日刊IWJガイド・非会員版「11月も残り3日です! あと3日で173万3860円をたまわれば月間目標額を達成することができます! よろしくお願いいたします!」2025.11.28号~No.4664


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■はじめに~11月も残り3日です! 今月11月は1日から27日までで、月間目標額の51%に相当する、34件、176万6140円のご寄付・カンパをいただいています。月末までの3日間で、あと月間目標額の49%、173万3860円をたまわれば、第16期に入って初めて月間目標額に達することができます! 真実を伝えていく活動を続けていくために、有料会員登録と、ご寄付・カンパによるご支援によって、どうぞ皆様、お支えください! よろしくお願いいたします!

■【中継番組表】

■高市早苗総理の台湾有事をめぐる「存立危機事態」発言で、大きく損なわれる日中関係!(その2)高市総理による「存立危機事態」発言は、ついに国際問題にエスカレート! 中国・習近平主席との電話会談のあと、トランプ大統領は高市総理と電話会談! トランプ大統領は、高市総裁のフライングをたしなめたとも伝えられるが、高市総裁は台湾問題に言及があったかとの質問に「差し控える」と回答拒否! 中国大使館は「敵国条項」を持ち出して国連にも書簡、茂木大臣の「すでに死文化」発言は、「敵国条項」を蘇らせる新たな火種になる可能性も!

■愛子内親王のラオス訪問で盛り上がる女性天皇容認論と、高市早苗総理が「男系男子の皇統を守る」と推進する皇室典範改正! だが、皇室の始祖とされる天照大神(アマテラス)は女神! 初代・神武天皇はその直系5代目。皇統は出発点から女系、でないなら伊勢神宮は根本から否定される! 現代の自称「保守」とその影響下の高市総理が伝統を破壊し、皇室も神道の信仰をも揺るがす一大事! 歴史上、女性天皇は8人10代存在、女性天皇から女性天皇への皇位継承も! 最新歴史学によれば、初の女性天皇である推古天皇が「お飾りで中継ぎ」とする主張は後世の改竄! 3人目の女性天皇の持統天皇は「日本のかたち」の基礎を作った重要な天皇!

■「エプスタイン人脈」の解明(その3)、英国王チャールズ三世の実弟、アンドリュー王子の場合! エプスタインとの交流は、なんと1999年に遡る! アンドリュー氏には共犯者がいた! 英王室の評判を守るための「1年間の守秘義務」を、性犯罪被害者のジュフリーさんに課していた! 2011年に自らの警護官に対し「彼女(ジュフリー氏)を貶める情報を探せ」と依頼していた!?(後編)
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■はじめに~11月も残り3日です! 今月11月は1日から27日までで、月間目標額の51%に相当する、34件、176万6140円のご寄付・カンパをいただいています。月末までの3日間で、あと月間目標額の49%、173万3860円をたまわれば、第16期に入って初めて月間目標額に達することができます! 真実を伝えていく活動を続けていくために、有料会員登録と、ご寄付・カンパによるご支援によって、どうぞ皆様、お支えください! よろしくお願いいたします!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 11月は1日から27日までで、月間目標額の51%に相当する、34件、176万6140円のご寄付・カンパをいただいています。月末までの3日間で、あと月間目標額の49%、173万3860円をたまわれば、第16期に入って初めて月間目標額に達することができます! 有料会員登録と、ご寄付・カンパによるご支援を、どうぞ皆様、よろしくお願いいたします!

 第16期がスタートして以降、ご寄付・カンパによるご支援は、月間目標額350万円に対し、8月は16%、9月は14%、10月は33%にとどまりました。ご支援くださった皆様、本当にありがとうございます。しかし、これで3ヶ月連続、目標未達です。財政的には厳しい状況が続いています。真実を伝えていく活動の困難を、痛感しています!

 IWJを2010年にスタートさせてからのこの15年間、あるいはそれ以前から、私、岩上安身は、機会があるごとに米国の従属国の地位に甘んじることの危険性に対し、絶えず警鐘を鳴らしてきました。

 第104代の内閣総理大臣に、高市早苗氏が就任しました。

 総理となる前の、自民党の総裁選の段階から、中国との戦争の話を絶えず繰り返し、「米軍が中国軍の矢面に立つのではなく、まず日本が正面に立つ」などということまで、テレビの地上波で発言してきた高市早苗氏が総理となり、さっそく中国との関係を悪化させてしまいました。いよいよ日本が「代理戦争」の捨て駒となる懸念が、今、まさに現実化しつつあるのを痛感しています。

 また、外交・安全保障分野で、まったく政治家としてのキャリアを積んでいない高市氏が、トランプ大統領との初会談で、報道陣の前で腕を組んだり、はしゃいだり、米国に頼りきった媚びる態度に終始したこと、反対に中国に対しては、挑発的な姿勢で、中台関係に介入する姿勢を見せたことに、強い懸念を覚えます。

 あまりの突出ぶりに、トランプ大統領が高市総理にフライングをいさめたとも伝えられております。対中関係は現実に急速に悪化し始め、外交的に収拾する見通しが見られません。

 東西冷戦の終わりによって、世界大戦の危機、とりわけ核戦争の危機は遠ざかったと安堵して、約35年が経ちますが、現在、冷戦後で最も戦争の危機が近づいていると感じられます。

 軍事力を支える、肝心の工業力が空洞化してしまっている米国にのみ頼り、米国の戦略に従って、対中国との戦争の矢面に立て、と言われて、「代理戦争」の駒とされる、そんな危機に直面しているのに、政府も、与野党も、大小のメディアも、世論も、いつまでも、現実を否認しているように感じられます。

 今、日本に必要な指導者は、米国に依存し、虎の威を借りる好戦的な指導者ではなく、戦争回避能力に長けている、外交力のある指導者です。核保有国である中国に対して、非核保有国である日本が通常戦力で挑もうとするような、勇ましい言葉ばかり吐く、無知で無謀な指導者ではありません!

 日本を第2のウクライナに、日本の首相を第2のゼレンスキーにしてはいけないのです!

 国難は避けられない、としても、大難を小難にとどめることはできるはずです。日本が対米自立を果たし、「敵国」ばかりになっている周辺国と和解して、各国と平和条約を結び、「敵」と戦うのではなく、「敵」と和解して、「敵」を消し去ることができるかどうか。

 対米自立と、周辺国との自力での平和構築に失敗すれば、日本は、大きな試練に直面します。平和の上にしか、国家としての繁栄も、国民としての日々の穏やかな暮らしも、築くことができません。

 間に合うでしょうか。懸念は尽きません。

 肝心なことは、リアルな現実をまず直視することです。大小問わず、ほとんどのメディアが、現実直視を避けています。

 IWJは現実を直視し、お伝えし続けています。しかし、現実は苦いものです。苦い現実を直視したくない心理が働くからこそ、甘い嘘をつくプロパガンダに人は飛びつき、騙されてしまうのです。

 ウクライナ紛争以降は、特に、西側諸国ではプロパガンダの洪水が続いているような状態です。

 我々はプロパガンダの波にのまれることなく、ジャーナリズムの本道を歩み、リアルを伝えるという、当然のことを、貫いていきます!

 そうやって、苦いリアルな現実を直視した上で、なお、前向きな希望を信じる力が残っているかどうかが問われています。

 IWJは、厳しい経営が続いています。そのIWJの行方は、リアルと対峙してなお希望をもてるかどうかだと思います。

 市民メディアであるIWJの活動運営費は、約半分が、会員の皆様からの会費によって支えられています。残りの約半分が、ご寄付・カンパによって支えられています。特定のスポンサーをつけず、スポンサーの意向に左右されることもありません。

 困難は、迫ってきています。向こう数年以内が、東アジアにおいて、日本が、「代理戦争」の駒として使われてしまうかどうかの正念場です! そうした事態は、絶対に回避しなければなりません!

 しかし、そのリスクは、高市氏が総理大臣となり、小泉進次郎氏が防衛大臣となったことで、残念なことに加速しつつあります!

 今期16期もIWJは、日本だけでなく、西側に広がるプロパガンダにのみこまれず、真実をお伝えしていきたいと思います!

 どうぞ、緊急のご支援のほど、よろしくお願いいたします!

 岩上安身 拝

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みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル

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◆中継番組表◆

**2025.11.28 Fri.**

調整中

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◆中継番組表◆

**2025.11.29 Sat.**

調整中

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◆中継番組表◆

**2025.11.30 Sun.**

調整中

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

高市早苗総理の「存立危機事態発言」について、孫崎享氏が、「日本は1972年の『日中共同声明』を破った」と指摘!「周恩来は、東アジア、中国の安定のために、日本に対する賠償の権利を放棄した。それと対(つい)になっているのが、『台湾は中国の一部だ』ということを日本が理解し、尊重すること」!!~11.25 国際情報と外交、そしてスパイの物語―講演:東アジア共同体研究所理事・所長 孫崎 享氏
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/529731

◆昨日テキストアップした記事はこちらです◆

ユルゲン・ハーバーマスらドイツ哲学者に一貫したヨーロッパ中心主義とレイシズム!「ドイツは100年以上にわたって、イスラエル(シオニスト)がパレスチナ人を虐殺するのを我が事のように楽しんできた」!! 欧米諸国政府の対中東政策を批判的に論じる思想家ハミッド・ダバシの新著『イスラエル=アメリカの新植民地主義: ガザ〈10.7〉以後の世界』を読む! 岩上安身によるインタビュー第1208回ゲスト 東京経済大学教授 早尾貴紀氏 第3回(その4)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/529674

「入植者植民地主義(セトラー・コロニアリズム)」とは、移民の集団が入植して入植者共同体を形成し、先住民を虐殺ないし無力化し、その入植者共同体を国家としていく! シオニズムの問題は、宗教対立の問題ではなく、ヨーロッパの入植者植民地主義の問題!! 欧米諸国政府の対中東政策を批判的に論じる思想家ハミッド・ダバシの新著『イスラエル=アメリカの新植民地主義: ガザ〈10.7〉以後の世界』を読む! 岩上安身によるインタビュー第1208回ゲスト 東京経済大学教授 早尾貴紀氏 第3回(その3)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/529673

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■高市早苗総理の台湾有事をめぐる「存立危機事態」発言で、大きく損なわれる日中関係!(その2)高市総理による「存立危機事態」発言は、ついに国際問題にエスカレート! 中国・習近平主席との電話会談のあと、トランプ大統領は高市総理と電話会談! トランプ大統領は、高市総裁のフライングをたしなめたとも伝えられるが、高市総裁は台湾問題に言及があったかとの質問に「差し控える」と回答拒否! 中国大使館は「敵国条項」を持ち出して国連にも書簡、茂木大臣の「すでに死文化」発言は、「敵国条項」を蘇らせる新たな火種になる可能性も!

 11月7日の衆議院予算委員会における、高市早苗総理による「存立危機事態」発言の影響は収束するどころか、ますます拡大しています。駐在大使、外交部報道官らによるレベルでは収まらず、日本の茂木外務大臣、中国の王毅外務大臣、国連大使とグテーレス国連事務総長を巻き込む動きにエスカレートしています。小泉進次郎防衛大臣の与那国島訪問と「中距離地対空誘導弾の配備計画」も、中国側の警戒心をかき立てています。

※高市早苗総理の台湾有事をめぐる「存立危機事態」発言で、大きく損なわれる日中関係!(その1) 日中双方の国連大使がグテーレス事務総長に書簡を送付! G20サミットで、高市総理は李強首相と会話できず! 一方、王毅外相は、タジキスタンで「日本軍国主義の復活を決して許さない」と表明! その最中に小泉進次郎防衛相は、台湾からわずか110キロの与那国島で、中距離ミサイル配備を表明し、中国側は「軍国主義の亡霊」と激怒! 中国から日本への12路線で、今後1週間の航空便がすべてキャンセルに!!(日刊IWJガイド、2025年11月26日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20251126#idx-5
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/55253#idx-5

 高市総理は、7日の衆院予算委で、立憲民主党の岡田克也議員(元外相)からの台湾有事での存立危機事態に関する質問に対し、高市早苗総理が「北京政府が戦艦を使って、武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になりうるケースだと私は考える」と発言しました。

 この「戦艦を使って」という答弁内容について、大手メディアも、質問をした岡田元外相も、小泉純一郎防衛大臣もまったく触れていませんが、現在、中国だけでなく、世界中のどこの海軍も「戦艦」に分類される軍艦は、現役で使用していません。

 「戦艦」とは、第2次大戦ごろまでに製造された旧型の、大規模な砲撃戦で敵艦を撃破することに特化した艦種を指します。

 高市総理は、軍事的な基礎知識のなさを露呈し、「外交音痴」だけではなく、「安全保障音痴」をも、同時に世界に示しました。

 そうした中、これまで沈黙を守っていた米国が、動き始めました。

 11月24日、トランプ米大統領と、中国の習近平国家主席が、電話会談を行いました。中国外交部の毛寧報道官によると、両首脳の会談は、米国側の要請で行われ、「前向きで友好的、そして建設的な雰囲気だった」ということです。

※Phone call between Chinese and US leaders initiated by US; atmosphere positive, friendly, and constructive: Chinese FM(Global Times、2025年11月24日)
https://www.globaltimes.cn/page/202511/1349024.shtml

 中国外交部は24日、習主席とトランプ大統領の会談で、習主席が「中米が互いに助けあい、共に繁栄するというビジョンは、手の届くところにある具体的な展望」であると述べた、と発表しています。

 11月24日付『グローバルタイムズ』は、台湾問題の関係では、「習近平国家主席は、台湾問題に関する中国の原則的な立場を概説し、台湾の中国への返還は、戦後国際秩序の不可欠な一部であることを強調した。中国と米国は、ファシズムと軍国主義に対して、肩を並べて戦ってきた。現在の状況を踏まえると、第2次世界大戦の勝利を共に守ることが、我々にとってこれまで以上に重要になっている」と報じています。日米で中国に対決する図式から、米中で日本と対決する図式へ変えようと、中国は米国に働きかけたという話ですから、穏やかな話ではありません。

 しかも中国外交部は、習主席に対し、トランプ大統領が「中国は第2次世界大戦の勝利に大きく貢献した。米国は、台湾問題が中国にとっていかに重要であるかを理解している」と応じた、と発表しています。これが正しければ、米国は、日本の側ではなく、日米同盟よりも優先して、中国側に対して理解を示したことになります。

※President Xi Jinping Speaks with U.S. President Donald J. Trump on the Phone(中国外交部、2025年11月24日)
https://www.fmprc.gov.cn/eng/xw/zyxw/202511/t20251124_11759133.html

 一方、11月25日、米国側の要請で、トランプ大統領と高市総理の電話会談が行われました。

 『読売新聞』は、「首相は、24日夜の米中首脳電話会談で中国側が提起した台湾問題を巡り、日本政府の立場を説明したとみられる」と報じました。

 つまり、習近平国家主席がトランプ大統領と電話会談した際に台湾問題を提起し、それを受けて、米国が日本に高市総理との電話会談を要請した、という経緯であり、日中の対立に米国が介入した、という形です。

 高市総理は、記者団に「(日米の)同盟強化やインド太平洋地域が直面する情勢や諸課題について、幅広く意見交換を行った」と、会談内容を説明しましたが、自らの発言が議題にあがったかどうかについては、「外交上のやりとりで、詳細は差し控える」と、答えませんでした。トランプ大統領が、現在の日中関係の状況について、何も言わなかったわけではない、ということ、しかしそれは日本側にとって明らかにするのが不都合な内容だったことがわかります。

 外務省によると、会談は25日、午前10時から約25分間にわたって行われました。

※日米首脳電話会談で高市首相、台湾巡る国会答弁伝えたか明言せず…「外交上のやりとりで詳細は差し控える」(読売新聞、2025年11月25日)
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20251125-OYT1T50146/

※日米首脳電話会談(外務省、2025年11月25日)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/na/na1/us/pageit_000001_02596.html

 先述の通り、一連の流れを見ると、米国は、中国の立場を、高市総理に伝えて、やんわりとフライングをいさめたのではないかと推測されます。

 今、米国は、ウクライナ紛争を停戦へと導き、ヨーロッパから引き上げて、東アジアに重点を移そうとしているとみられています。

 しかし、このタイミングで日中間の争いが物理的な紛争に発展すれば、米国は、まだ終わらないウクライナ紛争、ガザやイランを含む中東情勢に加えて、さらに東アジアでの紛争を同時に抱え込むことになり、米国にとっても大きな負荷がかかります。

 いずれ日本をウクライナのように捨て駒にして、中国にけしかけて消耗させたいと思っているとしても、「今ではない」ということなのかもしれません。

 茂木敏充外務大臣の11月25日の定例記者会見で、『産経新聞』の記者が、中国大使館が11月21日にX(旧ツイッター)に投稿した内容について、質問しました。

 中国大使館のXへの投稿は、以下の通りです。

 「『国際連合憲章』には『敵国条項』が設けられており、ドイツ・イタリア・日本などのファシズム/軍国主義国家が再び侵略政策に向けたいかなる行動を取った場合でも、中・仏・ソ・英・米など国連創設国は、安全保障理事会の許可を要することなく、直接軍事行動を取る権利を有すると規定している」。

 中国大使館は、国連憲章第53条、第77条、第107条の日本語版の写真3枚を、投稿に添付しています。

※中華人民共和国駐日本国大使館のXへの投稿(2025年11月21日)
https://x.com/ChnEmbassy_jp/status/1991689268784410624

 『産経新聞』の記者は、「中国は、既に死文化されている『旧敵国条項』を持ち出すなど、不正確な情報で、日本に優位に立とうとする活動を展開しています」として、茂木大臣の考えを質問しました。

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■愛子内親王のラオス訪問で盛り上がる女性天皇容認論と、高市早苗総理が「男系男子の皇統を守る」と推進する皇室典範改正! だが、皇室の始祖とされる天照大神(アマテラス)は女神! 初代・神武天皇はその直系5代目。皇統は出発点から女系、でないなら伊勢神宮は根本から否定される! 現代の自称「保守」とその影響下の高市総理が伝統を破壊し、皇室も神道の信仰をも揺るがす一大事! 歴史上、女性天皇は8人10代存在、女性天皇から女性天皇への皇位継承も! 最新歴史学によれば、初の女性天皇である推古天皇が「お飾りで中継ぎ」とする主張は後世の改竄! 3人目の女性天皇の持統天皇は「日本のかたち」の基礎を作った重要な天皇!

 『週刊文春』11月19日号の記事と『週刊新潮』11月20日号の記事は、期せずして、現在の皇室に対する国民感情の一端を表すものとなりました。

 『週刊文春』11月19日号は、「ラオス大歓待で再燃する『愛子天皇』待望論《5泊6日 過密日程で見えた『平和へのご覚悟』》《佳子さまと双子コーデでも囁かれる決定的違い》」と報じ、国民の間で、愛子天皇の待望論が高く、国民の女性天皇への期待が高いことを示しています。

※ラオス大歓待で再燃する「愛子天皇」待望論《5泊6日 過密日程で見えた「平和へのご覚悟」》《佳子さまと双子コーデでも囁かれる決定的違い》(週刊文春、2025年11月19日)
https://bunshun.jp/denshiban/articles/b12745

 『週刊文春』11月19日号のこの記事は、高市連立政権の政策の肝である皇室典範改正に真っ向から反対して、愛子天皇を推す声が日増しに高まっているという記事を、右トップの巻頭記事に据えているのです。

 天皇家の愛子内親王が、11月17日から21日まで、初の外国公式訪問としてラオスに滞在したことが、連日大きなニュースとして報じられました。

 実際、ネット上などでは、秋篠宮家の長男・悠仁(ひさひと)親王と比較し、愛子内親王を天皇に推す声が高まっています。

 他方、『週刊新潮』11月20日号は、「『紀子さまは愛をもって接してくださらない』厳しいご指導に職員がため息『ねぎらいのお言葉など、まるでない』」と報じ、悠仁親王を抱える秋篠宮家の人気が、ぐんぐん下がり続けていることを、国民感情を代弁するように報じています。

 秋篠宮家の人気が下がり始めたきっかけは、小室圭さんと秋篠宮家の眞子さんの結婚問題をめぐる大騒動です。

 それまで、秋篠宮家は、世の中で好感されて受け入れられていましたが、小室問題以降、一般庶民と同じような、ドタバタが起きたのを見て、上品なロイヤル・ファミリーとは見なされなくなったのだと考えられます(※)。

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※小室問題の発端は、2017年に、秋篠宮眞子内親王と小室圭さんの婚約内定が発表されたことに遡る。

 当初は国民全体が祝福ムードで、小室さんについても、一般家庭の出身で、経歴も「海の王子」などと、好意的に報じられていた。

 しかし婚約発表から数ヶ月後、小室家の金銭トラブル(母親の借金問題)が週刊誌で大きく取り上げられる。

 小室圭さんの母親が彼女の元婚約者から受けた「400万円」の扱いを巡るトラブルで、それが「贈与か、借金か」という点が争点になり、世論は一気に不信感へ傾いていった。

 皇室側が直接説明できない中、週刊誌だけが情報源となり、ウェブやテレビ、週刊誌などで問題が炎上し続けた。

 2018年、宮内庁は「準備不足」などを理由に、結婚を2020年に延期すると発表。

 小室さんは米国に渡り、フォーダム大学ロースクールに進学し、弁護士資格取得を目指すことになる。ほとぼりをさます狙いがあったとみられる。

 しかし、この留学費用の出どころについても、週刊誌が疑念を報じ、世論の批判が続いた。

 2020年になっても、延期された結婚式は行われず、2021年、小室さんが、弁護士の助言にもとづき、母親の代わりに、28枚の説明文書を公表し、金銭問題の経緯を説明。

 しかし文書は「説明不足・弁明調」と受け止められ、世論はさらに悪化した。

 後日、小室さんは、「元婚約者へ解決金支払いを申し出る」と方針転換したが、批判は収まらなかった。

 この期間に、秋篠宮家への国民の信頼も急落したとされる。

 2021年10月、眞子さんは宮内庁病院から複雑性PTSDと診断されていたことが発表された。

 皇室行事としての「結婚式」は行われず、入籍(2021年10月26日)のみとなった。眞子さんは入籍後すぐに渡米し、夫妻はニューヨークで生活を開始。

 眞子さんは、民間人である小室さんとの結婚に伴い、皇室典範の定めにより、皇籍から離れて民間人となり、内親王ではなくなった。

 一連の経緯から、眞子さんの結婚への意思が固かったことがうかがえる。

 小室圭さんは、2022年、米NY州司法試験に3度目で合格。

 現在はニューヨークの法律事務所「ローウェンスタイン・サンドラー」に勤務し、日本企業の米国進出支援などを手がけている。

 日本では依然として週刊誌報道が続き、秋篠宮家の支持率が戻らないまま推移している。

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 スキャンダルを抱えた小室圭さんと、そうした男性に思いを寄せて、皇籍を離脱した眞子さん、それらを収拾できなかった秋篠宮家に対して、批判は続き、エスカレートして、秋篠宮家のそれぞれのメンバーの自由気ままで、贅沢な暮らしぶりを伝える週刊誌等の記事も増えています。

 秋篠宮家への批判のエスカレートは、いささか度が過ぎているのでは、とも思われますが、国民感情というものは、なかなか、そうやすやすとコントロールできません。

 もし天皇家が秋篠宮家に移るならば、皇室なんてなくなってもいい、という声すら出るほどに、秋篠宮家の人気は低落しています。

 たとえば、9月6日付の『現代ビジネス』は、「『秋篠宮家に皇統が移るなら、もう皇室は要らない』ご夫妻だけに留まらない佳子さま一人暮らし問題や夜遊びする悠仁さまの振る舞いに国民が『No』を訴える」という記事を配信しています。

※「秋篠宮家に皇統が移るなら、もう皇室は要らない」ご夫妻だけに留まらない佳子さま一人暮らし問題や夜遊びする悠仁さまの振る舞いに国民が「No」を訴える(現代ビジネス、2025年9月6日)
https://gendai.media/articles/-/157224?imp=0

 この記事は、「秋篠宮家へのバッシングは小室夫妻の問題ばかりでなく、『金銭問題』と『教育問題』に集中する。さらに昨今、国民の間では将来の天皇を巡り、悠仁さまではなく愛子さまの天皇待望論が高まっている」と明確に愛子天皇待望論を述べています。

 しかしその一方、高市早苗総理は、9月の自民党総裁選への出馬会見で、「男系の皇統を守るために、皇室典範を改正する」と表明し、総理就任後の10月24日の所信表明演説では、「男系」には言及しなかったものの、憲法改正とあわせて「安定的な皇位継承等の在り方に関する各党各会派の議論が深まり、皇室典範の改正につながることを期待しています」と述べました。すでに現行の皇室典範に、皇室の後継者は男系の男子に限ると明記されていますが、それをさらに厳重にし、何が何でも女性天皇容認論を、法的に封じ込めようとするものです。

※「日本にしかない大切な宝物」自民・高市早苗氏、皇統の「男系維持」で皇室典範改正目指す(産経新聞、2025年9月19日)
https://www.sankei.com/article/20250919-VZDSNXW3AVDJ7PDK6YWUINMXJI/

※第219回国会における高市内閣総理大臣所信表明演説(首相官邸、2025年10月24日)
https://www.kantei.go.jp/jp/104/statement/2025/1024shoshinhyomei.html

 さらに、高市早苗総理は、日本維新の会との連立に際して、12項目の合意に署名しました。

 その第3条で皇位継承について、次のように合意しています。

 「古来例外なく男系継承が維持されてきたことの重みを踏まえ、現状の継承順位を変更しないことを前提とし、安定的な皇位継承のため、皇室の歴史に整合的かつ現実的である『皇族には認められていない養子縁組を可能とし、皇統に属する男系の男子を皇族とする』案を第一優先として、26年通常国会における皇室典範の改正を目指す」。

※自民党・日本維新の会連立政権合意書(2025年11月24日閲覧)
https://storage2.jimin.jp/pdf/news/information/211626.pdf

 紀子妃が、悠仁親王を出産したのは、満39歳です。

 社会的にも医学的にみても、高齢出産でした。

 これは、ある種の賭けだったと言えるでしょう。

 この当時、小泉純一郎政権は、有識者会議を設置して、現代の皇室典範第一条にもとづく男系男子のみが天皇になりうるという条文の見直しに着手しており、世論も女系天皇容認に大きく傾いていた時期の出産だったのです。

 もし紀子妃が出産したのが、男性の悠仁親王ではなく、女性の内親王だったら、この皇室典範の見直しの動きは継続し、加速していたことでしょう。

 現代の皇室典範では、皇室の存続という点で、制度的に立ち行かない事態になったはずです。そして、今後も、同様の危機が訪れるでしょう。

 こうした男系男子天皇へのこだわりは、明治以降に成文化されたもので、高市総理と日本維新の会の連立合意文書に書かれた「古来例外なく男系継承が維持されてきた」というのは、明らかに歴史的に間違っています。男系男子だけを天皇と認めようとする現代の極右層は、本来の日本の歴史的伝統を理解せず、史実を踏みにじっています。

この極右層の主張に乗っかったのが、高市早苗総理であり、皇族に女性しかいなければ、婿養子を取らせてでも男系男子の天皇を維持することに賛同した日本維新の会です。ですが、天皇家の外から婿を連れてきて、天皇にすえて、が果たして国民の多くが親しみを感じるでしょうか!?

 なぜ、皇位は「男系男子」でなければならないのか、それが本来の皇統の伝統なのか、疑問がわくのは当然のことでしょう。

 そもそも、『日本書記』『古事記』において、皇室の先祖とされる皇祖神・天照大神は女性神です。

 皇室の祖先として、今なお信仰の対象となっている皇祖神が女性神であるにもかかわらず、「男系男子しか、皇統の正当性がない」という主張は、『日本書紀』『古事記』の記述と、神道の伝統を真っ向から否定するし、軽んずるものです。

 このことからも、「男系男子しか、皇統の正当性がない」という主張は、後世の人間が、政治的な都合のために捏造したものであることは、明白です。

 『日本書紀』『古事記』によれば、イザナギ・イザナミの夫婦の間に生まれたアマテラス(姉)、スサノオ(弟)、ツクヨミ(弟)のうち、アマテラスが重んじられて、皇祖神となり、その直系の5代目の子孫が初代天皇の神武天皇となります。神武天皇から歴史が始まり、それ以前は神代であるから、おろそかに扱ってもよい、という話ではありません。それを言い出したら、神武天皇の存在や、「神武東征」も史実かどうか確証はなく、学問的には「神話」としてみなされているのが現状です。

 アマテラスが皇祖神であること、皇室はそもそもの始まりから女系であることを、神話だからとおろそかにするなら、神武天皇以来、初期の天皇も、いずれも実在が疑われており、一説では、第10代崇神天皇から、あるいは第15代応神天皇から、もしくは第26代継体天皇から、歴史的実在であると考えられています。

 ですので、このあたりの天皇まで、実際の歴史的事実として確認することは難しいので、神話として、おろそかにしてよいことになります。何よりも、天照大神をおろそかに扱うことは、皇統譜と切り離せない神道そのものをおろそかにすることになります。

 なお、奈良県の橿原市(かしはらし)にある橿原神宮は、神武天皇を祀る神社であり、九州の日向から、「神武東征」によって、この地で日本を建国した、とされていますが、実際に橿原神宮を建設したのは明治23年(1890年)です。近代に入って、明治国家が国家神道を築く過程で、およそ伝承の通りならば、この辺りの土地だろうとめぼしをつけて、新たに作った神社なのです。

 それに対して、日本の神社で別格の扱いをされている伊勢神宮は、天照大神を祀る神社であり、神道の「本宮」とされます。

 宮中で祀られていたのを、第10代崇神天皇の時代に、疫病が流行したことをきっかけに、大和の笠縫邑に祀ったのが始まりとされ(崇神天皇6年=紀元前72年、もしくは西暦257年、271年、291年という説も)、第11代垂仁天皇の時代に伊勢に移ったとされます(垂仁天皇25年、一般的には紀元前4年、諸説あり)。

 近代に建てられた橿原神宮などより確実に古く、長い年月、信仰を集めてきました。

 伊勢神宮に祀られる天照大神(アマテラス)を否定し、『記紀』を否定する、「男系男子」の伝統とは何なのでしょうか。現代の保守派は、日本の伝統を重んじるというならば、こうした明治に捏造された国家神道のイデオロギーとともに、「男系男子」限定のイデオロギーをも批判すべきでしょう。

 「万世一系」という言葉は、慶応3年(1867年)に岩倉具視が作成した「王政復古議」が、初出です。歴史的伝統にもとづいた観念ではありません。男系男子で、一直線に皇統がつむがれてきた、というフィクションは、この明治のクーデター政権の捏造であって、明らかに日本の歴史的伝統ではありません。しかしその後、大日本帝国憲法の第1条に「大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス」と規定されたことにより、明治から昭和20年までの間、国民は「洗脳」されてきました。

※「万世一系の天皇」について(島善高)
http://meijiseitoku.org/pdf/f6-4.pdf

 つまり、現代の右翼や保守派の一部が唱える「万世一系」という言葉は、明治以降、岩倉具視らが捏造したものであり、明治政府が天皇制を政治利用するためであることを、皇位継承の議論をする際には、わきまえておく必要があります。

 歴史上、女性天皇は、推古天皇、皇極(斉明)天皇、持統天皇、元明天皇、元正天皇、孝謙(称徳)天皇、明正天皇、後桜町天皇と、8人10代が実在しており、「男系男子による皇位継承が一度も途切れることなく続いてきた」という主張は、事実と矛盾します(1度退位した天皇が再び皇位につく「重祚=ちょうそ」が2度あったため、8人で10代)。

 保守派の中には、「女性天皇は、男系男子に継がせるための中継ぎ(ワンポイントリリーフ)だった」などと、歴史を踏まえない主張をする人もいます。

 しかし、元明天皇と元正天皇は親子であり、女性天皇である母から女性天皇である娘へと、皇位が継承されています。「古来、例外なく男系継承が維持されてきた」という高市総理と維新の会の合意文書は、歴史を歪める妄言です。この元明天皇から元正天皇への皇位継承を、「ワンポイントリリーフ」などと軽視する見方がありますが、皇位は間違いなく継承されているのであり、その歴史的事実は動かせません。

 また、最初の女性天皇である推古天皇の時代には、「叔父である蘇我馬子や、甥であり、男系男子である厩戸皇子(聖徳太子)が摂政として、安定的な政権を担った」などという見方が、「女性天皇中継ぎ」説の論拠とされることもありますが、現在の歴史学会では、当時の日本は、父系の継承も母系(女系)の継承もある「双系」社会だったことが、明らかにされています。

 2022年3月18日付『朝日新聞』で、帝京大学名誉教授で歴史学者の義江明子氏は、推古天皇の時代(6世紀末から7世紀前半)よりあとの8世紀に、日本書紀が編纂されたことを指摘し、「中国から父系(男系)制度が公的に導入された直後」に「価値観や制度を中国にあわせていく政治的必要があったから」「そのため日本書紀は、実際にはそれまでの日本は双系社会であったのに、皇位が一貫して父系で世襲されてきたように書かれています」と、語っています。

※初の女性天皇、推古天皇は「中継ぎ」だった? バイアス外し見えた姿(朝日新聞、2022年3月18日)
https://digital.asahi.com/articles/ASQ3K3D9MQ37ULZU00J.html

 この記事の中で義江氏は、「推古が即位したのは数え年で39歳のときでしたが、その時点で厩戸はまだ20歳にも達していません。歴史学の新しい知見に照らせば、推古天皇に代わって政治を運営するなどということは考えられない年齢だった」と指摘し、以下のように論じています。

 「推古が政治実績を積んだうえで天皇に選ばれていたこと、馬子とは年齢が2歳程度しか違わなかったこと、即位したとき厩戸はまだ20歳未満だったこと、推古の在位が厩戸と馬子の死後も含めて36年に及んでいたこと、死の直前に次の継承者についての重大な遺詔を出したこと……。

 こうした事実を虚心に見つめたうえで、『女性が高い政治力を行使していたはずがない』といったバイアスや、聖徳太子を神聖化させようとする後世の脚色をはぎとって分析してみれば、お飾りで中継ぎの天皇だったという結論にはならないと私は思います。蘇我馬子と厩戸という2人の力をうまく活用した統治者だったという評価になぜならなかったのか、を問い直すべきでしょう」。

 さらに付け加えておけば、『日本書紀』の編纂、藤原京の造営と遷都、大宝律令の制定、「倭」に代えて「日本」という国号と、天皇という称号を初めて用いたのは、7世紀から8世紀にかけて、夫・天武天皇のあと、皇位を継いだ女性天皇、持統天皇の事業であると考えらえています。いわば現代にまで至る「日本のかたち」が、この天武・持統朝時代に形作られたのです。

 持統天皇は、夫・天武天皇(当時は大海人皇子)とともに、父である天智天皇の後継者争いに巻き込まれるのを避けるため、ともに吉野へと逃げて、その後、日本古代最大の内戦である壬申の乱を戦い、勝ち抜き、皇位につきました。「大君の神にしあらば」と、初めて現人神(あらひとがみ)とうたわれたのは、天智と持統からです。

 同盟国・百済(くだら)を救援するため、朝鮮半島へ出兵し、古代最大の対外戦争である白村江(はくすきのえ)の戦いで、新羅(しらぎ)・唐の連合軍に敗北した直後に、天智側と対立して、内戦を勝ち抜いて、新たな中央集権国家を築いた天武・持統の両天皇のカリスマ性がいかに高かったかをうかがわせます。

 また、持統天皇は、天照大神(アマテラス)を祀る伊勢神宮の式年遷宮を始めた天皇でもあります。いわば、天照大神への信仰を高めた「中興の祖」でもあるのです。それとともに、日本初の公式の歴史書である『日本書紀』の中に、アマテラスが、孫のニニギノミコトに、「高天原(たかまのはら)」から下って、「葦原中国(あしはらのなかつくに)」を平定せよと命じる場面を描かせます。

 これは、「天壌無窮の詔勅」と呼ばれ、皇統による日本列島の支配を正当化する記述です。ここに、新たな国造りの大事業を行った持統天皇が、自らの物語を重ねます。自分の生んだ子供である草壁皇子に皇位を継承しようとしたものの、草壁皇子が早世して果たせず、その子供、つまり持統天皇の孫の軽皇子(かるのみこ)に皇位を継承し、文武天皇として即位させ、自身は、日本史上初の太上天皇(上皇)となって、わずか15歳の文武天皇を補って、自ら政務を執り行いました。

 この、祖母から孫への皇位継承という現実の政治の正当化を、アマテラスが孫のニニギに「天孫降臨」を命じる逸話をハイライトすることで、正当化したと考えられています。

 夫とともに内戦を勝ち抜いた女性天皇であり、初の女性上皇である自らを、皇祖神であるアマテラスに重ねあわせていたこと、それを周囲も認めていたことは、持統天皇の諡号(しごう・生前の事績にもとづく送り名)に、「高天原廣野姫天皇(たかまのはらひろのひめのすめらみこと)」という、アマテラスが住み、統治していたはずの天上界である「高天原」を、持統天皇が統治していたかのような名前が送られていたことからもうかがえます。

 しかも『日本書紀』の中で、「高天原」という言葉が出てくるのは、アマテラスの記述のある神代紀第一段と、この持統天皇の諡号の箇所のみなのです。女系であり、女性天皇である統治の正当性を、強く強調していることがわかります。

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■「エプスタイン人脈」の解明(その3)、英国王チャールズ三世の実弟、アンドリュー王子の場合! エプスタインとの交流は、なんと1999年に遡る! アンドリュー氏には共犯者がいた! 英王室の評判を守るための「1年間の守秘義務」を、性犯罪被害者のジュフリーさんに課していた! 2011年に自らの警護官に対し「彼女(ジュフリー氏)を貶める情報を探せ」と依頼していた!?(後編)

 「エプスタイン人脈」の解明(その3)の前編、中編は以下から御覧になれます。

※「エプスタイン人脈」の解明(その3)、英国王チャールズ三世の実弟、アンドリュー王子の場合! 性犯罪の被害者であるジュフリー氏は「エプスタインは、私に『今まで教えたことのすべてを上回るように』と言い、アンドリュー王子が望むことは何であれ、必ず満たすようにと強調しました」と告白! 英王室は、アンドリュー氏の「王子」としての資格剥奪を決定!!(前編)(日刊IWJガイド、2025年11月25日)
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非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/55251#idx-5

※「エプスタイン人脈」の解明(その3)、英国王チャールズ三世の実弟、アンドリュー元王子の場合! エプスタインとの交流は、なんと1999年に遡る! アンドリュー氏には共犯者がいた! 英王室の評判を守るための「1年間の守秘義務」を、ジュフリーさんに課していた! 2011年に自らの警護官に対し「彼女(ジュフリー氏)を貶める情報を探せ」と依頼していた!?(中編)(日刊IWJガイド、2025年11月27日)
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 2015年1月4日時点で、アンドリュー王子(当時)は、以下のように、この宣誓陳述書を強く否定しています。

 「ヨーク公(アンドリュー王子)は、未成年時に彼との性行為を強要されたと主張する女性と性的接触を持ったという疑惑を、『虚偽であり、何の根拠もない』として改めて否定した。

 この声明は、二つの日曜紙が、有罪判決を受けた小児性愛者(パドファイル)であるジェフリー・エプスタインに関連する米国の裁判書類の中で、アンドリュー王子の名前をあげたとされる女性へのインタビュー内容を掲載したことを受けて出された。

 宮殿は当初、『ヨーク公による未成年者への不適切行為を示唆するいかなるものも、断固として事実ではない』と声明を発表していた」。

※Prince Andrew sex claims denied for second time by Palace spokesman(ガーディアン、2015年1月4日)
https://www.theguardian.com/uk-news/2015/jan/04/prince-andrew-buckingham-palace-jeffrey-epstein

 ジュフリーさんの宣誓陳述書を読んだあとで、アンドリュー元王子の声明を読むと、吹けば飛ぶような嘘の弁明であることが誰にでもわかります。

 事実を否認してから10年が経った2025年10月30日、バッキンガム宮殿は、ジュフリーさんの陳述が、事実であると、事実上認める声明を出しました。

 「国王陛下は本日、アンドリュー王子の肩書、称号、勲位を剥奪する正式な手続きを開始した。

 アンドリュー王子は今後、『アンドリュー・マウントバッテン・ウィンザー』として知られることになる。

 彼はこれまで、賃貸契約に伴う法的保護によってロイヤル・ロッジに居住し続けていた。

 これについて賃借権を放棄するよう正式な通告が行われ、彼は代替の私宅へ移ることになる。

 本人は自分に対する疑惑を否定し続けている。しかし、彼を非難するためのこうした措置は、必要なものと考えられている。

 国王・王妃両陛下は、あらゆる形の虐待の被害者および生存者に対して、これまでも、そして今後も、最大限の思いと深い共感を寄せていると明示することを希望している」。

※チャールズ英国王、弟アンドリュー氏から「王子」の称号はく奪(BBC Japan、2025年10月30日)
https://www.bbc.com/japanese/articles/c625zg11nl1o

 エプスタインの性的人身売買を調査している米議会委員会の民主党議員らは、アンドリュー氏に対し、エプスタインの共犯者や協力者に関する情報を求めるため、事情聴取への正式な協力を要請する書簡を、11月6日に送付しました。

 この書簡では、このアンドリュー氏が、1999年からエプスタインと交流があったことや、他に共犯者がいたこと、王室の評判を守るための「1年間の守秘義務」を、ジュフリーさんに課したこと、アンドリュー氏が、2011年に自らの警護官に対し「彼女(ジュフリー氏)を貶める情報を探せ」と依頼したとの疑いもあることを暴露しています。

 以下、アンドリュー氏が、どういう行動を取ったか、この米国下院監視・政府改革委員会の書簡を抄訳します。

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