┏━━【目次】━━━━
┠■はじめに~冬を目前にロシア軍が「過去最大規模の攻撃」でウクライナの火力発電所を次々と爆撃! ウクライナ唯一の国営電力会社セントエネルゴは、同社が所有する3つの火力発電所のすべてが停止し、「発電はゼロです。ゼロです!」と投稿! ウクライナ全土で停電が発生!! またしてもウクライナ側は、ロシアがウクライナの原発を標的にしたと批判! ロシア側は英国のシンクタンクが原発事故を起こしてロシアの責任にしようとしていると反論! 実はロシアが攻撃しているのは、原発と主要都市を結ぶ750kVの大動脈ではなく、末端の電力網! ロシアはウクライナをブラックアウトさせるのではなく、消耗を強いる戦略か!?
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┠■11月になり、IWJの第16期は4ヶ月目となりました! 10月は114万1500円のご寄付・カンパをいただきました。しかし、月間目標額の67%、235万8500円が不足することになりました。これで3ヶ月連続の未達です! 11月は1日から11日までで、月間目標額の39%に相当する、10件、137万2140円のご寄付・カンパをいただいています。月間目標額を達成するためには、あと61%、212万7860円が必要です! 財政的にはとても厳しい状況が続いています。真実を伝えていく活動の困難を痛感しています! 有料会員登録と、ご寄付・カンパによるご支援を、どうぞ皆様、よろしくお願いいたします!
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┠■【中継番組表】
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┠■エコノミスト・田代秀敏氏が、円安・インフレ下での「高市トレード」は日本人をどんどん貧しくさせていると指摘! さらに高市政権の「積極財政」は株価暴落のカウントダウンであると警告! 高株価の「サナエノミクス」に浮かれていていいのか!?
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┠■【本日のニュースの連撃! 2連弾!】
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┠■【第1弾! 兵庫県警が「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首を逮捕・送検! 兵庫県警は立花氏が10月にドバイに渡航したことを「逃亡や証拠隠滅する恐れがある」として、「名誉毀損の疑い」では異例の身柄拘束!!】(『ABCニュース』、2025年11月10日)
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┠■【第2弾! 高市早苗総理の「存立危機事態」発言に、中国外交部が「台湾海峡への武力介入の可能性をほのめかした」と猛反発し、日本政府に抗議! 中国の薛剣(せつ けん)駐大阪総領事は、X(旧ツイッター)に、「勝手に突っ込んできたその汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやるしかない。覚悟ができているのか」と投稿! 日本政府が抗議し、削除させる事態にまで進展!】(中国外交部、2025年11月10日)
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┠■<IWJ取材報告>海渡雄一弁護士「原判決には、原子力基本法第2条(原子力の平和利用・安全確保)の解釈に関する重大な誤りがある!!」~11.6 東電株主代表訴訟弁護団事務局上告理由書提出記者レク(電株主代表訴訟)―登壇:河合弘之弁護士、海渡雄一弁護士、甫守一樹弁護士、大河陽子弁護士、原告ら(申立人)
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■はじめに~冬を目前にロシア軍が「過去最大規模の攻撃」でウクライナの火力発電所を次々と爆撃! ウクライナ唯一の国営電力会社セントエネルゴは、同社が所有する3つの火力発電所のすべてが停止し、「発電はゼロです。ゼロです!」と投稿! ウクライナ全土で停電が発生!! またしてもウクライナ側は、ロシアがウクライナの原発を標的にしたと批判! ロシア側は英国のシンクタンクが原発事故を起こしてロシアの責任にしようとしていると反論! 実はロシアが攻撃しているのは、原発と主要都市を結ぶ750kVの大動脈ではなく、末端の電力網! ロシアはウクライナをブラックアウトさせるのではなく、消耗を強いる戦略か!?
おはようございます。IWJ編集部です。
ロシア軍は、11月7日夜から8日未明にかけて、ウクライナに対し、紛争勃発以来、過去最大となる全土への爆撃を行いました。ロシアは今秋、ウクライナのエネルギーインフラへの攻撃を激化させてきました。10月3日と5日に行われた過去最大の攻撃では、ウクライナのガス生産施設の約60%が壊滅しています。今回は、主として、火力発電所などの電力関連施設が標的となりました。
※ロシア軍は、米露会談の見込みがなくなった10月下旬に攻撃を再強化、クピャンスクとポクロフスクはすでに事実上陥落、リマン、セヴェルスク、コンスタンチノフスカなど接触線上の諸都市も時間の問題か!? ロシア軍はウクライナのエネルギーインフラへの攻撃も強化! 停電が続き、ガス施設の60%が稼働していないウクライナは、この冬を乗り切れるのか!? プーチン大統領は、ウクライナや西側諸国のジャーナリストを最前線に招待! ロシア軍は、戦場での勝利と同時に、西側のプロパガンダ戦に対する勝利も宣言!!(日刊IWJガイド、2025年11月4日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20251104#idx-1
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/55207#idx-1
ウクライナの『キエフ・インディペンデント』の11月8日付記事によれば、ウクライナのスビトラナ・フリンチュク・エネルギー相は、2022年2月にロシアが本格的な侵攻を開始して以来、今回の空爆を、「エネルギー施設に対する最大規模の直接的な弾道ミサイル攻撃のひとつ」と呼びました。
ロシア側は、ウクライナへの大規模攻撃は、ウクライナの兵器生産およびエネルギー施設に対するものだと説明しています。厳しい冬の訪れを目前にして、全土を停電に追い込み、戦争にふり向ける力を奪おうとする目的でしょう。
※Kyiv faces over 12 hours of emergency power cuts following ‘one of the largest’ Russian attacks on Ukraine’s energy infrastructure(The Kyiv Independent、2025年11月8日)
https://kyivindependent.com/drone-attack-sparks-fires-in-kyiv-russia-launches-massive-attack-on-ukrainian-energy-infrastructure/
ロシア軍は2022年の侵攻以来、繰り返し、ウクライナのエネルギー施設を攻撃してきました。ロシア軍によるウクライナのエネルギー施設への攻撃には、軍事的、心理的、政治的な目標が複合していると思われます。
軍事的な狙いとしては、兵器工場への電力供給を断ち、新たな兵器の製造や修理を妨害すること。ウクライナの電化された鉄道を止め、兵站を妨害すること。通信網を停止させ、ウクライナ軍の指揮系統を混乱させること。破壊されたインフラの修理や再建で、ウクライナの国力を消耗させることなどが考えられます。
心理的な狙いとしては、厳しい冬を前に、電力が絶たれれば、暖房、電気で動く給水システム、交通網などが停止し、市民生活の基盤が損なわれ、ウクライナ国民の士気が削がれることがあげられます。
政治的な狙いとしては、ウクライナ国民の厭戦気分を高め、ゼレンスキー政権への支持を低下させることが考えられます。
しかし、いずれにしても、ウクライナ側は早ければ1ヶ月ほどで発電所や送電網を復旧させるでしょうから、戦場での勝敗に、直接的で決定的な役割を果たすものとはいえません。ウクライナ側も、西側諸国から提供された長射程ミサイルなどを用いながら、ロシア領内のエネルギー施設や鉄道を攻撃しています。このウクライナ側の攻撃によって、ロシア側が受けたダメージをクローズアップし、「ロシア崩壊」などと、ミスリードし続けるメディアは、日本を含む西側ではあとを絶ちません。
では、ロシアによるウクライナのエネルギー施設への攻撃の狙いと効果は、ウクライナ側の攻撃とどう違うのでしょうか。
同『キエフ・インディペンデント』によると、今回、ロシアは、ウクライナ中部のキエフ州、ポルタヴァ州、ドニプロ州、チェルニーヒウ州から、北東部のハリコフ州、スムイ州、南部のオデッサ州にわたるまで、広範囲に攻撃をかけました。
後述するように、ウクライナ西部の、リウネ原子力発電所とフメリニツキー原子力発電所周辺にも、攻撃をかけたとされています。
ロシア軍は、一夜にして、ドローン458機と巡航ミサイルと弾道ミサイル45発を、ウクライナの標的に向けて発射しました。ウクライナ空軍は、ドローンの406機とミサイルの9発を撃墜したと発表しました。
ロシア軍は、大量のドローンを飛ばしてウクライナの防空システムを混乱させ、無駄弾を撃たせて消耗させ、その隙に破壊力のある弾道ミサイルなどを目標に撃ち込むという飽和攻撃を戦術としており、エネルギー関連施設への攻撃でも成果を上げています。
キエフ市とキエフ州は緊急停電に見舞われ、ウクライナ国営電力会社で送電線網を管理するウクルエネルゴは、ウクライナの複数の地域で緊急停電が実施されたと発表しました。
ウクライナ最大の民間エネルギー企業DTEKは11月8日、ロシアの攻撃により、自社の火力発電所の一つが「深刻な被害」を受けたと発表しました。
ウクライナ国家非常事態当局は、弾道ミサイル攻撃によりオデッサ州のエネルギーインフラが攻撃されたと報告しています。
ウクライナのメディアである『ウクラインスカ・プラウダ』は、11月8日付で、「ウクライナ最大の電力会社のひとつであるセントエネルゴは、同社が運営する3つの火力発電所のすべてが、『ロシアによる過去最大規模の攻撃』を受けて停止したことをフェイスブックで発表した」と報じました。セントエネルゴは、ウクライナの唯一の国営エネルギー会社です。
セントエネルゴ「(ロシアの攻撃によって火力発電所が)停止しました…発電はゼロです。ゼロです!(10月の攻撃で破損して以来)24時間体制で再建したものが、すべて消失しました。完全に!」
セントエネルゴは、ウクライナの総発電量の約8%のシェアを占めており、火力発電のシェアは約18%に達しています。
※”Energy generation now at zero”: Russia delivers heaviest strike on Ukrainian thermal power plants(Ukrainska Pravda、2025年11月8日)
https://www.pravda.com.ua/eng/news/2025/11/08/8006464/
11月9日付『キエフ・インディペンデント』によると、セントエネルゴは、キエフ州のトリピリア、ハルキウ州のズミイフスカ、ドネツク州のヴフレヒルスカの3つの火力発電所を運営しており、これらが実質的に同社の全資産となっています。その3つの火力発電所すべてが、「消失」した、というのです。被害の大きさがうかがわれます。
セントエネルゴ「安全上の理由から、我々は沈黙を守ったが、ウクライナ国民が電気と暖房でこの冬を乗り切り、地獄のような困難を乗り越えて現在の暖房シーズンを無事に始められるよう、あらゆる努力をした。(中略)
前回の攻撃からまだ1ヶ月も経っていないのに、昨夜、敵は再び我々の発電施設すべてを同時に攻撃した」
セントエネルゴのフェイスブックにおける発表は、何度、「24時間体制で、再建」しても、また破壊されるだろう、という絶望感も漂ってきます。同時に、ウクライナの電力供給は、ここまで危機に瀕しているのだということを、もう隠せない、叫ばずにいられない、という切迫感も伝わってきます。
※Ukraine’s state-owned energy company says all of its power plants are down after Russia’s ‘largest-ever attack’(The Kyiv Independent、2025年11月9日)
https://kyivindependent.com/all-ukraines-state-owned-thermal-power-plants-stop-working-after-russias-largest-ever-attack/
ウクライナのアンドリー・シビハ外相は11月8日、11月7日から8日にかけての夜間に、ロシア軍がフメリニツキー原子力発電所とリウネ原子力発電所に電力を供給する変電所を標的として攻撃した、と非難しました。『キエフ・インディペンデント』が8日付で報じています。
ただし、これらの原子力発電所の稼働に何らかの支障があったという報告は、まだありません。
※Russia targeted substations powering nuclear plants during large-scale overnight energy attacks, Sybiha says(The Kyiv Independent、2025年11月8日)
https://kyivindependent.com/russia-targeted-substations-that-power-nuclear-power-plants-during-large-scale-overnight-attacks-sybiha-says/
シビハ外相は11月8日、ロシアは意図的に欧州の原子力安全を危険にさらしていると、X(旧ツイッター)に投稿しました。
シビハ外相「今日の攻撃で、ロシアは再びフメリニツキー原子力発電所とリウネ原子力発電所に電力を供給する変電所を標的としました。
これらは偶発的なものではなく、綿密に計画された攻撃でした。ロシアは意図的に、ヨーロッパの核の安全性を危険にさらしています。(後略)」
つまり、ロシア軍は、ウクライナの原発への外部電力の供給を止めて原発事故へと導き、欧州を放射性物質で汚染しようとしている、という主張です。西側の世論に訴えようとしていることは、明らかです。
※ウクライナのアンドリー・シビハ外相のXへの投稿(2025年11月9日)
https://x.com/andrii_sybiha/status/1987251530144096691
ウクライナ側が、ロシアが原子力発電所を攻撃していると主張するのは、今回が初めてではありません。
ウクライナ側は、「ロシアが原発事故を起こそうとしている」と非難し、ロシア側は、「西側諸国が、ウクライナを利用してウクライナの原発事故を起こし、それをロシアのせいにしようとしている」と主張しています。
ウクライナにある原発が破損されて、深刻な事故(シビア・アクシデント)を起こせば、隣接するベラルーシや、ウクライナ(ロシアが制圧した地域を含む)に居住しているロシア系住民、そしてロシア西部地域にも深刻な影響が出ることは確実です。
1986年に起きたチェルノブイリ原発事故では、ウクライナ国内はもちろんですが、風下にあったベラルーシやロシア西部にも、甲状腺癌、白血病、心筋・血管障害や新生児の奇形など、放射線被曝による深刻な健康被害が出ています。
チェルノブイリ原発事故の対応をソ連から引き継いだウクライナは、2006年の時点でも、「チェルノブイリ関連の給付金やプログラムに、政府支出全体の5%から7%を充てている」と、米国政府説明責任局(GAO)が報告しています。
放射能汚染は、農業に対する影響はもちろん、国際的にも「汚染国」と見なされ、農作物の輸出だけでなく、投資や観光にも悪影響を及ぼします。ウクライナ経済にとっても、チェルノブイリ原発事故は「見えない足かせ」となってきたのです。
ウクライナでもし再び原発事故が起これば、ロシア側にとっても深刻な健康被害の影響が及ぶリスクがあり、ウクライナにとっても、国家運営が破綻するほどの影響が及ぶリスクがあります。
実際、ソ連における情報統制下では、チェルノブイリ原発事故の被害の実態は公表されず、国内だけでなく、国際的にも問題視されました。当時のゴルバチョフ政権(85年~)は、対応策としてペレストロイカ(変革、改革)を打ち出し、その筆頭項目として、グラスノスチ(情報公開)を掲げました。その結果、チェルノブイリ原子力事故の詳細が国内外に知れ渡り、同時にソ連が抱えていて、公にしなかった様々な社会問題も明るみに出て、ソ連における共産党一党独裁支配体制は、事故が起きてから、数年で崩壊に至りました。
原発への攻撃は、どちらかが仕掛けているとしても、ウクライナにとっても、ロシアにとっても破滅的な攻撃です。
原発事故が、政治体制の崩壊に直結することを、政治経験の浅いゼレンスキー指導部がどこまで理解しているかはともかく、ゴルバチョフ政権末期には、政界入りしていて、リアルタイムで知っているプーチン大統領の政権が、理解していないはずはありません。
※NUCLEAR SAFETY Construction of the Protective Shelter for the Chernobyl Nuclear Reactor Faces Schedule Delays, Potential Cost Increases, and Technical Uncertainties(GAO、2007年7月)
https://www.gao.gov/assets/gao-07-923.pdf
これまでも、ロシア軍が占拠しているザポリージャ原発への攻撃で、ロシアとウクライナが、お互いの責任を批判しあってきました。西側の主流メディアは、ウクライナ側の主張をそのままたれ流してきましたが、ロシア軍が自ら占拠している原発に、別のロシア軍部隊が攻撃をかけるという、ウクライナ側の主張はまったくつじつまがあわないと、IWJは再三、指摘してきました。実際、ロシア軍内部でクーデターが起こった、などという報道は、一切存在していません。
ロシア軍が、ロシア軍の確保している原発を攻撃するという矛盾は、当時から、おかしいと指摘してはきましたが、そのおかしな攻撃を引き起こした「主犯」が誰なのかは、我々もわからず、ロシア側も、発表してきませんでした。
しかし、今回、ロシアは計画を立案した「主犯」を特定して批判しました。
11月8日付『RT』によれば、ロシア対外情報局(SVR)は、「多数の犠牲者を出す大規模な破壊行為の責任を、ロシアになすりつけようとしている」と、英国のシンクタンク・チャタムハウス(王立国際問題研究所)を名指しで批判しました。
ロシア対外情報局は、チャタムハウスが「欧州最大の原子力発電所であるザポリージャ原子力発電所において、炉心のメルトダウンにつながる事故を起こすことを検討」し、すでにキエフが実効支配している地域、およびウクライナ西部国境付近のEU加盟国の住民が「放射性物質の拡散地域に入ることも予測している」と指摘しました。
ロシア対外情報局によれば、チャタムハウスは、西側諸国の国民が「間違いなくキエフ側に立つ」ように仕向けるために、「このような計画を実行する上で最も難しいのは、大惨事の責任をロシアに帰属させる方法を決定することだ」と述べています。
ロシア対外情報局は、「西側諸国は集団で、キエフ政権の犯罪をロシアのせいにし、ロシア嫌いの政策と戦争煽動の試みを正当化するために、再びウクライナ国民と西側諸国の国民を欺き、殺害することさえ辞さない構えだ」と分析しています。
ロシア対外情報局が入手した情報の真偽を、現時点で検証することは容易ではありません。ロシアのプロパガンダに過ぎない、という反論が、当事国の英国を中心に西側から出てくることは、目に見えています。
しかし、単なる創り話のプロパガンダならば、最初にザポリージャ原発が攻撃を受け、西側でも大騒ぎとなった当時に、すぐ、カウンターとして出していたことでしょう。現時点では西側の関心は薄れ、プロパガンダとしての効果は半減しています。
また、ウクライナ国内で、第2の原発事故を起こそうという、悪意ある発想は、ロシアによるものでも、ウクライナによるものでもなく、まさにウクライナを利用してロシアを弱体化しようとする勢力によるものだと考えれば、筋は通ります。少なくとも、ロシア軍が、ロシア軍の確保している原発を攻撃しているという、滑稽で、半ば妄想的な、現実離れした説よりは、はるかに説得的です。
もちろん、これが事実であれば、英国のこの謀略は、戦略的合理性があるとはいえ、非人道的で、「悪魔的」であるとすら言えます。
米国とソ連が覇権を争う前、大英帝国が覇権国だった19世紀、ユーラシア大陸の中央部(地政学ではハートランドと呼ぶ)の覇権争奪をめぐって、英露が1世紀に渡り、謀略戦を含めて戦った「ザ・グレート・ゲーム」の時代がありました。
それが米露の対立に引き継がれています。そうした長年の英露対立の因縁の深さを考慮しても、「英国主犯説」が事実ならば、とてつもない悪意であると言わざるをえません。
※West planning major sabotage at Zaporozhye nuclear plant – Moscow(RT、2025年11月8日)
https://www.rt.com/russia/627411-nato-sabotage-nuclear-plant-kiev/
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■11月になり、IWJの第16期は4ヶ月目となりました! 10月は114万1500円のご寄付・カンパをいただきました。しかし、月間目標額の67%、235万8500円が不足することになりました。これで3ヶ月連続の未達です! 11月は1日から11日までで、月間目標額の39%に相当する、10件、137万2140円のご寄付・カンパをいただいています。月間目標額を達成するためには、あと61%、212万7860円が必要です! 財政的にはとても厳しい状況が続いています。真実を伝えていく活動の困難を痛感しています! 有料会員登録と、ご寄付・カンパによるご支援を、どうぞ皆様、よろしくお願いいたします!
第16期がスタートした8月は、ご寄付・カンパによるご支援は、月間目標額の16%、9月は14%にとどまりました。10月は、1日から31日までの31日間で、59件、114万1500円のご寄付・カンパをいただいています。これは、月間目標額350万円の33%にあたります。ご支援くださった皆様、本当にありがとうございます。しかし、67%、235万8500円が不足することになりました。これで3ヶ月連続未達です。厳しい状況に変わりはありません。
また、11月は1日から11日までで、月間目標額の39%に相当する、10件、137万2140円のご寄付・カンパをいただいています。ありがとうございます。あと61%、212万7860円のご寄付・カンパをたまわれば、今月は月間目標額に達することになります! どうぞよろしくお願いいたします!
IWJを2010年にスタートさせてからのこの15年間、あるいはそれ以前から、私、岩上安身は、機会があるごとに米国の従属国の地位に甘んじることの危険性に、絶えず警鐘を鳴らしてきました。
自民党の新総裁、そして第104代の内閣総理大臣に高市早苗氏が就任することが決まりました。
中国との戦争の話を絶えず繰り返し、「米軍が中国軍の矢面に立つのではなく、まず日本が正面に立つ」などということまで、テレビの地上波で発言してきた高市早苗氏が総理に決まって、いよいよ日本が「代理戦争」の捨て駒となる懸念が、今、まさに現実化しつつあるのを痛感しています。
また、外交・安全保障分野で、まったく政治家としてのキャリアを積んでいない高市氏が、トランプ大統領との初会談で、報道陣の前で腕を組んだり、はしゃいだり、米国に頼りきった媚びる態度に終始したことも、強い懸念と落胆を覚えます。
東西冷戦の終わりによって、世界大戦の危機、とりわけ核戦争の危機は遠ざかったと安堵して、約35年が経ちますが、現在、冷戦後で最も戦争の危機が近づいていると感じられます。
軍事力を支える、肝心の工業力が空洞化してしまっている米国にのみ頼り、米国の戦略に従って、対中国との戦争の矢面に立て、と言われて、「代理戦争」の駒とされる、そんな危機に直面しているのに、政府も、与野党も、メディアも、いつまでも、現実を否認しているように感じられます。
今、日本に必要な指導者は、米国に依存し、虎の威を借りる好戦的な指導者ではなく、戦争回避能力に長けている、外交力のある指導者です。核保有国に対して通常戦力で挑もうとするような、勇ましい言葉を吐く指導者ではありません! 日本を第2のウクライナに、日本の首相を第2のゼレンスキーにしてはいけないのです!
国難は避けられない、としても、大難を小難にとどめることはできるはずです。日本が対米自立を果たし、「敵国」ばかりになっている周辺国と和解して、各国と平和条約を結び、「敵」と戦うのではなく、「敵」と和解して、「敵」を消し去ることができるかどうか。
対米自立と、周辺国との自力での平和構築に失敗すれば、日本は、大きな試練に直面します。平和の上にしか、国家としての繁栄も、国民としての日々の穏やかな暮らしも、築くことができません。
間に合うでしょうか。懸念は尽きません。
肝心なことは、リアルな現実をまず直視することです。大小問わず、ほとんどのメディアが、現実直視を避けています。
IWJは現実を直視し、お伝えし続けています。しかし、現実は苦いものです。苦い現実を直視したくない心理が働くからこそ、甘い嘘をつくプロパガンダに人は飛びつき、騙されてしまうのです。
ウクライナ紛争以降は、特に、西側諸国はプロパガンダの洪水が続いているような状態です。
我々はプロパガンダの波にのまれることなく、ジャーナリズムの本道を歩み、リアルを伝えるという、当然のことを、貫いていきます!
そうやって、苦いリアルな現実を直視した上で、なお、前向きな希望を信じる力が残っているかどうかが問われています。
IWJは、厳しい経営が続いています。そのIWJの行方は、リアルと対峙してなお希望をもてるかどうかだと思います。
市民メディアであるIWJの活動運営費は、約半分が、会員の皆様からの会費によって支えられています。残りの約半分が、ご寄付・カンパによって支えられています。特定のスポンサーをつけず、スポンサーの意向に左右されることもありません。
困難は、迫ってきています。向こう数年以内が、東アジアにおいて、日本が、「代理戦争」の駒として使われてしまうかどうかの正念場です! そうした事態は、絶対に回避しなければなりません!
そのリスクは、高市氏が総理大臣となり、小泉進次郎氏が防衛大臣となったことで加速する可能性があります!
今期16期もIWJは、日本だけでなく、西側に広がるプロパガンダにのみこまれず、真実をお伝えしていきたいと思います!
どうぞ、緊急のご支援のほど、よろしくお願いいたします!
岩上安身 拝
※以下は、IWJの活動へのご寄付・カンパを取り扱っております金融機関名です(各金融機関ごとに口座名が非統一ですが、どれも、各銀行の仕様に従ったもので、間違いではありません)。どうぞ、ご支援のほどよろしくお願いします!
みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル
城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル
ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
IWJホームページからも、お振り込みいただけます。
※ご寄付・カンパのお願い
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html
※会員の再開、新規会員登録はこちらからお願いします。
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年会費をまとめてお支払いいただければ、12ヶ月中2ヶ月分がサービスとなります。即ち、一般会員が月1100円で、年間だとその12ヶ月分1万3200円のところ、一括払いなら、1万1000円(消費税込み)となります。
同じくサポート会員が、1ヶ月3300円で、毎月支払ってゆくと、12ヶ月で3万9600円のところ、一括払いですと、3万3000円(消費税込み)ですみます! 2ヶ月分おトクです! ぜひ、ご検討ください!
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◆中継番組表◆
**2025.11.12 Wed.**
調整中
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◆中継番組表◆
**2025.11.13 Thu.**
調整中
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◆昨日アップした記事はこちらです◆
海渡雄一弁護士「原判決には、原子力基本法第2条(原子力の平和利用・安全確保)の解釈に関する重大な誤りがある!!」~11.6 東電株主代表訴訟弁護団事務局上告理由書提出記者レク(電株主代表訴訟)―登壇:河合弘之弁護士、海渡雄一弁護士、甫守一樹弁護士、大河陽子弁護士、原告ら(申立人)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/529593
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■エコノミスト・田代秀敏氏が、円安・インフレ下での「高市トレード」は日本人をどんどん貧しくさせていると指摘! さらに高市政権の「積極財政」は株価暴落のカウントダウンであると警告! 高株価の「サナエノミクス」に浮かれていていいのか!?
10月21日に高市早苗氏が内閣総理大臣に就任すると、日経平均株価は、27日(月)に初めて5万円を超え、10月3日から10月末の31日までの20取引日の間に6641.84円、14.51%上昇しました。
この日経平均株価の急上昇「高市トレード」に対して、「サナエノミクス」を市場が好感した、という楽観が高い支持率に現れましたが、懐疑的な見方も次々に出てきています。
高市政権は、物価対策として、ガソリン税減税や高校無償化、所得税のかかる「年収の壁」の追加見直しなど、減税政策を掲げています。
他方で、石破前政権時代に、トランプ大統領に約束した「ローリターン」の対米80兆円投資や、防衛費増額も、総理就任後早々に、見直すことなく履行を決めています。
高市政権では、歳出拡大は不可避です。
『日刊IWJガイド』11月10日号でお伝えしたように、インフレと円安の状況下において行う高市政権の「積極財政」では、成長する日本経済によって、投資 → 生産 → 所得増 → 消費 → 再投資の拡大再生産好循環を作り、税収をあげることはできません。その目的は、米国に対しての「責任」を果たすことであり、米国を潤すための「アメリカ・ファースト」の「積極財政」でしかありません。
これでは、問題をより悪化させるほかありません。
※【第1弾!「責任ある積極財政」を掲げておきながら、高市早苗総理が「単年度のプライマリーバランス黒字化目標取り下げ」を明言! にもかかわらず「成長率の範囲内に債務残高対GDP比を抑える」との、またしてもの詭弁に、立憲民主党の本庄知史政調会長は「インフレ下ではGDPがどんどん大きくなり、特段の財政健全化努力をしなくても債務残高対GDP比が改善される」と指摘! 財政健全化目標の放棄と放漫財政を懸念!】(衆議院予算委員会、2025年11月7日)(日刊IWJガイド、2025年11月10日)
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『週刊現代』11月24日号で、岩上安身のインタビューでIWJでもお馴染みのエコノミストでテラ・ネクサスCEOの田代秀敏氏は、高市政権の「積極財政」の根本的な問題を、英国のリズ・トラス元首相の「トラス・ショック」の再現と見て、次のように、述べています。
「円安を放置したまま、減税とバラマキ政策を続ければ、円は信認を下げます。財源の裏付けのないまま、大規模な減税策を打ち出した結果、金利が急騰し、英ポンドが大暴落してわずか49日間で政権が崩壊した『トラス・ショック』が日本でも起こるのではないか。実際、円相場は1ドル=153円前後になり、160円がふたたび見えてきました。(後略)」(『週刊現代』11月14日号pp.13-14)
田代氏は、この円安の性格を非常に深刻なものだとして、11月10日付の自身の『note』で、こう述べています。
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■【本日のニュースの連撃! 2連弾!】
■【第1弾! 兵庫県警が「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首を逮捕・送検! 兵庫県警は立花氏が10月にドバイに渡航したことを「逃亡や証拠隠滅する恐れがある」として、「名誉毀損の疑い」では異例の身柄拘束!!】(『ABCニュース』、2025年11月10日)
政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首が、11月9日、名誉毀損の疑いで兵庫県警に逮捕され、10日、神戸地検に送検されました。
昨年3月に、兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラや企業への「おねだり」など、7項目を告発した文書が出回った問題で、兵庫県議会は、この告発文書問題を調査するために百条委員会を設置しました。
この百条委員会で委員を務めていた竹内英明元県議が、今年1月18日に死亡しました。
立花氏は、昨年11月に行われた兵庫県知事選挙に出馬し、街頭演説や自身のYouTube、X(旧ツイッター)の投稿などで、竹内氏が斎藤知事を陥れようとする「黒幕の一人」と名指しで批判していました。
竹内氏は、SNSなどでの誹謗中傷に悩んでいたといわれ、兵庫県知事選で斎藤知事が再選された直後に県議を辞職しました。
その後も立花氏は、昨年12月に行われた大阪府の泉大津市長選に立候補し、街頭演説やYouTubeなどで、竹内氏について、「警察の取り調べを受けているのは、たぶん間違いない」などと発言。さらに竹内氏が死亡した直後の今年1月19日、20日には、「どうも明日、逮捕される予定だった」と、川越市議会議員補欠選挙での応援演説や、YouTubeやXへの投稿などで発言していました。
兵庫県警は、1月20日に行われた県議会の警察常任委員会で、立花氏が語った「竹内英明元県議が捜査されており、逮捕直前だった」との発言について、本部長が「まったくの事実無根で、明白な虚偽」だと否定しました。
この兵庫県警の発表を受けて、立花氏はYouTubeで誤りを認め、謝罪しています。
※「財務省解体デモ」現場近くの路上で襲撃され深手を負った立花孝志氏に、岩上安身が事件後、最初の独占単独インタビュー!! 立花氏は「原因を作ったのは、『報道特集』では!?」とメディアの偏向報道が「テロリスト」を生む恐怖を激白!~岩上安身によるインタビュー第1186回ゲスト 立花孝志氏(NHK党党首)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/526915
しかし、竹内氏の妻は、「夫の尊厳を守りたい」として、立花氏を名誉毀損で告訴し、今年6月に受理されていました。
告訴の受理を受けて立花氏は、記者会見で「名誉毀損したことは争わないが、十分、違法性が阻却されるだけの根拠をもって発言している」と主張していました。
立花氏の逮捕・送検について、11月10日付『ABCテレビニュース』は、「これまで、『複数の情報源がいる』と話していた立花氏ですが、捜査関係者によりますと、県警は、その情報源となった複数の人物に対しても、任意で事情聴取を重ね、その結果、立花容疑者は、根拠なく発信した疑いがあるということで、今回逮捕に踏み切った」と報じています。
※元兵庫県議への名誉棄損容疑で逮捕されたN党・立花孝志容疑者、問われる主張の根拠 県警は”情報源”も捜査 識者「SNSや県議から見聞きしたでは通らない」【専門家解説】(ABCニュース、2025年11月10日)
https://youtu.be/97zBbR9zEow
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■【第2弾! 高市早苗総理の「存立危機事態」発言に、中国外交部が「台湾海峡への武力介入の可能性をほのめかした」と猛反発し、日本政府に抗議! 中国の薛剣(せつ けん)駐大阪総領事は、X(旧ツイッター)に、「勝手に突っ込んできたその汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやるしかない。覚悟ができているのか」と投稿! 日本政府が抗議し、削除させる事態にまで進展!】(中国外交部、2025年11月10日)
高市早苗総理が、11月7日の衆院予算委員会で、「(台湾有事で)北京政府が戦艦を使って、武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になりうるケースだと私は考える」と発言したことに対し、中国側が猛反発を示しました。
※【高市早苗総理が台湾有事をめぐり、「北京政府が戦艦を使って、武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になりうるケースだ」と表明! 存立危機事態であれば、集団的自衛権での武力行使も可能に!】鳩山由紀夫元総理は、「あくまで台湾は中国の内政問題であり、日本が関わってはならない」と警告!(参議院予算委員会、2025年11月7日)(日刊IWJガイド、2025年11月10日)
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中国外交部(外務省)の林剣(りん けん)報道官は、11月10日定例記者会見で、香港メディアの記者からの「日本が存立危機事態と判断した場合、自衛隊は集団的自衛権を行使することができますが、中国側はこれ(高市総理の発言)について、どのような見解をお持ちか?」との質問に、次のように答えました。
「日本の指導者が先日、国会で台湾に関する誤った発言を公然と行い、台湾海峡への武力介入の可能性をほのめかしました。
これは、中国の内政に対する乱暴な干渉であり、『ひとつの中国』原則や、中日間の4つの政治文書(1972年の日中共同声明、1978年の日中平和友好条約、1984年の日中政府間共同声明、1998年の日中政府間共同声明)の精神、さらに国際関係の基本的な準則に著しく反するもので、日本政府がこれまで行ってきた政治的な約束にも、重大に矛盾しています。その性質と影響は、極めて悪質です。
中国側は、これに強い不満と断固たる反対を表明し、日本側に対して厳正な申し入れと強い抗議を行いました。
台湾は、中国の台湾であり、いかなる方法で台湾問題を解決し、国家統一を実現するかは、完全に中国の内政であって、いかなる外部勢力の干渉も許しません。
日本側の指導者は、今回の発言で、『台湾独立』勢力に、いかなるシグナルを送ろうとしているのでしょうか。中国の核心的利益に挑戦し、中国統一の大業を妨害しようとしているのでしょうか。日本側は、いったい中日関係をどこへ導こうとしているのでしょうか。
今年は、中国人民抗日戦争および世界反ファシズム戦争の勝利80周年であり、同時に台湾光復(台湾が日本の植民地支配から解放されたこと)80周年でもあります。
かつて日本は台湾を植民地支配し、筆舌に尽くしがたい罪を犯しました。日本の為政者が台湾海峡問題に介入しようとするのは、国際的正義への冒涜であり、戦後の国際秩序への挑発であり、中日関係を深刻に損なう行為であります。
中国は、必ず統一を実現します。中国人民には、いかなる干渉や妨害の企ても粉砕する堅固な意志、十分な自信、そして十分な能力があります。中国側は日本側に対し、直ちに中国の内政への干渉をやめ、挑発と一線を越えることをやめ、誤った方向へこれ以上進まないよう、強く求めます」。
※林剣報道官定例記者会見(中華人民共和国外交部、2025年11月10日)
https://www.mfa.gov.cn/web/fyrbt_673021/202511/t20251110_11749991.shtml
★日本政府の公式文書であり、中国外交部がたびたび持ち出す1972年の「日中共同声明」は、日中国交正常化の際、当時の田中角栄総理と周恩来首相との間で合意、署名された文書であり、この声明をもとに、1978年に日中平和友好条約が締結されています。戦後の日中関係を基礎づける重要な声明であり、そこには以下のように書かれています。
「日本国政府は、中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを承認する。
中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第8項にもとづく立場を堅持する」。
※日本国政府と中華人民共和国政府の共同声明(外務省)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/china/nc_seimei.html
一読してわかる通り、ポツダム宣言を受託して、第2次世界大戦を終結させた日本が、その条項に従った上で、台湾が中共の領土の不可分の一部であることに正式に同意したこの共同声明を覆すことは、日中関係をすべて御破算にし、終戦までも覆して、日中を戦時状態にまで引き戻すことを意味します。
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■<IWJ取材報告>海渡雄一弁護士「原判決には、原子力基本法第2条(原子力の平和利用・安全確保)の解釈に関する重大な誤りがある!!」~11.6 東電株主代表訴訟弁護団事務局上告理由書提出記者レク(電株主代表訴訟)―登壇:河合弘之弁護士、海渡雄一弁護士、甫守一樹弁護士、大河陽子弁護士、原告ら(申立人)
11月6日午後1時30分より、東京都・司法記者クラブにて、東電株主代表訴訟弁護団事務局による「上告理由書提出」の記者レクが行われ、弁護団長の河合弘之弁護士、弁護団の海渡雄一弁護士、甫守一樹(ほもり かずき)弁護士、大河陽子弁護士、そして原告らが登壇しました。
「東電株主代表訴訟」とは、2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震に伴う大津波により、東京電力福島第一原発が起こした重大な原子力事故により、東電が被った莫大な損害について、株主の視点から、会社価値の毀損として問題をとらえた民事訴訟です。具体的には、「会社(東電)に対して、役員が適切な『注意義務』を果たさず損害を発生させた」という観点から、提訴しました。
原告は東電の株主らで、被告は、事故当時の東電旧経営陣であった、勝俣恒久元会長、清水正孝元社長、武黒一郎元副社長、武藤栄元副社長、小森明生元常務の5名です。
株主(原告)側は、被告らに対し、約23兆円超を東電に賠償させるよう求めました。
一審において、東京地裁は2022年7月13日に判決を言い渡し、旧経営陣5人のうち、小森氏を除く4人に対し、会社(東電)に対して、13兆3210億円を賠償するよう命じました。
しかし控訴審では、2025年6月6日、東京高裁は一審判決を取り消し、株主(原告)側の請求を棄却し、被告旧経営陣の賠償責任を認めず、旧経営陣に対して賠償を命じないという、180度反対の判断を示しました。株主側としては、主要な訴訟目的であった旧経営陣への巨額賠償という点で、逆転敗訴となりました。
この判決を受け、このたび、株主(原告)側から、上告の提起と上告受理申立てが行われました。
東電株主代表訴訟のこれまでの経緯などについては、以下のIWJ記事を御覧ください。
※東電株主代表訴訟 第21回口頭弁論期日後の記者会見 2015.11.5
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/273702
※10月29日に裁判官が初めて福島第一原発の現地調査へ! IWJ記者の質問に海渡雄一弁護士は「なぜ事故の前に(津波対策の)工事がちゃんとできなかったのかを示したい」!~7.13東電株主代表訴訟 進行協議期日後の記者レク 2021.7.13
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/494287
※原告全面勝訴!! 「日本の脱原発運動・原発事故被災者救済運動の輝かしい勝利をもぎとった日として、みんなで記憶したい!」~7.13「東電旧取締役5人に22兆円の損害賠償を!~経営者の個人責任を問う~東電株主代表訴訟」 判決言い渡し 報告集会 2022.7.13
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/508636
※海渡雄一弁護士「株主代表訴訟の地裁判決で、我々は東電や国の責任を否定する、被害を否定する、きわめて悪辣な工作と戦う決定的に重要な武器を手にしたと言える!」~3.10 集会「控訴審も勝利へ! 東電株主代表訴訟」 2023.3.10
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/514652
会見では、弁護団の海渡雄一弁護士から、原告側が2025年10月10日に提出した「上告受理申立理由書」についての概要説明がありました。
上告受理申立理由書とは、民事裁判において、最高裁判所に上告を受理してもらうために、その理由を具体的に記載して提出する書面のことです。
海渡弁護士は、理由書の内容について、「結論的なこと」として、次のように述べました。
海渡弁護士「上告受理申立理由書の中で一番重要と思う点は、理由要旨の1番、『過酷事故が生じた場合の、被害の甚大性と、電力供給義務の重要性とを、当時の知見及び社会通念に照らして比較、検討した原判決(高裁判決)は、安全の確保を旨とした原子力基本法第2条に反する誤りがあり、また社会通念の評価にも誤りがある』というものです。
この判決に従うと、『停止を基礎づけるような知見(株主が取締役の行為の差止め=停止を求める際の根拠・知見)がなければ、無視していい』ということになってしまう。
そこが非常に恐ろしいところで、こういう判断を最高裁が是認してしまうと、次の原発事故を必然的なものにしてしまうというふうに考えています」
※原子力基本法
https://laws.e-gov.go.jp/law/330AC1000000186
弁護団が提出した、3分冊(合計633頁)と2つの添付資料で構成されている上告受理申立理由書や、これまでの訴訟の経緯などについては、東電株主代表訴訟のホームページで公開されています。
※東電株主代表訴訟
https://tepcodaihyososho.jimdosite.com/
会見の詳細については、全編動画を御覧ください。
※海渡雄一弁護士「原判決には、原子力基本法第2条(原子力の平和利用・安全確保)の解釈に関する重大な誤りがある!!」~11.6 東電株主代表訴訟弁護団事務局上告理由書提出記者レク(電株主代表訴訟)―登壇:河合弘之弁護士、海渡雄一弁護士、甫守一樹弁護士、大河陽子弁護士、原告ら(申立人)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/529593
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それでは、本日も1日、よろしくお願いします。
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