日刊IWJガイド・非会員版「和平交渉と戦闘が同時進行するという予測の中、ウクライナ軍はロシア領内の石油関連施設を破壊! クルスク原子力発電所をも攻撃!」2025.8.25号~No.4599


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~アラスカ会談その後(続々報)~和平交渉への模索と戦闘が同時進行する中、ウクライナ軍はロシア領内の石油関連施設を戦略的に攻撃、ウクライナへの武器支援に反対するハンガリーやスロバキアにロシア産石油を供給するドルジバ・パイプラインを破壊! クルスク原子力発電所をも攻撃! ゼレンスキー氏は国産ミサイル「フラミンゴ」の量産化を発表! ロシア軍はドンバス地域全体の制圧を目指して前進、ウクライナ東部以外でも米国系の「隠れ軍産工場」を極超音速ミサイルなどで破壊!

■8月もあと1週間となりました! 今月からIWJの第16期が始まりました! 7月末までの第15期は、残念ながら赤字が避けられなくなりました。しかし、IWJも、岩上安身も、めげてはいません!! 日本がウクライナのように、代理戦争の駒として戦争に巻き込まれることのないよう、対米自立を果たし、日本が生存できるように、力を尽くして頑張るつもりです! どうぞ今期16期も、会員登録と、ご寄付・カンパによるご支援を、よろしくお願いいたします!

■「米国とイスラエルの傲慢さには、反吐が出そうです」ご寄付をくださった皆さまからの応援・激励メッセージに、岩上安身がご回答いたします!

■【中継番組表】

■<岩上安身による最新インタビュー報告>ほとんど報じられていないが、アラスカでの米露首脳会談の裏で、NATO軍は対露最前線のポーランドとリトアニアで部隊を増強し、大演習でロシアを挑発! ロシア、ベラルーシも、迎え撃つ演習をしている! 岩上安身によるインタビュー第1204回ゲスト 一水会代表木村三浩氏 第2回(前編)
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■はじめに~アラスカ会談その後(続々報)~和平交渉への模索と戦闘が同時進行する中、ウクライナ軍はロシア領内の石油関連施設を戦略的に攻撃、ウクライナへの武器支援に反対するハンガリーやスロバキアにロシア産石油を供給するドルジバ・パイプラインを破壊! クルスク原子力発電所をも攻撃! ゼレンスキー氏は国産ミサイル「フラミンゴ」の量産化を発表! ロシア軍はドンバス地域全体の制圧を目指して前進、ウクライナ東部以外でも米国系の「隠れ軍産工場」を極超音速ミサイルなどで破壊!

 IWJ編集部です。

 8月15日に、米国領内のアラスカのエルメンドルフ・リチャードソン統合基地で、トランプ大統領とプーチン大統領の会談が行われ、米国は、ウクライナや欧州諸国の望む「まずは一時的停戦」を目指す方針をやめ、ロシア側が主張してきた「永続性のある和平交渉」に賛同し、戦闘を継続しながら和平交渉を模索する方針で合意しました。明確な態度変更です。

※アラスカでの米露首脳会談で、『もし自分が大統領だったら戦争は起こらなかった』と述べたトランプ大統領の言葉を、ロシアのプーチン大統領が、「真実だ」と断言!「ウクライナ紛争の永続的な解決には、根本原因のすべてに対処」する必要を訴えたプーチン大統領だが、その中身について、『N.Y.タイムズ』はプーチン氏が「ドンバスの割譲と、ロシア語がウクライナで再び公用語とされることの保証と、ロシア正教会の安全保障を求めている」とスクープ! トランプ氏は、「停戦できるかどうかはゼレンスキー氏次第」「単なる(即時)停戦合意ではなく、戦争を終わらせる(恒久的な)和平合意」を進めると、ロシア側の主張をほぼ受け入れ!?
(日刊IWJガイド、2025年8月18日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20250818#idx-2
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/55032#idx-2

 それだけではなく、プーチン大統領が、会談後の共同記者会見で、「トランプ政権になって以降、ロシアと米国の貿易は20%増加した」と指摘すると、トランプ大統領は『FOX』の番組「ハニティ」に出演し、会談の成功を強調し、「彼らの土地は信じられないほど広大で、レアアース、石油、ガスなど、すべてが豊富です。それは世界最大の国土を持つ国家です。11の時間帯があるなんて、信じられますか? と、大国ロシアとの経済関係のメリットを指摘しました。米露関係の正常化を示唆する発言です。

 正確には、米国は他国にロシアとの経済的な取引を禁じる対露制裁を強制しておきながら、自らは、ロシアと平然と貿易をしていたわけですから、バイデン政権時代に始まった対露制裁に従ってきた欧州や日本などの「西側諸国」という名前の従属国は、バカみたいな話です。

※President Trump reveals whether another meeting is in the cards after Alaska summit with Putin(FOX – Hannity, 2025年8月15日)
https://www.foxnews.com/video/6376972615112

 ここまでの経緯を振り返りながら、アラスカ会談前後から、ウクライナ軍もロシア軍も、それぞれに戦闘を強化する動きに出ている状況をお伝えします。

 米国のウクライナ和平に関する方針転換と、ロシアとの恒久的な和平路線への転換の示唆は、ウクライナとEU・NATOの欧州諸国をパニックに陥れました。

 トランプ大統領は、ゼレンスキー氏も合意する必要があると述べ、18日にホワイトハウスでトランプ大統領とゼレンスキー氏の会談が行われることがわかると、フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長、マルク・ルッテNATO事務局長をはじめ、英仏独伊と、フィンランドのトップという、欧州の7人の首脳が、ホワイトハウスに駆けつけました。

 ホワイトハウス会談の前日、17日に、フォン・デア・ライエン委員長は、ゼレンスキー氏と共同記者会見を行い、「明日、ホワイトハウスで開催される米国大統領との会談に、あなたや他の欧州の首脳達と一緒に参加できることを大変嬉しく思います」と、欧州首脳が同席することを発表しました。

 フォン・デア・ライエン委員長は、EUの立場として、1)「この平和は、力によって達成されなければならない」との立場から、ウクライナと欧州には「強力な安全の保証が必要」であること、2)ウクライナにおける領土問題の決定は、ウクライナが自ら行うべきであること、3)「ウクライナの流血」が継続する限り、対露制裁を維持すること、をあげました。

 ゼレンスキー氏は、「一時停戦ののちに最終合意」という従来の方針を繰り返し主張し、領土問題については米露ウクライナの3者会談が必要であること、米国が欧州と共にウクライナの安全の保障に参加することが必要であること、を主張しました。

※United at Ukraine’s side: Commission President von der Leyen receives Ukrainian President Zelenskyy(European Commission、2025年8月17日)
https://www.youtube.com/live/uyDcaeIT2Yc

 17日に、ゼレンスキー氏とフォン・デア・ライエン委員長が、ワシントン会談での対応を「宣戦布告」したにも関わらず、欧州の首脳達によるワシントン会談介入は、結局のところ、うまくいきませんでした。

 むしろ、トランプ大統領のデスクを囲むように、7人の欧州首脳(7人の小人達と一部で揶揄された)が座り、トランプ大統領への社交辞令まじりのへつらいぶりも、世界中に流され、米国と欧州の力関係、そして、プーチン大統領の扱われ方との落差もまざまざと見せつけることになりました。

 「欧州の没落」とわざわざもったいぶって言わなくても、ディグニティ(権威、尊厳)を失い、米国に取りすがる姿を見せてしまった、というべきでしょう。

※15日の米露会談でのトランプ政権の2つの方針転換に驚いて、欧州7首脳が大慌てでホワイトハウスに飛んできた! 一時停戦ではなく、恒久的な和平を、というこの方針転換は、本質的なもので、ここでウクライナが交渉妥結を引き延ばすと、ロシアが自力でドネツクの残りの領土を奪取するだけ! ロシアにとっては、問題解決が遅くなるか早まるかの違いだけで、ゼレンスキー氏の主張する「ロシア全面撤退」が通る見通しはまずない!(日刊IWJガイド、2025年8月20日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20250820#idx-1
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/55037#idx-1

 サブスタック上の『シンプリキウスの知の庭』というページで、「地政学と紛争に関する深い分析」を、「少々の皮肉を交えて」提供している、匿名のアカウント、シンプリキウス氏は、「トランプ大統領は、プーチン大統領をレッドカーペットで迎えたが、欧州首脳達を出迎えることはなく、付き添い人を送っただけだった」と指摘し、デスク前会談の映像について、「トランプ・パパ」と「校長室で泣きじゃくる子供達」という構成は、欧州の凋落を示す「歴史上最も注目すべき政治的視覚効果を生み出した」と述べています。

 このホワイトハウス会談では、公開された部分での発言も、政治的に重要な発言と思われるものはありませんでした。また、何か具体的な進展があった様子は、その後もありません。「トランプがまさに『ヨーロッパを膝で打ちのめす』ことに成功し」、欧州の威信が損なわれた転換点であったという印象が広がりました。

※Trump Breaks Europe Over His Knee: Unprecedented Optics of White House ‘Losers’ Gathering’(SIMPLICIUS、2025年8月20日)
https://simplicius76.substack.com/p/trump-breaks-europe-over-his-knee

 それと対照的に、このワシントン会談に呼応する形で発言し、耳目を集めたのは、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、19日、ロシアのテレビ・インタビューを受け、トランプ政権に対する一定の評価と、欧州指導者らへの批判に加え、ウクライナ国内におけるマイノリティであるロシア系住民に対する迫害は、国連憲章違反であることや、その権利の、ロシア語の再公用語化などの保障を訴えました。

 この点こそは、ロシアが武力介入をせざるをえなくなった理由であり、ウクライナが2014年のクーデター以来、8年間も武力をもって自国民に対する虐殺を行い、西側が支援して、挑発してきた事実です。その失われた権利の回復を求めているのです。

 しかし、ラブロフ外相が訴えた論点を、欧州諸国や日本など、西側諸国は、無視し続けています。これでは和平交渉が進む可能性は、極めて低いと言わざるを得ません。

※ワシントン会談続報! 驚くべき情報操作! 日本を含む西側大手メディアは、ロシアのラブロフ外相の「ウクライナに住むロシア人の権利の尊重」発言をまるごと削除! 欧州「応援団」の内部の亀裂も報じない! なんとその裏で、米国は米露ビジネスで大儲けするための恒久平和を追求! しかもその裏側で、ウクライナの「安全の保証」のために、日本が金を払わされる!(日刊IWJガイド2025年8月21日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20250821#idx-1
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/category/guide#idx-1

 ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、22日、『NBCニュース』の番組「ミート・ザ・プレス」の独占インタビューで、「プーチン大統領は、首脳会談の議題が整えば、ゼレンスキー氏と会う用意がある」、「しかし、議題はまったく準備できていない」と述べ、プーチン大統領とゼレンスキー氏の早期会談はない、との見解を表明しました。

※Russian FM Lavrov says no Putin-Zelenskyy meeting is planned, despite WH claims(NBC NEWS、2025年8月22日)
https://www.nbcnews.com/meet-the-press/video/russian-fm-lavrov-says-no-putin-zelenskyy-meeting-is-planned-despite-wh-claims-245555781984

※Russia’s foreign minister says no Putin-Zelenskyy summit planned despite Trump’s peace push(NBC NEWS、2025年8月22日)
https://www.nbcnews.com/world/russia/putin-zelenskyy-summit-not-planned-trump-russia-lavrov-peace-ukraine-rcna226248

※No plans for Putin-Zelensky meeting – Lavrov(TASS、2025年8月22日)
https://tass.com/politics/2006155

 8月15日のアラスカ会談から、ウクライナ紛争の終結の可能性が見えてきたのと前後して、戦場での戦闘は、むしろ激化しています。交渉と同時並行であれば、両者がより良い交渉条件を求めて、攻撃を強めるのは当然なのかもしれません。

 ウクライナ軍は、13日から15日にかけて、ヴォルゴグラードやリャザン、サマラなどの製油所を集中的に攻撃し、ロシア領内の石油インフラの破壊を進めました。

※ここから先は【会員版】となります。会員へのご登録はこちらからお願いいたします。ぜひ、新規の会員となって、あるいは休会している方は再開して、御覧になってください!

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■8月もあと1週間となりました! 今月からIWJの第16期が始まりました! 7月末までの第15期は、残念ながら赤字が避けられなくなりました。しかし、IWJも、岩上安身も、めげてはいません!! 日本がウクライナのように、代理戦争の駒として戦争に巻き込まれることのないよう、対米自立を果たし、日本が生存できるように、力を尽くして頑張るつもりです! どうぞ今期16期も、会員登録と、ご寄付・カンパによるご支援を、よろしくお願いいたします!

 会員の皆様、ご寄付・カンパによってご支援くださっている皆様、IWJの第15期をお支えいただき、誠にありがとうございました。

 8月1日から、IWJは、第16期に入りました!

 8月は1日から21日までの21日間で、27件、29万3000円のご寄付・カンパをいただいています。これは、これまでの月間目標額350万円の8%にあたります。まだ、92%が不足しています。

 ご支援くださった皆様、本当にありがとうございます。

 私事ながら、8月18日は、私、岩上安身の66回目の誕生日でした。IWJをスタートさせたのは、15年前の2010年でした。

 インターネット報道メディアがまだほとんどなかった当時、オールドメディアと呼ばれるようになった地上波に出ていた私は、まだ52歳であり、体力もありあまっていた(本人の主観)ことを思うと、あっという間であったと思うと同時に、意外に長い時を重ねてきたのだなとも思います。

 これまで、ご支援してくださった皆様には、この節目に、あらためて感謝申し上げます。

 と同時に、この15年間、あるいはそれ以前から、米国の従属国の地位に甘んじることの危険性に、警鐘を鳴らしてきたことが今、現実になりつつあるのを感じています。

 もはや『前夜』などではなく、今まさに波濤が砕けるような時が来ていることに、身震いする思いがいたします。

 国難は避けられない、としても、大難を小難にとどめて、日本が対米自立を果たし、「敵国」ばかりになってしまった周辺国と和解し、平和条約を結んで、「敵」と戦うのではなく、「敵」と和解して、「敵」を消し去ることができるかどうか。

 対米自立と、自力での平和構築に失敗すれば、日本は、大きな試練に直面します。

 トランプ政権から押し付けられた不平等協約の言いなりになって、80兆円をむしられ、利益還元はわずか1割という、植民地さながらの搾取に甘んじる屈辱を、この先も、米国自身の危機の深まりとともに、何度も味わわされることになりかねません。ついには、国が滅ぶまで吸い尽くされることでしょう。

 そうならないために、日本は、脱米国依存を図らなければなりません。全世界の多極化に向けての流れに、逆行していてはなりません。

 間に合うでしょうか。懸念は尽きません。

 日本の行末に、深い不安を感じつつも、世界を広く見渡せば、新たな息吹や希望や可能性も見出せます。進むべき道の道標は、まだまだ、見つけ出せると思います。

 肝心なことは、前向きな希望を信じる力が残っているかどうかではないかと思います。

 IWJの経営も、今は厳しくなっています。

 残念ながら、昨年8月から今年7月末までの第15期は、12ヶ月間で一度も、ご寄付が月間目標額に達することができませんでした。

 第15期の期首の2024年8月1日から、期末の本年7月末日まで、当初に予定したご寄付の年間目標額3850万円に対して、第15期12ヶ月間のマイナスは2267万7000円となってしまいました。

 IWJの活動運営費は、約半分が、会員の皆様からの会費によって支えられています。残りの約半分が、ご寄付・カンパによって支えられています。

 2025年7月31日時点での会員数は1694名で、うちサポート会員様が654名、一般会員様が1040名です。

 会員数は、第15期は、前年度比で、サポート会員が208名、一般会員が375名、合計583名減少していて、会費収入に換算すると、前年度に比べて約930万円の減少となってしまう見通しです。

 この会費収入と、ご寄付・カンパの収入と合計すると、収入は予定していた目標値を、3197万7000円も下回ることになってしまいました。

 支出については、経費などの大幅な削減に努め、前年度比約1000万円ほど削っています。あくまで現時点の推計です。これから請求が上がってくる経費も当然、あります。差し引きますと、収支は約2198万円ほどのマイナスです。

 非常手段として、万が一の時に備えて、セーフティネットとして積み立ててきた役員生命保険(受取人はIWJです)を解約することを決断いたしました。解約金1640万円を計上して、赤字の穴埋めとします。残りは、558万円のマイナスです。

 これは、最後の手段です。こうしたセーフティネットはもうIWJに残されていません。今期も同じ支出、同じ収入ですと、2000万円の赤字になってしまうことになります。それではもはやIWJの活動を続けていくことができません。

 昨年も、私、岩上安身が年頭にコロナに感染し、その後も後遺症に苦しめられてきたため、インタビューなど、オリジナルのコンテンツなどがすこぶる減ってしまい、厳しい決算となりました。

 今期は、健康回復につとめるとともに、インタビューなどオリジナルコンテンツ制作のため、挽回するよう頑張りましたが、今年は、不況、インフレ、会員の方々の高齢化など、さまざまな要因で経済苦を訴える方のメールも多数、受け取っており、IWJを取り巻く外部の経済状況は、さらに厳しくなったと言わなければなりません。

 今回のように、長いこと積み立ててきた保険の解約のような非常手段も、これで最後です。第16期は、支出を思いきって、しぼりこまなければならないと覚悟しています。

 しかし、IWJも、岩上安身も、めげてはいません! 先述したように、状況は厳しくても、希望は失われてはいないと、信じるからです。そう信じている世界中の人々の存在を、今は中央集権的なマスメディアに頼らなくても、見出すことも、つながることもできます!

 困難は、国外からも日本国内からも、続々、やってきます。向こう10年以内が、東アジアでも、全世界においても、第3次世界大戦に巻き込まれるか否かの正念場です! しかし、それを乗り越えれば、そのような無謀な試みはできなくなるでしょう。

 今期16期は、プロパガンダにのみこまれず、事実にもとづく真実をお伝えするというポリシーは一切変えず、より質の高い情報をお届けしつつ、経営面は、黒字に転換し、累積していた借金も返済していきたいと思います!

 そのためにも、経営面では、思い切った改革、支出の削減を、断行します!

 どうぞ、ご支援のほど、よろしくお願いいたします!

 損益に直接の関係はありませんが、私の会社への貸付金はIWJからの返済が滞っていて(逆の言い方をすると、自分への返済を後回しにしていて)、2025年6月30日現在の貸付残高が、約1150万円あります。

 また、コロナ期に融資を受けた金融機関からの借入金残高は、2025年6月30日現在で、約1870万円となっています。こちらは、毎月、必ず返済していかなければなりません。この連帯保証人は、私、岩上安身1人です。事実上、IWJの代表取締役である私が借りて、私が返済する借金です。

 したがって、今期の収支とは無関係に、私の負っている借金は現在3000万円ほどになります。これらは、今期の赤字とは、また別の借金となります。

 今期の最終的な収支は、決算を終えないとわかりませんが、機材の故障のため、新機材の購入でまとまった出費が必要になるなど、突発的な出費がない限り、おおよそこの予測からは、大きく外れることはないと思われます。最終的な数字が固まり次第、皆様にご報告をさせていただきます。

 どうか、皆様のご寄付・カンパ、そして会費の納付によって、今月の目標額を達成し、さらには、赤字額を少しでも減らすことができれば、と存じます!

 どうぞ、よろしくお願いいたします!

 岩上安身 拝

※以下は、IWJの活動へのご寄付・カンパを取り扱っております金融機関名です(各金融機関ごとに口座名が非統一ですが、どれも、各銀行の仕様に従ったもので、間違いではありません)。どうぞ、ご支援のほどよろしくお願いします!

みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル

 IWJホームページからも、お振り込みいただけます。

※ご寄付・カンパのお願い
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

※会員の再開、新規会員登録はこちらからお願いします。
(会員登録済みの方)https://iwj.co.jp/ec/mypage/login.php
(新規会員登録の方)https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

 年会費をまとまってお支払いいただければ、12ヶ月中2ヶ月分がサービスとなります。即ち、一般会員が月1100円で、年間だとその12ヶ月分1万3200円のところ、一括払いなら、1万1000円(消費税込み)となります。

 同じくサポート会員が、1ヶ月3300円で、毎月支払ってゆくと、12ヶ月で3万9600円のところ、一括払いですと、3万3000円(消費税込み)ですみます! 2ヶ月分おトクです! ぜひ、ご検討ください!

■「米国とイスラエルの傲慢さには、反吐が出そうです」ご寄付をくださった皆さまからの応援・激励メッセージに、岩上安身がご回答いたします!

 IWJにご寄付をいただいた皆さまから、応援・激励のメッセージをいただきました。ありがとうございます! ここに感謝を込めてご紹介させていただき、岩上安身がご回答させていただきます!

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岩上さま、スタッフの皆さま

 連日多くの重要なニュースに囲まれて整理するのも大変だと思います。全部をフォローできなくても、現代で最も重要と思われる事柄を追いかけてください。

 先日のロッタさん(前・中のみですが)のインタビューは彼なりの考えで興味深く見させてもらいました。

 はっきり言って、ウクライナ戦争でも多くの被害が出ていますが、ガザの酷さに比べると月と鼈です。

 でも日本ではウクライナの事が多く報道され、パレスチナ人の事はほとんど報じられません。毎日中国のCCTVのニュースでガリガリになっている母親と子供を見ていると、涙が止まりません。寝る場所もないのに更なる爆撃。食糧配給所という名の屠殺所で、毎日人殺し。

 米国とイスラエルの傲慢さには、反吐が出そうです。その米国は、日本、EUなどの属国を搾り取るだけ搾り取り、中国、ロシア、イラン、ブラジルなど敢然と抵抗する相手には、脅してはひっこめるというTACO(※トランプ的な気まぐれ政策)的な対応しかできていません。

 今回の米国のニュースで明らかになったように、米国経済は本当に景気が良いのか? 就業者数は統計が言うほどいいのか? なぜ毎回大幅な下方修正が出るのか? 金価格がこんなにも高くなり、米ドルの世界的位置は本当に思っているほど大丈夫なのか? つっこんだ米国経済の話をすれば、ウクライナ戦争、イスラエル、東アジアの将来に、もう少し明瞭な予想ができるのではないでしょうか?

 ものすごく暑い夏が続きます。皆さま健康に気をつけながら、発信をお願いします。

(K.S. 様)

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K.S. 様

 ありがとうございます!

 今年は本当に、残暑が厳しいですね。1日も早く、秋風が吹いてくれないかなと、待ち望む日々です。

 おっしゃる通り、ガザでのジェノサイド、民族浄化は、本当に許しがたいと思います。そのような蛮行を「神の名」のもとに続けているシオニスト・イスラエルを許せるわけがありませんし、イスラエルを支持する米国政府の姿勢も支持できません。バイデン政権もトランプ政権も、その点において何も変わりはありません。

 しかし、イスラエルのジェノサイドは、公開されている蛮行ですが、ウクライナ関連の報道は常に、肝心要の部分が隠されています。

 ソ連邦の中のいわば「行政区分」だった「ウクライナ共和国」が、91年にソ連から独立を宣言し、当時は、その境界線がそのまま維持されました。

 実際には、ウクライナ東部に相当するドンバス地方からクリミアにかけては、「ノヴォロシア(新ロシア)」と呼ばれ、ロシア帝国がエカチェリーナ2世の時代、オスマン帝国との11度の戦争を経て、クリミア半島を奪取して以来、現在の状態に至るまで、ロシア人が大半を占める地域でした。

 逆にウクライナ西部、現在のガリツィア地方などは、ネオナチなど、ウクライナ民族主義が盛んな土地ですが、ここは長くポーランドの支配下にありました。

 第2次大戦の際、ナチス・ドイツとソ連赤軍が戦い、赤軍が勝利して、ナチス軍を首都ベルリンまで追いつめ、その後、ポーランドとドイツとの西国境を西側にずらし、ドイツ領から土地を割譲してポーランド領として、逆に、ポーランド東部の、ガリツィア地方をウクライナとして、ソ連邦の領土に組み込んだのでした。ロシア憎悪に燃えているウクライナ西部住民は、自分達がポーランド支配下、またある時はリトアニア公国の支配下にあったことを思い出す必要があると思います。

 また、東西冷戦の終結の際、東西ドイツを統一するにあたって、NATOを1インチも東方拡大しないことを約束に、東西ドイツ統一に同意し(この約束はクリントン政権の時代に、最初に反故にされ、段階を追って拡大し、現在はロシアの隣国のウクライナをNATOに入れようという、最終段階にさしかかっています。プーチン大統領のロシアは、この東方拡大に反対していたのです)、ウクライナ独立の際にも、中立を守ること、国内に配備されているソ連邦の核兵器を引き渡すことなどを約束して、独立を承認したのです。

 なので、ウクライナがNATOに入り、中立の約束を破ることは、ロシアにとって二重の約束破りとなり、許せない、となります。

 また、遠い過去をふり返ると、古代のキエフ・ルーシ(キエフを中心とした都市国家)の時代をのぞいて、タタールモンゴルの支配から独立した、モスクワ公国を中心とするロシアが帝国として成長してゆくにあたって、ウクライナも、その一地方に組み込まれ、1991年に至るまで、1度も「ウクライナ」という単一民族の国民国家は存在しませんでした。

 91年以降の、ソ連から独立したウクライナは、最初から、人口の3分の2がウクライナ語話者であり、3分の1がロシア語話者という、複数民族・複数言語国家でした。現在の欧州の、スイスやベルギーにようなものです。

 当然、公用語はソ連時代はロシア語で、独立後はウクライナ語がつけ加えられ、併用されてきました(ちなみに、人種とか、血統で、ウクライナ人とロシア人を画然と分けることはできません。他の民族を含め、混血しあっているので、差をつけることはできません。あるとしたら言語の差、それもさして大きくない差だけです。どちらも東スラブ語族です)。

 そして2014年のユーロマイダン・クーデターで、選挙で選ばれた親露派のヤヌコヴィッチ大統領が追放されると、ロシア語が公用語から外され、ロシア語話者は差別と弾圧、暴力にさらされ、ポグロム(虐殺)も頻発しました。

 東南部では各地に自警団ができて、ウクライナ語話者のネオナチの暴力から我が身を守り、自治を主張するようになりました。

 そうしたロシア語話者のグループがつぶされずに残ったのが、東部ドンバスの2州(ドネツク、ルハンスク)で、オデッサなど、他の地域でも自治権拡大の声は上がりましたが、ネオナチ、そしてウクライナ政府と警察、軍によって、暴力的につぶされました。

 ドンバスの自警団上がりの人々を「分離派」と呼ぶのは、ウクライナと西側のプロパガンダです。最初から分離を求めていたわけではありません。その後、ウクライナ国内で自治を求めても聞き入れられず、軍事攻撃を受けるだけとなって、ロシアのプーチン政権に、助けを求め、ロシアへの編入を求めるようになりましたが、プーチンは慎重に分離・編入を認めませんでした。

 2022年になり、ついにロシア軍介入を決めるまで、8年間も待たせることになりました。

 こうした事実が、全部、西側では歪められて伝えられています。

 イスラエルによるガザとヨルダン川西岸のジェノサイドも、こちらはイスラエルのシオニストが狂っているのか、ジェノサイドを隠そうともしないし、「神の名」において、正当化しているので、ロシア語話者に対するジェノサイドのように隠されていません。しかも米国に擁護されているので、どこまでもやりたい放題です。

 ウクライナ紛争を仕掛けたのは、米国や英国政府であり、情報機関ですが、そこにいつもからんでいたのが、イスラエルでした。90年代の初頭、ウクライナが独立し、ソ連が崩壊し、民主ロシアが誕生すると、共産主義政権下の公共財産が「民営化」の名のもとに、強欲な「資本家」とマフィアの手に落ちていきました。その中で、急成長した巨大な新興財閥をオリガルヒと呼び、その主要なグループのうちの9割がユダヤ人がトップを占めていました。

 酔っ払いで、脇が甘く、西側の外資に、食い散らかされていたエリツィン時代の混沌が終わると、若きプーチンが台頭して、首相、そして大統領にまで、昇りつめました。

 KGB出身のプーチンは、シロヴィキと呼ばれる制服集団(軍、KGB、内務省)の支持を得て、秩序回復につとめました。そして、経済マフィアといってもいい、オリガルヒに対して、金儲けはしてもいいが、国の権力や政治に口をはさむなよ、野心を抱くなよ、と警告していたといわれています。しかし、耳を貸さなかったユダヤ系オリガルヒに対して、法を執行して、パージしていきました。

 その筆頭が、ミハイル・ホドルコフスキー氏です。石油企業ユコスをはじめ、買収を重ねて、巨大な企業グループを作り、その財産の一部は、国外のタックス・ヘイブンに持ち出すなどしていました。

 ロシア生まれのユダヤ人ですが、ユダヤ人の人的ネットワークは国境は関係なく、彼の設立したロシアオープン財団には、理事に、米国の元国務長官でユダヤ人のヘンリー・キッシンジャー氏や、イギリスの第4代ロスチャイルド男爵である、ジェイコブ・ロスチャイルド氏も、理事に就任していました。

 脇の甘かったエリツィン元大統領と比べて、荒廃したロシア社会の秩序回復が必要であると、思い知っていたプーチン大統領は、政治的野心を明らかにしたホドルコフスキー氏に対して、捜査を行い、詐欺、その他の罪状で、逮捕し、投獄しました。

 欧州からの圧力で刑期途中で仮釈放されたホドルコフスキー氏は、イギリスへと亡命し、その後、プーチンの「悪魔化」とロシアの弱体化のためのキャンペーンに心血を注ぎます。他のユダヤ人オリガルヒも同様です。

 彼ら「グローバリスト」の恨みを買ったプーチンは、その時から、西側のメディアによって、「狂気の独裁者」「新ロシア帝国を建設しようと西側へ侵略を企む帝国主義者」として描かれます。

 そのあげくの、ウクライナでのマイダン・クーデターであり、ロシア人に対するポグロムであり、ウクライナ紛争なのです。長いバックストーリーがあることを知っていただくと、ウクライナで何か事件が起きた時に、イスラエルがガザに侵攻していたこともわかります。

 今やシオニストにとっては、最終段階であり、パレスチナ人の民族浄化が終わりかけています。邪魔で、かつ、恨みのあるプーチン政権も、ロシアも、倒しておきたかったことでしょう。

 80年代来から、ロシアで起きていることを現地取材してウォッチしてきた私(岩上安身)としては、36年間かけたドラマを見続けて、見届けようとしている思いです。ぜひ、この2つの問題はつながっていることを、ご理解ください。

 今後とも、ご支援をよろしくお願いいたします。

 岩上安身 拝

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◆中継番組表◆

**2025.8.25 Mon.**

調整中

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◆中継番組表◆

**2025.8.26 Tue.**

調整中

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■<岩上安身による最新インタビュー報告>ほとんど報じられていないが、アラスカでの米露首脳会談の裏で、NATO軍は対露最前線のポーランドとリトアニアで部隊を増強し、大演習でロシアを挑発! ロシア、ベラルーシも、迎え撃つ演習をしている! 岩上安身によるインタビュー第1204回ゲスト 一水会代表木村三浩氏 第2回(前編)

 8月18日午後7時より、「岩上安身によるインタビュー第1204回ゲスト 一水会代表木村三浩氏 第2回(前編)」を撮りおろし初配信しました。

 岩上安身による木村三浩氏への第1回インタビューは、以下のURLからご視聴ください。

※「トランプ関税」の15%への引き下げの見返りである約86兆円の対米投資は、「今後、米国依存を徐々に減らして、リスクを回避していこうという戦略的な考えを持てるなら、高い勉強にはなるが、対米自立のロードマップになる」!! 岩上安身によるインタビュー第1201回ゲスト 一水会代表・木村三浩氏(前編)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/528478

※民族派のリーダーとともに、戦後80年経っても、在日米軍が駐留しているのは「屈辱以外の何ものでもない」と吠える!! 日米安保を破棄し、周辺諸国との総合安全保障で『大調和・総調和』の関係を維持し、自衛隊は専守防衛に徹して、非戦の論理で、独立、永世中立、対米自立を! 岩上安身によるインタビュー第1201回ゲスト 一水会代表・木村三浩氏(後編)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/528540

 8月15日(日本時間8月16日)に、米国アラスカ州アンカレッジの米軍基地で、ドナルド・トランプ米大統領と、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の会談が行われました。

※アラスカでの米露首脳会談で、『もし自分が大統領だったら戦争は起こらなかった』と述べたトランプ大統領の言葉を、ロシアのプーチン大統領が、「真実だ」と断言!「ウクライナ紛争の永続的な解決には、根本原因のすべてに対処」する必要を訴えたプーチン大統領だが、その中身について、『N.Y.タイムズ』はプーチン氏が「ドンバスの割譲と、ロシア語がウクライナで再び公用語とされることの保証と、ロシア正教会の安全保障を求めている」とスクープ! トランプ氏は、「停戦できるかどうかはゼレンスキー氏次第」「単なる(即時)停戦合意ではなく、戦争を終わらせる(恒久的な)和平合意」を進めると、ロシア側の主張をほぼ受け入れ!?
(日刊IWJガイド、2025年8月18日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20250818#idx-2
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/55032#idx-2

 今回の第2回インタビューは、このアラスカでの米露首脳会談の直前に行われました。第2回インタビューの前半では、このアラスカ会談について、岩上安身と木村氏が考察し、議論しました。

 岩上安身は、このアラスカ会談について、「僕はすごく胡散臭いと思ってます」と述べ、その理由を次のように語りました。

 「どういうことかというと、話がトランプ主導でしょう。

 それから、プーチンが、これ、一応はアメリカ領土に入るわけですよ。その危険性ということも、随分言われています。だって、(米国は)人を殺すことを何とも思ってない国だから。

 そういうことも言えるんですけど、トランプ大統領が『ウクライナ危機を、とにかく停戦しろ』と言ったんだけど、プーチン大統領は『いや、しませんよ』って言ったわけですよ。当たり前ですよね。

 で、『選択肢を議論する』って言うんですが、これ、結局領土交換ということになる。

 ウクライナと欧州抜きで会談するということに、ゼレンスキーも、それから(米国の)民主党も、みんな反発しているわけですね。

 もちろん、NATOと言っても、NATOの一番上の司令官は、米軍人ですから、そこは言わないですけど。

 それで、発表する直前の記者会見で、このウクライナ紛争について、『これは起こってはならなかった戦争であり、私が大統領であれば決して起こらなかったでしょう』とか、『これは私の戦争ではなく、バイデンの戦争です』と、責任を全部バイデンに押し付けた上で、『一部を取り戻す。一部を交換する。領土の交換が行われる』と、領土効果について言及した。

 たしかに、一時、ウクライナ軍がロシアの領土内に入りました。クルスクに。だけどあれは、全部包囲したあげく、殲滅しちゃいました。だから、(ウクライナには)交換するような領土が、どこにもないわけですよ。だから、これはナンセンスだと、はっきり、まず、言い切っているわけですよね。

 あと、当たり前なんですけど、そこが本当にウクライナ人の領土で、そこをロシアが奪ったんだとしたら、統治も難しいし、返さなきゃならないでしょうって話になるんだけど、そこ(現在ロシアが占領しているウクライナ領土)のほとんどが、昔からのロシア領で、『ノヴォ・ロシア』と言われたところであり、何世紀も前までさかのぼる話で、ほとんどロシア語話者が住んでいるわけです。

 そして、このウクライナという人工的な国は、30数年前に独立したんだけど、ウクライナ語話者とロシア語話者とが、2対1ぐらいの比率でいるわけですよね。残りはタタール人とかもいるわけで、まあ、木村さんの方が詳しいかもしれないけど。

 そうしたら、ロシア語話者が9割以上じゃないですか。あとはタタール人とか。タタール人こそ、一番古い人達だからね。でも、それを言っていたら、どんどんさかのぼっていって、民族の交差点みたいなところだから、キリがないんですけど。

 簡単に言って、ロシア人の土地で、そして、2014年のユーロマイダン以降、ずっと(ウクライナ政府がロシア語話者住民を)虐殺してきたんじゃないですか。

 ガザみたいなことをしてきたのは、ウクライナ政府なのであって、いまだに公用語としてロシア語をしゃべることを許さないし、ロシア語文化を禁止しているし、ロシア語(を用いること、教育も含めて)は全部、犯罪なんですよ。

 そのロシア人に、人権を認めてないし、ひどい話ですけど、年金も払ってないわけですよ。

 そういうことを、何にも西側は責めないじゃないですか。

 そして、その上で、それを改めない限り、『返す』なんてできるわけがないし、『帰りたい』なんて思うわけがない。だって生きていけないんだもの。

 ゼレンスキーは、ちゃんと、はっきり言っています。自分の言葉で。

 『ここはウクライナだ。ウクライナ人の土地だ』と。『ロシア人は、いらない』と。で、『ロシア語は、使わせない』と。『嫌だと言うんだったら、出て行け』と言っています。

 で、1000万人ぐらい難民になったんですけど、ほとんどの人がヨーロッパへ行ったと思っているんですけど、一番多いのは、100万人くらい、ロシアへ行ったんですよ。それぐらい、やっぱりロシア人の人口が多いわけですよ。

 だから、本当は、スイスとか、ベルギーとか、複数言語・複数民族国家になるべきだったじゃないですか。それをやらなかった。そのツケが回ってきたわけで、じゃあ、ウクライナ語話者だけで(国家を)作りたいんだったら、じゃあこのぐらいの(中西部の)3分の2であって、こっち(東部の)3分の1ぐらいが、ロシア語話者の国、もしくは、ロシア連邦に入りたいって彼らが言うんだったら、じゃあロシア連邦に入るのでいいじゃないですか、という、線引きのラインだと思うんですよね。

 で、今、ちょうどそこのラインに来てて、最大の要衝のポクロフスクで、激戦をやっているんですけど、もうそろそろ陥落しそうなんです。

 ここを陥落しちゃうと、八方に道路が伸びていて、兵站の要衝なんですね。だから、前に飛び出しちゃっているウクライナ軍は、もうこれから、兵站が行かなくなるんですよ。

 そして、後から来る人達(ウクライナ軍)は、ここを通らないといけないですよ。しかも、(ウクライナ軍の)陣地がないので、ロシア軍は、『無人の野を行くがごとく』になっちゃうわけですよ。

 だから、「まあ、このくらいのところでいいんじゃないの』と、僕個人は思うし、キリがないから。

 ただ、それは、ウクライナ側も、ちょっと姿勢を正さないと。

 『我々は、ウクライナ民族国家を作りたかった』『ウクライナ人としてやりたい』と。

 だけど、『ロシア語話者を粛清したり、虐殺したりしたことは、悪かった。だけど、俺達も犠牲を出したんだから、もうここらで手を打って、今(ロシア軍の占領下に)あるところは、ロシア語話者の国なんだから、もうそれでいい』という話ができるんだったら、会話になると思うんですけど、でも、そんな気はないでしょう」。

 これに対して、木村氏は、「昨日あたりから、ゼレンスキーも呼ぶんだとかいう話になってきている」と指摘し、「ゼレンスキーが来るなら、プーチンは行かないだろう」との見方を示しました。

 その上で木村氏は、「結局、プーチン大統領が来ないということで、またロシアを悪くさせるようなプロパガンダなのかな、とも思っている」と、懸念を示しました。

 他方で木村氏は、「ゼレンスキー氏が来ず、プーチン大統領とトランプ大統領の話ができれば」との条件で、次のような見解を示しました。

 「これは、『領土の交換』ということではなくて、『もともと、ロシアの人が住んでいた土地なんだ』ということで妥結するということ。

 それで、『その前に停戦だ』とした時にですね、トランプの顔を立てて、空域のミサイルとか、ドローンとか、そっちの方面での部分的な停戦を、お互いちょっとしてみましょうよと。

 しかし、この領土は絶対に、ロシアの国のものですよと。

 それは、さっきおっしゃったように、ここからさらにさらに先でやられちゃったら、ウクライナはもっと小さくなるんですから、それがわかった上で、ゼレンスキーにしてみれば、『我々は、これを放棄するわけじゃない』と。『あくまでも継続協議で、一時的に、今、これはトランプの顔を立てて、ロシア語話者のものと認めるけど、これは一時的なものだ』というふうに、継続協議にしていく可能性もあるのかなと思う」。

 岩上安身は、「ちょっと疑わしいのが、ゼレンスキーを呼ぶというのが、罠じゃないかというのが一つある」とした上で、以下のように続けました。

 「もうひとつ罠があって、実は、NATOの最高司令官というのは、常に米軍の軍人なわけですよ。

 これが辞任して、もう司令官を辞めると。つまり、『もう、欧州は、欧州でやってくれ』と。米軍は関与しないかのようなアナウンスを、実はしたんです。

 したんですけど、今、NATO軍が何をしているかというと、ほとんど報じられてないんですけれども、特にNATOの中でもドイツ軍がイケイケなんですが…。

 ウクライナの西側は、ポーランドに接しているわけです。で、ポーランドから向こうは、全部NATOですよね。そして、ウクライナが落城すると、今度はポーランドが最前線になってしまうから、どうしようと思っているわけです。

 巻き込まれるのは嫌だと。だけど、戦わなければいけないかもしれないと。

 だから、(NATO加盟国の中で)一番先に(軍事費)GDP5%を達成したのは、ポーランドなんですけど、いかんせんポーランドの武器でやるわけじゃないので、今、最前線、ここの国境地帯に、NATO軍、主として米軍がダーッと、配備されているんですよ。

 で、今度は、ウクライナがあって、ここ(ウクライナの北)にベラルーシがありますよね。この上(北)に、バルト3国がある。

 バルト3国のリトアニアの、その向こうに、カリーニングラードという(ロシアの)飛び地があるわけですね。ここは、バルチック艦隊が寄港するんですけど、ソ連時代は、リトアニアもベラルーシも全部ソ連だったから、何の問題もなかったんだけど、ここが今、リトアニアを介さないと行けないんだけど、そこが、鉄道を封鎖しているんですよ。

 ここはもともと、ケーニヒスベルクという、ドイツの土地だったわけです。で、ドイツはここに野心があるわけですよ。すぐこちら(西側)がドイツになるわけですけどね。

 それで、(ロシアから)ここに行くための通過点にあるリトアニアに、ドイツ軍は、NATO軍じゃないですよ、ドイツ軍単独ですよ。ドイツ軍は、第2次大戦後、初めて、派兵したんですよ。大量の陸軍が、ここに入っているんです。

 だから、ここ(カリーニングラード)に行くには、間を挟んでドイツが邪魔する。そういう布陣を敷いている。

 だから、一方で、『俺達米軍は関与しないからな』と言っても、NATOを動かしているのは、実質、米軍ですから、米軍とドイツ軍がどこまでやるかなんですけれども、完全に、見方次第では、(ウクライナ紛争は)終わるのかな、という見方もあるんですけど、終わらないで、ぐずぐずしたまま。

 しょうがないから、ロシアはある程度、攻めていかないといけないじゃないですか。攻めていって、いったんはとにかく(ウクライナ政府を)降伏させない限り、この人(ゼレンスキー)は出ていかないわけだから、どんどん攻めていくというところで、『いや、もうここから先は、攻めさせないぞ』と言って、NATO軍が、どっと入ってくる可能性もある。

 今、準備してあるんですよ。それで、大演習をしているんです。そして、ロシア、ベラルーシも、それを迎え撃つ演習をしているんです」。

 この岩上安身の発言を聞いた木村氏は、「それは、むしろ、ロシアを挑発していますね」と、驚きを隠せませんでした。

 このあと、岩上安身は、8月8日に米国が突如、アゼルバイジャンとアルメニアの和平を仲介したことをめぐり、ジョージア、アゼルバイジャン、アルメニアの3ヶ国と、ロシア、イラン、トルコ、イスラエルといった、周辺国との関係や、その背後に、ロシアの弱体化を目論む米国が、早くから青写真を描いていたといった話題についても説明しました。

※ウクライナが行き詰まったら、米国の戦争マシンはすぐ次の手を打つ! 不仲だったアゼルバイジャンとアルメニアが、米国の仲介で和平協定に署名! ジョージアを含めて、ロシア南部のザカフカス3国を米国の影響下に置く!! イランは、アルメニア国内のイラン国境付近に設置される、アゼルバイジャンと飛地を結ぶ回廊について、「この地域の現状変更や不安定性の増大、米国とイスラエルの共同の陰謀を招く可能性がある」と懸念を表明! ロシア外務省も「地域外のプレーヤーの関与による、新たな分裂」を警戒! 米国の戦争マシンは、西方(ポーランド)と北方(バルト三国)と南方(ザカフカス三国)から、ロシア攻略を続行!?(前編)
(日刊IWJガイド、2025年8月14日)
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※ウクライナが行き詰まったら、米国の戦争マシンはすぐ次の手を打つ! 不仲だったアゼルバイジャンとアルメニアが、米国の仲介で和平協定に署名! ジョージアを含めて、ロシア南部のザカフカス3国を米国の影響下に置く!! イランは、アルメニア国内のイラン国境付近に設置される、アゼルバイジャンと飛地を結ぶ回廊について、「この地域の現状変更や不安定性の増大、米国とイスラエルの共同の陰謀を招く可能性がある」と懸念を表明! ロシア外務省も「地域外のプレーヤーの関与による、新たな分裂」を警戒! 米国の戦争マシンは、西方(ポーランド)と北方(バルト三国)と南方(ザカフカス三国)から、ロシア攻略を続行!?(中編)
(日刊IWJガイド、2025年8月15日)
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※ウクライナが行き詰まったら、米国の戦争マシンはすぐ次の手を打つ! 不仲だったアゼルバイジャンとアルメニアが、米国の仲介で和平協定に署名! ジョージアを含めて、ロシア南部のザカフカス3国を米国の影響下に置く!! イランは、アルメニア国内のイラン国境付近に設置される、アゼルバイジャンと飛地を結ぶ回廊について、「この地域の現状変更や不安定性の増大、米国とイスラエルの共同の陰謀を招く可能性がある」と懸念を表明! ロシア外務省も「地域外のプレーヤーの関与による、新たな分裂」を警戒! 米国の戦争マシンは、西方(ポーランド)と北方(バルト三国)と南方(ザカフカス三国)から、ロシア攻略を続行!?(後編)
(日刊IWJガイド、2025年8月16日)
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非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/55032#idx-6

 また、米露首脳会談がアラスカで行われる理由について、岩上安身は、北極海航路をめぐる利権や、米露の直接的な利害関係の調整が行われるのではないか、との見方を示しました。

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※ほとんど報じられていないが、アラスカでの米露首脳会談の裏で、NATO軍は対露最前線のポーランドとリトアニアで部隊を増強し、大演習でロシアを挑発! ロシア、ベラルーシも、迎え撃つ演習をしている! 岩上安身によるインタビュー第1204回ゲスト 一水会代表木村三浩氏 第2回(前編)
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IWJ編集部(岩上安身、六反田千恵)

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