■■■ 日刊IWJガイド「元自衛官が岩上安身のインタビューで生々しい自衛隊の『リアル』を暴露!そして『報ステ』がスクープした『押しつけ憲法』論の『ウソ』とは!? 季節の変わり目は政治・経済・世界情勢の変わり目!そんな今日は歴史に残る『バカヤロー』記念日!!」2016.2.28日号~No.1263号~ ■■■
(2016.2.28 8時00分)
おはようございます! IWJで記者をしている佐々木隼也と申します。
春めいてきたとは言え、まだまだ冷えますね。みなさま、体調など崩していませんでしょうか?
一昨日26日には、NY在住のアーティストであるオノ・ヨーコさん(83)が「脳卒中のような症状で意識不明で救急搬送」というニュースが流れ、ネット上は一時騒然としました。昨日の続報で、オノさんはインフルエンザのような症状になって主治医に連絡し、大事を取って入院しただけだ、というヨーコさんのマネージャーの発言が報じられ、安堵が広がりました。
季節の変わり目は身体の変わり目。みなさまも、夜寝る時はお腹(特に胃腸のあたり)を温めるなどして、風邪菌やウィルスにつけいる隙を与えないようにお気をつけ下さい。
そして、季節の変わり目は、政治の変わり目、経済の変わり目、そして世界情勢の変わり目でもあります。今、日本中、世界中で様々な「変化」「異変」が起きています。
米大統領選をめぐっては、共和党候補指名争いで「ヒール(悪役)」キャラを全面に押し出しているドナルド・トランプ氏が23日、ニューハンプシャー州、サウスカロライナ州に続きネバダ州でも3連勝となる勝利をおさめました。11州で予備選・党員集会が開かれる3月1日の「スーパー・チューズデー」を前にトランプ氏が勢いを増しています。
日本では、安倍政権がアベノミクスの「何度目か」の切り札として持ち出した「マイナス金利」の影響で、大手銀行に続き、ついにゆうちょ銀行までもが、「通常貯金」の金利を0.001%まで引き下げ。地方銀行もどんどん後に続き、日本中の銀行で、利息収入よりも手数料の方が高くつき、銀行に預けるだけ損!という状態になりつつあります。
さらに今後、ATM手数料の値上げや、口座管理料の値上げなども行われるのではないか、との観測も出ており、まさに安倍政権が掲げる「経済で、結果を出す」のスローガンが、国民にとって「最悪」の方向で結実しそうな気配です。
また、目前に迫った北海道補選では、新党大地代表の鈴木宗男氏の娘・鈴木貴子議員が民主党を離党。「今後は自民党と共に活動するとみられる」などとも報じられており、民主党の枝野幹事長は「議席を返せ!」と激昂。春まだ遠いきたの大地の一角では、胸に「ムネオの娘」というタスキをかけて街宣する鈴木貴子氏の姿も目撃されています。
※鈴木貴子氏について、岩上さんが「安倍政権批判はポーズだけ。安倍にスカウトされての自民入り」と指摘したツイート
https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/703494985824337921
他にも、イランで行われたダブル選挙など活発化する中東情勢や、安倍政権がフルスロットルで速度を上げる原発再稼働など、国内、国外問わず、変化が津波のように押し寄せています。
今後IWJでは、上記のトピックの一つひとつを丹念に、可能な限り取材し、速報として、また詳細記事としてみなさまにお伝えしていくつもりですので、どうぞよろしくお願いいたします!
さて本日の本ガイドでは、注目の元自衛官のインタビュー再配信や、報道ステーションがスクープした「押しつけ憲法」論のウソや、おおさか維新の、あの「暴言」足立康史議員に関する続報などをお届けします!まずは、中継番組表をご覧ください!
┏━━【目次】━━━━━━━━━━━━
┠■【中継番組表】
┠■「トモダチ作戦の名を借りて上陸作戦の予行訓練」!? 「ヒゲの隊長はイラクで前線を見ていない」!?!?~静かなクーデターが進行する自衛隊の「実態」を、元自衛官の末延隆成さんが岩上安身のインタビューで暴露!(佐々木隼也)
┠■報ステがスクープ!「押しつけ憲法論」崩壊!? 憲法9条を作ったのは「幣原喜重郎説」をさらに裏付ける新証拠が発見される!(原佑介)
┠■あの「国会での非常識な暴言」足立康史議員が岩上安身にTwitterでリアクション!
┠■IWJスタッフ募集中! 「テキストスタッフ」「Webスタッフ」として一緒に働きませんか?
┠■わとはぷ~What happened today?「今日はバカヤローの日」(佐々木隼也)
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◆中継番組表◆
本日のIWJの中継番組表をお送りします。
あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。
**2016.2.28 Sun.**
【IWJ_NARA1】13:00~「奈良県民の選挙勉強会@生駒 ~市民が野党協力を後押しするために~(話し手:座間宮ガレイ)」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-nara1
※座間宮ガレイ氏を講師に招いておこなわれる勉強会を中継します。主催は、座間宮ガレイ勉強会(奈良北部)実行委員会。
【IWJ_AICHI1】13:00~「SEALDs TOKAI主催 自由と民主主義を守る名古屋デモ」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-aichi1
※SEALDsTOKAIが主催する初のデモの模様を中継します。ゲストスピーカーは、近藤昭一衆議院議員(民主)、小池晃参議院議員(共産)、吉田忠智党首(社民)、西谷修氏(立教大学特任教授)、丹下絋希氏(映像作家)。
【IWJ_FUKUSHIMA1】14:00~「安保法廃止を求めるふくしま市民連合キックオフイベント」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-fukushima1
※「安全保障関連法の廃止を求めるふくしま市民連合準備会」が主催する、「ふくしま市民連合」キックオフイベントを中継します。
【ツイキャス・IWJ_OKINAWA1】14:00~「緊急シンポジウム『辺野古裁判で、問われていること』」
視聴URL: http://twitcasting.tv/iwj_okinawa1
※「辺野古訴訟支援研究会」主催で行われるシンポジウムを中継します。翁長雄志沖縄県知事、辺野古訴訟支援研究会代表者・紙野健二・名古屋大学教授、辺野古訴訟弁護団長 竹下勇夫 氏、白藤博行・専修大学教授、本多滝夫・龍谷大学教授 などが参加予定。
【IWJ_FUKUOKA1】14:00~「この夏、どうする?~候補者と考える参院選U29~」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-fukuoka1
※第1部「福岡選挙区立候補予定者他と学生による意見交換」の模様を中継予定。民主党、共産党、社民党の立候補者が参加予定。
【録画配信・IWJ_OSAKA1】16:00~「第8回 2016年度リニア・市民ネット大阪の学習会」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-osaka1
※2016年2月21日、「リニア市民ネット・大阪」主催により開催された学習会を録画配信します。講師はリニア市民ネット山梨代表の川村晃生氏。
【IWJ_BERLIN】17:30~「五年後の福島と30年後のチェルノブイリ ~3日目」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-berlin
※IPPNW(International Physicians for the Prevention of Nuclear War)主催の原発事故に関するイベントを中継します。
【録画配信・Ch1】18:00~「岩上安身による元陸上自衛官・末延隆成氏インタビュー」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
※2015年11月5日におこなわれた、岩上安身による元陸上自衛官・末延隆成氏インタビューを録画配信します。Twitterアカウント @IWJ_ch1 にて、本インタビューの模様を実況ツイートします。
【IWJ_KYOTO1】18:30~「グローバル・ジャスティス研究会・2月の企画 チャベス後のベネズエラと南米はどこへ?」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-kyoto1
※今年1月からスタートした「グローバル・ジャスティス研究会」による2月企画。報告者は南米に精通する一井不二夫氏(ブログ「ラテンアメリカの政治経済」)。
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◆明日の中継番組表◆
あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。
**2016.2.29 Mon.**
【Ch未定】14:30~「高市早苗総務大臣の『電波停止』発言に抗議するテレビ放送関係者らによる記者会見」
※テレビ放送関係者らが主催する、高市早苗総務大臣の「電波停止」発言に抗議する記者会見。青木理氏、大谷昭宏氏、金平茂紀氏、岸井成格氏、田原総一朗氏、鳥越俊太郎氏(当日の予定で変更、追加があり得ます)らが参加予定。
【Ch5】15:00~「『日米安全保障研究会』最終報告の発表」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5
※会見者は、ジョン・ハムレ氏(戦略国際問題研究所 CSIS 所長)、デニス・ブレア氏(笹川平和財団米国(SPF-USA) 会長)、折木良一氏(統合幕僚監部 前統合幕僚長)、加藤良三氏(元在米特命全権大使)、田波耕治氏(株式会社三菱東京UFJ銀行 顧問)、羽生次郎氏(公益財団法人笹川平和財団 会長)、山口昇氏(公益財団法人笹川平和財団 参与)らが予定されている。
【Ch2】17:30~「東京電力 定例会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=2
※東京電力による定例会見を中継します。
【Ch未定】18:30~「2.29官邸前緊急行動 日本政府は代執行訴訟裁判を直ちに取り下げ沖縄の民意に従え!!」
※同日、国が沖縄に対して提訴を行なった、代執行訴訟が福岡高裁那覇支部で結審する。この日に合わせ、「沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック」が主催して行われる官邸前での抗議行動の模様を中継します。
【シリーズ特集:緊急事態条項 5・Ch1】21:00~「『緊急事態条項』への認識を問う! 憲法を『眠らせ』ようとしているのは誰か 民主党は『ナチスの手口』に屈するのか? 岩上安身が岡田克也代表を単独直撃インタビュー!」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
記事URL: http://iwj.co.jp/wj/open/archives/280184
※2015年12月25日(金)に行なった、岩上安身による民主党・岡田克也代表へのインタビューを再配信します。配信の際、 @IWJ_ch1で報告ツイートを行ないます。
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■「トモダチ作戦の名を借りて上陸作戦の予行訓練」!? 「ヒゲの隊長はイラクで前線を見ていない」!?!? 「自衛隊内部で『旧日本軍伝統』の捕虜への拷問を伝授」!?!?~静かなクーデターが進行する自衛隊の「実態」を、元陸上自衛隊2等陸曹の末延隆成さんが岩上安身のインタビューで暴露!
本ガイドでは何度も警鐘を鳴らしていますが、安保法制成立後の安倍政権下の日本で今、自衛隊内で「静かなクーデター」が進行中の模様です。
自衛隊最高レベルの作戦計画策定に当たり、防衛省内で制服組自衛官(自衛隊幹部つまり軍人)を中心とする統合幕僚監部が、背広組防衛官僚が中心の内部部局(内局)に、「権限の大幅移譲」を要求していることが分かったのです。今のところ、背広組はこれを拒否しているといいますが、この要求が通ってしまうと、職業軍人ではない「文民」が軍隊をコントロールする、というシビリアンコントロール(文民統制)が崩れかねない事態です。
・【日刊IWJガイドより】平成の2・26事件!?軍部が政治をコントロールしようとしている!?
http://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/24235
米軍と一体化しながら、日本の安全保障政策の決定権を握ろうとしている制服組。その実態を暴露したのが、元陸上自衛隊2等陸曹、昨年1月まで自衛官だった、末延隆成さんです。末延さんには昨年11月、岩上さんが独占インタビューを行い、生々しい「自衛隊のリアル」をうかがいました。そのインタビューを、本日、Ch1で再配信します!!!
このインタビュー、かなり衝撃的です。
3.11の「トモダチ作戦」に派遣されたという末延さんは、米軍と自衛隊が、災害救助に名を借りて、上陸用舟艇を用いた上陸作戦の予行訓練を行ったことを暴露しました。その訓練を経てから、数日後に到着した被災地では、「死んで間もないような、きれいな死体があった」ことを紹介し、「こんな訓練をやらずにすぐに現場に駆けつければ、数は少なくても2人や3人は助けられたかもしれない」とインタビューで振り返りました。人命救助より、その名を借りた日米合同軍事演習が先行したのですね。
さらに末延さんは、自衛隊時代に、「非正規兵については国際法でも処理が認められている。正規兵でも民間人に危害を加えた可能性のある者や逃亡を図った者は処理(殺害)するように」などと上官から言われ、捕虜の「積極的処理主義」が上官から推奨されていたことも明かしています。
拷問の手口も教えられたそうで、その手口を末延さんが明らかにすると、インタビュアーの岩上さんの顔が青ざめてゆきます。もちろん、捕虜への拷問や、虐待、殺害は、国際法で許されていません。まるで旧日本軍がそのまま生き続けているような、悪夢のような話の数々に、寒気が止まりません。
さらに末延さんは「旧日本軍の体質とまったく同じ」である事例として、イラク戦争当時、自衛隊のイラク派遣で初代派遣部隊の隊長を務めた、「ヒゲの隊長」こと自衛隊・佐藤正久議員の、信じがたい当時のエピソードを明かしました。
安保法制国会では、後方支援が「安全」である例としてこのイラク派遣について振り返り、「みなさんが危惧するような危険なことはなかった」と力説していました。しかし、イラク派遣時、前方の隊員から「今の状況は非常に切迫している危険な状況だから、下がらせて欲しい」と要請があっても、佐藤さんは「そこで頑張れ、まあ頑張れ」と、下げなかったそうです。
「ではこの状況を、実際に自分の目で見て確認してください」と要請しても、佐藤さんは断ったというのです。イラク派遣では、実際に自衛隊車両に銃弾が撃ち込まれおり、戦死者が出なかったのが奇跡的なほど、逼迫した状況だったことが後に明らかになっています。
佐藤さんの国会での証言は、いったい何を意味していたのでしょうか?
佐藤さんを含めた「上層部」は確かに安全だったということなのでしょうか?下っ端の自衛官の命が危険に晒されようとも、自分たちが安全ならば「安全」という判断になるということなのでしょうか?
インタビューでは、そうした安保法制を推進する制服組や、安倍政権の面々の矛盾や問題点を、元自衛官の立場から生々しいエピソードとともに、指摘・批判されています。
ぜひご覧になっていただき、信じがたい話の数々を直視していただければと思います…!
また忙しくて再配信をご覧になれない、再配信の前に早く観たい、再配信のあとにもう一度確認したい、という方は、以下、インタビューの動画記事をアップしましたので、こちらをご覧ください!インタビューの全編は、IWJの一般会員であればいつでも何度でもご視聴できます。
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・2015/11/05 岩上安身による元陸上自衛官・末延隆成氏インタビュー(動画)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/273709
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ぜひこの機会に、会員登録をよろしくお願い致します!他にも、会員限定のコンテンツは、岩上さんの過去のインタビュー全編や、過去のIWJの配信番組の全編、テキスト記事の全編などなど膨大で、どれも重要なものばかりです。IWJ会員となり、新聞・テレビがほとんど報じない「事実」の数々を、ぜひ、お確かめください!!
ちなみに、IWJ会員であれば、末延さんが昨年9月に登壇した集会や、またサポート会員であれば、同じく元自衛官でレンジャー部隊に所属していた井筒高雄さんへのインタビュー全編もご覧になることができます!
一般会員の方は、この機会にぜひサポート会員に変更していただければ、幸いです!
※会員登録、また一般会員からサポート会員への変更はこちら!(会員種別変更は、ログイン後の「MYページ」より可能です)
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php
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・2015/09/14 「安倍総理が自衛隊の最高司令官。これが一番怖い!」――自衛隊員、家族の悲痛な思いがあふれたホットライン「自衛官の家族は皆、夫を戦地に行かせたくない」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/264267
・2015/10/05 安保法制適用第一弾は南スーダンでの「駆け付け警護」 政府は「戦闘現場」を想定している!?
~三輪隆氏(埼玉大学名誉教授)×井筒高雄氏(元レンジャー隊員)×岩上安身
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/268726
※また、以下は井筒さんが登壇した集会や講演会のアーカイブです!こちらもぜひ!
・2015/12/19 元レンジャー隊員・井筒氏「緊急事態条項で徴兵制の復活は簡単」~PKO法改正で激白「今の陸自隊員に実戦は無理」──自衛隊を戦場へ送るな!総がかり集会
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/279650
・2015/09/21 「あとの総仕上げはPKOで自衛隊が死ぬことだ」元レンジャー隊員・井筒氏がPKO協力法に憤怒――「われ国と自衛隊を愛す、故に戦争法に反対する」学習会
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/266003
・2015/10/14 緊急座談会!元陸自レンジャー隊員と語らう戦場のリアル、自衛隊の実態を知っていますか?(動画)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/270386
・2015/09/07 「国会は戦場のリアルに追いついていない」元レンジャー隊員・井筒高雄氏――元首相菅直人氏「避難計画の最終判断はどこが決めるのか?」川内原発再稼動に懸念表明
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/261906
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続いては、佐藤正久議員や安倍総理、最近では中谷元防衛相が、改憲の必要性を説くときに多用し始めた「押しつけ憲法」論のウソについて、原佑介記者がお伝えします!
■報ステがスクープ!「押しつけ憲法論」崩壊!? 憲法9条を作ったのは「幣原喜重郎説」をさらに裏づける新証拠が発見される!
おはようございます。記者の原です。一昨日26日放送の「報道ステーション」(テレ朝)の「スクープ」が話題を呼んでいます。
国立公文書館で見つかった、手つかずのダンボールの箱。その中から、岸信介総理大臣らが「憲法改正」について議論した、1957年の憲法調査会の模様を収録した「肉声テープ」が見つかったというのです。報ステによると、これまでこの憲法調査会の記録は映像だけで、音声は存在しないと思われていたそうですが、59年後の今になって、ジャーナリストの鈴木昭典さんがこの貴重なデータを発見しました。
憲法改正を目指す方々は様々なロジックを使って憲法改正の必要性を訴えますが、その中のひとつが、安倍総理に見られる「日本国憲法は、GHQが一方的に日本に押しつけた『押しつけ憲法』である」という理屈です。今回発見された肉声テープには、その「押しつけ憲法論」を真っ向否定する貴重な証言が収録されていました。
「幣原総理は『私がマッカーサー元帥に申し上げて第9条の条文になった』とはっきり言った」――。
これは当時、憲法調査会に公述人として招かれた中部日本新聞元政治部長・小山武夫の証言で、かつて、小山さん自身が幣原喜重郎元総理本人から直接「オフレコ発言」として聞いた内容だそうです。「憲法9条を作ったのは誰なのか」という設問については、「幣原喜重郎説」だけでなく、「マッカーサー説」や「吉田茂説」などもあります(今日は、吉田茂首相が1953年に、衆議院予算委員会で「バカヤロー」と発言した日。これがキッカケで内閣不信任案が可決、衆議院解散へ)。小山さんの証言は、「幣原喜重郎説」をこれまで以上に裏づける新材料と言えそうです。
作家の半藤一利さんは、かつて「立憲フォーラム」で、「実際は、幣原喜重郎総理大臣とマッカーサーとのあいだで話し合いがあったときに、どちらが先に(戦争放棄を)言い出したか、証拠物件としてはないんです」と話されていましたが、半藤さんは独自の調査で、やはり「憲法9条は日本人が作った」と結論づけられています。IWJ会員であれば、半藤さんの講演を全文文字起こしつきでご覧いただけますので、会員登録の上、ぜひご覧ください!
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※2013/06/05 「憲法9条は日本人が作った」 作家・半藤一利氏、安易な改憲論に反論 ~「立憲フォーラム」 第4回勉強会
http://iwj.co.jp/wj/member/archives/12730
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この「肉声テープ」が記録された時期というのは、GHQの占領が終わり、追放された岸さんなどの「戦犯」が次々と政界復帰していた時期で、憲法調査会では、改憲派の議員や識者が「占領統治下で作られた押しつけ憲法だ!」「みっともない前文だ!」と意気軒昂に主張。今、安倍総理らが唱えている主張とまったく同じ内容で、見ていると嫌な汗が背中を伝います。
他方、護憲派の評論家・坂西志保さんは「今になって、戦争も敗戦の責任も自分たちにない、というようなことを言う。そして『将来の世代のためにこの憲法を改正することが自分たちの使命である』と聞かされると、強い憤りを感じる」と証言されていましたが、とても共感できますよね。今、僕たちは、当時の坂西さんのように、岸さんたち、即ちあの無謀で愚かな侵略戦争を引き起こし、遂行した戦争指導者たちの「亡霊」と対峙しているのだと思います。
この日、報ステにコメンテーターとして出演していた木村草太さんは、憲法について、「これを押しつけだと単純に評価するのは当時の国会議員、官僚、彼らを選んだ国民への侮辱になっていると気づくべきですね」と、穏やかな口調ながら辛口なコメントをしました。
木村草太さんには岩上さんも単独インタビューしていますし、昨日、IWJは、木村草太さんが登壇した学習会「木村草太氏×シンヘボン氏『憲法改正と人権~国家緊急権が意味するもの~』」を中継・取材してきました。記事化を急ぎますが、改憲派が新設を目論む「緊急事態条項」の危険性への認識が徐々に広がりつつあるのを感じます。
ちなみに1933年の今日は、「国会議事堂放火事件」を受けて、アドルフ・ヒトラーの発議による大統領令・民族と国家防衛のための「大統領緊急令」が発令された日。過去の「負の歴史」を見直し、憲法を見つめなおさなければなりませんね。もっともっと、その認識が広がってほしいものですし、IWJとしては参院選で取り返しのつかない結果が出るのをなんとしても阻止するため、全力を投球し続けます!
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※2015/06/16 「法の支配に対する挑戦が行われている」――気鋭の若手憲法学者が安保法制を進める政府・与党の「無法者」ぶりに警鐘を鳴らす!~岩上安身による首都大学東京准教授・木村草太氏インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/249458
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原記者でした。詳しくは、自民党改憲草案を現行憲法と丁寧に比較し、分かりやすくその問題点を読み解いた、梓澤弁護士、澤藤弁護士、岩上さん共著の『前夜』をご覧下さい!「押しつけ憲法」論の馬鹿馬鹿しさや、それをもって国民の賛成を取りつけようと画策する自民党改憲草案の危険性を、スッと理解することができます!!
※【増補改訂版・岩上安身単独サイン入り】『前夜~日本国憲法と自民党改憲案を読み解く』
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=171
※【増補改訂版】『前夜~日本国憲法と自民党改憲案を読み解く』
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=169
また、この超危険な改憲草案を、一発ですべて成就させようとするクレイジーな手口--まさに「ナチスの手口」そのものである、緊急事態条項の問題点については、昨年末IWJが開催した特大イベント「饗宴VI」で、超豪華登壇陣から警鐘を鳴らしていただきました。
こちらはDVD化し、多くのみなさまにお買い求めいただいております。まだお持ちでない方はぜひ、ご購入していただき、2度3度と見返していただければと思います。
※DVD『饗宴VI~国民非常事態宣言! 露わになった「ナチスの手口」/国家緊急権を阻止せよ!』 ご購入はこちらから!
https://iwj.co.jp/ec/products/list.php?category_id=25
続いては、先日来、ネット上を騒がし続けているおおさか維新・足立康史議員の国会での「暴言」について、続報をお伝えします!
■あの「国会での非常識な暴言」足立康史議員が岩上安身にTwitterでリアクション!
2月24日、衆院予算委員会の中央公聴会で、公述人として招かれた郷原信郎弁護士(民主党推薦)が、甘利明氏の「金銭授受問題」について指摘したところ、「なぜ来たのか」「結局、郷原さんは専門家じゃないんです、政治家なんです。政治屋なんですね」「この予算委員会の場で、そうした売名行為をされたことについて批判を申し上げて、質問を終わりたいと思います」などと暴言を放ちまくった、おおさか維新の足立康史議員…。
一昨日の『日刊IWJガイド』で、僕も「『お馬鹿議員の暴走』で済む話ではない」と憤慨しましたが、事態はさらに進行しています。
自民党の竹下委員長も青ざめるその「非常識」ぶりに、多くの国民があきれかえっています。IWJはそんな足立議員に取材。原記者がその顛末を昨日発行のガイドに書き、「郷原信郎弁護士に国会で暴言を吐いたおおさか維新の足立康史議員をIWJが直撃取材!」と報じたところ、足立議員がTwitter上で反応。岩上さんあてにメンションを送りつけ、以下のようなやり取りに発展しました。
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あだち康史?@adachiyasushi12:41 – 2016年2月27日
直撃取材!? 申し入れあったかな。RT
@iwakamiyasumi:【IWJから今日の朝刊・配信番組表…/郷原信郎弁護士に国会で暴言を吐いたおおさか維新の足立康史議員をIWJが直撃取材!」2016.2.27日号~No.1262号~
http://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/24282
岩上安身@iwakamiyasumi
取材申し入れをし、足立さん、あなた自身からIWJの原記者あてにコールバックしてます。お忘れ?RT @adachiyasushi:
岩上安身@iwakamiyasumi
足立議員の事務所に原記者が今、電話し、秘書の方から「土日なので本人はいない」と切られました。足立さん、ツィッターで気づいてるんですから、昨日のようにぜひご返電を。
RT @adachiyasushi
あだち康史@adachiyasushi
要領得ないfaxが届いたので、少なくとも私が公開してる最新のブログや動画を見てから取材してね、とアドバイス。その後連絡ない中、「足立康史議員をIWJが直撃取材!」とPR。なんじゃそりゃ。
あだち康史@adachiyasushi
取材を申し込んだ側が、なんで偉そうにツイートを?
あだち康史@adachiyasushi
本当に非礼な人だなあ。土日は地元。地元事務所にご連絡を。お待ちしております!
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…よくわかりませんが、「直撃取材!? 申し入れあったかな」と書きながら、直後にIWJを「取材を申し込んだ側」と自分で認めているわけです。ちょっと謎めきすぎています。足立議員は、足立議員の「発言の捏造(郷原さん談)」を指摘する郷原弁護士に対して、発言の訂正をした後に、「あ~面倒だな。勘違いした、と言ってるでしょう。もう、お互い忙しいんだから、次の仕事に向かいましょう。宜しくお願いいたします」とリプライしています。結構自分勝手ですよね。
ちなみに、もちろんいただいた「アドバイス」通り、足立議員のブログは拝見しました。中には謝罪らしき文言も見受けられるものの、「ん?」と首を傾げたくなる箇所が何点か見つかりました。少し引用します。
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「衆議院規則に違反したのは、賛否がある案件(=甘利UR口利き疑惑)について『一方に偏った意見を持つ公述人』(=郷原公述人)を推薦した民主党であり、その推薦を受けて、『案件(=来年度予算案)の範囲を超えて』発言した郷原公述人だということである」
「そもそも郷原公述人が『法律の専門家』として、いわゆる『外形的公正性』を装っているのは極めて悪質なので、それを質した次第である」
「加えて私が郷原公述人に違和感を覚えるのは、その言い回しだ。(略)大阪ダブル選挙の際に民主党の要請を受け維新の松井一郎知事の対抗馬として出馬を検討したことをひた隠しにし、『法律家』『弁護士』等と繰り返し公正さを装っているからだ」
(昨年6月4日の衆議院憲法審査会で)「招致された3参考人の全員が『憲法違反』との見解を示した。これを機に野党とマスコミが騒いだわけだが、当該審査会で明らかになったことは、安保法案の違憲性ではなく、参考人の選定が間違っていたということだけだ」
※足立議員ブログ
http://adachiyasushi.jp/?p=6058
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…すごい書きっぷりです。凡人の僕には思いつかない発想をお持ちのお方であるようです。
例えば足立議員は衆議院規則を持ち出し、「賛成者及び反対者があるときは、一方にかたよらないように公述人を選ばなければならない」「公述人は多様な意見をバランスよく紹介するのが任務」と書かれていますが、郷原さんが呼ばれた中央公聴会では、自民党推薦の熊谷亮丸公述人が「基本的なアベノミクスの方向性は正しい」などと発言されているわけで、これは足立議員からすれば「一方に偏った」意見ではないのでしょうか?
また、憲法審査会で、3人の参考人全員が「安保法案は違憲だ」という見解を示したことについて、「参考人の選定が間違っていた」とすごいことを平然と述べられていますが、東京新聞の調査では、294人のうち9割が「違憲」と指摘しています。参考人を「公平」に選べば、当然、「違憲だ」と発言する人が増えるのも当然ですよね。
また、勘違いされているのかもしれませんが、この憲法審査会は安保法案の合憲・違憲を議論するものではなく、「日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する件、特に憲法保障をめぐる諸問題」をテーマに議論が行われたのであって、その流れで、安保法案の違憲性についても参考人のコメントが求められたに過ぎません。足立議員は、「『安保法案は違憲だ』とは言わない、1割の学者の中から参考人を選ぶべし!」と主張されるのでしょうか?それこそ足立議員の重んじる「公平性」の精神にかけるかと思うのですが…。
お聞きしたいことを挙げればキリがないので、秘書さんにはお伝えしましたが、明日以降、またお望み通り「取材」させていただきます。足立議員も、「またわからないことがあればご連絡ください」とおっしゃってくださったので、お言葉に甘えたいと思います。
また「取材された覚えはない!」と言われたら困っちゃいますので、やはりちゃんと文字に残るように、FAXでご回答いただきたいところです。続報をお待ちください!
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■わとはぷ!のコーナーです!
足立議員に限らず、安倍政権下での「安倍政権陣営」の暴言、失言は後を絶ちません。過去を遡ってみると、その暴言の特に印象的な吉田茂総理(当時)の「バカヤロー」が思い出されますね。
1953年今日、2月28日、衆議院予算委員会で、吉田茂総理と社会党右派の西村栄一議員との質疑応答中、吉田氏が西村氏に対して「バカヤロー」と発言。これがきっかけとなって、あの有名な「バカヤロー解散」へと発展しました。
しかしこの暴言、大声のような印象ですが、実際は吉田氏が席に座った時に、ボソッと小声で「ばかやろう…」と呟いたものだそうです。いや、小声であれば良い、というものでもないですが。
以下、そのやり取りがたいへん面白いので、当時の議事録の一部を、以下に掲載します(wikipediaより)。
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西村「総理大臣が過日の施政演説で述べられました国際情勢は楽観すべきであるという根拠は一体どこにお求めになりましたか」
吉田「私は国際情勢は楽観すべしと述べたのではなくして、戦争の危険が遠ざかりつつあるということをイギリスの総理大臣、あるいはアイゼンハウアー大統領自身も言われたと思いますが、英米の首脳者が言われておるから、私もそう信じたのであります。(以下略)」
西村「私は日本国総理大臣に国際情勢の見通しを承っておる。イギリス総理大臣の翻訳を承っておるのではない。(中略)イギリスの総理大臣の楽観論あるいは外国の総理大臣の楽観論ではなしに、(中略)日本の総理大臣に日本国民は問わんとしておるのであります。(中略)やはり日本の総理大臣としての国際情勢の見通しとその対策をお述べになることが当然ではないか、こう思うのであります」
吉田「只今の私の答弁は、日本の総理大臣として御答弁致したのであります。私は確信するのであります」
西村「総理大臣は興奮しない方がよろしい。別に興奮する必要はないじゃないか」
吉田「無礼なことを言うな!」
西村「何が無礼だ!」
吉田「無礼じゃないか!」
西村「質問しているのに何が無礼だ。君の言うことが無礼だ。(中略)翻訳した言葉を述べずに、日本の総理大臣として答弁しなさいということが何が無礼だ! 答弁できないのか、君は……」
吉田「ばかやろう……」(自席に戻る際ボソッと呟くように発言)
西村「何がバカヤローだ! バカヤローとは何事だ!! これを取り消さない限りは、私はお聞きしない。(中略)取り消しなさい。私はきょうは静かに言説を聞いている。何を私の言うことに興奮する必要がある」
吉田「……私の言葉は不穏当でありましたから、はっきり取り消します」
西村「年七十過ぎて、一国の総理大臣たるものが取り消された上からは、私は追究しません。(以下略)」
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「バカだ」「バカって言った方がバカだ」という子どもの喧嘩レベルのやり取りに、思わず笑って(呆れて)しまいますが、その後すぐに、しっかりと謝罪し、取り消している分、今の政治家よりもマシなのかも、と思えてきます。
ところで、この吉田茂氏と言えば、その孫は国会の失言王とも評される、麻生太郎副総理です。そして西村氏の方はと言えば、その息子は、現「日本のこころを大切にする党(旧次世代の党)」の西村眞悟議員です。
西村眞悟議員といえば、日本維新の会に所属していた2013年5月17日の党代議士会で、「日本には韓国人の売春婦がうようよいる。大阪の繁華街で韓国人に『おまえ、慰安婦やろ』と言ってやったらいい」と暴言を放ち、大問題となった方です。
世代を超えるたびに、政治家の質が低下していると思うのは僕だけでしょうか。
IWJは、こうした政治家の失言・暴言に今後も目を光らせます。政治家の資質が、政治の質に直結する以上、見過ごすわけにはいきませんから。ということで今日も一日、IWJをどうぞよろしくお願い致します!
IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
岩上安身サポーターズクラブ事務局
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