初沢克利様から『浅草 2011-2016――六区ブロードウェイ 日本人の肖像』をご恵贈いただきました。
初沢克利著
浅草 2011-2016―六区ブロードウェイ 日本人の肖像
春風社 2017/5/3
著者は1972年に渡仏。モンパルナスに居住しながらパリの写真を撮りはじめました。日本、フランスの雑誌、広告業界で活動する写真家。モンパルナスにあるカフェ「セレクト」で撮ったパリの人々の写真をもとに現地にて個展を開催。10年間で3度の個展を開催し、1983年に帰国しています。
「パリと同じ撮り方やアプローチでは日本人は撮れない」と試行錯誤してきた著者。あるとき、なにげなく浅草の街頭芸を見ている観客の姿を撮った写真を見たところ、「はじめて写真で日本人に出会えた」と思ったとのこと。大勢の人をワンフレームに収めた集合写真は「素顔の日本人、日本人の肖像、我々の自画像と言える写真」だったそうです。
さらにそのような集合写真だけでなく、その背景にある世界にも浅草には他にはないおもしろさがあったと、著者は指摘します。
「浅草には他にはない自由がある」「自由で開き直って生きている姿に透明感がある」。その自由こそが著者の「なぜ浅草なのか」の答えであり、求めているもの。「見てもらうしかない」と著者は訴えています。
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