【声明文#2】恵泉女学園大学(川島堅二学長と教職員有志一同)

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 恵泉女学園大学(東京都多摩市)は、7月28日に「安全保障関連法案に反対する恵泉からのアピール」(7月23日付)を、川島堅二学長と教職員有志一同の名で公式サイトに発表しました。

 第一次世界大戦後、国際平和を希求したキリスト者・河井道によって、1929年に恵泉女学園が創立されて以来、平和をつくる女性を育てることを使命としてきた私たちは、安保関連法案に反対し、その強行採決に断固として抗議します。


「安全保障関連法案に反対する恵泉からのアピール」

 2015年7月16日、政府与党は、衆議院本会議において、「平和安全法制整備法案」および新法の「国際平和支援法案」(以下、安保関連法案と記す)を強行採決しました。

 私たち恵泉女学園大学の母体である学校法人恵泉女学園は、第一次世界大戦後「広く世界に向って心の開かれた女性を育てなければ戦争はなくならない」と考えた、ひとりの女性キリスト者・河井道によって1929年に創立されました。創立者の平和への希求に思いを寄せつつ、大学建学以来、平和をつくりだす女性を育てることを使命としてきた私たちは、現在国会で審議されている安全保障関連法案(以下、この法案)に対して、反対の意をここに表明します。

 この法案は、従来長らく、政府解釈によっても憲法違反とされてきた「集団的自衛権」の行使を容認し、時の政権の判断によって際限なく自衛隊の武力行使を可能とするものです。今回のように審議を尽くすことなく、また世論の強い反対にもかかわらず、時の政権が解釈のみで憲法を空洞化してしまうことは、立憲主義への明白な挑戦であり、戦後日本の議会制民主主義をも根底から破壊するものです。

 このような政策転換は、政府の「抑止力を高め、安全性が高まる」との説明とは逆に、むしろ近隣諸国の警戒心を強めることにつながると私たちは考えます。また、これまでも軽視され続けてきた憲法の平和主義がさらに無力化され、日本が再びアジア、世界の平和を脅かす存在となる道を開くことを、看過することはできません。

 私たち恵泉女学園大学の教職員有志は、それぞれの専門領域における学知と個人の良心にもとづき、大学に対して歴史や社会から付託された使命に思いを致しながら、民意と著しく乖離し、戦後日本の基本理念に背馳する安倍政権の政治手法を強く非難します。そして、この法案に反対し、その強行採決に断固として抗議します。

2015年7月23日
恵泉女学園大学 学長 川島堅二
教職員有志一同

※安保法制に反対する団体の声明文はこちら