【安保法案反対 特別寄稿 Vol.344】 平和を希求し、知性の府である大学を守るために 「安全保障関連法案に反対する学者の会」賛同者 上智大学教授・東郷公德さん

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 上智大学は、カトリック修道会イエズス会が1913年に創立し、経営するカトリック大学です。キリスト教精神に基づき、幅広い人文主義的教養教育を通して、常に弱い者の立場に立って考え行動出来る人材を育成することを使命として来ました。

 我々には、過去の苦い体験があります。満州事変を経て、5・15事件が起こった1932年、カトリック信者の上智大学学生数名が、軍事教練での靖国神社の参拝を拒否したことをきっかけに、上智大学が存立の危機に立たされたのです。自らを守るために、上智大学は当時の軍国主義の流れに屈し、結果として、大切な学生たちを戦場に送り、多くの尊い若い命を失うことになりました。その悲しい歴史を繰り返してはいけないと、我々は強く心に決めています。

 安保関連法案は違憲であることは明白であり、この法案を成立させることは、日本における立憲主義と民主主義の根幹を揺るがします。更に、憲法第9条が掲げる平和主義をなきものとすることで、新たな戦争への道を開くものです。

 我々は、過去の苦い体験から学び、戦争への道を開くことを、今度こそ何とかして阻止しなくてはなりません。

 また、学問を通して真理を追究する研究者の端くれとして、安倍政権の様々な政策や言動に見られる反知性主義にも深い憂慮を感じています。

 日本における立憲主義と民主主義を守り、平和を希求し、知性の府である大学を守るために、今度こそ、決して諦めることなく、これからも声を上げていく所存です。

※この文章は、2015年8月26日ガーデン、シティ永田町で行われた「100大学有志の共同行動」での記者会見で読み上げたものに若干の修正を加えたものです。

「安全保障関連法案強行採決に抗議し、同法案の廃案を求める上智大学教職員有志による声明」世話人
東郷公德 上智大学教授

 
安倍政権の集団的自衛権にもとづく「安保法制」に反対するすべての人からのメッセージ