン入りのご著書『異議あり! 新国立競技場――2020年オリンピックを市民の手に』の販売を開始しました!
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=125

こちらも会員さん限定販売のため、是非、会員さんにご登録のうえ、お買い求めください!

※会員登録はこちら
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php 

※寄付、カンパのお願いもしております。よろしくお願いします。ちょっとここのところ、ご寄付、カンパが湿りがちで、寒々しています。皆さんも色々と大変だとは思いますが、どうかカンパ抜きにはIWJは成り立たないことを、皆さん、時々は思い出してください。

http://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html 

今日の「シメ」は、本人の希望により、IWJのぎぎまき記者にお願いします。

■わとはぷのコーナー

途中出場ですが、今日のわとはぷはぎぎが担当させていただきます!

2014年夏、頭の上から氷水を浴びる「アイスバケツチャレンジ」が注目を浴びたことは記憶に新しいと思いますが、覚えていらっしゃいますか。このチャレンジは、筋萎縮性側索硬化症(ALS)という難病の周知と研究支援を目的に米国で始まったもので、指名された人間は、氷水を浴びるか100ドルをALS協会に寄付するか、または両方を行なうかを選択し、次の人を指名するというグローバルに展開されたアクションです。

氷水を浴びるという手法や限られた難病だけが取り沙汰されることについては賛否がありましたが、キャンペーンに参加した人は世界で2800万人以上と言われていて、米ALS協会は3週間で1,330万ドルを、日本でも1年間の募金額に指摘する394万円が集まったそうです。

そして、今日6月21日は「世界ALS/MNDデー」です。この病気の撲滅を願い、世界各地で啓蒙や寄付を募るイベントが開催されます。

ALSとは「医者が最もなりたくない病気の一つ」と言われ、患者の年齢が若ければ若いほど病状の進行が早いのが特徴。身体中のあらゆる筋肉が運動を止めるというこの病気は、患者から、周囲とのコミュニケーション手段を奪います。

症状が進行したALS患者は、眼球の動きや唇の動きで周囲に自分の意思を伝えますが、最終的にはまぶたさえ開かなくなり、いわゆる植物人間の状態に近くなります。

しかし、この病気が何よりもむごいのは、社会から完全に遮断された状態でも、人の声は聞こえ、喉も乾き、足もかゆいという、健常者と変わらない認知機能が正常に生きている点です。

日本では、30歳を目前にALSを発症した広告プランナーの藤田ヒロさんという男性が、ALS患者の境遇を変えるプロジェクト「END ALS」を始め、これまでも松田みゆきさんや歌手のAIさん、ロックバンド「RIZE」のJESSEさんなど多くの著名人も参加しています。NHK「ハートネットTV」もヒロさんに密着する丁寧な取材を続け、連続で放映しているのでご紹介します。

20150427HeartnetTV Breakthrough File28 広告プランナー ヒロ 難病ALSとの闘い 希望の力(30分)
http://www.dailymotion.com/video/x2o5bd9

IWJでも5月、「NO MUSIC, NO LIFE」の象徴であるヘヴィメタル界のギタリスト、ジェイソン・ベッカー氏が、ALSを発症した半生を描いた映画のトークイベントを取材しましたので、ぜひ、こちらもご覧ください!

「ALSと生きる『ジェイソン・ベッカー NOT DEAD YET ~不死身の天才ギタリスト~』上映&ダイアログ」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/246693

今、日本は、戦争ができる国になるかならないか、という大転換期に立たされていますが、世の中には、今日を生きることで精一杯な人が大勢いることを実感します。IWJでも取材を続けている子宮頸癌ワクチンもそうです。原発被災者、子どもの貧困、介護難民といった問題も山積している中で、「戦争」の環境を作り出す行為がいかに愚かで侮辱的なことか。。。

梅雨も本格化し、今日もジメジメした1日になりそうですが、明るくいきましょう! よろしくお願いします。

IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
岩上安身サポーターズクラブ事務局
公式サイト 【 http://iwj.co.jp/

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