岩上安身からの報告とお願い。第6期(平成27年8月1日~平成28年7月31日)の決算状況と、今期第7期(平成28年8月1日~)の途中経過(2017年4月21日発表)


 いつもお世話になっております。IWJ代表の岩上安身です。 日頃よりIWJをお支えいただいておりますこと、まずは感謝申し上げます。

 会員の皆さま方に第6期(平成27年8月1日~平成28年7月31日)の決算状況と、今期第7期(平成28年8月1日~)の途中経過についてご報告させていただきます。

 2010年12月にIWJを正式に立ち上げてから、約6年半が経過し、無事に第6期の期末決算を終え、第7期を迎えることができました。これもひとえに会員の皆さまのお力添えのたまものです。心より感謝申し上げます。

 かねてより御案内の通り、IWJの財政は常に厳しい状況に直面しており、第6期中においては一時3,000万円の赤字を計上せざるを得ない危機に瀕したこともありました。その折には、私からの直接のご支援のお願いに呼応して、多くの方々が緊急のご支援をお送りくださり、なんとかIWJ設立以来、最大の大赤字の危機を回避することができました。ご支援いただいた皆さまには、この場を借りて改めて御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

 第6期を振り返りますと、昨年(平成28年、2016年)の4月14日には熊本・大分地震が発生しました。IWJ自らも大赤字の危機を乗り切れるかどうか、という瀬戸際でしたが、被災された人たちがどのように困窮し、どのような緊急支援を必要としているか、現場から情報をダイレクトにお伝えすべく、取材と支援を兼ねた緊急特派チームを立上げ、現地に派遣しました。支援の行きわたらない小規模な避難所や、自治体の指定を外れた避難場所をまわり、IWJとしてできうる限りの救援物資を届けつつ、被災された方々の状況を伝えるべく地震発生直後から5月4日まで(18日間)取材活動を続けました。

 緊急募金口座を開設した折には、多くの皆さま(385名)に募金をお寄せいただきましたこと、この場を借りて改めて御礼申し上げます。お寄せいただいた募金は合計で546万3,668円にのぼりました。既に日刊IWJガイド等でお知らせしたとおり全額を活動経費、支援物資、寄付金に充当させていただいております。

【熊本・大分地震緊急募金の最終報告】
http://iwj.co.jp/info/whatsnew/post/30147

 また、夏には東京都知事選、新潟県知事選、及び参議院選が行われ、IWJスタッフ一丸となって取材や中継にと奔走いたしました。参議院選挙の結果、改憲勢力が衆参とも3分の2を占めるという深刻な結果がもたらされてしまいましたが、それ以前もそれ以降も自民党改憲草案のもつ恐さ、特に緊急事態条項の持つ危険性に対しては、どこのメディアよりも早く、そして徹底的に警鐘を鳴らしてきたと自負しています。

 同時に、TPP問題の報道と検証にも注力してきました。この問題が浮上した2010年当時、ほとんどの既存メディアが、その負の側面を伝えない中で、IWJは2010年当時から取り上げ続け、これまで630本を超える動画の中継配信をしてまいりました。

 また小池劇場で注目が高まった築地市場移転問題についても、IWJの設立前の準備段階から、どこのメディアよりも早く注目し、有識者へのインタビューやドキュメンタリーの制作を行うことで、警鐘を鳴らし続けてきました。

 過去6期の会員数の推移は下記の通りです。

2011年12月末  739名
2012年12月末 4,688名
2013年12月末 5,412名
2014年12月末 4,781名
2015年7月末   5,023名
2016年7月末   5,995名

※2015年より決算期変更

 IWJが独立したメディアとして安定的な活動するには約6,000名の会員登録が必要です。ただし、これは全員がサポート会員と仮定した場合です。現実にはサポート会員の方が30%、一般会員の方が70%を占めており、この割合では約11,000人の会員登録が必要になります。しかし現時点では総会員数が6,000名に届かないのが現状です。まだまだ皆様のご寄付・カンパに頼らざるを得ない状況は変わりありません。テレビや新聞が伝えない重要な出来事を編集・加工されない一次情報のままお伝えし、時に隠されたり見過ごされたりしている真実を掘り起こす、市民による市民のための独立メディアとしてこれからも情報を発信し続けていきたいと存じますので、今期も引き続きご支援の程よろしくお願いいたします。

 私の健康状態については、以前より会員の皆さまにご心配をおかけしていますが、昨年の7月には一番恐れていたこと、再びの心臓発作に見舞われてしまいました。その後主治医からの警告で生活習慣の改善に本気で取り組み始めると同時に、慢性的なオーバーワークを一時制限し、インタビューなどを控えて半休を取りながらの日々に一時シフトしました。その甲斐あって、徐々にではありますが血圧が安定し、大事には至らずに現在に至っております。しかし、私がインタビューを控えていた約1か月半の間に、ご寄付・カンパが低迷し、会員数も下降線を描いていきました。そこで9月からはインタビューなどの最前線に復帰し、10月、11月、12月はそれぞれ11本、9本、14本と全力疾走してきました。その間、皆様へ危機感が伝わったのか、ご寄付・カンパが上向き、今期前半早々に目前の危機は脱出することができました。

 第6期の会費収入は前年度比53%増の90,087千円となりました。またご寄付・カンパは前年度比63%増の52,134千円となりました。 一方、業務委託費・外注費は44,621千円、給与は56,198千円となり、人件費は93%増となりました。人件費の増加は、前年度と比べますと、動画配信数が2616本から2998本へ、UPした記事数が2783本から3115本へ増加し、より充実した中継・配信を目指して活動してきたためです。

 第6期の詳細は以下のとおりとなっております。

 税理士法人西川会計の監査を受けた決算をもとにご報告させていただきます。

(単位:千円)
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<収入>
会費 90,087
カンパ 47,218
熊本・大分支援金 5,463
物販・イベント 29,141
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収入合計 171,909
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<支出>
取材活動 5,414
物販仕入 3,751
業務委託費・外注費 35,076
役員報酬 4,600
給与 56,198
*その他経費 50,513
寄附金 3,500
税金等 5,321
ウェブ改造費繰入 7,500 ★(H28年8月~11月支出済み)
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支出合計 171,873
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収入171,909 ―支出171,873 = 当期収支差額36千円

*その他経費  50,513千円 のうち主な支出項目 (単位:千円)
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地代家賃 6,754 (事務所の賃借料等)
事務備品・消耗品費 5,529 (撮影機材、パソコン代等)
旅費交通費 5,141 (出張旅費、通勤交通費)
リース料 4,258 (システムサーバー利用料等)
支払手数料 3,708 (クレジット決済の利用手数料、各種手数料等)
通信費 2,746 (携帯電話使用料、通信機器使用料)
管理諸費 2,102 (システム利用料、会計監査料等)
減価償却費 1,857 (事務所の内装設備、機材等の減価償却費)
新聞図書費 1,652 (書籍・雑誌購入代)
修繕費 1,549 (機材・車両修繕代等)
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【アーカイブ保存・再アップ・プロジェクトについてのご報告】

 2014年10月のUstreamによるアーカイブ映像の保存期間変更を受けて、急遽
<アーカイブ保存・再アップ・プロジェクト>を立ち上げ、たくさんのみなさまに緊急のご支援の呼びかけに応じて頂きましたがプロジェクト運営がいったん完了いたしましたのでご報告いたします。

<アーカイブ保存・再アップ・プロジェクト>収支状況  (単位:千円)
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収入 カンパ 15,634
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支出 機材・サーバー代 6,139
業務委託費・外注費 9,545
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支出合計 15,634
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収入15,634 - 支出15,634  = 0   ※平成28年7月31日

 なお、決算時点で支払が確定していたWEB改造プロジェクトにかかる費用750万円につきましては、支出の部に(繰り入れを)記載させていただきました(平成28年11月30日までに支出済み)。また、2010年の設立以来蓄積してきましたIWJの貴重な動画すべてを洗い出し、保存するだけでなく価値あるコンテンツとして今後も活かしていくために見出しやテキストの情報を追加する作業にも着手していますが、まだ整理されてない過去のコンテンツは膨大にあり、改善点も残っています。さらに、今後はスマートフォン用のホームページ作成も検討しております。みなさまによりたくさんのコンテンツを快適にご覧になっていただけるよう、今期もWEB改造プロジェクトは継続していきたいと考えております。

 皆様のご支援のおかげで第6期は赤字を出すことなく第7期につなげることができました。IWJでは設立当初より、活動にご賛同いただいた多くの方からの会費・ご寄附・カンパが、活動のための大きな収入源となっています。今後とも変わらぬご支援を何卒よろしくお願い申し上げます。

 報道規制が日増しに強くなっていると感じられる現在も、IWJは「真実を伝えるメディア」として走り続けています。皆様の周りにIWJの活動をご存じない、会員登録されていない方がいらっしゃいましたら、是非とも一言、IWJのことをご紹介いただけますと幸いです。

 今後とも、IWJをどうぞよろしくお願いいたします。

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 過年度の収支報告は、下記のとおりです。

第一期収支報告(2012年4月21日発表)
http://iwj.co.jp/info/whatsnew/post/19932

第二期収支報告(2013年6月25日発表)
http://iwj.co.jp/info/whatsnew/post/19934

第三期収支報告(2014年5月29日発表)
http://iwj.co.jp/info/whatsnew/post/19919

第四期収支報告(2015年7月28日発表)
http://iwj.co.jp/info/whatsnew/post/22480

第五期収支報告(2016年6月10日発表)
http://iwj.co.jp/info/whatsnew/post/25692
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 続きまして、第7期の収支見通しについてご報告いたします。

 当期は人件費等支出の削減に努め、現時点での支出額の予想は約1億5,000万円となっております。さらに、今期のWEB改造プロジェクトとして、ホームページのスマホ化、アーカイブの統合作業、ログイン画面の機能改修、検索機能の向上など、期末の7月末までに別途約1,000万円の費用がかかる予定です。

 現在の会員数は約6,000名弱で推移しており、内訳は以下の通りです。

サポート会員 約1,800名  5,400万円
一般会員    約4,050名  4,050万円

 今のところ今期の会費収入は約9,450万円、現在まで(平成28年8月~29年3月)に皆さまからいただいたご寄付合計約5,350万円と合わせると約1億4,800万円の収入予想となっております。

支出(予想)           1億5,000万円
WEB改造プロジェクト(見積り)     1,000万円
収入(予想)           1億4,800万円
差額                 ▲1,200万円

 今期もたくさんの会員様よりご寄付・カンパをいただいておりますが、今年の1月からは減少しており、このままでいきますと今期は約1,200万円の赤字が出てしまう見通しとなります。

 引き続き経費の削減に取組んでまいりますが、期末の7月末まであと3か月半、この間に支出を1,200万円分圧縮することは困難を極めます。お願いばかりで恐縮ではありますが、今期末、赤字に陥ってしまうことがないよう、ご寄付・カンパによるご支援をどうぞよろしくお願いいたします。