みんなで語る「改憲への危機感」寄稿文 Vol.29 福祉も安保もともに必要 ─リベラル派がリーダーシップを取り返すために 遠い雷鳴さん

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Democracy-Tshirts

 今回の参院選で、なぜ改憲勢力が前進したのか。二つ理由があると思う(メディアの問題等はここではおく)。

 一つは民主党を中心とした政権の仕事ぶりとその最後が、市民に深い失望と不信感を与えたためであろう。もう一つは、安全保障政策に関するきちんとした見識・対応能力の欠如が感じられることである。野党は、特に社民党や共産党は、福祉の充実や生活密着型の政治の重要性を訴えることが多い。それは勿論大切で切実な問題である。

 しかし、安全保障も全く同様に切実で重要な問題である。この二つの課題は二者択一ではない。同時に実現しなければならないことである。

 特に日本周辺では、中国の発展や北朝鮮の核・ミサイル開発等、安全保障上の課題が深刻である。現在の安倍政権と外務・防衛両省の強硬派が、事態を利用して軍拡や憲法改正を実現しようとしていることは間違いないと思われるが、中国や北朝鮮の対応にも問題がある。このような事態にどのように対処するつもりなのか。安倍は日米韓の軍事協力拡大路線を打ち出している。

 市民はこれが本当に日本の未来につながるのか、確信はないものの、野党に対案が見えない以上、この方向性に「暗黙の」支持を与える他はない。それが参院選の結果につながったのではないか。野党、リベラル派にはきちんとした安保政策・軍事政策が必要だと考える。

(遠い雷鳴さん)