日刊IWJガイド・ウィークエンド版「『貧困叩き』は明白な人権侵害!問われる自民党・片山さつき議員の国会議員としての品格/築地市場の移転延期、新潟県・泉田裕彦知事の出馬取りやめなど、今週もニュースが盛りだくさん!」2016.9.3日号~No.1450号~


■■■日刊IWJガイド・ウィークエンド版「『貧困叩き』は明白な人権侵害!問われる自民党・片山さつき議員の国会議員としての品格/築地市場の移転延期、新潟県・泉田裕彦知事の出馬取りやめなど、今週もニュースが盛りだくさん!」2016.9.3日号~No.1450号~ ■■■

 おはようございます。IWJで主にテキスト関係の業務を担当している平山と申します。

 8月18日にNHK「ニュース7」で放送された「子どもの貧困」の内容をめぐり、株式会社サイゾーが運営するニュースサイト「ビジネスジャーナル」が、NHKに対する取材を行っていないにも関わらず、NHKからの「回答」を捏造した記事を配信していたことが明らかとなりました。「ビジネスジャーナル」は8月31日付けで同記事を削除するとともに、「お詫びと訂正」と題した文書をホームページ上にアップしました。

※お詫びと訂正(ビジネスジャーナル、2016年8月31日)
http://biz-journal.jp/2016/08/post_16526.html

 NHKの「子どもの貧困特集」をめぐっては、放送直後からインターネットで「炎上」状態に。放送で取り上げられた女子高生の部屋に、アニメグッズやイラスト用のペン、「エアコンらしきもの」などが映り込んでいたことから、ネット上では「貧困ではないのでは」といった批判が渦巻きました。

 この「炎上」に便乗したのが、自民党の片山さつき参議院議員です。放送後の8月19日には自身のTwitterに以下のように投稿し、女子高生への「バッシング」に加わりました。

 「拝見した限り自宅の暮らし向きはつましい御様子ではありましたが、チケットやグッズ、ランチ節約すれば中古のパソコンは十分買えるでしょうからあれっと思い方も当然いらっしゃるでしょう。経済的理由で進学できないなら奨学金等各種政策で支援可能!」

※自民党・片山さつき衆議院議員のツイート
https://twitter.com/katayama_s/status/766895331401347072

 この「炎上」を利用して、ホームページのビュー数を稼ごうとしたのが「ビジネスジャーナル」です。「ビジネスジャーナル」は、実際にはNHKに取材をしていなかったにも関わらず、NHKからの「架空の回答」を記事に掲載したのです。また、上記文書では、今回の件について「お詫び」をしつつも、「当該記事は外部の契約記者が執筆したものであり」と記すなど、責任を回避するような姿勢を示しています。

 記者が記事を書くうえで取材をするのは、基本中の「キ」であるはずです。岩上さんをはじめIWJの記者は、記者会見で質問をしたり、デモの参加者に路上でインタビューをしたり、先方と直接会えない場合は電話をかけたり、省庁や企業の広報課にFaxを送ったりと、しっかりと取材を行ったうえで記事を書いています。

 今回の「ビジネスジャーナル」による記事は、架空の取材を捏造したわけですから、そもそも「記事」とは呼べません。ネット上の悪意あるデマに悪乗りし、それを拡散しただけのものです。Twitter上で「炎上」に便乗した片山さつき議員ともども、明確な人権侵害であると言えます。

 IWJでは、自らも子どもを持つぎぎまき記者が、この問題についてしっかり取材し、記事としてまとめていますので、どうぞご注目ください!

 現在、日本は様々なインターネットメディアが乱立している状態にありますが、そのほとんどは、ネット上の情報を収集して分類する「キュレーション・サイト」です。なぜなら、既存大手メディアのように、記者やカメラマンを会社として雇うとなると、人件費が莫大なものとなり、経営が成り立たないからです。

 それでもIWJは、デスクワークをするスタッフだけでなく、現場で取材を行い、カメラを回すスタッフを会社として雇い入れています。これは、メディアとして基本中の「キ」である「取材」を、決しておざなりにしないためです。

 しかしその結果として、IWJの経営は常に苦しい状態にあります。おそらく、収益のことのみを考え、記者やカメラマンの人件費をカットし、IWJのホームページを、ブログの転載やTwitterの情報収集に特化した、無難で小綺麗な「キュレーション・サイト」にすることも、不可能ではないのでしょう。しかしそれでは、取材や中継を行う記者やカメラマンの熱量、現場で生じているザラザラした質感のようなものは、伝えられなくなってしまいます。

 IWJは、このような熱量やザラザラ感を何よりも大切にしています。ニュースというものは、無味乾燥な情報ではなく、取材した人間の熱量が込められて、はじめて読み手に対し届くものであるからです。

 IWJがこれからも、熱量を込めた報道を続けるためには、常勤のスタッフを雇い入れておくための人件費がどうしても必要となります。IWJが、現在の配信規模を維持するために会費だけでまかなおうとすると、一般会員が8千人、サポート会員が2千人、あわせて1万人に達する必要があります。最低限でも8千人は安定的な運営のために必要です。

 しかし9月1日の時点で、会員数は5,965人となっており、再び6千人を割り込む状態となっています。収入の柱である会費が伸び悩めば、配信規模を縮小せざるを得ません。9月からは岩上さんもインタビューを再開し、独自コンテンツも豊富になることは間違いありません!ぜひ、IWJの定額会員にご登録いただき、IWJをお支えください!

※IWJの会員登録はこちらから!
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

 また、現実の支出と、会費収入との差額を埋めるために、どうしても皆様からのご寄付・カンパが必要となります。IWJが今後も活動を続けられるよう、ご寄付・カンパによるご支援を、どうかよろしくお願いいたします!

※ご寄付・カンパはこちらからよろしくお願いいたします
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★本日の日刊IWJガイドは「ウィークエンド版」として、一週間のふりかえりの内容でお届けします!

┏━━【目次】━━━━━━━━━━━━
┠■【中継番組表】
┠■<★IWJが報じた1週間総まとめ★>相模原で起きた「ヘイトクライム」の思想的背景を紐解く/「国体」と東京オリンピックを結びつける小池百合子都知事/築地市場の豊洲への移転が延期決定/新潟県・泉田裕彦知事が出馬取りやめ(平山茂樹)
┠■<★新着記事アップのお知らせ★>命を燃やすように生きよう!ボクシング名誉王者・袴田さんの生き方に学ぶ!そして王者・井上尚弥は4日に3度目の防衛戦!秘策は「スイッチ」!?(原佑介)
┠■<★お知らせ★>まだまだご寄稿募集中!IWJ特設投稿欄「みんなで語る『改憲への危機感』」と、IWJオリジナルTシャツのご紹介!(平山茂樹)
┠■わとはぷ~What happened today?(平山茂樹)
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◆中継番組表◆

**2016.9.3 Sat.**

【ツイキャス・IWJ_OKINAWA1】6:00頃~「高江集中行動」
視聴URL: http://twitcasting.tv/iwj_okinawa1
※沖縄県東村高江から現地の模様を中継します。

【IWJ_OSAKA1】13:15~「民進党代表選挙 街頭演説会」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=osaka1
※民進党代表選挙の街頭演説会を中継します。

【IWJ_AICHI1】13:30~「講演会『沖縄と日本の外交』 ―講師 猿田佐世氏(新外交イニシアティブ事務局長)」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=aichi1
※「安倍内閣の暴走を止めよう共同行動実行委員会」主催の講演会を中継します。講師は猿田佐世氏(新外交イニシアティブ事務局長)。

【Ch4】15:00~「関東大震災93周年 韓国・朝鮮人犠牲者追悼式」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4
※「一般社団法人ほうせんか」主催の、関東大震災93周年 韓国・朝鮮人犠牲者追悼式を中継します。

【再配信・Ch1】16:00~「<IWJ追跡検証レポート>『九月、東京の路上で』~関東大震災・ジェノサイドの跡地を加藤直樹氏と歩く 第三夜」
UST視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
ツイキャス視聴URL: http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi
※2014年8月収録の、<IWJ追跡検証レポート>『九月、東京の路上で』第三夜を再配信します。
[掲載記事はこちら] http://iwj.co.jp/wj/open/archives/165254

【IWJ_HYOGO1】17:00~「それってどうなの? 沖縄の基地の話。どうする?普天間、辺野古、そして尖閣問題」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=hyogo1
※「非核の政府を求める兵庫の会」主催、「神戸YWCAピース・ブリッジ」共催の市民学習会を中継します。講師は屋良朝博氏(ジャーナリスト、元沖縄タイムス論説委員)。

【IWJ_KYOTO1】18:50頃~「『日本と原発4年後』上映後の弁護士・映画監督河合弘之氏舞台挨拶」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=kyoto1
※映画『日本と原発4年後』上映後の弁護士・映画監督河合弘之氏舞台挨拶を中継します。

【築地市場移転問題・シリーズ特集5・再配信・Ch1】19:00~「岩上安身による一級建築士 水谷和子氏インタビュー」
UST視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
ツイキャス視聴URL: http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi
※2011年3月収録の、岩上安身による一級建築士 水谷和子氏インタビューを再配信します。

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◆中継番組表◆

**2016.9.4 Sun.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【築地市場移転問題・シリーズ特集6・再配信・Ch1】19:00~「岩上安身による東京中央市場労働組合執行委員長 中澤誠氏インタビュー」
UST視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
ツイキャス視聴URL: http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi
※2011年3月収録の、岩上安身による東京中央市場労働組合執行委員長 中澤誠氏インタビューを再配信します。

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■<★IWJが報じた1週間総まとめ★>相模原で起きた「ヘイトクライム」の思想的背景を紐解く/「国体」と東京オリンピックを結びつける小池百合子都知事/築地市場の豊洲への移転が延期決定/新潟県・泉田裕彦知事が出馬取りやめ

【1】相模原で起きた「ヘイトクライム」の思想的背景を紐解く~東京大学教授・石田勇治氏の『ヒトラーとナチ・ドイツ』を特別掲載!

 神奈川県相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で、入所者19人が殺害されるというあまりに凄惨な事件が発生してから、約1ヶ月が経過しました。施設前に設置された献花台には、事件から1ヶ月が経過した今も、被害者を悼む多くの人が訪れ、花をたむけています。

 この事件を取り上げる際、決して見逃してはならないのが、この犯罪が障害者という社会的マイノリティ(少数者)を狙った「ヘイトクライム」(憎悪犯罪)であるという視点です。逮捕された元職員の植松聖容疑者は、大島理森・衆院議長に宛てた手紙の中で、「私の目標は重複障害者の方が家庭内での生活および社会的活動が極めて困難な場合、保護者の同意を得て安楽死できる世界です」「是非、安倍晋三様のお耳に伝えて頂ければと思います」などと書き綴っていました。

 人類には、障害者に対する「ヘイトクライム」を、30万人という規模で行ったという歴史があります。それが、ナチス・ドイツによる「T4作戦」です。ナチスは、「ホロコースト」と呼ばれるユダヤ人の大量殺戮を実行に移す以前に、先行して、「優生思想」にもとづき、心身障害者や同性愛者といった社会的マイノリティーを様々な手段で殺害する「T4作戦」を行いました。

 この「T4作戦」について詳述されているのが、岩上さんが7月1日にロングインタビューを行った東京大学教授・石田勇治氏の著書『ヒトラーとナチ・ドイツ』(講談社現代新書)です。そこでIWJではこのたび、「津久井やまゆり園」で起きた「ヘイトクライム」を二度と繰り返さないために、石田教授と版元の講談社の承諾を得て、『ヒトラーとナチ・ドイツ』の中から、「T4作戦」と「優生思想」に言及した部分を抜粋して特別掲載しました。下記URLより、ぜひご一読ください。

※【特別掲載!】30万人ものマイノリティーを虐殺した「ナチスの手口」を紐解く!相模原市のヘイトクライムの背景にあった「思想」とは!? 東大教授・石田勇治著『ヒトラーとナチ・ドイツ』を転載!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/328093

【2】日本の美徳の最たるものは「お伊勢さん」!? リオ五輪閉会式から帰ってきた小池百合子都知事が仰天発言!軍国主義のスローガン「国体」と東京五輪を結びつける

 リオ五輪の閉会式から帰国した小池百合子都知事が8月26日、記者会見を開きました。記者会見で語られたのは、リオの現地で目にした環境配慮型の施設の数々に対する小池知事の「感動」でした。「まさしく私が環境大臣時代に訴えておりました、3R(reduce、reuse、recycle)の思想につながります」と、東京五輪では「もったいない」という言葉を新コンセプトにしていきたい、と意気込みました。

 そして突然、小池知事は、「もったいないの最たるもの」として次のように語り始めました。

 「『もったいない』というのは、日本の美徳だと思います。この最たるものが、『お伊勢さん』です」

 「お伊勢さん」とは、伊勢神宮のことです。小池知事は、20年毎に行われる遷宮で、伊勢神宮の木材を別の神社で再利用することを、「もったいない」精神のあらわれだと強調したのです。しかし、これはこじつけめいたところもあります。見方を変えれば、まだまだ使える社殿を20年ごとに建て直す式年遷宮を「もったいないことをしている」とみなすことも可能です。

 そもそも、五輪の新コンセプトを語る上で、伊勢神宮をわざわざ引き合いに出す必要があったのでしょうか?今年の5月26日、27日には、安倍総理がG7サミットを伊勢志摩で行い、各国首脳を連れ伊勢神宮を「参拝」したことが、英紙ガーディアンなどで「伊勢神宮の政治利用」と批判されました。

※【IWJ検証レポート】改憲への熱情の底にひそむ「国体復活論」~安倍政権を思想的に支える日本会議、神道政治連盟、そして伊勢神宮の「真姿」とは――宗教学の第一人者・島薗進氏(上智大学教授)に訊く
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/310114

 安倍総理が伊勢神宮を「政治利用」したこと、小池知事が東京五輪の新コンセプトを語る上で伊勢神宮に触れたことは、大きな問題を含みます。詳細は、下記URLより記事をご一読ください。

※日本の美徳の最たるものは「お伊勢さん」!? リオ五輪閉会式から帰ってきた小池百合子都知事が仰天発言! 軍国主義のスローガン「国体」と東京五輪とを結びつける?
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/327842

【3】小池知事が築地市場の豊洲移転を正式に延期表明!「都民ファーストの視点からすると、疑問が残る」

 8月31日、ついに小池都知事が、11月7日に予定されている築地市場の豊洲移転を「延期する」と正式に表明しました。これにともない、11月2日に予定されている築地市場の閉鎖や施設解体工事も延期となります。

 石原慎太郎都知事が2001年に築地市場の豊洲移転計画を明らかにしてから、実に15年間、移転に向けひた走ってきた都が、移転予定日を目前に、初めて立ち止まることになりました。

 緊急記者会見で小池知事は、延期をめぐって推進派と反対派が真っ向から対立している状況を把握しているとしつつ、「都民ファーストの視点からすると、安全性への懸念、巨額かつ不透明な費用の増幅、情報公開の不足、3つの『疑問』が解消されていない」として、移転延期に踏み切った理由を述べました。

 土壌汚染施設の設計など、現在明らかになっている問題について検証する「市場問題プロジェクトチーム」を設置することも明らかにしました。次の移転予定日については、プロジェクトチームの精査結果などを踏まえ、来年の1月以降に発表するとしています。

 記者から、「プロジェクトチームの精査の結果次第では、移転中止もありうるのか?」と聞かれると知事は、「精査の結果を待ちます」とだけ述べ、明言を回避しました。

 精査するとされている土壌汚染の問題ですが、豊洲にはすでに新市場の施設が建ってしまっています。どのように土壌汚染調査を行うのか、非常に疑問です。IWJ記者が尋ねると、東京都顧問の小島敏郎氏は、「いろいろ方法はあると思います」とだけ述べ、具体的な方法は明示しませんでした。

※小池百合子東京都知事 築地市場の豊洲移転問題に関する記者会見と小島敏郎東京都顧問による質疑応答
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/328938

【4】泉田新潟県知事「『説明しろ』と言った以上、県からの回答を握りつぶさないでいただきたい」と注文!新潟日報は「事実を書いている。圧力には屈せない」と反論!記者会見詳報!

 8月30日、新潟県の泉田裕彦知事が、知事選への出馬取りやめを発表しました。泉田知事はその理由として、県が出資する第3セクターの子会社の船購入トラブルをめぐり、県の関与を追及する新潟日報の報道を挙げ、「憶測記事や事実に反する報道」と指摘。「このような環境の中では、十分に訴えを県民にお届けすることは難しい」と説明しました。

 これに対し、新潟日報は、「泉田知事が知事選から撤退する理由として本社の報道を挙げたことは、報道機関に対する圧力にも等しく、許しがたい行為と言うほかはない」と反論しました。

 「一体、何が起きてるんだ・・・!?」と居ても立ってもいられず、IWJは31日の知事会見にカメラマンを派遣。泉田知事の主張の一部始終を生中継で報じました。

 会見で泉田知事は、「県からは都合10回ぐらい事実に反する記事についての訂正を求めた。これを『圧力だ』と言われても、少し理解ができない」と主張。「もし圧力だと言うのであれば、『県からはこういう申し入れがあった、これに関して我が社はこう思う』と紙面上で議論すればいいのではないか」と訴えました。

 新潟日報の記者も譲らず、「新潟日報としては事実を書いている」と抗議。泉田知事と新潟日報の記者は、ときに語気を荒げながら互いの主張をぶつけあいましたが、新潟日報は、なぜ県からの回答を紙面に載せなかったのか、答えていません。言論機関として、これは不誠実な対応でしょう。新潟日報には、その点については県民、国民に対して説明責任があると思います。また続報を出したいと思います。

※泉田新潟県知事「『説明しろ』と言った以上、県からの回答を握りつぶさないでいただきたい」と注文!新潟日報は「事実を書いている。圧力には屈せない」と反論も説明責任は果たさず!白熱した記者会見詳報!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/328935

■<★新着記事のお知らせ★>命を燃やすように生きよう!ボクシング名誉王者・袴田さんの生き方に学ぶ!そして王者・井上尚弥は4日に3度目の防衛戦!秘策は「スイッチ」!?

 おはようございます。IWJ記者の原佑介です。先日アップしたIWJブログ「俳優、絵師でもあった米倉斉加年さんの命日によせて」はもうお読みになっていただけましたか?

※【IWJブログ】俳優、絵師でもあった米倉斉加年さんの命日によせて~一日5時間ひたすら歩く元死刑囚・袴田巌さんをひそかな目標とする岩上さん「歩くことは生きること、自由であり続けるための闘い」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/328540

 青木浩文記者が書いたこの記事、皆さんから「非常によかった」「泣いた」といった反響を多数いただいています。ありがとうございます。僕も青木記者の温かみのある文章が好きで、いつも手元に第一稿が届くのを楽しみにしています。

 恥ずかしながら、僕自身は米倉斉加年さんという俳優について詳しく存じあげなかったのですが、差別意識の蔓延していた当時の日本社会で、自身の俳優生命を賭けて堂々と差別と闘った、偉大な人物であることがわかりました。

 日本では今、再び差別問題が表面化しています。街頭でのヘイトデモや、相模原市の障害者を狙った大量殺人事件を考えると、むしろ今が戦後で最も危機的な状況にあるのではないかと思えます。

 未曾有の朝鮮人虐殺を引き起こした関東大震災の発生が1923年の9月1日。IWJでは今年もこの時期に特集を組み、連日、中継や関連動画の再配信を行っています。

 本日は、虐殺現場のひとつとなった荒川河川敷から「関東大震災93周年、韓国・朝鮮人犠牲者追悼式」を生中継し、その後は「IWJ追跡検証レポート」と題して、「『九月、東京の路上で』~関東大震災・ジェノサイドの跡地を加藤直樹氏と歩く・第三夜」を再配信します。ぜひご視聴ください。

※【IWJ追跡検証レポート】『九月、東京の路上で』~関東大震災・ジェノサイドの跡地を加藤直樹氏と歩く 2014.8.29
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/165254

 相模原の大量殺人事件は、戦後最大のヘイトクライムでした。IWJでは現在、事件の背景を深く掘り下げるべく取材を続けています。二度とこんな悲惨な事件が起きないよう、差別に対しては見て見ぬふりをするのではなく、毅然として対峙しなければいけません。この危機感を社会で共有する意味でも、IWJの記事を広めていただければ幸いです。

※ナチスドイツの「T4作戦」を連想させる、相模原障害者施設殺傷事件! 安倍総理はこの事件を強く批判して、障害者と家族を安心させるメッセージを出すべきでは? 2016.8.10
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/324764

※【特別掲載!】30万人ものマイノリティーを虐殺した「ナチスの手口」を紐解く!相模原市のヘイトクライムの背景にあった「思想」とは!? 東大教授・石田勇治著『ヒトラーとナチ・ドイツ』を転載! 2016.8.28
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/328093

 相模原での事件については、現在、岩上さんも「ニュースのトリセツ」に論考と取材成果をまとめている最中です。

 青木記者のブログにもありますが、7月に再び心臓発作に見舞われた岩上さんは、IWJの期末とも重なり、もともとオーバーワークだった仕事の量をセーブしてきました。

 この間、疲労した身体の回復に努めつつ、徐々に運動も始め、最近では定期的にウォーキングやジムで汗を流しています。

 めまいにもたびたび襲われる岩上さんが、それでも無理を押して歩いたり、運動して汗を流そうとするのは、世紀の冤罪事件「袴田事件」で死刑判決を受けた元プロボクサーの袴田巌さんは、毎日5時間歩くことを日課にしている――ということも、青木記者のブログ記事で触れられています。

 1966年6月30日、静岡県のみそ会社専務の一家4人が殺害、放火され、会社の従業員の袴田巌さん(当時30歳)が強盗殺人などの疑いで逮捕、起訴されました。袴田さんは無罪を主張し続けましたが、80年に死刑が確定。しかし、DNA鑑定の結果などに不審点が多く、静岡地裁が2014年3月27日、再審開始を決定。袴田さんは釈放されました。

 袴田さんの釈放から間もない4月6日、大田区総合体育館で、ボクシングのWタイトルマッチが行なわれました。WBC世界フライ級王者・八重樫東選手が3度目の防衛に成功し、ベルトを堅守。日本最速プロ6戦目で世界挑戦となった井上尚弥選手は、WBC世界ライトフライ級のベルトを奪取。日本ボクシング界の記念すべき日となったわけですが、会場ではもうひとつ、歴史的なイベントが行われました。

 WBC認定「名誉王者」のチャンピオンベルトが、袴田さんに贈呈されたのです。

 「ボクサーくずれの犯行という偏見で捜査が行なわれたのではないか」――ボクシング界は袴田さんの逮捕直後から捜査に反発、袴田さんへの支援を開始しました。2006年には元世界チャンピオンの輪島功一さんを委員長とする、袴田巌支援委員会を設立。再審開始に向けたアピールを続けてきました。

 入院中の袴田さんの代理としてチャンピオンベルトを受け取った姉の秀子さんは、「ボクシング界には、本当にお世話になりました。みなさんのおかげです」と挨拶し、「闘いは続きます」と訴えました。

 「袴田事件」は一見、一件落着のように見えますが、検察側が即時抗告したことで、東京高裁で再審をめぐる審理が今も継続中…実は、袴田さんの身分はまだ死刑囚のままなんです。それでもボクシング界は袴田さんに寄りそって、ともに歩んでいます。権力を相手に回しても怯まず、「冤罪は許さない」という姿勢を断固として貫くボクシング界の皆さんに、尊敬の念を禁じ得ません。

 「袴田事件」に関しては、岩上さんが袴田事件弁護団長の西嶋勝彦弁護士にロング・インタビューしていますので、この機会にぜひご視聴ください。

※「袴田事件のような捜査機関による証拠捏造は珍しいことではない」岩上安身による袴田事件弁護団長・西嶋勝彦弁護士インタビュー 2014.4.4
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/133093

 さて、井上尚弥選手の話がちょろっと出ましたが、今月4日には、スーパーフライ級王者として3度目の防衛戦が決まっています。「先手先手でペースをつかんで、流れがくればKOを狙っていきたい」と意気込む王者・井上。今回は本来のオーソドックススタイルから試合途中でサウスポースタイルに変える「スイッチ」を練習に取り入れてきたということで、新たなスタイルが見られるかもしれません。

※【岩上安身のツイ録】ボクシング、井上尚弥選手の世界防衛戦を観戦!KO記録更新はならずも、「怪物王子」の称号を! 2016.5.10
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/301071

 僕も最近は、岩上さんや元プロボクサーで現在、WJウェブスタッフのサルサ岩渕さんとともにキックボクシングジムでサンドバッグを叩き、ときおりリング上でスパーリングもしています。袴田さんのように毎日5時間は歩けないし、井上選手のような一流選手にもなれませんが、現場で取材するにも、最後は体力がものを言います。

 高江で、機動隊にもみくちゃにされる取材を経て、権力の無法を取材して伝えるにも、最後の最後には体力勝負であると痛感しました。運動をして、汗を流して、体力をつけて、全力で取材現場に臨みたいと思いまし、やがてベッド上で動けなくなるその日まで、命を燃やすように生きていきたいと思います!

 しかし他方、こうも思います。30代に入ったばかりの僕には、80代の袴田さんが痛感しているであろう身体の衰えは想像もできませんが、病であったり、事故にあったりして「障害」を負うことも、長い人生の中ではありえないことではありません。そうした出来事に見舞われなくても、誰の身にも老いは訪れます。どんな強者であっても、いつかは身体的な弱者となるわけで、老いや病いや障害のために、弱い立場にいる人も自分が元気なうちにいたわり、かばい、自分が弱い立場となったら、お世話になる、そうした「お互い様」の思いがなければ、社会は成り立ちません。

 ここでご紹介したアーカイブは、サポート会員さんであればすべていつでも好きなときにご視聴いただけます!皆さんの会費は僕らが日々の闘いに臨むための資金になりますので、どうかサポート会員へのご登録をよろしくお願いします!

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■<★お知らせ★>まだまだご寄稿募集中!IWJ特設投稿欄「みんなで語る『改憲への危機感』」と、IWJオリジナルTシャツのご紹介!

 昨日9月2日、民進党の代表選が告示されました。立候補を表明したのは、蓮舫氏、前原誠司氏、玉木雄一郎氏の3人。15日の臨時党大会まで、約2週間の選挙戦がスタートしました。IWJでは、昨日13時30分から民進党本部で行われた共同記者会見の模様を取材・中継しました。

※2016/09/02 民進党代表選挙候補者による共同記者会見
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/329266

 9月26日には、秋の臨時国会が召集されます。今国会での最大の争点は、改憲による「緊急事態条項」の創設です。

 7月10日に投開票が行われた参議院選挙の結果、自民党、公明党、日本維新の会(おおさか維新の会より改称)、日本のこころを大切にする党の「改憲勢力」が、衆参で3分の2議席を占めるに至りました。事実上、安倍政権が改憲に踏み切ろうと思えば、いつでも国会で改憲の発議を行うことができるのです。

 民進党は先の参院選で、はっきりと「3分の2阻止」を掲げました。今回の代表選でも、安倍政権による改憲に対するスタンスを各候補者がはっきりと示し、争点のひとつとしてしっかりと取り上げてもらいたいと思います。

 さて、IWJでは現在、現実味を増す改憲への動きに関して、市民の皆さんからの寄稿を募っています。本日は、「石田」さんから「安倍政権の目論む改憲の異様さ」というタイトルでお寄せいただいた寄稿をご紹介したいと思います。

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 おそらく政府は「緊急事態条項」の追加を狙ってくると思われます。

 大震災や世界中で頻発するテロを引き合いに出し、大規模災害やオリンピックでのテロに備えるためとすれば、これを喫緊の問題として提示することができるからです。その上で緊急事態条項を追加するとなれば、改憲の流れも正常に見えます。

 さらに、政府は「お試し改憲」という言葉で緊急事態条項の追加をアピールしてきます。法治国家である日本国の最高法規に対し「お試し」などという言葉は不遜きわまりなく、まるでショッピングをするような感覚で改憲を扱う点も「異様」です。しかしながらこのキャッチフレーズが国民に安心感を与えることも事実です、さらに大手メディアもこれに加担して報道するので緊急事態条項追加の敷居は相当低くなります。
—————————————-

 石田さん、ありがとうございました!石田さんの寄稿全文は、下記URLよりお読みいただけます。

※安倍政権の目論む改憲の異様さ
http://iwj.co.jp/wj/open/consti-msg/1-039

 石田さんは、上記寄稿文の中で、「法治国家である日本国の最高法規に対し『お試し』などという言葉は不遜きわまりなく、まるでショッピングをするような感覚で改憲を扱う点も『異様』です」と記されています。現在の安倍政権は、まるで日本が「法治国家」であることを忘れてしまっているかのようです。IWJでは、安倍政権による改憲の動きに警鐘を鳴らすためにも、引き続き、皆さんからの寄稿を募集します。ぜひ、下記フォームよりご投稿ください!

※【寄稿募集中】みんなで語る「改憲への危機感」投稿フォーム
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSc7bnfuZOlRy0S9o9HmEGQWgdgT7TYJJIth4J3GaWHMgUPAzw/viewform?c=0&w=1

 さて、IWJでは現在、この「みんなで語る『改憲への危機感』」とのコラボレーション企画として、復刻版「TALK ABOUT DEMOCRACY」Tシャツを販売しています。

 このTシャツの胸元には、「TALK openly ABOUT DEMOCRACY and CONSTITUTION」という文言がプリントされています。これは直訳すると、「民主主義と憲法についてどんどん話してみようよ、私たちの自由と未来のために」という意味になります。

 民進党の代表選も、「DEMOCRACY」(民主主義)と「CONSTITUTION」(憲法)について、各候補者が胸襟を開いてオープンに議論される場となることを願います。少なくともこれは、自民党と対峙する野党第一党として、最低限の務めではないでしょうか。

 そして私たち市民一人ひとりも、「DEMOCRACY」と「CONSTITUTION」について自由闊達に話しあいを行い、両者に対する理解を深めるとともに、両者をともに葬ろうとする安倍政権に対し、「No!」を突きつけていきましょう!

 Tシャツの柄は、「ヘザーグレー」と「バーガンディ」の2色からお選びいただけます。サイズも、XS、S、M、L、XLと豊富に取り揃えていますので、この機会にぜひお買い求めください!

※復刻版!! Tシャツ TALK ABOUT DEMOCRACY 色:ヘザーグレー
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=256

※復刻版!! Tシャツ TALK ABOUT DEMOCRACY 色:バーガンディ
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=257

※IWJ定額会員へのご登録はこちらから!
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

 それでは、本日もよろしくお願いいたします!

※日刊IWJガイドのフルバージョンは下記URLより御覧ください。
http://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20160903
 
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