猛烈な炎天下の日曜日、渋谷では2000人のママが行動を起こした7月26日午後2時より、神奈川県湯河原町では市民有志による「湯河原・泉の会」主催のアピールウォーク第2回が催された。
あまりの猛暑のため、小さいお子さん、ご高齢者、体調に自信のない方々には、あらかじめ主催者から町民会館集会室での待機が促されたにもかかわらず、足柄上郡や小田原市からの参加者も含めて前回と同じ約60名(主催者発表)の市民が、約一時間半のコースをそれぞれの怒りと決意を胸に歩き通した。沿道からは「湯河原エライ!」との声援も。
呼びかけに対する賛同人の数もまたたく間に250名を超え、同会主催となる小林節名誉教授の講演では450人もの人々が会場を埋めつくすなど、戦争法案に対する市民の関心が日増しに膨らむ中、今回のウォークではコールだけではなく、同会結成の主旨、戦争法案への疑義などがスピーカーを通して、穏やかな温泉町の町なかに語りかけられた。
途中、公明党のポスターを掲げたお宅の前で「この裏切り者!」と声を荒げた年輩の方に対し、1歳8カ月の赤ちゃんとともに参加した若いお母さんからは「特定の誰かを攻撃するやり方ではなく、今は一人でも賛同者を増やすために多様性を受け入れる運動を」との意見が出たり、「国会前抗議に参加すると勇気が出ても、地元に帰ってくると孤立感でしょんぼりしてしまう。もっと地元での運動を」と、やはり4歳と6歳、二児のお母さんからの声が上がるなど、特に女性たちへの、大きな裾野の広がりがうかがえる一幕もあった。
東海大学東海大学国際教育センター教授の斉木ゆかりさん(呼びかけ人の一人)は「留学生の中には『日本は怖い国だ』という先入観を持ってやってくる人もいる。しかし帰国するときには皆『ここは優しい国だ』という笑顔を残して帰る。絶対に『やっぱり怖い国だった』と言われる日本にしてはならない」と、深く静かな決意を語った。
また重度の自閉症と診断された妹をもつという女性は「妹は言葉を持たないが、人を傷つけたり、攻撃したり、貶めたりは決してしない。妹のしないようなことに、私もまた絶対加担なんかしたくない」と、戦争法案への怒りを訴えた。
同会では今後のアピールウォークを8月29日(土)、9月12日(土)、ともに午後4時から予定している。また、8月中の毎週日曜日(8月30日を除く)午後2時から、JR湯河原駅前でのリレートーク開催も予定している。
詳細のお問い合わせは以下ホームページへ。賛同者も募集中。
「湯河原・泉の会」公式HP
http://yugawaraizumi.wix.com/nowar
(取材:参加者有志、記事構成:IWJテキストスタッフ出口大、写真:村田知章氏)