【献本御礼】太田康介著『やさしいねこ』(扶桑社)

記事公開日:2017.11.15 献本御礼(ブックレビュー)
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 扶桑社『週刊SPA!』編集部・北村尚紀様から『やさしいねこ』ご恵贈いただきました。


太田康介著
『やさしいねこ』
扶桑社 2017/10/18


 

 カメラマンで本書の著者である太田康介氏は、ある日自宅近くで野良猫を見かけました。著者はその野良猫にTNRを実行します。TNRとは「Trap Neuter Return」(捕獲、不妊手術、元に戻す)の略で、飼い主のいない猫を保護し、去勢手術を受けさせた後に元の場所に戻すこと。繁殖を防止して無用に命を奪われる猫を減らすための措置で、「地域猫」として一代限りの命を見守っていきます。しっぽに特徴があったのでその猫は「ぽー」と名づけられました。

 本書はその「ぽー」本人ならぬ本猫が登場する写真エッセイです。「ぽー」と著者の出会い、ふれあい、猫間のいじめ、病気、そして別れまでが写真とともに紹介されています。

 2017年正月、深谷かほる氏の200話以上続く大人気漫画『夜廻り猫』に「あなたのペットが登場するかも!?」という特別企画がありました。この企画に著者がダメ元で応募をしたところ見事に当選。『夜廻り猫』に「ぽー」のものがたりが描かれ、注目を浴びました。「ぽー」が描かれたこの深谷氏の漫画も2話、本書に収録されています。

 著者は、報道カメラマンとしてボスニア・ヘルツェゴビナやアフガニスタン、カンボジア、北朝鮮などを撮影した経歴の持ち主。東日本大震災後は、原発周辺に取り残された家畜やペットの写真を撮るとともに、飼い主のいない猫のTNRと給餌活動を続けています。

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