立命館大学産業社会学部教授・日高勝之様から著者『「反原発」のメディア・言説史~3.11以後の変容』(岩波書店)をご恵贈いただきました。
日高勝之著
『「反原発」のメディア・言説史: 3.11以後の変容』
岩波書店 2021/2/5
本書は3.11後、メディア・言説空間に溢れた、「原発への懐疑」の言葉や表象が意味するものとは何か、その政治的社会的意味を検証したものです。
本書では、3.11後の新聞、テレビ、科学者、人文社会系知識人、ドキュメンタリー映画、劇映画などの多様なメディア・言説空間を、3.11以前との比較をしつつ、横断的な検証が試みられています。
この中で、岩上安身とIWJの活動が取り上げられています。
「第2章 懐疑と抵抗──科学者とフリージャーナリスト」の「3 機動力とジレンマ──ネット・ジャーナリズム」冒頭、「IWJとその機動力──岩上安身」と題する項は、次のように始められています。
「3.11後、テレビや新聞などの主流メディアと異なり、主にインターネットなどで原発への懐疑を様々な形で示してきたネット・ジャーナリズムの活動は、その発信内容、発信形態、および活発さのいずれにおいても無視できない重要性がある。/代表的なものの一つに、岩上安身(一九五九─ )が主宰するIndependent Web Journal(以下、IWJ)が挙げられる」
続けて、「福島の事故翌日に、高木(仁三郎)が設立した原子力資料情報室は記者会見を行い、メルトダウンがほぼ確実に起こっていること、格納容器の破損が十分に予測できることなどをいち早く伝えた。これをネット上にアップロードしたのはIWJである」と、IWJがネットの特性を生かして、3.11の実態に迫る報道を驚くべき速さで開始したことが述べられています。
「特筆されること」として、「人的および財政的に資源力が乏しいにもかかわらず、大テレビ局顔負けの多元中継放送を行う」と指摘。2012年7月29日の首都圏反原発連合主催の「7.29脱原発国会大包囲」と呼ばれる大規模デモで、多数のレポーターの現場中継、さらに空撮ヘリコプター中継も含めた、「計八つの(それぞれ二時間前後の)長時間多元的中継」を配信したことが紹介されています。
この中継配信の各チャンネルでは、「IWJの主宰者である岩上本人、および若いボランティアのレポーターたちが自分の声で現場の様子を伝え、参加者へのインタビューを行った。空撮ヘリは、日が暮れて夜になり、参加者がキャンドルやペンライトをかざす無数の光を映し出していた」と、配信内容を生々しく紹介。
そのうえで、「一連の中継配信は今もネット上で閲覧することが出来るが、当時の反原発デモの熱気を伝える希少な記録となっている」と、その価値が高く評価されています。
日高氏は、第2章の終わりに、「フリージャーナリストらは、スポンサー不在ゆえに、『政官産学メディア』の構造的力学から遠いところから情報を発信し、対向型ジャーナリズムの利点を発揮しうる」と記しています。まさに、IWJの活動そのものを示す言葉です。
なおIWJでは、2021年3月11日より、3.11から10年
3.11直後に最も早く行われた脱原発デモの様子。
ぜひ、ご覧になってください。
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