日刊IWJガイド・非会員版「フランス国民議会選挙の第1ラウンド、マクロン大統領の中道連合はたった2議席! トップは国民連合で37議席、2位が新人民戦線で35議席!」2024.7.2号~No.4268


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~フランス国民議会選挙の第1ラウンド終了! ウクライナ紛争への加担で前のめり、グローバルな気候変動重視で農業を圧迫など、国民国家の国益より、EU、NATOなど超国家的機構の全体主義に従順な「グローバリスト」マクロン大統領への「審判」が下る! マクロン氏が率いる中道連合は歴史的な惨敗で、たった2議席しか獲得できず! トップが右派の国民連合で37議席、2位が左派の新人民戦線で35議席、7月7日の決選投票もマクロン大統領の惨敗は明らか!

■7月に入り、IWJの第14期も最後の1ヶ月です! 6月30日間のご寄付・カンパは、102件、135万6700円と、目標額の34%の達成率で、かなり危機的な数字です! 今期第14期は、8ヶ月連続で目標金額に届かず、累積の赤字額は1000万円近くになっています。他方で、「IWJしか報じていない情報」が、日々、増えてきています! そのIWJを支えるのは、皆さまからいただく会費とご寄付・カンパだけです。有料会員登録と、ご寄付・カンパで、どうか財政難のIWJが、独立メディアとして報道・言論活動を継続できるよう、皆さまのご支援をよろしくお願い申し上げます!

■【中継番組表】

■【本日のニュースの連撃! 3連弾!】

■【第1弾! イラン大統領選は、改革派のペゼシュキヤーン元保健相とジャリーリー元国家安全保障最高評議会書記局長との7月5日の決選投票に! 米国務省は「イランの選挙は自由かつ公正ではない」「(決選投票が)どのような結果になろうとも、イランの方向性を根本的に変える、あるいはイラン政権がイラン国民の人権をより尊重するようになることは、期待できない」などと露骨な内政干渉!!】他方、イランとロシアとの包括的戦略協定締結へ向けた作業も、大統領選の結果に関わらず進む! イランの石油生産量は世界第7位に!(『タスニム・ニュース』、2024年6月29日)

■【第2弾! 3期目に就任したばかりのインドのモディ首相がロシアを訪問することを公表! 就任直後にG7イタリアサミットに出席したモディ首相のロシア訪問は、「西側の圧力にもかかわらず、インドはロシアとの関係を引き続き非常に重視している」というメッセージ!】ロシアのラブロフ外相は、ロシア、インド、中国の「戦略的三角形」強化で「我々全員が恩恵を受ける」と主張! インドとロシアの貿易は、今年最初の4ヶ月で過去最高に達し、ロシアはインドの4大貿易相手国のひとつに成長! 中国包囲のクアッド構想は吹き飛んだ!? 米バイデン政権はロシアとインドの関係強化に懸念を表明!(『RT』、2024年6月28日)

■【第3弾! ジョージアで成立した「外国の代理人」法を受け、EUのボレル外交安全保障上級代表が「財政支援の停止を検討する」「(EUへの)加盟手続きは進まないだろう」と表明!】法案審議中の5月23日には、ジョージアのコバヒゼ首相が、EU委員から、スロバキアのフィツォ首相の暗殺未遂に言及して「暗殺の可能性をほのめかされ『恐ろしい脅迫』を受けた」と明らかに! EUによるジョージアへの揺さぶりは、クリミア、ダゲスタンのふたつのテロ事件と関係がある!?(『ロイター』、2024年6月25日)
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■はじめに~フランス国民議会選挙の第1ラウンド終了! ウクライナ紛争への加担で前のめり、グローバルな気候変動重視で農業を圧迫など、国民国家の国益より、EU、NATOなど超国家的機構の全体主義に従順な「グローバリスト」マクロン大統領への「審判」が下る! マクロン氏が率いる中道連合は歴史的な惨敗で、たった2議席しか獲得できず! トップが右派の国民連合で37議席、2位が左派の新人民戦線で35議席、7月7日の決選投票もマクロン大統領の惨敗は明らか!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 フランスで行われた国民議会(下院)選挙の、第1ラウンドの結果が出ました。結果は、衝撃的なものでした。

 フランス内務省が発表した「2024年国民議会(下院)選挙の立候補者と結果の公表(初回選挙)」によると、右派の国民連合(RN)がトップで、得票率29.25%、得票総数937万7185票、獲得議席が37議席でした。

※Publication des candidatures et des resultats aux elections Legislatives 2024 30 juin et 7 juillet 2024 Resultats tour 1 France entiere(フランス内務省、2024年7月1日閲覧)
https://www.resultats-elections.interieur.gouv.fr/legislatives2024/ensemble_geographique/index.html

 第2位が、左派の新人民戦線(左派連合)で、得票率27.99%、得票総数897万4548票、獲得議席は32議席でした。

 第3位が、マクロン大統領率いる中道連合(ENSアンサンブル大統領の多数派)で、得票率20.04%、得票総数642万5571票、獲得議席は、たったの2議席です。現職大統領の与党が、大敗を喫しました。

 フランスの国民議会選挙の方式は、第1ラウンド(6月30日)と第2ラウンド(7月7日)に分かれています。

 第1ラウンドでは、各選挙区で50%以上の得票を得た候補者がその選挙区の議席を即座に獲得します。候補者が過半数の得票を獲得できない場合、第2ラウンドに進むことになります。

 第2ラウンドでは、第1ラウンドで過半数を得られなかった選挙区で決選投票を行い、最も多くの票を獲得した候補者が議席を獲得します。第1ラウンドで上位に入った(通常は上位2人または場合によっては上位3人の)候補者が参加します。このため、第2ラウンドはより激しい競争となります。

 国民議会の総議席数は、577議席ですが、第1ラウンドでは、76議席しか決まっていません。全体の約13%しか決まっていません。

 しかし、第1ラウンドで決まった議席を見ると、先述した通り、国民連合が37議席、新人民戦線が32議席に対して、マクロン大統領の中道連合はたったの2議席しか獲得できていません。

 中道連合は、各選挙区で50%以上の得票を得た候補者がたったの2人だけだった、ということです。中道連合には、過半数に届く得票の勢いがまったくなかったことを意味します。

 歴史的な惨敗というべきでしょう。

 7月7日の第2ラウンドにおいても、この傾向は続くと見て間違いないと思われます。中道連合が、この短期間のうちに、巻き返せる要因が、何も見出せないからです。

 IWJとしては、マクロン大統領の中道連合にとって、厳しい選挙結果になると予想はしていましたが、その負け方がここまでの惨敗になるとは予想していませんでした。

 マクロン大統領の政治姿勢、とりわけ、フランス軍の地上部隊もウクライナに直接派兵すると発言し、ロシアとの直接対決をも辞さない、この戦争への前のめりの加担や、グローバルな気候変動を重視し、自国の農業を圧迫するなど、国民国家としての国益より、EU、NATOなど超国家的機構の全体主義に従順だった「グローバリスト」としての姿勢が、国民から強く批判されたのだと思われます。

 国民連合と新人民戦線、中道連合の得票率の差だけに注目すると、一部の世論調査の事前予想よりも、その差は小さくなっていますが、獲得議席を見ると、マクロン大統領の中道連合にまったく勢いがなく、国民議会での勢力図は、完全に塗り替わることが予想されます。

 現在の改選前の国民議会の議席は、マクロン大統領の所属する多数派の中道連合が249議席、左派連合(新人民戦線)が149議席、国民連合が89議席、共和党(LR)が54議席となっています。

※2024 French legislative election(ウィキペディア、2024年7月1日閲覧)
https://en.wikipedia.org/wiki/2024_French_legislative_election

 ENSの249議席は、国民連合と新人民戦線が分け合う形になるのは、ほぼ間違いないと思われます。

 フランス国民の怒りの激しさが、想像を超えているということでしょう。

 この第1ラウンドの選挙結果を踏まえて、国民連合の現党首、ジョルダン・バルデラ氏は、Xへのポストで、次のように述べています。

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 いつもIWJをご支援いただき、ありがとうございます。

 7月に入り、IWJの第14期も、最後の1ヶ月となりました。

 6月は、30日間で、102件、135万6700円のご寄付・カンパをいただきました。ご寄付をくださった皆さま、本当にありがとうございます。これは、月間の目標額400万円の34%という達成率です。

 6月のご寄付・カンパが目標額に到達できなかったことで、今期第14期、IWJへのご寄付・カンパは、11月から6月まで、8ヶ月連続で目標金額に到達しませんでした。この8ヶ月間の不足額の合計は、1260万8589円です。零細な企業であるIWJにとって、非常に厳しい赤字額です! 財源不足は深刻な上にも深刻で、IWJは、本当にこの先、独立メディアとして活動できなくなってしまう可能性が出てきました。

 第13期は、2000万円を超える赤字でした。この時は、私、岩上安身が、老後の蓄えを崩してピンチを切り抜けました。しかし、2年連続大幅な赤字となると、私、岩上安身個人にも、もうこれ以上、投じる私財はありません!

 以前にも書きましたが、私には、進行性の難病の線維筋痛症で、ほぼ寝たきりに近い次女がいます。

 ですので、私は、残念ながらIWJとともに心中することはできません。倒産する一歩手前で、未払いの給与や売掛、債務がないように始末して会社を自分の手で解散しますし、人様に迷惑のかかるような最後にはしない、と覚悟を定めています。

 ただ、余力ある限り、自らのジャーナリストとしての使命・天命から逃げ出すようなことはいたしません!

 皆さまのご支援のある限り、全力で前進を続けます!

 今月こそ、なんとか月間目標額の400万円に届きますよう、また、できれば目標額以上のご支援をいただき、積み重なっている今期の1000万円近い目標不足分を、期末の7月末までに削ってしまい、収支がマイナスにならないよう、有料会員登録と、ご寄付・カンパで、財政難のIWJへの強力なご支援をよろしくお願い申し上げます!

 6月末現在、IWJ会員の総数は2329人、このうちサポート会員の方は869人でした。ぜひとも、サポート会員様におかれましては、会員をそのままご継続いただき、一般会員様におかれましては、サポート会員へのアップグレードをお願いします!

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みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
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 よろしくお願いします!

 岩上安身拝

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◆中継番組表◆

**2024.7.2 Tue.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・Ch5】13:10~「上川陽子 外務大臣 定例記者会見」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch5

 上川陽子外務大臣による記者会見を中継します。これまでIWJが報じてきた外務大臣関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e5%a4%96%e5%8b%99%e5%a4%a7%e8%87%a3

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◆中継番組表◆

**2024.7.3 Wed.**

調整中

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◆昨日テキストアップした記事はこちらです◆

【第644号-646号】岩上安身のIWJ特報! 急激な円安!! 日経平均株価4万円超えと急落・反転は「令和バブル」の始まりか!? 終わりはいつくるのか!? 都心を中心に広がる地価高騰が家賃上昇や、さらなる物価上昇を招く! 鍵となったのは、半導体株! その最先端の戦いが米中で火花を散らす!岩上安身によるエコノミスト・田代秀敏氏インタビュー 2024.7.1
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/523696

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■【本日のニュースの連撃! 3連弾!】

■【第1弾! イラン大統領選は、改革派のペゼシュキヤーン元保健相とジャリーリー元国家安全保障最高評議会書記局長との7月5日の決選投票に! 米国務省は「イランの選挙は自由かつ公正ではない」「(決選投票が)どのような結果になろうとも、イランの方向性を根本的に変える、あるいはイラン政権がイラン国民の人権をより尊重するようになることは、期待できない」などと露骨な内政干渉!!】他方、イランとロシアとの包括的戦略協定締結へ向けた作業も、大統領選の結果に関わらず進む! イランの石油生産量は世界第7位に!(『タスニム・ニュース』、2024年6月29日)

 6月29日のこの『日刊IWJガイド』でお伝えした、イランの大統領選は、改革派(穏健派)のマスウード・ペゼシュキヤーン元保健相と、イスラム原理主義(強硬派)のサイード・ジャリーリー元国家安全保障最高評議会書記局長との決選投票となりました。

※【第3弾! ライシ大統領の不可解な事故死に伴うイラン大統領選は、ライシ路線を引き継ぐ保守派のジャリーリー元国家安全保障最高評議会書記局長と、ガーリーバーフ国会議長、改革派のペゼシュキヤーン元保健相の三つどもえで28日投票に! 過半数に届かなければ、7月5日に上位2人の決選投票!!】一方、米国は「テロ支援の資金移動」だと主張し、イランの約50の団体と個人に対して制裁を科したと発表!!(『パーストゥデイ』、2024年6月10日ほか)(日刊IWJガイド、2024年6月29日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20240629#idx-8
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53627#idx-8

 6月29日付け『タスニム・ニュース』によると、6月28日に行われた投票の投票率は39.92%、投票総数は2453万5185票で、ペゼシュキヤーン氏が42.25%にあたる1041万5991票を獲得しました。次点のジャリーリー氏は、38.61%にあたる947万3298票を獲得しました。

 イラン大統領選挙では、当選に必要な過半数を得票できなければ、上位2候補による決選投票が実施されます。決選投票は7月5日に行われます。

※Iran’s Presidential Vote Headed for Runoff(Tasnim News Agency、2024年6月29日)
https://www.tasnimnews.com/en/news/2024/06/29/3113153/iran-s-presidential-vote-headed-for-runoff

★6月29日付『タスニム・ニュース』によると、大統領選で3位だったガーリーバーフ国会議長は、決選投票でジャリーリー氏支持を表明しています。ガーリーバーフ氏の得票は、13.78%でした。

※Qalibaf Throws Weight Behind Jalili Ahead of Runoff Polls(Tasnim News Agency、2024年6月29日)
https://www.tasnimnews.com/en/news/2024/06/29/3113303/qalibaf-throws-weight-behind-jalili-ahead-of-runoff-polls

 イラン大統領選をめぐっては、米バイデン政権のイラン担当特使代理のアブラム・ペイリー氏が6月26日、大統領選候補者が最高指導者のハメネイ氏が任命する監視評議会の資格審査を通過しなければならないことを指摘し、「民主主義に必要な最も基本的な自由」がないなどと批判していました。

 これに対してイラン外務省のナセル・カナニ報道官は、6月28日、「まったく不条理で露骨な干渉」だと非難しました。

 6月28日付『タスニム・ニュース』は、カナニ報道官が「米国当局者によるこのような無価値な発言は、何の役にも立たず、イラン国民は大統領選挙で高い投票率と効果的な投票率で、米国の干渉的な発言に断固たる対応を示すだろう」と述べ、「世界の国々は、米国内や世界各地で、米国の民主主義の結果を目にし、その苦い味を経験してきた。例えば、占領地における米国の民主主義と人権の結果は、占領、人種差別、戦争、流血、テロ活動で国際的に悪名高い犯罪者達だ」と非難したと報じました。

 西側諸国では、日本を含めて、米国が他国に対して高みから「指導」し、自分達の米国流「リベラル・デモクラシー」と一致していないと決めつけると、イランに対して行っているように厳しい制裁を科し、謀略による政府の転覆(レジームチェンジ)や、武力行使(人道的介入などと自称)するのもいとわないことに対し、ひどく甘い見方をします。暴力を見て見ぬふりをしている、といっても過言ではありません。

 しかし、イランは剛直に、米国のふるまいを凝視し、どんなに制裁されようとも、批判することをやめません。

※Spokesman Refutes US Envoy’ Interfering Comments on Iran Presidential Polls(Tasnim News Agency、2024年6月28日)
https://www.tasnimnews.com/en/news/2024/06/28/3112532/spokesman-refutes-us-envoy-interfering-comments-on-iran-presidential-polls

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■【第2弾! 3期目に就任したばかりのインドのモディ首相がロシアを訪問することを公表! 就任直後にG7イタリアサミットに出席したモディ首相のロシア訪問は、「西側の圧力にもかかわらず、インドはロシアとの関係を引き続き非常に重視している」というメッセージ!】ロシアのラブロフ外相は、ロシア、インド、中国の「戦略的三角形」強化で「我々全員が恩恵を受ける」と主張! インドとロシアの貿易は、今年最初の4ヶ月で過去最高に達し、ロシアはインドの4大貿易相手国のひとつに成長! 中国包囲のクアッド構想は吹き飛んだ!? 米バイデン政権はロシアとインドの関係強化に懸念を表明!(『RT』、2024年6月28日)

 4月から6月にかけて行われたインド総選挙で、ナレンドラ・モディ首相率いる与党インド人民党(BJP)は、単独過半数を得られませんでしたが、与党連合国民民主同盟(NDA)は、前回から55議席減らしながらも、下院全543議席中293議席と、過半数を維持しました。モディ首相は、6月9日、2014年から続く第3期目の首相に就任しました。

※農村と低カースト民が「NO」~インド総選挙で与党は議席大幅減(公益社団法人日本経済研究センター、2024年7月1日)
https://www.jcer.or.jp/j-column/column-yamada/20240630.html

※モディ首相が3期目就任、新閣僚名簿を発表(日本貿易振興機構ジェトロ、2024年6月20日)
https://www.jetro.go.jp/biznews/2024/06/76f18d78d53e8063.html

 そのモディ首相が、7月にロシアを訪問することを、複数のロシアのメディアが報じています。

 6月28日付『RT』は、元インド外務大臣のカンワル・シバル氏の寄稿記事「インド首相のロシア訪問が西側諸国に示唆するもの」で、「首相の再選後のロシアへの迅速な訪問は、重要なメッセージである。インド政府は、西側諸国の圧力にもかかわらず、長年のパートナーとの関係強化に尽力している」と論じています。

※Modi’s Moscow Mission: What the Indian PM’s visit to Russia signals to the West(RT、2024年6月28日)
https://www.rt.com/india/600122-modi-visit-moscow-putin/

★この寄稿記事でシバル氏は、「その核となるメッセージは、ウクライナ紛争をめぐるモスクワと西側諸国の関係の崩壊、インド自身の米国との親密化の高まり、そしてインドが西欧諸国との関係を重視しているにもかかわらず、インドはロシアとの関係を引き続き非常に重視しているということだ」と述べています。インドは、西側諸国とロシアの関係が崩壊しても、そのどちらとも関係を深めていく、というのです。これまで、たしかにインドはこの両天秤外交を貫いてきましたが、西側諸国とロシアとの対立が深まれば、いずれ、どちらかに傾かざるをえないのではないかと思われます。

 モディ首相は、3期目の就任直後にイタリアで開かれたG7サミット(6月13日から15日)にも出席しています。

 シバル氏は、「モディ首相は、国内での多忙な政治日程にもかかわらず、再選後のG7サミットへの参加とプーチン大統領との首脳会談のバランスを取りたかったのは明らかだ」と述べ、「彼は、インドの外交政策の方針、すなわちインドの国益を最大限に守るために戦略的自主性を維持し、すべての国と友好的な政策を追求するという決意は継続するだろうというシグナルを送ることで、インド政府の弱体化と国内での野党の強さ(総選挙で絶対多数を獲得できなかったこと)が、インドを(ロシアとの関係を縮小するようにという)西側諸国の圧力に対して、より脆弱になるだろうという認識を否定したかったのかもしれない」と論じています。

 さらにシバル氏は、「モディ首相の早期モスクワ訪問は、BRICS拡大という、より広い文脈においても重要である」として、次のような考えを示しています。

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■【第3弾! ジョージアで成立した「外国の代理人」法を受け、EUのボレル外交安全保障上級代表が「財政支援の停止を検討する」「(EUへの)加盟手続きは進まないだろう」と表明!】法案審議中の5月23日には、ジョージアのコバヒゼ首相が、EU委員から、スロバキアのフィツォ首相の暗殺未遂に言及して「暗殺の可能性をほのめかされ『恐ろしい脅迫』を受けた」と明らかに! EUによるジョージアへの揺さぶりは、クリミア、ダゲスタンのふたつのテロ事件と関係がある!?(『ロイター』、2024年6月25日)

 旧ソ連邦構成共和国のひとつで、ザカフカス(南コーカサス)のジョージア(旧グルジア)で、今年6月3日に、外国から資金提供を受ける団体を規制する「外国の代理人」法(スパイ法)が発効したことを受け、EUのボレル外交安全保障上級代表が、6月24日、この法律が、ジョージアのEU加盟への障害だと表明しました。

 6月25日付『ロイター』は、ボレル氏がEU外相会議後に記者団に対し、「我々は(ジョージアへの)政治的関係のレベルを引き下げ、財政支援の停止を検討する」「ジョージア政府が方針を変更しない場合、(EUへの)加盟手続きは進まないだろう」などと述べたと報じました。

※EUがジョージア財政支援凍結を検討、スパイ法は「加盟に障害」(ロイター、2024年6月25日)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/E22Y5C2XWNIZJEDFAAS7FLSXWE-2024-06-25/

★ジョージアは、EUへの加盟を正式に申請しています。

 「外国の代理人」法は、資金の20%以上を外国から受け取る組織(NGO、メディア、個人)に「外国勢力の利益を促進する団体」として登録し、寄付者を明らかにすることを義務づける、という内容です。

 ボレル氏は、「現在のジョージア政府は、EUと距離を置こうとしている」と述べ、EU加盟27ヶ国のうち、ハンガリーを除く26ヶ国が「同じ見解だ」と表明したとのことです。

 ジョージアでは、「外国の代理人」法案に批判的な野党支持者らが、国会での法案審議中から、首都のトビリシなどで、大規模な抗議デモを行ってきました。反対派は、「この法案は、ロシア政府が市民社会への弾圧に利用している法律をモデルにしている」と主張していました。

 法案は、5月14日にジョージア議会で、賛成多数で可決されましたが、フランス出身のサロメ・ズラビシュビリ大統領が拒否権を発動。しかし、6月3日に、議会で過半数の支持によって再可決され、パプアシビリ議会議長の署名により、成立しました。

 ジョージア初の女性大統領であるズラビシュビリ大統領は、「親欧米派」ですが、議会は、親露派の与党「ジョージアの夢」が過半数を制しており、議院内閣制であるため、実権はイラクリ・コバヒゼ首相にあります。

※ジョージア、「外国の代理人」法案を可決(CNN、2024年5月15日)
https://www.cnn.co.jp/world/35218924.html

※ジョージア、「外国の代理人」法が発効(NANA EUROPE、2024年6月4日)
https://europe.nna.jp/news/show/2665697

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 それでは、本日も1日、よろしくお願いします。

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IWJ編集部(岩上安身、尾内達也)

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